Tee監督の『Don't Be Too Emotional』を観ました。
2026年9月現在、楽天TVにて購入できます。そちらのタイトルは『ジェーン・パトリックの功罪』です。
しかし私はIQIYIのVIPに入って観ました。

 

私、この作品は2026年度タイドラマの中で暫定ベスト5位圏内かも!

とにかくいろんな人にお勧めしたい!

楽天TV購入がハードル高いなって方は、VPNなしで観られるIQIYI JAPANで観るのがおすすめです。日本語字幕付きです。但しVIPでないと観られませんがそれほど高くはないと思います。

 

この作品をネタバレなしで紹介したいと思います。

 

『Don't Be Too Emotional』

2026年6月~9月配信 全12話

●監督
Tee Bundit Sintanaparadee
●メインキャスト
ジェーン・パトリック:Tee Boonyakiat Wongsajaem
ジェーンアーリー:Heng Thatpong Rojsangruang
●サブキャスト

ダン先輩: Donut Phattharapon Dejpongwaranon 

プット:  Korn Pala Chayutnitiroj

 

あらすじ

サッカーとイラストを描くことが大好きな大学2年生のジェーンアーリー。彼は、高級車に乗り、先輩たちが存在を異様に恐れている大学4年生ジェーン・パトリックを知ることになる。またたく間にジェーン・パトリックに惹かれていくが、友人プットらから「彼は非常に危険な男らしい。絶対に近づくな」と言われる。様々な人が彼と契約を結び、結んだ人々はその後に大きな代償を払わねばならないと噂される、謎に満ちた男、ジェーン・パトリック。ジェーンアーリーはその悪魔と契約を交わすのか・・・?

 

OST 「Color blind」

ドラマのOP、他、挿入歌としても使われるのが、PERSESのJungとGeniepakが歌う「Color Blind」

君は危険だとわかっているけれどもあらゆる境界を越えてしまいそうになる、という内容を煽情的に歌っています。

この曲がこのドラマの全体像をよく表していると思います。

 

 

キャストについて

サブキャストのプットは、『Playboyy』の主演の一人です。私は、多分未完となりそうな問題作『Playboyy』のキャストはもれなく推したい気持ちなので、Kornくんの出演がとても嬉しかったです。Donutさんはオープニング映像では一瞬、GMMのNanonと見まごうような笑顔の持ち主。Donut・Kornの主演で新作に出演するそうです。

さてメインキャストで、悪魔的な魅力と謎を持つジェーン・パトリックを演じたTee。

彼はなんと現在32歳の現役のサッカー選手だそうです! そんなことありえるの?Tee監督の事務所、Dee Hup Houseで長くワークショップにつき、今回の出演となったそうです。キャリアを積んだ堂々たる俳優にしか見えないんですけど?!

そしてそのジェーン・パトリックに翻弄されるジェーンアーリーを演じたHeng。彼は現在24歳で主演はこれで3本目。若手俳優ですが、この作品を観ているうちに彼の演技力に驚かされます。

 

ちなみにIQIYIで視聴するとBTSやリアクション動画も観られるのがとてもいいですね。

作中、特に前半では大学生になったばかりのジェーンアーリーを演じるとてもかわいいHengですが、リアクション動画では24歳の割には落ち着いて堂々とした男性。

そして、何を考えているのかわからないような不気味さをたたえたジェーン・パトリック役Teeさん32歳のほうが、リアクション動画では表情がかわいくてキャッキャした印象です。こういうのが観られるのもリアクション動画の面白さですね。

 

 

Tee監督について

次々とヒット作を生み出しているTee監督。代表作と言えば『愛の香り』や『Jack&Joker』などもありますが、この作品を観るにあたって思い出してほしいのは『TharnType』と『LovelyWriter』です。

MewGulf,そしてKaoUpという大人気CPを生み出した作品ですが、この2作品に共通するのは、いきすぎた愛情が暴力に変わるさまです。

『TharnType』では、Tharnのことを長くひそかに思い続けていた同じバンドメンバーのLhongが、ずっとTharnの友達として傍にいながら、Tharnと付き合う少年たちをことごとく罠にはめていきました。Tarに対しては数人の男にレイプさせるという卑劣な手段を使ったうえ、更にはTypeと付き合うTharnにあえてTarと会わせるという、タイBL史上、屈指のヒールです。

そのLhongは最後に「僕はずっと君のことが好きだったのに、どうして僕を見てくれないんだ」と言って泣くのです。

『LovelyWriter』では、Geneに横恋慕していた俳優のAoeyの策略に満ちた行き過ぎた愛情、そしてBL作品を取り巻く私たちファンによる愛情がGeneとNubsibのCPを追い詰めていくところまで描いていました。

BL作品の多くは、愛のキラキラしている部分、切ない部分、そして愛情によって誰かが救われるところなどを描いていますが、Tee監督作品では、愛情におけるブラックな部分に対してしっかりとフォーカスを置いているのが私が好きなところです。

 

「ジェーン・パトリックの功罪」は非常に秀逸な邦題

私はこの作品を見進めていくうちに何度も頭の中で「ああ、まさにジェーン・パトリックの功罪だ」と思いました。

功罪。「良い点と悪い点」という意味です。

この作品の中で、彼は自分にとって良いと思って選択した様々なことがあります。しかしそれがひとつひとつ、彼には大きなデメリットとなって返ってきます。最初はそれは大したことではないと思えるようなことでした。しかし・・・。終盤につれ、彼がジェーンアーリーのためだと思ってしたことが、どのような形になって彼の前に突き付けられたか、という部分に息をのむような思いで観ていました。

原作は韓国の小説らしいです。まさにそんな感じですね!

 

現時点ではとりあえず、楽天TVで無料第1話を見てみてみてー--!

