今週は夏休みを取った人が多く、職場は閑散としていた。
上司全員が休んでいた日もあった。「今日は係長が一番偉い人です」と言われて、「じゃあ、今日はもう仕事しなくていいや。」なんて答えていた。
休みでも意外と忙しかった。
それでも、部下のなかには「嫌になったから帰る」なんて子供みたいなことを言って、本当に帰ってしまった人も何人かいた。暑くて、確かに仕事に集中ができない。僕自身は帰るわけにはいかないので「マジかよ。」と溜息をつきながら仕事をしていた。中途半端に偉くなると不自由になるものだ。
外に出る仕事のときは暑さでぐったりと疲れた。僕は液体が大好きで、やたらとコーヒーや炭酸飲料を飲むので、汗をすごくかく。ハンカチは常時、2枚携帯している。汗を拭いたハンカチの臭いを嗅いだら、あまりの臭さに卒倒しそうになった。
昔、付き合っていた女の子に「俺のどこが好きなの?」と聞いたことがある。彼女は少し迷って、それから「いい匂いがするから。」と言った。「そこ?」って思ったけれど、今はその唯一の長所も加齢臭に変わってしまった。残念でならない。
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和尚さんがお盆の檀家参りをしてくれるというので、13日だけ休んだ。いつ和尚さんが来るのかわからなかったので仕事を休んだのだが、和尚さんが来たのは朝9時頃だった。読経をあげていた時間は3分程度だったので、それから仕事に行くこともできたけれど、やっぱり休んだ。
その日、姉と姪が来て、一緒に墓参りをした。姉がきれいに花を飾ってくれた。でも、この暑さではすぐに枯れてしまうだろう。
お寺自体が新盆だったので、お参りをさせてもらった。僕は幼稚園の頃、このお寺に住んでいたことがあるので、亡くなった大祖母さまに随分とお世話になったはずだった。でもほとんど記憶がない。ただ写真を見ていて、優しくしてもらったという感覚を思い出した。僕は思ったよりも多くの人に、いろいろと世話になってきた。僕はみんな忘れてしまう。
家に帰ってきてから、よく眠った。ずっと部屋に閉じこもって寝ていた。
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ジェームズ・ロリンズの「シグマフォース」シリーズの最新作「ロマの血脈」上・下巻(竹書房文庫)を読み終わった。
このシリーズは元々、知的な物語のなかに派手なアクションが散りばめられているという感じだったのだが、今回の「ロマの血脈」では、派手なアクションのなかに、多少の知的な話が散りばめられているという感じに仕上がっていて、元々ハードSFファンの僕としては、得たことが思ったよりも少なく、今ひとつといった感想を持った。
それでも、ジプシーは元々エジプト人だと思われていて、ジプシーという言葉もエジプシャンが訛ったものだとか、DNAを解析してみたらエジプトどころか、ルーツはインドのパンジャブ地方だった、なんて話は面白かった。
また、タージマハルを作った技師達は、これ以上壮麗な建物を造れないように、手を切断されたなど、使う機会はまず一生ないだろう情報も知った。
アクション面では巨漢のコワルスキの造形・描写が秀逸で、このシグマフォースというエリート軍団のなかに彼のような3枚目がいることが、物語に面白味を与えている。アクションを小説で書くときは、どのように書くのかよくわかっていなかったが、勉強になった。
全体として、先週まで読んでいた半沢直樹に比べると、大味なのは否定しがたい。ワシントンからチェルノブイリまで幅広い地域が舞台で、自閉症と天才の関係という精神科学に踏み込んだ深みも相当にあるけれど、全体としては娯楽大作といったところだと思う。
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犬堂一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」という映画をDVDで見た。
http://www.youtube.com/watch?v=g-zrgKAQnQg
観ているうちに、だんだんとこの世界に引き込まれて、ラストシーンでは随分と考えさせられた。日本の青春映画で、僕にとっては珍しくストライクの映画だった。
上野樹里のようなきれいな彼女を持ったら、どんな気持ちになるのだろう?なんてことを思いながら見ていた。それでも、主人公(妻夫木聡)が上野樹里ではなくジョゼ(池脇千鶴)を選んだ気持ちが、それほど不自然ではなく、わかった。上野樹里とジョゼに好かれるという男の夢を演じているのに、妬みをまったく感じさせない妻夫木聡の力もすごいなあ、と思った。
孤児院育ちの下半身不随で毒舌のジョゼ。世の中の美しいものを何一つとして知らなかった彼女と主人公は恋に落ちる。このあたりの池脇千鶴の演技はすごいとしかいいようがない。よく、このジョゼを造形したと思う。
そして結局、主人公はジョゼから逃げて、上野樹里の元へ行く。彼が「全て」だった障害を持った女の子を犠牲にして、彼は幸せを手に入れた。
そして、彼女とのデート中にジョゼのことを思い出して泣く。
昔、好かれていたのに、大した理由もなく振ってしまった女の子がいたが、このシーンを見ながらそんな女の子のことを思い出して、俺も泣きたくなった。
ラストシーン近くで、ジョゼが電動車椅子で町を駆け抜けるシーンは現実なのか、主人公の「こうであったらいいのにな」という願望なのか?俺も僕のことを好きになってくれた女の子は全員、今は幸せになってくれていたらいいのにな、と勝手なことを思う。
いろいろと考えさせられたが、優しく深い、いい映画だと思った。池上千鶴はもっと評価されていい。役柄とごっちゃになっていて申し訳ないが、とにかく、幸せになってもらいたいと思った。

























