みなさん、こんにちは!

本日の「きっかわみきの物語」部分公開は

「青い眼をもった木」の「深山に眠っていた虎」の巻からです。

 青い眼をもった木は、未熟者の龍と出会ったことで

悩んでいましたが、その後あることを決心することになります。

今日は、そのあることを決心する、まさにその場面ですよ。

 それでは・・・・。


 それは、龍の出来事以来のことでした。

木はずっと思案していたのです。


「この宇宙空間には白銀の象のような賢者もいれば、

しかし一方で龍のような未熟者もいる・・・」

 木は白銀の象のことを思うと頼もしく、

その青いはどこまでも深い群青になるのでしたが、

龍のことを考え出すとがっかりするやら悲しいやらで、

そのは霞がかかったようにぼやけ、

焦点が定まらなくなってくるのでした。

木の青いというのは、

まさしく相手の状態を瞬時に映し出す

鏡のでもあったのです。

 しかしある日のことでした。

木は忘れていたことを突然思い出したように、

はっとなりました。


「そもそも、あの龍が頑固に玉の色を変える力にこだわっていたのも、元を正せば、ほんものとはどういうものかを知らなかったからだ。

これからはこのほんものについて知らないでいる生き物に、

ほんものと縁が結ばれるよう自分が語っていこう」


 木はそう心を決めると、

何やら霧が晴れたような気分になりました。

そして一段とちからが湧いてくるような感じさえしたのです。


 ────そのほんものを語るとは、

まず、いのちがどのようにはたらいているのか、

自然の法則を話すこと。


 木の魂は、まるで大昔からそう思っていたかのように、

迷いがありませんでした。


 ────宇宙で、共に生きる大切な仲間に、

自分なりにいのちというものがどのように

はたらいているのか話していこう。

あらゆる生き物に、ほんものと縁を結んでもらえるよう、

その仲立ちとなるのが自分のつとめ。


 木は自分がいまここにいる意味とその役割を、

この時思い出したのでした。


 木はまず、祈りました。


 ────自分はこれから、大切な仲間たちに、

一番大切なことを伝える決心をしました。

この行おうとしていることが、

どうかできるだけ正確に相手に伝わり、

相手もまたこのことが大切なことだと気付きますように。

そして、少しずつ仲間たちに「ほんものとはどういうものか」、「いのちとはどういうものか」ということが

広まってゆきますように。


 すると自然と木の青いから、

八方に向かってどこまでもやわらかい青の光が

放たれたのです。

祈りというのは本来光を放つものなのですね。


 さて、みなさん、こうして青い眼をもった木は決心した

というわけですが、この後、青い眼をもった木は、

どんなことを生き物に話していくと思いますか?

「いのちの法則」、4つを話すのですが、

その中身やいかに・・・・?


 この「青い眼をもった木」の物語では

私たちが生きていくのに知っておいた方がいい

大切なことについて、いろいろと書いておりますので、

今後ともお付き合いの程、みなさま、よろしくお願いします!


 それではまた・・・・

今日もみなさまに、楽しい発見がありますように☆






書籍「青い眼をもった木」(電子書籍・単行本両方あり)

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 みなさん、こんにちは!