俳優・監督・演出共に全部おすすめです!

『When Oranges Fall』観終わりました。

実際には2か月ほど前に終了した作品です。

『Love Sick 2024』でCPで主演したのち、GMMTVに参加したAlmondとProgress。そしてほかの若い俳優たち。

もうそんなに若い子を覚えられません~アセアセ

そしてもう高校生の恋愛の物語は私にはとても感情移入できないでしょう?と思って観る予定はなかったのです。

ところが配信見放題の作品で人気はあるらしい作品なんですが、昔の少女漫画のような「クールでスパダリの攻め×甘くてドジっ子な受け」という構成で、且つテンポが悪い作品などをいくつか観て、本当にげんなりしてしまったのですよ・・・。

それでふとこの作品を思い出し、少しだけ観てみたら、実はもう最初の数分で惹きつけられてしまったのです。

全体の色合いや田舎町の風景、そして登場人物たちの魅力に。

 

この作品は2000年という時代設定から始まります。

もしかしたら監督であるNew監督の青春時代と重なるのかしら・・・。

そう思っていたのですが、時代をここにしたのは、「携帯電話が普及していない時代」だからなのだと思いました。

誰かと急に連絡が取れなくなったら、ただヤキモキし、不安を募らせながらも待つしかなかった時代。

今のようにスマホが普及している時代とは約束の価値観が違っていたように思います。

そんな時代を生きる高校生の男の子たち。

時間はゆっくりと入学したばかりのころから始まり、2年、3年と移っていきます。

彼らはおしゃれにも無頓着で、オーガーとオーガストのふたりは親が選んだ揃いの服を毎日着ている、という設定もなんだか可笑しい。そんな子供みたいな彼らが少しずつ成長をしていきます。

好きだったことは将来やりたいことや進みたい道に続いていき、そこを目指そうとしていきます。

それが見つからない子は、そんな中で取り残される恐れを抱いていきます。

それは、私たちも知っている感情ではないでしょうか。

どうしてこの仲間とずっと、この心地いい場所のままで生きてはいけないのか。成長なんて必要なのか。

こどものままでいたいコーヌンはそう思います。

 

高校生の恋愛なんて、続くのかなあ。そんなことを彼らよりもずっとずーっと年を重ねた私たちは思います。

どんなに今は唯一無二の相手でも、高校を卒業して別の大学に行き、別の町で暮らしていたら、そこにはまた別の魅力的な人が現れて恋をするのではないかしら。

多くの現実はそうであり、だからこそこれはフィクションなのに高校3年生も終わりに近づいた彼らの、特にこどものままでいたいコーヌンはどうやってこの時期を乗り越えていけるのかをじっと見守るような気持ちで観ていました。

 

高校生モノと言えば、これもなんの予備知識もなく観た『My School President』が忘れられない名作となったように、この『When Oranges Fall』も、彼ら俳優たちの瑞々しい演技と共に記憶される不朽の作品ではないかと思います。

2026年に観た作品の中でかなりの上位に入る作品です。

おすすめです!


 

 

 

『 When Oranges Fall 』

監督  New Siwaj Sawatmaneekul

キャスト

コーソーン:Almond Poomsuwan Suwansatit 

コーヌン:Progress Passawish Thamasungkeeti 

オーガー:Ken Kanthee Limpitikranon 

オーガスト:Justin Justin Angus Moi 

アチ:Paul Tanan Lohawatanakul 

 

2026年5月~7月放映

全12話

うちにいらっしゃる方が結構この作品を勧めてくれたんですよ。

主演のAlmondとProgressは『Love Sick 2024』に出演後に二人そろってGMMTVに入社した10代の男の子たち。

いやーそんな若い子の、しかも高校生のお話デショー?もうアタシにはいいんじゃないかしら・・・と思ってたんですよ。

正直、メインのこの5人、ほぼ知らないし・・・。

しかし評判は確かにいいので、放映終了から1か月経ってますが、ではではちょっと観てみようかな・・・と。

で、1話、少し観ただけで、『これ、すごくいいんでないの!』と思えてきました。

1話、そして2話もオープニングは長回しから始まってます。

そして海に近い田舎の物語なのですが、全編どこか夕暮れのような優しいアンバーの色調。どのシーンも光の差し込み方が美しいです。そしてドラマの背景に流れるBGMもとてもよくて、え、監督は誰誰?と思ったら、ここ最近GMMで若い男子たちのドラマを製作しまくっているNew監督ではないですか!

時々ここ最近のNew監督は、CPの受け側がかわいすぎるなあとかテンポがあまりよくないなあと思う点があったのですが、『My Romance Scammer』に引き続き、これもNew監督の面目躍如といった作品です。

私の個人的意見ですが、New監督作品でのCPの受け側かわいすぎは、Progressがとても癖が強くて、更にいきいきと演じているので魅力となっています。

特に私は、ちょっと変な顔の子が好きなんですよね。

ProgressとかKenとか、微妙に癖の強い顔になぜだか目が離せません。

16歳という思春期を過ごす男の子たちを、とても繊細に描いている作品です。

今、私は第5話を観ている最中なんですけれど、またこんな素敵な作品に出会えた喜びを書き留めておきたくて、急いでこれを書いています。

非常におすすめ作品です!

『Mr.Kill』が最高ー-!

 

正直、私はブログは少しだけ時間をかけて落ち着いて書きたい派なんですけど、あまりゆっくり書いてる時間が取れないけれども最終回を目前とした今のうちにとにかく叫んでおかないとと思って書いてます。

 

『Mr.Kill』、そして何よりDew最高! や、DewとTee、最高ー-!!

 

Dewはいつからこんなにいい俳優になったの?

