Minoru "Mike" Masujima resort photo blog -2ページ目

2011年アジアンリゾート撮影記 その15

再びプーケットへ(その8)

2011/MAR/06
 今日は移動日、といってもリゾートのチェックインは午後からなので、久しぶりに寝坊してZeavola(ゼアボラ)の場所の確認やトランスポートの手配でレセプションへ行く。聞けばZeavolaはすぐ隣だと分かり拍子抜けしてしまう。移動も船は使わず荷車を引くトラクターで行くそうだ。その日の午後ドミニクやスーさんへ別れを告げビーチ沿いをトラクターでおよそ500m、ものの5分で緑の木立に囲まれた小さなレセプションへ到着した。

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 ピピ島は90年代から3星クラスのリゾートや安宿はたくさんあったが、5星はZeavolaが初めてのオープンとなる。ではどこが5星かというと、装飾を一切省き木肌を生かしたたシンプルなヴィラ、同様なスパ、レストランが1950年代の逗子、葉山の別荘の様な気分で泊れることだろう。それはあくまで日本人、それも東京の人間の感覚かもしれないが、外国人の目にもノスタルジックなサマーハウスと映り、施設はパーソナル感が強く満足度が高いと思われる。

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 ところでZeavolaとは何の意味か、G.M.のケルダー氏によると「ビーチ際で良く見かける植物、光沢のある緑の葉の間に小さな半円形の白い花が咲く。その花を合わせると一つの花に見えるため、タイでは海の恋花(ラク タライ)と呼ばれている」とロマンチックな話だった。そのZeavolaが茂るビーチには黄色のアンブレラと大きなクッションが置かれ、ヨーロピアンが思い思いに時を過ごしている。そこで私も仲間入りとアンブレラの空きを探すが全くダメ、仕方なくヤシの葉陰にパレオを敷く羽目になった。

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 夜7時半にレストランへ行くと既に満席状態だった。それでも空いた末席に案内され、やっとシンガの泡がのど元を通った頃は8時を回っていた、そして頼んだチキンが出て来たのは9時、一人の食事は慣れてはいるが料理の出が遅いのも結構疲れる。そんなときはその日の出来事を克明に書いていると時間が経つのを忘れる。この文章も3/06日の夜レストランで書いたメモを参考にしているので、あながち料理が遅いのも後で助かる事があるのだ。

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2011年アジアンリゾート撮影記 その14

再びプーケットへ(その7)
2011/MAR/05 後編

 ピピ島の表玄関、トンサイ湾とロ・ダラム湾に挟まれた砂州の様な地域がトンサイ・ヴィレッジ。
ピピ島で一番賑やかなエリアだ。
船着き場はトンサイ湾にあるので、ロングテールをはじめ様々な船がひしめき合っている。桟橋へ続く小径の両側はレストラン、ダイブショップTシャツ屋などが軒を連ね人々で賑わっている。もはやパトンと替わらぬ騒々しさ、このエリアには泊まりたくない気がする。

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 午後2時、ロングテールはロ・ダラム湾からモンキービーチへ向かった。ピピ島はとても地形が複雑でライムストーンの絶壁の狭間に珠玉のビーチが点在し、そこはボートのみアクセスできる秘密の楽園である。モンキービーチは幅200m、秘密とは言えないが純白の砂と
碧いラグーンは楽園の称号を与えるには十分の景観だ。ただ背後の絶壁から猿が下りてきて、リゾート客のバッグなどを持ち去るそうで私はカメラを襷がけで上陸した

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 Holiday Innがあるレームトン ・ビーチに帰着したのは午後4時を廻っていた。ロングテールの船頭兄弟に寸志を渡し部屋へ戻ろうとするとスタッフが「ドミニクが呼んでいる」という。オフィスへ行くと「ハイ マイク今日はペイデイだ、ここにサインしろ」とドミニクから渡された封筒は机の上に立ちそうと思ったが、そうでもなかった。そして「明日の宿泊は貴方の希望したZEABORAを割引でコンファームした」とありがたいお言葉。明日はHoliday Innからピピ島で最高級ホテルZEABORAへ移動することになる。

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 最後の夜はレストランでディナーショーが催された。離島のホテルにしてはなかなかのブッフェを平らげ、そしてザートに手がかかる頃ショーは始まった。タイダンスの踊り子を眺めるうち、どこかで見かけた顔が多い事に気づく。ひょっとしてベッドメイクの達人ヌイさん、レストランで何度もモデルとして登場したオーさん、秘書のスーさんも絶対間違いなく踊っている。いや~驚いた、みんなショーガールに大変身だ!

