最近、中国人と仕事をすることがある。毎日、驚きの連続だ。


今回は、羽田空港から長野までバスで中国からの客人を連れてくる予定だった。予定時刻は12時。ところが9時になって、客人は成田空港に向かっているという連絡が入った。飛行機の便も確認したが、予定の飛行機と違い、その飛行機なら確かに成田空港に到着する。


慌てて旅行会社と、バスを羽田空港から成田空港に向けられないかの交渉をする。そして、交渉の最中に、成田空港行きの便に乗ったという情報が間違っているという連絡が入った。「なんでそんなことを間違うんだ!」


「飛行機に乗せた担当が、成田空港に行くと勝手に思っていた、そして担当は頭がおかしいからです。」という回答だった。そんな理由かよ。そして、そんな理由でいいのか?旅行会社の人にも呆れられた。


それから、ここにはとても書けないような出来事が次々と起きた。日本側の担当としては、毎日「マジで?」という思いでいる。


通訳の人と話していたら、「でも、そういうことは、中国では当たり前です。中国はズルいことを悪いことだという認識はありません。」と言う。「でも、李下に冠を正さずってことわざは中国のことわざでしょ。日本では、周りの目を気にして悪いことやズルいことはいけないって習うんだよ。」「そのことわざは、中国では習いません。周りの目を気にする人もいません。ズルい人は賢い人です。」「そう?」「中国にいる日本人はみんなズルかったですよ。そうでないと中国では生きていけません。日本の外交官もズルい人がいっぱいいる。」「そうなの?」「はっきり言って、日本人ほど真面目で正直な国民は、日本にしかいないと思います。」

                          
「そうなのか。」と思った。でもズルいことを悪いことだという認識がないということは驚きだった。「周りの人も批難しないの?」「しません。最近は北京ではだんだんと列を作ったりもするようになりましたけど。今までは、列も作らなかったので、横入りとかの問題もありませんでした。」


周りの目を気にしないといえば、去年の7月に北京市内をバスで移動しているときに、信号待ちでバスが止まった。一人の女の子が、車道に向かって走ってきたので、どうしたのかと思ったら、突然、スカートをまくり上げて、車道の側溝におしっこをし始めた。バスに乗っていた俺たちは思わず笑ってしまったが、そのときも、すごいな。と思ったことを思い出した。


宅配便の荷物も路上に投げ出して、分配しているし、なんだかいい加減だなあ、と最初は思っていたけれど、だんだんと気にならなくなってきた。


そのうちに、中国のいい加減さが心地よくなってきた。果物屋さんでスイカを買って、半分だけでいいからと言って切ってもらい半額にしてもらう。さらに3人で食べるからと3等分してもらう。それを店先で食べながら帰る。なんてことも中国では普通にできた。


共産圏の国に行って自由を感じるなんて、なんだか信じられない話だけど、細々としたところまできっちりとルールがあり、間違えると怒られる日本の社会の方がよっぽど窮屈に思った。


確かに、中国流に切り替えてしまうと、日本のビジネスも効率はよくなるだろうなと思う。今回も偉い人の席順や写真撮影の位置でいろいろと揉めたけれど、揉めているのは日本側だけで、中国側からは何の文句も出なかった。位置とか礼儀とか、あまり気にしていないみたいだった。確かに。日常の振る舞いを見ていると、とても礼儀や順序を重んじているようには感じないからなあ。


スキー場に行ったとき、北京の子どもが思ったよりもスキーが上手なことに驚いた。「あの子たちは裕福で、休日には片道3時間の時間をかけてスキーに行って、そこで、半日7万円の個人レッスンを受けているんです。」と聞いて、「はあ。そうですかあ。」と思った。経済力では、もうとっくに中国に抜かれているんだなあ、と思う。


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それで、そんな仕事は、まあどうでもいいって言えば、どうでもいい仕事だけど、他の日本人相手の仕事が、ますます状況がめんどくさくなり、俺はますます仕事を辞めたくなった。日本人の自分を過信した凡人が、どうしたらこんなに面倒な事態を引き起こせるのか、そして、未だに英雄気取りでいることが理解ができない。


来月半ば過ぎの人事異動次第では、本当に辞める。


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まあ、そんなこんなでいろいろと忙しかったけれど、姉から電話があり、「たまたま実家に帰ったら、小便器のバルブが凍結して壊れて、家の廊下が水浸しになっていた。」と言う。「玄関から外に水が流れ出していた。」そうだ。


水道管の工事の業者を手配してもらう。元栓を閉めてもらって、水漏れは止まったけれど、これから修理もする。最悪の場合は小便器の取り替えが必要なのだそうだ。また余計なお金が掛かる。保険会社とも折衝しないとなあ。


本当に、ついていないときって、どこまでもついていないものだと考えてしまう。姉は「よかったね。家がバリアフリーじゃなくて。水が玄関に向かって流れたから畳は大丈夫だった。」と言う。仕事を辞めたいと言ったら「バカなことはやめときなさい」と言う。説得するつもりはないが、また貸しを作ってしまい。めんどくさいなあ、と思った。