これは個人的な感想だけどさ、『F4』でも優しい姿がとても良かったしかっこよかった。悪くはなかった。

それでも特に目を引く俳優とは思えなかった。特に追いたいと思わなかった。

主演だった『Leap Day』では、同じく主演のGunちゃん、Gun Atthaphanがあまりにも印象が強烈でDewが少しかすんでいた。

ところが『Burnout Syndrome』では、Gun Atthaphanを頂点として、Off JumpolとDewが美しい三角形を形成していた。これがDewにとっての初めてのBL作品だし、このときに愛のために脆くなっていく男をDewが好演していた。

『LeapDay』から『Burnout Syndrome』と続いて彼はGunやOffから俳優として何かを得たんじゃないのか、と勝手に推測している。今回の、子供時代に壮絶な過去を背負い、その理不尽に対して消えない暗い恨みや思いをひそかにマンガの中に投影したマンガ家を演じている。

彼の持つ強い不安と狂気を表した第1話なんて傑作じゃないですか!

しかも、作中のマンガはDew自身が描いてるって??

そしてTee。Teeと並ぶ姿が今までのどんな作品と比べても最高ではないですか!

この作品は厳密にはBLではありません。

でも、ブロマンス、最高ー-!

性的な欲望と接触がないだけで、このふたりのお互いの唯一感!

これは『Wu』でのSkyNaniでもそうなのですが、恋愛ベースの物語に少々疲れたこころには最高の刺激剤です。

 

でさ、でさ、この事件の犯人は誰だと思うー-?

Neo、って説もある。

私は最初からOffくんだと思ってるんだけど、「そんな最初からあからさまに怪しい人が犯人なわけないじゃないですかー」って先日、言われたのよね。でも、その犯行に至る動機に意外性さえあれば、最初から怪しいOffくんでもあり得ると思ってるんだよね。

あ、それともTee演じるPhatの叔父さんで、今度警察の偉い人になる人かなあ?

ストーリー的にも楽しみですね!

そしてあのオープニングも毎回見ちゃうし、エンディング曲もいいですよね!

 

 

『Mr.Kill』
監督  Chic Sakon Tiacharoen(『LeapDay』など)

キャスト
Dew Jirawat Sutivanichsak

Tee Teeradech Vitheepanich

Neo/Singha/Off Jumpol

 

 

 

私は実写BLドラマではタイの作品が一番好きです。

理由は、タイ作品は日本を含めた様々な国が作るBLドラマに於いて作り手の立ち位置が違うように感じるからです。

現在、様々な国でBLドラマが作られるようになりました。

どの国のどの制作会社も視聴者として圧倒的多数の女性に向けてどうヒットさせるかを考えていると思います。勿論タイBLも。

しかしタイBLの制作者側には性的マイノリティに属する人たちがプロデュースや監督として関わっていて、視聴者層を女性だけでなく当事者の人たちが納得できたり勇気を得ることができるよう作られています。そして尊厳をもって作品を制作しています。また性的マイノリティに属さない人たちもあらゆる方面に所属する人に対して敬意をもって作っている、ということを感じるからです。

様々な機会にそれをはっきりと視聴者に可視化させています。

例えば様々なインタビューで監督も俳優もBL作品を作ることの意義や、差別や偏見のない世界を目指すことの重要性を語っています。作品にもそれは如実に表れています。

そういったことに関してはタイは先進国です。

 

さて久々にFODに入り、最近ではかなり意欲的にBL作品を作っている韓国のドラマや、そして同性愛にに関してまったく不寛容である中国の作品をいろいろ見ています。

 

中国では1997年までは同性愛行為は犯罪だったそうです。1997年にやっと合法化。そして2001年に精神障害のリストから外されたそうです。しかしたびたびBL作品への厳しい検閲があり、中国に存在していたLGBTコミュニティは圧力をかけられ閉鎖させられたそうだです。

近年は特に中国の若い男性の美しさが女性的になりすぎているとして、もっと男性らしい男性という価値観を復刻させようとしています。中国で作られたボーイズグループ養成番組「ChuangAsia」も、男らしくないということで中国での制作は中止されました。

ただ、ここからが非常に面白いところなのですが、それ以降のChuangAsiaは出資は中国の企業ですが撮影はタイで行いました。

BLドラマは多くの意味を演出の下にそっと隠しながらもブロマンス作品として制作しています。

しかしその大ヒットブロマンス作品のキャストたちも、その後共演することに規制がかけられたり、または中国芸能界から封殺されたり・・・。これでは出演することさえ命がけじゃないですか。

作品が途中で配信中止になることもしょっちゅうです。

それでも!それでも中国からはブロマンス作品が次々と制作されているんですよ。それを欲する中国の同志たちとそして制作サイドに敬意を表して観るしかないじゃないですか。

というわけで2025年中国制作の『逆愛』、当時ものすごく話題になっていたこの作品をやっと観たのでした。

 

これ、ブロマンスじゃないよ!

正々堂々、完全無欠のBL作品じゃないですか!

まずそのことに感動しました!