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2011年アジアンリゾート撮影記 その13

再びプーケットへ(その6)

2011/MAR/05前編
 5日間のHoliday inn PhiPhiの撮影も無事終了し、本日はOFF(つまり休日)ホテルが提供してくれたロングテールでアイランド ホッピングへ行くことになった。昨日スーさんに「明日はロングテールをチャーターしたから一緒にマヤベイへ行こう」と誘ったが「自分は船酔いする」と断られ、他に声をかけたスタッフも皆気乗りしない様子だった。タイ人も以外に人付き合いが悪い。ところでロングテール ボートとはタイ独特の小舟、むきだしのエンジンからスクリューまでの駆動軸が極端に長いので、この愛称で呼ばれている。タイ語は「ルアハンヤオ」と言っている様にも聞こえる。

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 朝8時、ビーチで待っていると直ぐ隣の船溜まりから「タッ~タッタッタッ~」という短気筒のエンジン音が轟く。そしてロングテールでやって来た船頭は少年とその兄、”おいおい”大丈夫かよと思いつつランチボックスなどを載せ「タッ~タッタッ」のエンジン音も軽やかにロングテールは出発した。目指すピピ・レイ島のマヤベイまでおよそ1時間、途中左手にピピ島ライムストーンの絶壁や、小さなビーチが見える頃、船頭は兄から少年(10歳くらい)へ替わった。巨大なエンジンの取っ手を必死に操る少年をよそに兄は船底でごろ寝状態。”ほんと”に大丈夫かよ!日本では考えられないボートツアーだ。

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 朝早めの出発は、Holiday inn のドミニクが「マヤベイは10時頃には人で溢れる」と助言があったからだ。10年前には想像もつかない事だが、この日午前9時過ぎ既に200人ほどが上陸していた。そして10時を回る頃ビーチは人で埋まり、まともに歩けない状態になっていった。湾右手のスピードボートだけでも30~40艘はあるだろう、左手はロングテールの船溜まり、沖止めも入れれば60隻以上だ。そしてビーチでは日本語は全く聞かれずタイ語、英語、ロシア語、仏語、独語のツアー客。だれも文句も言わずここへ来た事に満足した様子だ。私は上陸時なんと200バーツを取られたが。みんなはどうなのかな、、、最近のプーケットはよく分からん。

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 人でごった返すマヤベイ(ピピ・レイ)をあとに、波静かな景勝地ピピ・ドンのロ・ダラム湾へ向かう。ヤシの木陰でランチボックスを広げ、船頭兄弟に100バーツの昼食代を渡すが2人とも屋台へは足を向けず、船中のハンモックで昼寝。私はランチのあと広いビーチを散策、やたらコンクリートの3階建てが目につく。屋上にプールがあり、だれでも階段でアクセスできるホテルもある。そう言えば2005年の津波はこの一帯も大きな被害が出た。この階段に柵を設けないのもいざという時の避難路なのだろう、今日ここでそんな事に気がついたのは日本人の私だけだろうが。

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2011年アジアンリゾート撮影記 その12

再びプーケットへ(その5)

2011/MAR/01 Holiday Inn PhiPhi(Koh PhiPhi)
 早朝メイさん一行を見送ったあと、今日から私のアテンドをするG.M.秘書のスーさんにスケジュールの確認をしてもらうと、スペシャルリクエストでスタッフの顔写真というのがある。それはなんじゃらほい、”そんなの自分の馬鹿チョンカメラで撮ればいいじゃん”と思ったが、スーさんは「G.M.が日本からフェマス フォットガファーがきたので是非撮ってくれ」とのこと、仕事ならしょうがないと承知する。そしてレセプション撮影の後にスタッフの顔写真を撮る羽目になった。

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 私は過去アジアのリゾートを500軒ほど体験(ホントです)しているが、ホリデイインは初めての滞在。はっきり言ってブティック系の好きな私は、メジャーの画一的なリゾートは全く興味が湧かなかったのである。ところがピピのホリデイインに来て驚いたのはスタッフの質の高さだ。特にF&B(主にレストラン)の対応(食事も飽きない)がとても良い。そしてガーデナーまでが愛想良く挨拶する。また施設的にそれほど新しくないが(レセプションなどの建築は2002年タイ建築家協会賞を受賞)、古さを感じさせないメンテの良さ(コテージの清潔さ)、なによりもスタッフが生き生きと働いている事がとても嬉しく思えた。