本日の「きっかわみきの物語」部分公開は

「金色(きん)の耳」の「星の章」から

お届けします。

 「私って何?」と考え続けている<花>に向かって、

星が答える場面です。

 それでは早速・・・・。




 その時、満天の星の中の一つが、地上の沼の水鏡に向かって、一条の光を送ってきたのでした。

そしてその光は、つぼみが大きくふくらんだ<花>に注がれたのです。

 星は語り出しました。


「君はこれまでいろいろなものに『私って何?』と聞いていたね。僕はいつもここからそんな君の様子をずっと見ていたよ。君は自分が何なのかが知りたいのだね。

そうだね、もし僕がその君の問いに答えるとしたら、君はやっぱり・・・、永遠の魂(いのち)さ。

それでね、魂(いのち)というのは、これで終わりってことはない。そして、これで完成ってこともないのさ。

実は、僕は今夜、流れ星になって、この世を去るんだよ。

僕の星としての人生は今夜で終わり。

でもね、これは、僕の魂(いのち)がこれで終わりということではないんだ。

僕は死んでも、生き続ける。

信じられないかも知れないけれど、星としての姿は無くなっても、僕は生き続けている。魂(いのち)は永遠だからだ。

魂(いのち)には、始まりも無ければ、終わりも無い。

そして生まれては死に、死んではまた生まれる。

生まれることも奇跡、死ぬこともまた奇跡。

魂(いのち)は、この神秘を繰り返す」


 <花>は今夜流れ星になってこの世を去る星の言葉を聞くと、ふっとあのボタン雪の言葉を思い出したのでした。


(ボタン雪は『あなたは旅人』と言っていたけれど、あれは『永遠に生まれ変わりを繰り返しながら続いていく、魂(いのち)の旅人』という意味もあったのかも知れない。

いのちあるものは皆、一つの人生の中で、刻々と姿形や状態を変えながら進んでいく旅人。

そして『生まれては死に、死んでは生まれる』を繰り返す、永遠の旅人・・・)


 そんなことを思っていたまさにその時、<花>の頭上では、一筋の光が弧を描いて流れ去っていったのでした。

<花>は計らずも涙を流しました。

 そしてその涙が水鏡の沼に落ちた時、はるかかなた遠くの空の上では、生まれたての小さな星が一つ、瞬(またた)いたのでした。


 さて、みなさん、今日はここまでですが、

いかがでしょうか?

「生まれることも奇跡、死ぬこともまた奇跡」

この言葉はいかがだったでしょうか?

そして、

一つの人生の中で、刻々と姿形や状態を変えながら進んでいく旅人。

永遠に生まれ変わりを繰り返しながら続いていく、魂(いのち)の旅人。

 


 今日は是非、ご自身が旅人なのだと思いながら過ごしてみて下さいね。

そして生きているという奇跡を毎日繰り返しているのが

私たちなのだということも思い出しながら・・・。


 この物語「金色(きん)の耳」は、

「私って何なのだろう?」ということを

あらゆる生き物が、あらゆる言葉で語っている物語。

 あなたに新しいご自身を発見して頂くきっかけになれば

幸いです。


それでは今日も爽やかな一日をお過ごし下さいね。 









書籍「金色(きん)の耳」(単行本・kindle両方あり)


 
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 みなさん、こんにちは!

本日の「きっかわみきの物語」部分公開は

「金色(きん)の耳」の風の章からです。


不思議な形をした<花>が、ふと疑問に感じた

ことについて、「風」が歌いながら答えてくれるという

場面です。

 それでは・・・・


 この<花>の疑問はよほど強かったのか、その思いは、天空一杯に「どうして、どうして、どうして・・・」と波になって、こだましながら広がっていったのです。

 

すると、不思議なことが起こりました。


 <花>の周りに優しい風が吹いてきたかと思うと、その風が<花>の疑問に答えて歌い出したのです。



  ♪それは、君がいのちあるすべてのものと、

   響き合っているからなのさ

   すべてのいのちは響き合っているのさ

   響き合っているということは、

   それは呼び合っているということなのさ

   それがたとえ、声や音を出さなくても、

   声無き声で、音無き音で、

   呼び合っているということなのさ

   それに、いのちが呼び合っているということは、

   いのちは影響を及ぼし合っているということなのさ

   仮に広大な大陸の端と端の間でも、

   風にいつもなでられている海面と、

   ついぞ風と出会うことのない恐ろしいほどの深海の

   間とでも、

   そう、宇宙の果てまでも、

 ひとつのいのちの喜びや叫びや悲しみは、

 伝え合っているということなのさ

 それを誰かが知ろうが知るまいが関係なく、

 深く深くつながり合っているということなのさ

 それがいのちの神秘ってものなのさ♪



 風は歌いながら、開きかかっている<花>のつぼみを優しく揺らして、通り過ぎていったのでした。


 さて、みなさん、この風の歌、いかがでしたでしょうか?

いのちは響き合っている。

呼び合っている。

影響を及ぼし合っている・・・・。

 あなたのいのちと、私のいのちの間でも。

あなたのいのちと、遠い森の木々とのいのちの間でも。

そしてあなたのいのちと、この地球のすべてのいのちの間でも。


 ところで、<花>は一体、何を疑問に思ったから

風がこのような歌を歌って答えてくれたのでしょう?

