「今ここに戻る」とはどういうこと?実例①
マインドフルネスのお話会などで
よく頂くご質問で
「今ここに戻る」という意味が
よくわかりません
というのがあります。
丁寧な説明を受けたり
本を何度も読んでも
これはとても
抽象的なことなので
感覚としてわからない
腑に落ちない
と感じる方も多いと思います。
ですので、
私の日常で
実際に起きたことを例として、
「今ここに戻る」とは
どういうことなのか、
ご説明する記事を
時々書いていこうと思います。
今回はその1回目です。
先日、娘ちゃん(ドイツの学校で
10年生、日本の高校一年)の
ベッドカバーを
取り替えようとしたら、
枕の下あたりから
ラテン語の単語を
書きなぐった紙が出てきました。
娘ちゃんは6年生のころから
ラテン語が大の苦手で
恐ろしく高圧的だった
当時の先生の指導も
繊細な彼女には全く合わず
ラテン語のある日は
朝起きてすぐに頭痛や腹痛を
訴えるようになりました。
ブラックアウトや過呼吸、
登校渋りが始まったのもこのころで、
当時、私の頭の中には
ラテン語でつまずく
=娘ちゃんの精神的危機
という思考回路が
できてしまいました。
結局、色々あった末
娘ちゃんは転校して
先生も変わり、
今はラテン語が特に問題、
という状況ではありません。
苦手なことには変わりないけどね
なのに!
この
ラテン語の単語を
書きなぐった紙を見た瞬間、
思考が過去にスライドしました。
当時の苦しみ、
娘ちゃんの泣き顔、
私の心の痛み、
辛い思い出が一気に戻ってきて、
私の中でこんなモノローグが
始まりました。
昔も単語が覚えられなくて、よく泣いてた…
10年生になって、難度が上がった?
私が知らないだけで、実は娘ちゃん苦しんでる?
この乱れた文字…つらいに違いない…
またラテン語でつまずいたらどうしよう…
このモノローグをしている状態が
「今ここ」にいない状態です。
一方で、
「今ここ」で起きていることは、
枕の下からラテン語が書かれた
紙がでてきた。
これだけです。
その文字が
書きなぐられていることから
苦しんでいるのではとか
問題があるのではないかとか
読み取っているのは
あくまでも私の想像の世界での話。
もしかしたら、現実に
そうなのかも知れないけれど、
今ここでは、
それを確かめるすべはない。
だから、
心配するのをやめて、
ベッドカバーの取り換えに
専念しました
「今ここに戻る」というのは、
頭の中で
自分が描いている世界が
想像物に過ぎない
ということに気づいて
実際に起きていることを
ありのままに見直す
ということ。
紙を見つけた時、
私がしたことは
1.モノローグが始まったと気づく
2.モノローグの内容、
自分の気持ちを客観視する
3.モノローグの内容は
想像にすぎないと理解する
4.今の気持ちは
想像から生まれているだけと気づく
5.現実に何が起きているか認識する
6.現実を見て、
今、何ができるか考える
という手順に沿って、
思考と心の整理をしました。
一度できてしまった、
ラテン語でつまずく
=娘ちゃんの精神的危機
という
思考回路はそのままですが、
その思考回路に騙されません。
娘ちゃんが本当に
ラテン語で苦しんでいるのかは
今現時点ではわからない。
だから心配はしない。
不安な気持ちは
自分の想像の世界を見ているから
出てきてるだけ。
気がかりなら
娘ちゃんが帰ってきたら
声がけしよう。
そう思って、
完全に頭も心も、リセット終了。
リセットできてるので、
娘ちゃんと話す時も
落ち着いて話せます。
娘ちゃんが帰ってきて
一緒におやつを食べているときに
さりげなく、軽く、
ラテン語、大変なの?
枕の下から単語を書いた
紙が出てきたけど、字が汚くて、
ママ、びっくりしたよ~
と聞いてみたら
ああ、あれ?
寝る前の超やる気ない時に書いたからさ
まあ、覚えることいっぱいで大変だけど、
大丈夫!
と笑って答えてました。
「今ここに戻る」ってこと、
何となくわかりますか?
簡単に言えば、
頭の中のおしゃべり、
取り越し苦労をやめる、ってこと。
今、心配しても仕方ないこと、
今、怒りを掻き立てても仕方ないこと、
そういうことに
心や頭を使うのをやめる、ってこと。
お稽古を続けていけば
誰にでもできるようになります
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