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 午前中最後の仕事はビーチフロントコテージのインテリア撮影。タイリゾートおはこのタオルで作った白鳥の番がベッドのド真ん中に鎮座しているが、タイ人と日本人は感覚が違うと理解する。それよりもベッドのコーナーにセットされた花飾りの美しさに目を奪われる。ハネムーナー用のセッティングだというが、庭の花はさほど多くないので 毎朝プーケットから送らせるそうだ。部屋の担当マネージャーはさっきロビーの横で写真を撮ったスリヤさん。いかにも花を愛でそうな優しそうな風貌だった。

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 その後酷暑の中(3月からタイは暑気に入り5月くらいまで一番暑い季節)いくつかの撮影をこなし、午後3時の一番暑い時間帯にタイ料理教室を撮る。レストランのテラスにあるサラー(東屋)に行ってみると、すでに山盛りの素材とシェフが待っていた。そこへドミニク(G.M.)が現れてモデル役のオージーのカップルを紹介される。そこではシェフの指導のもとトムヤムクンを作って試食する段取り。いざ撮影となると私の下手な米語ではシェフもカップルもえらく表情が硬い。人の心のほぐし上手なSさんが帰ったのはとても痛く、改めてタイに於ける女装の麗人?(男)キャラの偉大さを思い知らされた次第です。

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 陽が落ちてち涼しさが感じられる頃、レストランではディナー ブッフェの支度で忙しい。一日付き添ってくれたスーさんがオフィスに帰るとワイ(手を合わせ相手を拝む仕草)をするので、私もワイを返す。タイに来てとても和むのはこのワイだ。特に自分より目上の人には必ずワイをする習慣があり、日本人ならだれでも気持ちよく感じる事だろう。ところで仕事はまだ終わっていない。マジックアワーを待ってレストランのインテリア、エクステリアなどを撮影の予定。 

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読者の皆様へ!
この後、話はまだまだ続きますが筆者が7/11~7/22まで沖縄ロケのため、この続きは7/23頃UPとなります。申し訳ございませんがご承知のほどお願い申し上げます。

リゾート写真家 増島 実

2011年アジアンリゾート撮影記 その11

再びプーケットへ(その4)

2011/FEB/28 Holiday Inn PhiPhi(Koh PhiPhi)
 今朝はゲストが起きてくる前に無人のビーチでモデル撮影。ところが空には薄雲が広がり、目の前のラグーンはメイさんが望むモルディブの海の色とはほど遠い。すでにモデルの2人もアップして指示を待っている。仕方なく背景にラグーンを入れるシーンは諦め、ハンモックやビーチ際でモデルを使い小細工を試みるが、光が無いため写真の上がりはどうもイマイチ。とりあえず気持ちを切り替え朝食へ行く。

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 タイの朝食はクィティオ(そば)か、パッカ パオ(焼き飯)にサラダが日課なのだが、注がれたコーヒーを飲んでいるとモデルのNさんが「ブッフェはパンがおいしわ」と言った、「それじゃ~私も」と立ち上がろうとしたら、「アタイが取ってくる」と肩を押さえたのはヘア メイクのSさん。この手の人は洋の東西を問わずいたって親切だ。運ばれたレイズン入りのホームメイド バターロールは瞬く間に私の胃袋に収まった。それを見たSさんは(Your healthy body with son's grows big )と、しなを造りながら言い放った。男なら誰でも分かる英語に私も吹き出す。

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 その後空は晴れ間が見えはじめ、気温もぐんぐん上がった。暑さに慣れているはずのヘアーメイクの2人も日陰で汗を拭っている。私はロケ中はTシャツ、短パンにスニーカーという出で立ち。ときどき何故暑いところでスニーカーを履くのか問われるので、「撮影のためブッシュへ入ったり、脚立に乗ったりする時サンダルだとフットワークが悪い」と返している。去年バリ島へご一緒した高名なプロデューサーは成田から白いビーサン、帰国日まで何処へ行くにも同じ物を履いていたが、いくらビーチリゾートでも夜はディナー用のサンダル?を履くのがマナーだと思う。