 

以前、楽天TVで配信されたときに無料の第1話だけ観たのですが、主人公同士の衝突・格差・富裕層側の超絶ワガママと放蕩、という設定が私にはもうメンドクサイんですよ(笑)その第1話の間によほど第2話に向かわせる引きがあれば購入するのですが、その時は購入に至らずやめてしまったのです。

物語は、主人公のスオウェイは、自分は異性愛者なのだけれど自分を捨てた元彼女ユエ・ユエに復讐するためにその彼女の恋人である裕福な男チー・チョンを誘惑する、という設定です。

「本当は異性愛者で同性愛は受け入れがたいのだけれど、チー・チョンの気持ちが自分に向かうことにより、彼がかっこよく見えてきてときめくようになり」・・・という設定が、BLとしては旧式タイプだなあと思うし、正直BL最先端のタイ作品ばかり観ているとちょっと腰が引けてしまうのですよ。とはいえ、メインカップルとサブカップルの4人中、スオウェイ以外の3人がゲイを自認しているという設定にこれまでの中国BLドラマにないものを感じて視聴を続けました。

また富裕層側のチー・チョン及び、サブカプで彼の古くからの友達チョンユーにはそれぞれお付きの男がいるのですが、どちらも彼らの性志向に肯定的なところもなんだか良いのです。

物語は全24話。その中で様々な復讐を絡めつつ成功や転落、疑いや別離や愛情の交歓などその起伏の多さやエモーショナルな物語の運びなどはとても中国BLならではだと思います。見進めていくごとに中毒性を増しやめられなくなるのが中国作品の特徴です。

 

『逆愛』の後半になるあたりでとても驚いたのは、主人公たちの将来への人生設計まで描いているところです。

多くの中国BLは、古装物ファンタジーやミステリーが多く、現代モノでも学生時代だけで完結する物語だったり、またはそれがどちらかの死による強制終了だったりする作品が多かったのです。しかしこの作品では、幸せな今だけではなく、この先どう生きていくかをふたりの会話を通して描かれます。

「老後」というワードさえ登場します。そして現在の中国では認められていない結婚という言葉も。

中国BLで何よりの障壁は家族でした。

この作品でも家族からの犯罪とも言えるような妨害が入ります。

その家族がなによりも優先させるものは、結婚して後継者を残すこと。

しかしそれに反して『逆愛』では最後に家族の理解を得るのです。

現実の中国でのLGBTに対する姿勢は極めて封建的です。しかし作中で海外生活しているらしきチー・チョンの姉が封建的な両親に向かって「もうそんな時代じゃないのよ」と言います。この辺りは私は心が震えました。

最近、SNSでBLをめぐって様々な意見が飛び交っています。否定的な意見は殆ど古いBLしか知らないのでは、と思います。その中で

「BLはファンタジー」という言説を最近よく目にします。

ファンタジー。架空の世界、ということですね。

しかし同性愛者がいる世界は架空ではないのです。

中国には多くのBLを愛する人たちがいます。その中国の同志たちが例えば『逆愛』を観ることによって「もうそんな古いジェンダー規範に縛られている必要はない」と感じたり、現実にたくさんいるLGBTQの人々の権利を尊重したいとか、みんなが自由で生きやすい世界とはどういう形なのか、ということを感じることができれば、もうそれはファンタジーの域を越えて現実に繋がっていくじゃないですか。

私は、エンタメにはそういう力があると思っています。

 

物語の設定や構成が『ハイロイン』に似ているなあと思っていたら原作者が同じなんですね。というかこの原作者は2023年版『ハイロイン Stay with Me』では脚本も担当しているそうです。

どちらの作品もキャストが秀逸です。『逆愛』でもキャスト4人の笑顔を観ていると、昨今のあちこちで分断しているこの世界がこんな風に笑顔でいられたらなあと思うのです。

 

 

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2026年5月22日~24日の3日間、インパクトアリーナで行われたLOL。

なんと1日目2日目は6時間?そして最終日は7時間ですって??

これまではなんとかライブストリーミングをリアタイしてきましたが、今回の出演者の数を知り早々にリアタイを諦め、6月12日から視聴可能になったRerun視聴にしました。

以前に比べてRerun視聴までにかかる時間が長くなりましたね。

よく「りりこさん、誰推し?」と聞かれるのですが、そのたびに「ううーん・・・」と唸ってしまいます。

実を言えば私はすごく好きで、その人から発信される情報とか、その人が出ているものはすべて見るとか、関連グッズを買うとか、そういう感じではないのですよ。いいと思ったドラマは真剣に見る。その時にいいと思った俳優はその時に推す。

でもほんと、その時の作品やパフォーマンスありきで、無条件にその俳優だけを推すということはないのです。

それで実を言えばLOLも、この人だけ見たいというのがなくてすべてが楽しみ。

そして観ながらまた自分の中にある「ああ、こういうのが私は好きなんだなあ」と再発見したりするのです。

 
あと、最近のLOLの傾向として、その俳優の持ち歌ではなくいろんなタイの音楽を歌うところがいいですね。
LOLで知り、好きになったミュージシャンも結構います。
ちなみに今回の傾向としては男臭いロックが多いように思いました。
 
今回はLOLを視聴する中で「エモい!」と思ったシーンを、原曲を紹介しながら振り返ります。
視聴したのは主に3日目のパフォーマンスで、しかも1回観ただけなのでいろいろ漏れがあるかもしれません。
そして2日目終わりにSantaが負傷したそうなので3日目は彼の出演するステージだけは本来の演出とは異なっています。
それで負傷前の、2日目のSannta出演シーンのみセレクトして観ました。
とりあえず全部は書けないのでざっくりと!
 
まずオープニング曲は、毎回なんて言うかグッときますね!

 

次にBodysLamの曲をBounPrem,EarthMix,FirstKhaotungで歌うのですが、Bounくんの歌のうまさにジーンとしました。
BounPremは2人のステージでも2曲目でBodyslamの曲を選んでいるのですがBounくんののびやかな高音がとても合っててイイんですよ!
今回初参加のJossGawinが選曲した2曲も男臭いイメージです。
そしてEarthMix。
私はMixが役の中でEarthを見る表情がいつも胸に突き刺さってしまいます。いつも挑戦的に見える強い意思をもって愛情を訴えかけるような表情。観ながら思わず「うわぁ・・・」って声が出ちゃいます。
そんなふたりがTobiiの「banana」を煽情的に歌い上げました。

 

 

毎回、選曲が冴えてるJoongdunk。

そして次のForceBookが選んだ2曲もとても私好み。

そのあと、JimmySeaのステージで2曲目に選んだのは、星形の装置を使っての空中パフォーマンス。

えええー-?もうどんな筋力と体幹?

