みなさん、こんにちは!

本日の「きっかわみきの物語」部分公開は

「金色(きん)の耳」の太陽の章からです。

では、早速・・・・


「自分が花であり、そしてそれと共に『貴(とうと)く偉大で不思議な何ものか』だなんて」

 

 この太陽の言葉に<花>はたいそう驚いたのでした。

 

 そして太陽は驚いている<花>の初々しい様子を見ると、とてもほほえましく思われて、さらに言いました。


「私のようにずっと遠い所から離れて見れば、きっと皆、同じことを感じるはずですわ。

それにあなたも、いつかはきっとこのことが分かるはず。

山には山を、海には海を、沼には沼を、木々には木々を、草にも、風にも・・・、

そこに生きるあらゆる生き物たちにも、それらを生かしてくれている『何ものか』がはたらいている、ということを。

だって、そうでしょう。

もし、その『貴(とうと)く偉大で不思議な何ものか』がはたらいていなければ、

どうして山は山であんなに威風堂々(いふうどうどう)としていられ、

海は海であんなに優雅に波打ちを繰り返すことができ、

沼は沼で深い神秘を漂わせながら多くの生き物をその懐(ふところ)に抱くことができ、

木々は木々であんなに清(すが)やかにじっと時の流れを見守りながら立っていられましょう。

あなたにもその『何ものか』がはたらいていなければ、

どうしてそんなに生き生きとしていられることでしょう。

それに・・・この私にも、その『何ものか』ははたらいてくれているのですよ。

私はこのことを知っていることで、どんなにか安心していられ、穏やかでいられることでしょう。

『何ものか』が私を支えてくれている、

守ってくれている、包んでくれている、

『何ものか』がいつも共にあり、私にはたらいてくれている。あなたも必ず近い将来には、

『すべてのいのちあるものは、偉大で貴い何ものかと共にあるもの』と言うことを、身にしみて感じられる時がやってきますわ」


 この会話が<花>と太陽の間で交わされている間中、

<花>も、その周りのものも、すべてが

太陽の光を浴びながら、きらきらと光輝いていたのでした。



 さて、みなさん、この「金色(きん)の耳」という物語は、

「私って何?」、そして「いのちって何?」ということを

テーマにしたお話です。

 不思議な姿で、この世に誕生した<つぼみ>が

やがて誰も見たことがないような<花>になるまでを

描いた物語なのですが、

不思議な姿ゆえ、<つぼみ>は、

「私って何?」と、周囲の様々な生き物に問いかけ続けてゆくのですね。

 周りの生き物からは、それはそれはいろいろな答えが返ってきます。

今日は、そんな中から、太陽と<つぼみ>との会話をみなさんに

お聞き頂きました。


『すべてのものは、偉大で貴い何ものかと共にあるもの』

『あらゆる生き物に、それらを生かしてくれている《何ものか》がはたらいている』


そう、あなたには、目には見えないけれど、

あなたを生かしてくれている

『何ものか』がはたらいてくれているのであり、

そしてあなたは同時に「貴く偉大で不思議な何ものか」なのです。


 どうぞ、みなさま、今日はご自身のことを

そのような存在なのだと意識して、一日をお過ごしになってみて

下さいね。


 ところで「私って、何?」のこの物語でしたが、

もしあなたが、「あなたって何?」と聞かれたら、

さあ、何とお答えになりますか?

 また引き続き「私って何?」の答えを模索しつつ

物語の部分公開を続けて参りますので、

今後ともよろしくお願いしますね!


 それでは、皆様、素敵な一日をお過ごし下さい☆






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「続・金色の耳 ~なぜ悲しみや苦しみがあるの~」

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