昨年、シンガポールのホテルのプールで、平泳ぎをしたくらいで、ここ何年かは本気で泳いだことがなかった。
直近で、クロールで泳いだのはいつのことだろう?そのときは、ゆったりと泳ぐことができず、力を抜くことも息継ぎもできなくて、死にそうになった。
「もしかしたら、クロールで泳ぐことすらできなくなっているかも」と密かに思っていた。
最近、軽い花粉症気味なこともあって、力一杯泳いで、いろいろと流し去りたかった。
ジムには月に数回しか行かないが、ジムにプールがあることは以前から知っていた。
一応、火曜日にジムに行ったときに、受付の人に「僕もプールを使えますか?」と聞いたら、もちろんいいと言うことだった。
木曜日の日、その日は激しい雷雨だったが、プールに泳ぎに行った。
「そちらでシャワーを浴びてください。」
親切なインストラクターの人が、いろいろと教えてくれる。
蛇口をひねると、適温のお湯が出てきて、快適だった。
最初は300メートルくらい、プールの中を歩いた。
そのうちに泳げそうな気がしてきたので、100メートルくらい泳いだ。
まだ、泳ぐのに慣れていないせいか、泳ぐのが、とても疲れる。
それでも、久しぶりに泳いで、それがなんだかとても気持ちがよかった。
プールサイドにジャグジーがあり、そこで体を温めてから、プールを出た。
「こんなに快適なプールは初めてだ」と思った。
金曜日には職場の飲み会があった。
安い店で、飲み放題だった。
ビールから、途中で赤ワインにしてみた。
最近、ようやくワインが少しわかってきたような気がしていた。
美味しいワインは、田舎の小学校の校庭のように、広く遮るものがない大きな世界を感じるが、今ひとつのワインは校庭のあるところから先に大きな壁を作られたような閉塞感というか遮断感を感じる。
そこの店のワインは、そこにまでもたどり着いていなかった。非常に酸っぱくて、酢を作ろうとしていたら失敗してワインになってしまいました、という感じだった。
仕方がないので、それからは酎ハイばかり飲んでいた。
1次会は2時間ほどで、それからスナックに行って1時過ぎまで飲んだ。
5年ぶりくらいに行ったのに、店のママは僕のことを覚えていて驚いた。
どういう記憶能力なのだろうと、こういうサービス業の人の店に行くたびに感心する。
「また5年は来ないと思うから、無駄な気がする。」
頼まれてウイスキーのボトルを入れたが、とても良心的な値段だった。こういうスナックもいいなあと思った。
そんなわけで、土曜日は久しぶりに2日酔いで気分が悪かった。
車検の支払いやら何やらで、出かけなくてはならなくて、苦しいなあと思いながら手続きに行き、クリーニングも出しに行った。
洗濯や料理をして、本を読んで、DVDを見て、あとは寝ていた。寝ていても気持ちが悪かった。
それにしても、スナックで4時間ほど飲み、それで2日酔いになってほぼ1日を台無しにしてしまうというのは、どう考えてもバカだ。そういえば、随分と濃い水割りを飲んで、途中からはタバコも吸っていた。タバコを吸うのも何年ぶりだろう?
9月1日からは勉強をする心構えになって、23日のTOEIC本番に間に合わせなくては、と思っていたのに、英語の勉強はほとんどできなかった。毎度のことながら、試験前の自分自身に対して、呆れた気持ちになる。
ロジャー・ドナルドソン 監督の「リクルート」を見た。コリン・ファレルとアル・パチーノが出演している。
コンピューターの天才がCIAにスカウトされる。ファームと呼ばれる施設のなかで、彼はCIAの工作員となるべく様々な知識を身につける。
しかし、拷問に耐えきれずに脱落。ところが、この脱落は作り話で、実は真のエージェントとしてCIAにリクルートされていたのだ。
誰が嘘をついて、誰が何を求めているのかわからない。主人公も混乱するが、見ている僕も誰が嘘をついているのかわからない。
なかなか面白かったけれど、ここのところクリストファー・ノーラン監督の画面の見事さに圧倒されていたので、その視点で見ると、今ひとつの感がした。
ニムロッド・アーントル監督の「アーマード」も見た。僕の好きなマット・ディロンが出ている。他にもジャン・レノをはじめ、出演者は豪華だ。
久しぶりに悪役のマット・ディロンをわくわくしながら見ていた。
マット達、現金輸送チームが大金を横取りしようと企み、途中まではうまく行くのだが、現金を隠しているのをたまたま見ていたホームレスを殺してしまったことから、事情が変わってくる。
こんな悪いことはできない、と1人の仲間が現金輸送車(分厚い装甲に覆われている。アーマードというわけだ)に閉じこもり、呼びかけにも応じない。それが原因で、仲違いが起き、警察官も巻き込んでの静かな殺し合いが始まる。
心理戦の描写はよかったが、この仲間が現金輸送車に閉じこもらなければ、何も問題は起こらなかったわけで、見ている間は、この仲間の方が悪い奴のような気がしていた。
最後に、この仲間の行動が「表彰ものらしい」とボスに皮肉っぽく言われたとき、そこで、僕も初めて、彼は正しいことをしたのか、と目を覚まされたような気がした。
司馬遼太郎の「坂の上の雲(八)」(文春文庫)を読み終わった。ようやく全巻読み終わって、あとがきも全て読んだ。
この「坂の上の雲」を読んで、僕は歴史小説の面白さに初めて気づいた。また、戦略というものの重要性を初めて理解ができた。
「精神性と規律は無能な人間の隠れ蓑になる」という意味の文章がこの巻のどこかにあったが、北朝鮮のマスゲームや自分自身の経験からもうなずけるところが多い。現状を打開できる創造性がない無能な人間ほど、精神論を語り、規律を重んじるという指摘は確かにその通りだと思う。
リーダーとなる一番の資質は運が良いことだと、以前、もう亡くなってしまった叔父から聞いたことがあった。そのことについては出所も知らなかったが、「坂の上の雲」のこの巻に出ていた。
海軍の司令長官に、その当時閑職にいた東郷平八郎を選んだのは、彼が「運がいい男だった」からだという。
確かに、日本海海戦は「運」が相当程度にものを言った。そうだよなあ、運は大切だよなあ、と今では運に見放された感のある僕は思う。
運がよくなるように、とりあえずはよく笑ってみようと思った。笑う門には福来たるからだ。



























