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 幾つかのシーンをこなし、午後は新設されたコーラルウィングのヴィラで、朝食のイメージ カットの撮影となった。私はテラスのテーブルより、ベッドを生かした2人の朝食シーンが面白いと思ったが、メイさんは「ホテルポリシーがSEXYをうたってないので、テラスのテーブルで」と硬い事を言う。そこで女装のSさんが「男性はベッドで食事、女性は窓辺で」という折衷案を出し、あっという間にモデルのポーズまで作り上げた(写真参照)メイさんも私もその機転と早業に舌を巻いた。

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 今日の撮影も終わりに近づき、私とG.M.以外の5人は明日の朝バンコクへ戻る。そして夕暮れのビーチでは撮影用のロマンティックディナーを準備中、Sさんの助手がカメラのフレームに写り込む枯れ葉や小枝を拾い集め、私はディナーテーブルやランタンの位置を直す。メイさんが「ヘキサゴン(6角形)にセットしたランタンの位置を何故崩すの」と言ったので、私は「人の目は二眼、カメラは一眼」と自分でも訳がわからん(本当はパースペクティブ/遠近法)説明をし、メイさんに撮影したモニターを見てもらう。フィルムと違いデジタルは問題が起きた時モニターチェックですぐ解決できりる。私の場合その便利さからモニターに頼りっきりで、写真も英語もフィルム時代の方が上手かった気がします。

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今回の私の仕事は次のアドレスで御覧いただけます(http://www.phiphi.holidayinn.com/)
特にphoto galleryを御覧下さい。
ただしFace Bookと水中写真は私の撮影ではありませんのでご承知ください。

増島 実
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2011年アジアンリゾート撮影記 その10−2

再びプーケットへ(その3)

前回の続き!


2011/FEB/27 Holiday Inn PhiPhi(Koh PhiPhi)


 まずモデルのカップルはブラジル人、ヘアーメイク&スタイリングの2名は女装の男性とその助手のタイ人、そしてベルギー人のG.M(総支配人)撮影担当は日本人の私。偶然とは言え4カ国の人間が集い一つの仕事をする、「事実は小説より奇なり」とは良く言ったものだ。


左より私、メイさん、モデルのNさん、Fさん

ヘアー&スタイリストのSさん、助手のLさん,撮影はベルギー人のG.M.ドミニク氏

モデルの2人はブラジル人、だが関係はあかの他人。


 その後メイさんと広いプロパティーを下見して、明日からの段取りを打ち合わせたが、彼女のイメージはモルディブ並みの透明な海に遊ぶカップルだった。


私は「ここはアジアで海の色はだいぶ違う」と説いたが話は平行線、結局[ I will do my best]という事で納得してもらう。


ホリデイ インがあるレムトン ビーチは南タイでも

たいへん美しいがモルディブと比べるのは酷。


 夕方からリゾート裏手の長い階段をのぼりサンセットバーへ行く。予定では夕日をバックにカップルがシャンパンを楽しむシーン。今回一発目のシューティングのせいかプロとは言えモデルの2人は演技が固い。


 すかさずヘアーメイクさんが得意の「おねえ言葉」で気分をほぐすと、2人は徐々肩が近づきほっぺた同士が密着した。撮影を見ていたバーのギャラリーもヤンヤの喝采となった。


モデルの2名も徐々に撮影になれてきた

夕日を見に来た客で満席のサンセット バー

ピピ島のホリデイ インで撮影した写真は次のURLで御覧いただけます。

尚Web中のFace bookと水中写真は私の撮影ではありません。

Mike Masujima

http://www.phiphi.holidayinn.com/

ピピ島撮影記はまだまだ続きます。


2011年アジアンリゾート撮影記 その10



再びプーケットへ(その2)


2011/FEB/27 Holiday Inn PhiPhi(Koh PhiPhi)


 羽田発TGのエアバス500はYクラスでもピッチが広い、身長185cmの私でも余裕を持って座れる。正直なところ777とか767のボーイング系だと、Yの場合ほとんどがピッチ28~31で座席が狭く、エンジン音も場所によりかなりうるさいが、エアバス500はその点楽でよく眠れた。


全てが便利な羽田空港国際線(出発ロビー)


ユニークなレストラン街(江戸村)