しかも芸能人かくし芸大会か??もうすごすぎる。

Jimmy先生、手を大事にしてくださいね。

今回Youngohmの曲を選ぶ人が何人もいましたね。とても流行ってるようです。

 

 

エモいと言えばFirstKhaotung。

彼らが最初にLOLに出演した年での、Firstの緊張とふたりの泣きながらの挨拶は思い出すだけでも泣けてしまいます。

そんなふたりももうそろそろ余裕かなと思いきや・・・!

選曲はTaitosmithのこの曲です。

MVはもうひたすらつらい。私は観るたびに泣いてしまいますよ・・・。

タイのロックでは貧困や絶望や親子の別れや死別をMVにするものが多い気がします。

しかしこの曲の訳詩を見たら、

諦めずに夢を追及して。疲れたら私があなたを守るからどうぞ休んで。

たとえ誰かに理解されなくても心配しないで。私がいるから。

そういう歌詞のようです。

これを歌いながらFirstくんは号泣するんだよね・・・

もう・・・そういう子だよ、彼は(私も号泣)

 

さてLOL初出演で水を得た魚のようだったのがJuniorMarkのJuniorです。

1曲目がタイの方言が入った、「君のことが好きだけど口下手で言えない」みたいなことを歌ったかわいくて楽しい曲なのよ。

そして次にPolycatの楽曲で、Juniorの高音の響きがとてもいい声が曲に合っているし、上から大量に流れ落ちる水の中で歌い、歌い終わった後に再び固く抱きしめあうJuniorMarkがまたエモさ大爆発!

 

 

最年少ながらいつも余裕の風格を漂わせているGeminiFourthは、このかわいいアレンジの曲をラップ中心にしてとてもかっこよくアレンジしてパフォーマンス。びっくりでした。

 

WilliamEstは今回も古い曲を持ってきてるのがいいよね!

LOLで私たちもすっかりルークトゥン大好きになっちゃったよね?!

 

さてさて、PerthSantaです。

1曲目が激しい高速ラップのIRONBOYの曲。ちなみにIRONBOYも今回、何曲も使われています。

3日目は杖使用で頑張るSantaでしたが、さすがに2日目のパフォーマンスは見事でした。

そして2曲目。

私はこの原曲を聴いたときに、この難曲はWilliamが歌うのだろうと想像していました。

独特のこぶしの入った歌い方に複雑なメロディ、これを歌いこなせるのはWilliamか、と。ところがこれをPerthSantaが歌い切りましたね。しかも強い絆で結ばれた二人が最後に共に斬首されるというなんとも壮絶な演出で、これはねー、もう泣きましたよ。。。

原曲も後半に向けても盛り上がりがエモいので聴いてください。

 

PondPhuwinは、Phuwinもダンスすごくうまくなっててびっくり!ふたりにピッタリのPERSESの曲のあと、ルークトゥンを選んだふたり。Phuwinがまためっちゃ楽しそうなんだよね。

 

後半も近づいたころ、かっこいい曲が数曲続いた後で、こちらも曲自体はかっこいいSO COOLというユニットの曲を、黒づくめのDunk・Fiest・Mix・Mark・Est・Jossの6人で。全員ノリノリです。しかもDunkがきれいな顔はそのままでこういう微妙に変な動きとかがめちゃくちゃうまい。天性だね。何度見ても笑えます。どうやら毎日、キメのポーズ変えてたりしててどの回も楽しめるみたい。

そして最高に印象強かったのがGemini・Phuwin・William・Boun・Junior・Book・PerthでJOKEiSCREAM+BANGKOKBOYSの曲のパフォーマンス。3日目のGeminiはもう最ッ高ですが、Juniorもノリにノッてるし、Phuwinが長い脚でめっちゃ足パカパカさせてるのも笑える。特に3日目はみんなそれぞれ小道具も持ち込んでてハジけてます。原曲聴きながら思い出してー!

 

 

FREEHANDの曲を歌がうまいKhaotungやPhuwin、Sea、Boun、Perthが熱唱するのもよかったし、今回はK-POPからはSHINeeも。そしてGEMINIの新曲「Dangerous」に続いてBTSの「Run BTS」は見応えのあるダンスでよかったです。

 

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実はもう時間がなくて最後のトークとか一切見てないんですよね・・・。

但し今回は、英語字幕は今までに比べてはるかにタイムロスなく出てきたし、CPごとにセレクトして観られる機能もついたみたい。

しかし本当に見る時間がなさすぎる・・・

 

LOL観て思うのは、このステージを作るのにどれほど事前に練習したのか。
そして3日間のハードな本番。
これだけ楽しませてくれて翌日にはもう新しい仕事が。
今回のLOLで、「なんでこの二人は出ないんだろうと」思うCPもあるし同時に「人数多すぎ」とも思うけれど、見終わるとまったく不要な人などいない。全員がとても良かった。

このステージに立つ彼らは全員が容姿がよく、才能があり、努力家で、野心家で、それでもまだそれだけではない何かを持っている。それが「スター」というものなのか・・・とその姿に圧倒されつつなんだか泣けてくるわ・・・。

以下が出演者と原曲のミュージシャンです。

 

 

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ホントのこと言うとこの作品の制作が発表された時のティザーを観た時はこの作品にそれほど期待をしていなかったのです。始まってからもしばらくは観てなかったし、観ようとも思ってなかったんですよ。ところが皆さんが高評価を下してるのを聞いて・・・。見始めたら加速度的に良くなってきました。

 

『Love You Teacher』

●監督・脚本

Dome Jarupat Kannula(『Peaceful Property』『MuteLuv【Pern・Nani・Prem回】』など)

