ジャンクのカブ(オートバイ)をつかませれて意気消沈していたムーも、持ち前の忘れ
っぽさがフルに生きて、何事もなかったように今日も一日を過ごしています。


そんな中・・・

コトロー「イライラ・・・イライラ・・・」


ムー「コト、どうしたむ?何をいらついてるむか。」

コトロー「ムー伯父、お菓子とジュースが届かないコト!」

ムー「あぁ、生協に注文してたやつか。」

コトロー「そうコト!遅いコト!」


ムーミン達は自分の食べたいものや飲みたいもの消耗品は生協に注文して
宅配してもらえる生協の「トドック」というサービスを利用しているのです。
コトはどうやらそれの配達が遅いことに怒っているようです。


ピンポーン


コトロー「まったく。やっときたコト。」


トドック~・・・トドック~安心~トドック~


配達のひとの声でしょうか、どんどん声が大きく聞こえてきます。


トントン  宅配サービストドックです~


ガチャ


ムーのムーミン谷復興の物語(著者:札幌スイーツ評論家ムー)

コトロー「遅いコト!今何時だとおもうてるコト!」

トドック「はい、ちょうどPM9時になります。」

コトロー「そういう意味じゃないコト! こんな時間までおくれてどういうつもりだって
言ってるコト! ふざくんなコト!」

ムー「まぁまぁコト、ちゃんと着いたからゆるしてやるむ。 で、商品はどこむ?」

トドック「そこにおいてあります。」

コトロー「ったく。 わかったコト。 ごくろうさんコト。」

ムー「今週はもう注文ないから帰っていいむよ~ おつかれさんですむ~」

ギィ~  ムーはドアをゆっくり閉め始めました。

ガシュ!!!


ムーのムーミン谷復興の物語(著者:札幌スイーツ評論家ムー)

ムー「うおっ  な、なんむ!」

コトロー「なんコト! 」

トドック「ちょ、ちょっと待ってください! 話を聞いてください!」

ムー「な、なんむ・・・」

トドック「いえね、今日配達が遅れたのはほかでもない、のっぴきならない事情が・・・」

ムー「なんむ・・・はやくかいつまんで話してむ・・・ あんた怖いむ・・・」

トドック「実は私、会社でミスばかりしてまして・・・ 次ミスしたらクビだと・・・」

ムー「そうですむか、じゃ、次気をつけてむ。 はい、聞いたから帰ってむ。」

トドック「その次ってのを今日やってしまったんです・・・ ポテチの配達だったんですが
のり塩とうす塩を間違って配達してしまいまして・・・ お客様がカンカンに・・・」

コトロー「おまえ馬鹿だろ?」

ムー「これこれ、口が悪いむよ。 まぁなんか大変そうむね、立ち話もなんだから
中はいるむ。」

トドック「え! いいんですか! じゃぁ遠慮なく!!!」

ドーン!


ムーのムーミン谷復興の物語(著者:札幌スイーツ評論家ムー)
ムー「あいたたた・・・  もうちょっとゆっくり・・・」

コトドック「おかーたん、ここが新しいおうち? OKでたの? ごはん食べられるの?」

コトロー「!!!!」

ムー「あ、あんた! なんむ!そのちっこいあんたそっくりの!」

トドック「見ての通り、私の娘です。」

ムー「あんた、子供連れて仕事してるむ?てか、あんたメスなんだ・・・」

トドック「いえ・・・普段は・・・ それとこの白い肌、みまがうことなき女子ですよ。」

ムー「じゃなんでちびっこ連れてるむ?」

トドック「私達は生協に住み込みで働いてまして・・・」

ムー「そ、そうですむか・・・ ムーの知ったことじゃないけど・・・」

トドック「先ほどクビになったところまではお話しましたよね?」

ムー「はい・・・お話しされましたむ・・・ 」

トドック「かいつまんで言いますと、私達、家がないんですよ。ホームレスです。
ホームがレスです。」

ムー「は、はぁ・・・」

トドック「クビにはなったものの、最後の配達分の給料は前払いでもらっていたので、
最後の配達はしろと言われまして。」

ムー「それがうちだったわけですむね・・・」

トドック「そうなんです。クビを宣告され、家を追い出され、一服いれて、それでもクビを
撤回してもらえないか頼んでみて、そして断られ、一服いれて、ちょっと寝て、おきて、
一服してきたんです。こんな時間になるのも仕方ないでしょ?でしょ?」

ムー「なんか一服が多いですむね・・・」

トドック「そこでだ。 最後の配達先に望みをかけてみようとおもったわけ。」

ムー「いつのまにか敬語でもなくなってますむね・・・ で、望みってなんですむ?」

トドック「いやだなぁ、この家にお世話になるってことですよ~」

ムー「えええええええええええ」


ムーのムーミン谷復興の物語(著者:札幌スイーツ評論家ムー)
コトドック「おかーたん~おなかすいいたよ~ あたたかい布団でねたいよ~」

トドック「お~よしよし。 今ね、おかーたん、このカバさんとお話してるの。」

ムー「ピク・・・カバ・・・だと?」

トドック「そういうわけでこんなか弱い母子家庭を見捨てられないでしょ?カバさん。」

ムー「もう一回カバっつったら殺すぞ。 ムーだ、ムーの名前はムーだ!んでカバじゃね!
ムーミンだ! 大事なことだから二回いうぞ、カバってもう一回言ったら殺すかんな!」

トドック「お~こわw 男のヒステリーはみっともなくってよ!」

ムー「いわせておけばぁぁぁ!!!  コト! ムーの武器、フォークをもてぃ!!!
このどぐされ犬どもぶっころしてくれるわ!!!」

コトロー「了解!コト!!!」


待てぃ!!!


ムー「しゃ・・・しゃちょー  いつのまにいたむ・・・」

しゃちょー「この子達はうちの子にします。」

ムー「え?え?  しゃちょーぬいぐるみ増やすに嫌だっていうてたむ! 」

しゃちょー「だからといってこの子達を外にほっぽり出すわけにはいかないでしょ。」

ムー「でたよ・・・ 弱いものに滅法弱いしゃちょーの悪いクセが・・・ 」

しゃちょー「あんたたち、うちはムーミンばっかりで、しかもクセの強い馬鹿ばっかり
のムーミンしかいないけど大丈夫かい?」

トドック「大丈夫です!」

しゃちょー「よしわかった!あんた達さわり心地もいいからしゃちょーの枕になんな!」

ムー「い、いいの・・・ 人事とか通してないけど・・・」

しゃちょー「ここは私の会社だよ? 社長が社員を直接雇って問題でも?」

ムー「いや・・その・・・ ワンマンはどうかなーとか・・・ 専務も知らないしなーとか・・・」

しゃちょー「うるさいよ。」

ムー「はい・・・」

トドック「それではカバさん、親子ともどもよろしくお願いしますね!」

ムー「カバじゃねーっていってんむ! この馬鹿犬!」

トドック「わたしも犬じゃありませんよ~ こう見えて白熊なんです!」

ムー「なんだよそれ・・・ トドックのドックってなんだよ・・・ 犬じゃないんかい・・・」


こうして北海道では超有名なコープ札幌のキャラクター「トドック親子」が入社しました。
ここ何年も社員が増えなかったカンパニーにも新しい風が吹き込んだようです。

はてさて、ムーの嫌いな熊がまた増え、今後どういう風にムー達にからんでいくのでしょ?

それでは今回はここまで。

次回に

乞うご期待!!!