 バンコクを経由して到着したプーケットの空港ロビーでは、モデルを含め6名の撮影クルーが私を待っていた。そんなに大掛かりな仕事とはつゆ知らず驚いたが、6名+1は車とボートを乗り継いでおよそ2時間のピピ島へ向かった。ホリデイ インのあるレムトン ビーチではスタッフ総出のウエルカム セレモニーが行われ、アジアではあまり経験がない歓迎ぶりに再び驚く。


後ろの建物がレセプション、ロビー

ホリデイイン ピピがあるレムトン ビーチ


 ランチはビーチ沿いのチャバ レストランで全員がテーブルを囲み、私は好物のパッカパオ、プラパオ、ムー、カイダーオ、スック(豚肉とバジルの炒め、ライスに堅焼き目玉乗せ)を注文。心地よい海風とタイ料理に長旅の疲れが癒えたのもつかの間、隣に座った若い女性DS(営業部長)のメイさんから、びっしり書かれたスケジュールを渡され正式に撮影クルーの紹介を受ける。


昼下がりのチャパ レストラン、海辺の涼風がよぎる

豚肉とバジルの炒め、ライスに堅焼き目玉乗せはタイの

定番料理。疲れた時などは食欲がでる。



2011年アジアンリゾート撮影記 その9



再びプーケットへ(その1)


2011/FEB/10 Digidal Photo Office at Shibuya (Tokyo JP)


 3週間のタイ リゾート取材から帰国し、手間のかかるデジタル処理や取材データの整理、クライアントへの挨拶、溜まった洗濯が終わった頃には10日も経っていた。


そして2月10日は私の63回目の誕生日。


その日も渋谷の事務所でメールをチェックすると、数人の知人からお祝いのお言葉をいただく。


それはお義理でも嬉しい事だが、みな昔のお嬢様でちょっとがっかり。


と、その中にプーケットのHoliday Innから撮影の依頼が混ざっていた。


よく読むとルチアーノ氏(アンダマン ホワイトビーチ総支配人)からの紹介とある。


内容はWebの全面改訂なのでちょっとやっかいな仕事だが、


私はすぐAgreementを打ち雑多なの薮用をこなし、2週間後には再び羽田からタイ プーケットへ飛び立った。




プーケットからスピードボートで1時間のピピ島(マヤベイ)


ホリデイ イン ピピのビーチとバースナック(レムトン ビーチ)


2011年アジアンリゾート撮影記 その8

北部タイ編(チェンマイ5)


2011/JAN/28 Ping Nakara(Chiang mai)

 前回までランナーやシャンなど、北タイの伝統的なホテル建築様式をお話してきました。今回はコロニアル ホテルです。話はまた脱線しますが、2次大戦以前アジアの国々は列強(イギリス/オランダ/フランス/スペイン)が強い権益を得るため植民地(コロニアル ポリシー)としていました。


今も当時の風情を留めるマニラ港

 

 そうした背景下、当時の総督や荘園主の社交場として建てられたのがコロニアルホテルです。その形態は本国の建築様式を基本に、熱帯の風土も考慮した施工がなされました。本格的な物は19世紀、サーキーズ兄弟(アルメニア人)などの投資家によりグランド ホテル(ボール ルームを併設)としてラングーン(ビルマ)やペナン(マレーシア)スラバヤ(インドネシア)などの交易都市に建てられました。現在アジアではシンガポールのラッフルズをはじめ10数軒のコロニアル ホテルが嘗ての栄華を保ち、宗主国にちなんでフレンチコロニアルやダッチコロニアルなどの俗称で呼ばれています。


Raffles Singapore ( ブリティッシュ コロニアル)

Majaphahi Surabaya Indonesia(ダッチ コロニアル)

Dalat Palace Vietnam(フレンチ コロニアル)

The Manila Hotel Philippines(スパニッシュ アイアンワークが特徴です)


 タイは日本と同様に列強の支配を受けなかったので、歴史的なコロニアル ホテルは王室の離宮があるホアヒンに1軒あるのみです。最近バンコクなどの富裕層の間で隣国に現存する古いホテルや、そのインテリアを再評価する機運が芽生えてきました。ピン ナカラもオーナーのコロニアル様式に対する強い思い入れから2009年に建設されたものです。チェンマイでは最近コロニアル デザインのホテルが増えつつあります。




 

