13. 術中迅速病理診断の結果
手術開始から約10時間経過した午後6時半。手術が無事終了した旨連絡があり、ICUで面会する前に主治医から術中迅速病理診断の結果を聞きました。手術について ・可能な限り摘出済腫瘍細胞の確定は困難 ・髄膜種、グリオーマまたは悪性リンパ腫 ・グレードとは今後の治療 ・長い治療になる可能性手術についてー可能な限り摘出済ー• 可能な限り摘出した方が良いと判断し2方向からできる限り腫瘍を摘出済• 血管を巻き込んでいるためかなりの出血はあったが輸血するには至らず腫瘍細胞の確定は困難ー髄膜種、グリオーマまたは悪性リンパ腫ー• 報告書に書かれていた言葉は「確定困難」• 極めて異例の難症例• 細胞の増殖速度がかなり速いらしい• 現時点で考えられる病名は グレード3の髄膜種 髄内病変であればグレード3以上のグリオーマ 悪性リンパ腫• 早ければ数ヶ月で再発の恐れも• 今後時間をかけ病理組織学検査(病理検査)を行うことで腫瘍細胞が確定するーグレードとはー● 脳腫瘍は希少がんのひとつ● がんは進行度をステージで表し、脳腫瘍はグレードで表す● グレード1=良性腫瘍● グレード2=低度悪性腫瘍● グレード3=中等度悪性腫瘍● グレード4=高度悪性腫瘍参考サイト:脳腫瘍について, さまざまな希少がんの解説脳腫瘍は150種類以上あり非常に複雑なため、同じグレードでも腫瘍細胞により生存率や治療法が大きく異なります参考サイト:脳腫瘍(成人)について今後の治療ー長い治療になる可能性ー• 1週間ほどで出る病理診断の結果により治療法を確定する• 術中病理診断で出たグレードが病理診断で低く(1とか2に)なることはほぼない• 悪性のため放射線治療を受けることになる• 30回程度の照射のため入院は6週間延長• その後通院で抗がん剤治療を受ける• 上記確定ではないがこの流れになる可能性が高い脳腫瘍については毎日のようにネットで調べていたので、結果を聞いた時にはそれがどれだけ深刻な状態なのかすぐに理解できました。それと同時に、これだけの手術を乗り越えた夫のこれからを思うと、胸がしめつけられる思いでした。夫は良性の脳腫瘍で術後2週間ほどで退院できると思って(信じて)いたので、一時退院までこの結果は報告しませんでした。