キタテハ
冬の蝶カリエスの腰日浴びをり 波郷
蝶群がり甘藍畑きしりをり 波郷
甘藍=キャベツ
黄立羽蝶をとめし土塊傲るなり 波郷
黄立羽蝶=キタテハ
傲る=おごる
枯葎蝶のむくろのかかりたる 風生
葎=むぐら。広い範囲にわたって生い茂る雑草。また、その茂み。カナムグラ、ヤエムグラなど
4句のうち、2句目はモンシロチョウとみてよいですが、他の3句は偶然ですがキタテハを想定することもできます。キタテハは成虫で越冬しますし、食草はカナムグラです。
俳句における文語(古語)助動詞「をり」「なり」「たり」「けり」について、森器さんのブログとあき坊さんのブログに、詳細な分析と解説の記事が掲載されました。
例句も多く、なかで蝶を詠んだものを挙げてみました。
最後の句の末尾は「たる」と、「たり」の連体形になっています。
原記事は、質量とも大変充実しているので、そのままリブログさせていただきました。
追加