●キャスト

Pobmek:Perth  Tanapon Sukumpantanasan

Solar/Sun:Santa Pongsapak Udompoch 

Jee:Kay Lertsitticha

Sodchuen校長代理:Sammy Samantha Melanie Coates 

 

2026年3月~5月

全10話

2025年5月現在Youtube視聴可

 

あらすじ

同じ小学校の教師であるPobmekとSolar。彼らは大学時代のルームメイトであり、その頃からの恋人同士。

そこに新人教師として赴任してきたのはJee。幼馴染であり、子供のころから優秀だったJeeはPobmekの劣等感の根源でもあった。そのため一層憂鬱になるPondmek。しかも彼は元来、子供好きではなく、あまり仕事熱心な教師とは言えなかった。

対してSolarは子供たちからの信頼も厚い。

しかしそのSolarが交通事故に遭い、目が覚めると彼はSunという7歳児になっていた。

 

丁寧なキャラクター設定

この作品は、監督Domeさんが脚本も書いています。そのせいもあってか、キャラクター設定が丁寧な感じを受けました。

PobmekとSolar、明るい恋人同士の彼らが、ルームメイトだった大学時代にどのように気持ちを通わせ、恋人になっていったのかを現在の状況と交錯させながらゆっくりと描いていっています。

その中でPobmekが誰にも言わずに抱えていた心の闇も少しずつ見えていきます。

Pobmekの心の中には、過去の母親との関係性で生まれた苦しみが楔となって突き刺さったままです。そして現在、優しくてなんでもできる恋人だったSolarが一日おきに7歳児のSunに変わり、その面倒を見る日々の中で疲れ果てていくのですが、その辛さが限界に来るまで我慢してしまうのです。

Solarはなぜ、Sunという子供に戻ってしまうのか。そこにSolarすら覚えていない過去の出来事があり、それがゆっくり解き明かされていきます。

SantaのSolarとSunの演じ分けもとても良かったです。

いつしかPobmekの心の中には、SolarだけでなくSunも、かけがえのない大切な存在になっていきます。それは観ている私の心の中にも同様です。

この作品は10話ありますが、物語をPobmekとSolarの物語だけに絞って丁寧に描いていったところも評価が高いです。

 

こどもの夢のようなカラフルな「学校」

思い返せば私のころの学校はコンクリート色。カラフルな場所などどこにもありませんでした。

そして先生たちのほとんどが地味な服、または上下ジャージでした。派手な服は禁止されているかのようでした。

この作品の設定は小学校です。しかしそこは私立の幼稚園のようにカラフルで夢にあふれています。

職員室や校長室もそうです。

さらには、Sammyちゃん演じる校長代理の服装は毎日夢にあふれていて、そこには威圧感や権威などは無縁の世界です。

たまにはスーツをベースにしたものもありますが、そこには肩から袖にかけてふんだんにフワフワしたレースが使われていたりします。

こどもたちに学力や体力や向上心をつけさせて責任感を学ばせないといけない。

しかしそこに威圧感や権威は必要ないのではないか、と語っているかのようです。

ここで描かれる「学校」には怖い大人や会いたくない人はいなくて、怖い場所でも行きたくない場所でもないのでしょう。

なんていう素敵な描かれ方なんだろう、と思います。

 

 

 

GMMTVが目指すのはストレスのない作品なのか

本当に最近のGMM作品は、ストレスが少なくて優しい作品が多いと思います。

ラスト近くに敵が現れて大変なことになる・・・!と思ってたらいつのまにか敵は消失してたとか(『That Summer』)、倒すべきラスボスは巨大な財力と権力を持つ家族!それにどう打ち勝つのか!と思いきや、めっちゃいい理解者だったとか(『Me And Thee』『MyRomanceScammer』)結構ストレスを排除した作品が多く、その分、愛情の先にある信頼や許しをテーマにした作品が多いように思います。

この『Love You Teacher』もまさにそうです。

お互いへの愛情は確固としていて、とくに嫉妬してウダウダする回などはありません。

しかしそれ以上にこどものころに受けた傷に対して、どう対処するのか。

Pobmekが許せなかったことを母親に伝えるシーンがとても印象的でした。

様々なことを抱えて疲労する彼を支えるSolarや、JeeとSodchuen校長代理のシーンも忘れ難いです。

さらにSolarが過去を知り、Pobmekに支えられつつそれを受け入れていくシーンも。

これは決して派手な作品ではないけれど、もしかしたらとても静かな名作なのではないか?

 

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最近ではよくこの『Love You Teacher』を人にお勧めしたくなっています。

そういえばGMMに来て以来、わりとクズ男役が多いPerthなんですけれど、これはもう『Love By Chance』に次ぐ彼の代表作になるんじゃないかな? Santaの二役もほんと見事!

 

 

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2026年2月から4月にGMM25で放映された『My Romance Scammer』について書きます。

この春、うちの店にいらっしゃるお客様の間でも「JuniorMark」という言葉が飛び交っていました。

『My Romance Scammer』

●監督

New Siwaj Sawatmaneekul

●メインキャスト

Tim:Junior  Panachai Sriariyarungruang

Pai:Mark Jiruntanin Trairattanayon 

Yu:Ohm Thitiwat Ritprasert 

North:Poon Mitpakdee 

 

2026年2月~4月

全12話

主な視聴方法 Youtube (2026年5月現在)

 

あらすじ

PaiとNorthは、億万長者であり巨大ショッピングモール等を経営する富豪の家系に属するいとこ同士である。

優秀で子供のころから祖父の高い期待を受けていたPaiは若くして家業の中で大きな責任を任されていた。

優しい性格ではあるがなにかにつけて甘くなかなか仕事の成果を出せないNorthは祖父からの溺愛を受けている。彼は友人のカフェに出資している。

そのふたりが偶然にある男と出会う。Paiは有名建築家だと名乗るTimに。Northはハイキングに出かけた山の中で、川に落ちた彼を助けてくれたYuに。そしてそれぞれは瞬く間に恋に落ちる。