<花>の疑問が何だったと、

みなさん思われますか?

 

 この物語「金色(きん)の耳」は、

「私って何?」、「いのちって何?」を

あらゆる側面から描いた物語です。

 ふだんあまり考えることのないことかも知れませんが、

みなさん、今日は「私って何なのだろう?」

「人間って何なのだろう」と、そんなことを思いめぐらせて

みて下さいね。


 今日もみなさんが、響き合ういのちを

そこはかとなく感じられる素敵な一日を

過ごされますように・・・・







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 みなさん、こんにちは!

本日の「きっかわみきの物語」部分公開は

「金色(きん)の耳」の「カシの木の葉」の言葉から

お届けしたいと思います。

 

 不思議な姿をした<花>は自分に葉が無いことに

気付き、悩み始めています。

そんな折に、カシの木の葉と出会い、

カシの木の葉に励まされます。

 さて、どのように声をかけられ、

<花>はどのように励まされるのでしょう。

 それでは・・・



 この時、どこからか声がしてきました。


「元々、葉が無いものは、それは無くていいのさ。君は君の役割を果たしている。

この世界は分担している。

あらゆるいのちあるものは、それぞれの役割をもって、この世界を支えるために分担しながら生きているんだ。

だから、そんなことで悲しむ必要はないのだよ」


 どうやら、その声の主はカシの木の葉のようでした。

 <花>はこのカシの木の葉の言葉を聞くと、何だか力づけられたような気がしてきました。


「カシの木の葉さん、あなたって、優しいのね。あなたの言葉を聞いて、何だかほっとしたわ。元々葉の無いものは、無くていいなんて。

それで・・・もう一つお聞きしてもいいかしら?実は私にはずっと分からずにいて、知りたいと思ってきたことがあるの。

それは、私って何なのかしら、ってことなのだけれど。

ねえ、あなたは私のことを何だと思われるかしら?」


 カシの木の葉はさやさやと気持ち良さそうに揺れながら、答えました。


「君は・・・、君は、確かに葉の無い変わった花だね。

でもね、それはこの宇宙が表わす多様な個性のひとつだと思うな。

それに、僕にはこのようにも思える。

君はその個性で、この宇宙を代表しているのだよ」


「えっ?私がこの個性で宇宙を代表している?」


「そうだよ。つまり、こういうことさ。

宇宙は、あるものの個性で、宇宙がどういうものであるかを表している。

宇宙は君によって、宇宙がどういうものかを表している。

君の個性によって、宇宙は宇宙自身を表現しているのさ。

そしてそれは、あらゆるものに当てはまる。

宇宙はこの宇宙にあるありとあらゆるものを通じて、宇宙自身を表現しているのだから。

君はいつか今よりもっともっと味わえる日がくる。

君自身が、いかにかけがえのない個性をもって生まれてきたかということを。

周囲にあるものが、いかにかけがえのない個性で輝いているかということを。

そしてこの宇宙が、いかにそんな個性であふれていて美しいかということを」


 さて、いかがでしょうか?

みなさん、今日はカシの木の葉が<花>にかけた言葉を、

ご自身に向けて聞かせてみてあげては

いかがでしょうか?

 

 ───私は私の個性で、この宇宙を代表している。

 宇宙は私によって、宇宙がどういうものかを表している。

 私の個性によって、宇宙は宇宙自身を表現している。

 

 何か、ご自身のことを、新しい目で見ることができないでしょうか?

 ご自身のことが新鮮に感じられないでしょうか?

 そして同時に、あなたの周囲にいる一人一人、

すべてのものが、

違ったものとして、輝いて見えてこないでしょうか?


 ところでこの「金色(きん)の耳」の物語、

「私って何なの?」、「いのちって何なの?」ということを、<花>の周囲の様々な生き物たちが

語るという物語。

 さて、「あなたって何ですか?」と問われれば、

あなたは何とお答えになるでしょうか?

本日のカシの木の葉の言葉と共に味いながら、

考えてみて下さいね。


 それでは今日もみなさんが、

みなさんの周囲にあるユニークな個性を

新たに発見される一日となりますように☆








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 みなさん、こんにちは!