 一般にコロニアル ホテルの特徴はハイシーリング&ファン(高天井と扇風機 )そして床は古いタイルやチークウッド、ルーバー ウィンドウー(鎧戸付きの窓)ポスターベッド(支柱付きベッド)などが上げられます。旧インドシナ(ベトナム、ラオス、カンボジア)のコロニアル建築は伝統的に黄系のペイントが使われた事も特徴と言えます。タイでは洋風な古い建物はジンジャーブレッド(主として軒下の飾り枠)を多く見かけます。ピン ナカラも白亜の壁とジンジャー ブレッドの美しさが際立つホテルです。

 



 部屋のインテリアはチークウッドの床にビクトリア風の家具、バスルームはジャクージ付きのバスタブ、そしてマーブルストーンの洗面台と深いシンクはコロニアル ホテルの定番です。1階にはハイティーのラウンジも設けられています。またナイトバザールやチェンマイの中心街まで徒歩5分の距離にありどこへ行くのも便利です。




 3週間の長いタイ取材も無事終了し明日帰国致します。今回の撮影でタイリゾートの質の高さ、またデザインの革新性を改めて痛感致しました。そしてチェンマイなど北タイのリーズナブルなホテル料金も魅力です。北タイのベストシーズンは11月~2月、みなさんもこれからタイ旅行を計画されては如何でしょうか。



 私事恐縮ですがコロニアル ホテルにご興味がおありの方は「アジアのコロニアルホテル」PARCO刊をお勧めします。古い本ですが、Amazonの中古本でお求め頂けます。詳しくはe-book/P97をご覧ください。



2011年アジアンリゾート撮影記 その7

タイ北部編 (チェンマイ紀行4)

2011/JAN/27 Bodhi Serene Chiang mai(Old City)
 またホテル デザインの話で恐縮ですが、タイ北部のブティックホテルは何らかの形でランナー寺院建築(写真上/ワット プラシン)の影響を受けています。ランナー寺院はおよそ12の特徴的な建築様式に分かれます。代表的なのが3層の屋根 ( 壁面は間口が狭く奥が広い三層構造 )これは寺院のチョーファー(象徴)を祭る重要な場所でもありで、ランナーホテルに於いても三層の屋根は建築の定番となっています。ボドヒ スリーヌ(菩提樹の意)もスイミングプールを囲む建物は、典型的なランナー屋根 (写真中、下)です。ちなみに夜景を撮る場合、必ず三脚を使いましょう。(写真下)は三脚を使用してASA200/F8/露光は1秒ほどかかりました。

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 ランナー寺院では室内装飾に彩色ガラスをよく見かけます。ボドヒ スリーヌもエントランスに置かれたアンティークケースに彩色ガラスが施されていました。こうした外光が強いインテリアを撮影する場合、日没後10分前後のマジックアワーが効果的です。なぜかと申しますと、室内と外の光の量がちょうど1:1の比率となり、明暗部のディテールがよく再現されるためです。古式ゆかしい彩色ガラスは北部タイのホテル インテリアに好んで使われ、ランナー時代の雰囲気を醸し出す役目を担っています。

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 チェンマイの楽しさは旧市街のレトロな路地を彷徨い歩くことにあります。それは名も知れぬ寺の仏像に感動したり、軒先で手仕事をする人々を垣間見るとき、心のどこかに我々が失ったよき時代が蘇ってくるからでしょう。リム チェンマイと同じくボドヒ スリーンはそんな旧市街に位置しています。そしてボドヒ スリーンのヘリテージガーデンは、旧市街の掘り割りを再現したもので、ソンクラ(旧正月)など特別な日には盛大な祭りを催しタイダンスに興じます。写真下は朝食のシーンですが部屋数わずか20のボドヒ スリーンで、ブッフェがセットアップされている事は大きな驚きでした。

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 (写真上)はジュニア スイートです。枕元の壁には壮大な菩提樹のモチーフ、床は全室チーク材が使われています。ソファーのクッションは山岳民族のテキスタイル。 (写真下)はプールの見えるメインダイニング、インテリアはコンテンポラリー ランナースタイルですが、中国調も感じさせる面白い空間です。食事はウェスタンからタイまでバラエティーに富んでいますが、私はタイ系のメニューをお勧めします。そして今日現在ボドヒ スリーヌのDXルームは朝食付き7000円(Agoda)で宿泊可能です。次回はチェンマイの最終回、タイ コロニアルの心地よいホテルをご案内します。

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