しかし、Paiも、Yuも、結婚詐欺師だったのだ。

     

キャストの良さ

この作品で多くの人が絶賛するのはキャストの演技力の良さだと思います。

ものすごく均整がとれた体の上に整った顔を持つ、大きな瞳がポイントのMarkを好きになる方も多いようですが、私はJuniorの演技力の高さに驚きました。

騙しているときのPaiの前で見せる優しさや包容力のある演技と、詐欺師であるときの顔、そして詐欺師であることがバレた後に見せる本当の顔。そのあたりの差を演じ分けています。派手な演技をするわけではないのですが、何故かTimが見せる様々な表情に惹きつけられてしまいました。

Juniorは2016年のNadaoの作品『I Hate You, I Love You』でデビューした29歳です。

『Until We Meet Again』から観ていたOhm。彼はぶっきらぼうな役柄が多いのですが、今回はお得意の落ち着いて男らしい雰囲気に加えてとても柔らかい表情やコミカルな演技も見せてくれました。これはもしかしたらPoonくんに拠るところがあるのではないか?なんて思ったりします。

Poonは2019年からいくつかの作品で「主人公の友達役」で登場していたのですが2024年にGMMに入りました。今回のNorthというキャラクターは、かわいくておバカな男子でありややもすれば甘くなりすぎて共感を得られにくい役どころではないかと思うのですが、Poonがかわいさの中に誠実さなどが見え隠れしていて、とてもいいバランスでNorthを演じているように感じました。

多くのNew監督作品は、登場する2CPが「はい次はこちら。それをちょっと見せて今度はこちら」という流れになっていて、ストーリーの進みが遅く感じることが多いのですが、今回はこの4人の関係性がとてもうまくミックスされていて、きちんと4人の群像劇になっていたところがとても良かったです。

 

最近のGMM作品は「優しい」

この作品の中に、財産を巡っての熾烈な駆け引きや陰謀、騙され傷つけられたことに対する怒りと復讐、そういったものを少しでも期待した人にとっては非常に残念で物足りない作品だと感じられると思います。

この設定の作品では、そこに物語を持って行く要素は幾つもありました。

彼らメインキャスト4人が抱える背景は、それぞれに過酷であったし、孤独でもあったと思います。

そういったことには多少なりとも抵触してはいます。

しかし、騙した側はどうやって自らの愛情を信じてもらえるのか。

そして騙された相手は、それを許すことはできるのか。

そこにフォーカスを置いた作品だと思います。

最初の1話からTimとYuがそれぞれ詐欺師であるということを明らかにしているため、物語の中盤までは非常にハラハラします。PaiとNorthが幸せであればあるほど、その後訪れるだろう悲劇がどう描かれるのかも注目ポイントでした。

しかし、愛情を信じることの難しさを描きつつ、とても優しい作品になっていたと思います。

 

サムネイル
 

気になるところと言えば、Paiの両親はなんなの?とか、祖父のPaiとNorthに対する接し方の違いの理由がもっと描かれてたらなあとか、そゆことはあるんですけどね。

でもおすすめ作品です。

 

ウォン・カーウァイの映画は観るたびに何かしら新しい発見がある。

 

そういうタイプの映画は幾つもある。

最後まで観て初めて、主要人物の隠されていた内面に気付き、それを知った上でもう一度見返すと初見とは全く違う意味を持って鑑賞できる作品。

または設定が難解で、見終わった後で歴史やSF的設定に対して理解を深めたのちに再度見ることで初見では理解できなかったことを発見する作品。

私にとってウォン・カーウァイ作品は、そのどちらでもない。

もっとささやかではある、けれども私の中でなにか深いところに響くなにかを発見するのだ。

 

私はこの映画を劇場で観るのはこれで三度目になる。

最初の「今回の発見」は、「この作品はこんなにシンプルでわかりやすい映画だったのか」ということだ。

過去に何度も、ウォン・カーウァイ作品は雰囲気だけのおしゃれ映画とかわかりにくいとか、そういった感想を目にした。

かつての香港という街を表す狭い通路、狭い空間の中に詰め込まれている人々、湿度、それらは彼の多くの映画の中で表現されている。その色合いや風変わりなカットをおしゃれと捉えることもできる。しかし私は、「香港から発信せずにはいられないこの街の歴史と立地的特異性」と捉えている。

それから、いつも登場人物たちの出会いのシーンだけが、まるで缶の中に入った輪切りのパイナップルのように積み重ねて表現されている。その場に向かう時間や動機、そういったものをバッサリ切って、ある特定の「時間」を積み重ねることで表現するウォン・カーウァイの映画は、時間の捉え方が一見困難に思えて、それが彼の映画のわかりにくいものだと感じられていると思う。多くの彼の作品で時間の経過を表すものは唯一、「衣裳」なのである。特にこの『花様年華』の中での時間の手掛かりはマギー・チャン演じる女のチャイナドレスのみだ。

しかし、だからこそ彼の映画の核の部分は本当にシンプルなのだ。

ある女に、またはある男に出会って、その思いを一生抱えたまま生きていく映画。

実は、それだけなのだ。

ずっと、どの映画でもウォン・カーウァイはそれを描いていて私はとても切なくなる。

そして60年代の香港に、80年代の香港に、12世紀の南宋末期の砂漠に、90年代のブエノスアイレスに、30年代の中国に、2000年代のNYに、恋を持ったままその地を離れる人と、恋を抱えたままその地に残る人が、ずっとずっとそれぞれの場所に「いる」。私の心の中に「残り続ける」。