本日の「きっかわみきの物語」部分公開は、

「続・金色(きん)の耳」からです。

生き物にはどうして悲しみや苦しみがあるのだろうと

考え始めた<花>は、この日、けがをした大鷲に

遭遇します。

 さて、そこでは何が起こり、そして<花>の疑問、

「生き物にはどうして悲しみや苦しみがあるの?」には、

どういう答えが返ってくるのでしょう。

 それでは・・・・ 



 季節は巡り、夏の太陽がじりじりと照りつけるその日、<花>は深い緑の木々の奥にこれまでに無い気配を感じ、何かのかすかな声を聴きました。

 か細い声のする方をたどると、いつも凛々(りり)しい姿を見せていた大鷹(おおたか)が、羽に怪我(けが)を負ってうずくまりながら、かすれて弱った声で嘆いていました。


「どうしてこんなことになったんだ! 僕はこれまで病気一つ、怪我一つしたことがなかった・・・。それが、着地し損ねて怪我をするなんて・・・。この僕が飛べないだなんて・・・。一体、一体・・・」


<花>はこの大鷹の嘆き悲しみの声を聞くと、何としても大鷹を元気付けたいと思い、とっさにこう言いました。


「大鷹さん、ひどい怪我をしたのね。全く飛べないんだ。でも・・・、今あなたは痛くて苦しいのでしょうけれど、でも・・・、それって、きっと悪いことばかりではないわ・・・」


 <花>の頭の中では、これまで様々な生き物から聞いた言葉が思い出されて、渦巻き出していたのです。


 しかし、大鷹にはその<花>の言葉の意味するところは分かるはずもなく、一も二も無く言いました。


「えっ? 悪いことばかりではない?冗談じゃない!花のお嬢さん。こんな状況、悪い一方に決まっているさ」


(いまの大鷹さんにとっては・・・、そうよね。そう思うのは、当然・・・)


<花>はそれ以上に大鷹にかける言葉を失い、がっくりと首をうなだれたのでした。



ところで、<花>の遠く頭上では、夏空の雲間から太陽が顔を出し、<花>と大鷹のこのやりとりを厳かに聞いておりました。

<花>の耳は、かすかに何かを聴きとりました。雲と雲の間から降り注がれるまぶしい日の光の中から、確かに、確かに太陽の声が聴こえてきたのです。その声は、ぐんぐん大きくなってきました。


「起こったことを生き物が良いだの悪いだの言っているのは、それは生き物がそれに自分好みの意味付けをしているだけなのです。起こった出来事がどういうことなのか、限られた時間を生きる生き物には、所詮(しょせん)はその全容はつかめない。長い長い途方も無く長い時間を見渡さなければ、その全貌(ぜんぼう)は分からない・・・。それは結局のところ、神仏にしか分からないことなのです。それから・・・、もう一つ申し上げておきましょう。すべてのことは、光と陰からできている。そう、光と陰・・・。しかし、勘違いしてはいけません。何が光で何が陰とは一概には言えず、またどちらがいいとか悪いとか言うものでもないのです。光が生じる時には同時に陰が生じ、光が滅する時には同時に陰も滅する。光だけ、陰だけ、ということは無い。いずれにしても・・・、光と陰、この二つがあるお陰で、この世のいのちは輝きを得ているのです」



この日、<花>にはこの太陽の声が、天空全体からのささやきにも感じられたのでした。


さて、いかがでしょうか? 部分公開の後半で、太陽が<花>に言った言葉の意味はお分かりになったでしょうか?


「起こったことを生き物が良いだの悪いだの言っているのは、それは生き物がそれに自分好みの意味付けをしているだけなのです」

「すべてのことは、光と陰からできている」

「いずれにしても・・・、光と陰、この二つがあるお陰で、この世のいのちは輝きを得ている・・・」




  今日は皆様どうぞ、これらの言葉を何度か口づさんでみて下さい。

そして気が向かれたら、それらの意味するところを考え、しばし思索にふけってみて下さい。




 この「続・金色(きん)の耳」は、続編からでも単独でお読み頂けるようになっています。




 そしてお話では、生き物の悲しみ苦しみについて、様々な角度から語っていますので、今後ともご愛読の程、お願いしますね☆


 それでは今日も素敵な一日をお過ごし下さい!








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