今回の『花様年華』を観ながら、彼の作品の様々な登場人物たちが残している恋の痕跡のようなものを感じて、それが懐かしくもせつない気持ちでいっぱいになっていた。

 

『花様年華』のカメラマンは、これまでずっと一緒に作品を作ってきたクリストファー・ドイルの他に、リー・ピンビンが起用された。今回、映画を見ながら「きっとすべてではないけれど、ここは確かにウォン・カーウァイの指示でドイルが撮ってウィリアム・チャンが編集した、というシーンだとよくわかる」と感じながら観ていた。過去の登場人物だけではなく、そういったスタッフの愛の痕跡もウォン・カーウァイ作品に感じられる。そしてこのドイルとの共同制作はこの後、『愛の神エロス』をもって現在のところは終了しているのだなあ。そのこともとても感慨深い。

大雨で水の波紋さえ見える路上のカットが、『ブエノスアイレス』でトニー・レオンが働く肉屋の床に流れる血の赤のシーンに重なる。車の後部座席の二人、3回鳴らして切る電話、トニー・レオンのモノローグ、伝えなかった言葉・・・。

今回の私にとってこの映画を観るということは、『欲望の翼』『恋する惑星』『楽園の瑕』『ブエノスアイレス』『グランドマスター』、そこに共通する、ウォン・カーウァイが作り出した一生分の思いと、それでも生きていくという強さの痕跡を様々なカットの中で拾い上げていくことだった。私にとっていつも、ウォン・カーウァイ作品だけがそういう映画なのだ、ということを発見したのだった。

 

さて今回新たに編集され、そして公開された『花様年華2001』。

そういえば1997年に2番館で『ブエノスアイレス』を観た私は、次のウォン・カーウァイ作品を心待ちにしていた。その当時はトニー・レオンとマギー・チャンで『北京の秋』というタイトルの映画を撮ると発表されていた。

ところがその制作の話はいつしか消えてしまい、2001年にいきなり告知されたのは『花様年華』を上映するというニュースだった。そんなこともあったなあとこの『2001』を観ながら思い出したのだが、それよりも驚いたのは、2001年の香港のイートインできるコンビニ店でマギー・チャンが言うセリフ、「鍵を預かって」。なんとこれは2007年のノラ・ジョーンズ主演の『My Blueberry Nights』ではないか。この作品の原案が実はここにあったのか!

この短い9分の短編でまた『花様年華』と『MyBlueberry Nights』という2本の作品に邂逅する。ああなんて幸せなことだ。何度でも出会うって、『花様年華』のふたりが時を越えてまた出会うという話に見えて、実は私たちはウォン・カーウァイのたくさんの作品の中で恋を抱えたまま生きている彼らに何度でも出会うことができるってことではないかしら。

 

余談だけど、うちの店は店名に「春光乍洩」(『ブエノスアイレス』の原題)を入れていて、それは小さな誇りになっているのだけれど、もうひとついえば実は実は個人的にQRコード決済と語学アプリのアカウント名を「MyBlueberryNights」にしている。今回の『花様年華2001』を観て、このこともちょっと自慢気な気持ちになったのだ。

 

2020年から日本の『ポルノグラファー』にハマって以来、配信サイトに加入を始めてからは、なるべく観られるBL作品は国を問わず何でも見ていこうと思っていました。

しかし2025年からは、譬えが変ですが保護猫活動をしていたけれど多頭飼育で崩壊、みたいな・・・。ああ、みんなかわいい猫ちゃんたちなのですが多すぎてどうにもならない・・・みたいな・・・。

BL作品は配信サイトにも氾濫し、YOUTUBEでも観られる作品があって、私は「ながら見」はしないしもちろん倍速再生もしません。だからもう本当にいろいろが追い付かない。

そんな毎日なのに、また!

こんな素敵なCPが誕生してたなんて!!

 

SurfJava!

SurfくんはTee監督作でWeTV作品の『I Saw You In My Dream』に出演していたそうですね。なんというか目とか表情の切実さがTay Tawanを思わせます。

Java君は『Boss And Babe』などから脇で出演してた子ですが『Head 2 Head』『MuTeluv: Love Me if You Swear 』で主演CPとして登場。

別大学に通う工学部の中のリーダーであるふたり。他校との衝突も激しい彼らなのですが・・・という内容。

ちなみに『MuTeLuv』シリーズはどれもテーマに信仰・信心を置いています。この物語では、ふたりともそれぞれ寺で祈願をしていて、その願いが叶ったために寺院へのお礼参りをするという非常にタイならではの話。

しかもそこに出てくる寺院が、どれも非常に面白いのですよ。

私も去年、ローカルな寺院をいくつか回ったのですが、川の魚に餌をあげるタンブン、棺から登場するガイコツにお布施をあげる、きれいに磨き上げられたお寺の中に犬や猫がうろうろしているところなど、不思議な光景をいくつか拝見しました。

この作品に登場するお寺にもちょっと行ってみたいですね。

いやそんなことより、SurfJavaですよ!

GMMはもうすでに十分な俳優を抱えてて、その多くはCPとして活動してて、才能豊かな彼らはドラマに歌にダンスもこなしてるのはご承知の通り。それなのにまだまだ若手でどんどん登場してくるんですよ。

レジェンドと呼ばれてしまうKristSingtoやTayNew、OffGunも新作を作り続け、LOLに出演しているその下の世代のCPたちもバリバリ活躍してるのに、さらにSeaKeanとかいろいろいるのにまだまだこんな・・・!!

SurfJava!!

めちゃいいじゃないですか・・・!!

もうどうしたらいいの、どうしたらいいの・・・!!

とにかく『MuTeluv』のシリーズはそれぞれ各4話と短い、しかし結構中身は充実な満足度高いシリーズですので是非見てください!