 

いつかこんな日が来るような予感はしていたけれど、それが今来たことに少し驚きもある。
仕事が心の底から嫌になった。正確には仕事というよりは、職場の人間関係が嫌になった。

夜、残業しているときに、別の係の女の子に「辞めたくなった。」と話したら「実は私もこの職場が嫌で、真剣に辞めることを考えています。」と言う。俺は、別の係の彼女までそんなことを考えていたのかと少し驚いた。それで、俺は「自分だけじゃなかったんだ」と慰められて、奮起するのかと思ったら、もう本気で辞めたい自分がいた。

俺の係は数人だけの小さな係で、そのうち部下の2人は互いに反目し合って言葉も交わさない。原因は1人の部下だ。無駄に書類をたたき付けたり、相手に聞こえるような大きなため息をつく。自分は、ものすごく優秀だが、周りが認めないのが間違っていると信じている。せめて、席の間を遮るパーティションでもあればいいのにと思うがそれもつけられない。

その無駄に音を立てる部下は「忙しいから」という理由で、他の係がどれだけ手が足りなくても手を貸さない。今では誰も彼に仕事を頼まない。同じ係で、上司の俺が仕事を頼んでも「わかりません。できません。」と言って平気な顔で帰ってしまう。だから、彼は自分の気に入った仕事しかしない。もともと挨拶もしないし、人に感謝も言えないし謝れない。ほかにも問題を挙げたら、数え切れないほどだ。

 

「ここにいるとノイローゼになりそう。」と女の子が言う。「そうだよな。」と思う。俺もこの泥船から逃げ出したい。

そして、ちょっと考えてみたら、俺は家族ももう結婚した姉しかいないし、別に俺が今の仕事を辞めても誰も困らないんだった。どこかの資格試験の講師でもやりながら、司法書士試験を目指すってのもそんなに悪くないような気がする。これだけ資格を持っていれば、何かの講師なら、どこかの学校で勤まるだろう。

仕事を辞めるのを来年の9月30日にすれば、退職金が3割余計にもらえる手続きも取れることがわかった。それにはあと半年かかる。それまで、俺は耐えられるのか、耐える意味があるのか、なんてことを考えてしまう。

2月まで休みなしのはずが、今週は休みありで、来週から2週間連続の勤務になる。どうせ、普通なら代休ももらえない。新年度になっても今の部下のままだったら、まともな方の部下は確実に辞める。そうしたら、俺も残りたくはない。溜まった代休と年休を全部消化して、就職活動をして何か別のごく普通の仕事に就くのもいいなあ、と思う。そして、その思いが止められなくなってきた。

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今週は突然、土日が休みになった。土曜日はクリーニング店に往復したら、もう何もする気がなくなり、ずっとベッドに寝転がったままキンドルで映画やドラマを見ていた。

日曜日は、それでも何かしようと思い、善光寺まで歩いてきた。すごく寒かった。おみくじを引いてみたら「中吉」だった。少しは何かいいことがあると信じたい。信じるだけでなく、勉強もしなくてはいけないと思うのだが、俺は弱ると気力もなくなるようだ。

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ロシアマフィアの息子を描いた「マック・マフィア」は、ロシアマフィア同士の国外での激しい攻防を描いている。言葉通り、マフィアの息子の物語。5話まで見終わった。

マフィアのシェア争いを、マクドナルドとバーガーキングを例にとって説明をしているので、マクドナルドにもかけている。マフィアのボスは、殺すなら確実に殺しきらないと、その復讐が恐ろしい。

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「仁-JIN-」の完結編も、6話まで見た。

基本的には相変わらずいいドラマだとは思うけれど。ただタイムスリップした主人公が自分の祖先に手出しをすると、体が消えるという描写はどうかと思う。俺の感覚では、消えないと思う。もっとも、質量もエネルギーだというアインシュタインの公式で考えれば、消えても不思議はないのかもしれないけれど。

坂本龍馬に「暗殺される」って告げようとすると頭が痛くなって言えないのもなあ。歴史の流れが個人の頭痛を管理するなんて、あり得ない気がする。手紙は普通に書けるんだから、手紙で伝えればいいじゃん、とか思ってしまう。

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映画「Mrホームズ名探偵最後の事件」も見た。かつて、本では読んだが、今ひとつピンと来なかった。本ではアルモニカという楽器がよくわからなかったが、映像で見て、初めてどんな楽器なのか理解した。

ホームズは、老いて孤独を感じる。若い頃は知識が孤独を感じさせなかったという言葉を聞いて「俺もそういうことになるんだろうなあ。」と思った。俺は、家族ももうほとんどいないのに、どうして孤独に強いんだろうと、前から少し不思議だった。だんだんとこれから孤独を感じるようになるんだろうなあ。

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映画「メカニック・ワールドミッション」も見終わった。アクション映画らしい映画で、重くもなく、テンポもよく、たまにはこういう映画も見なくちゃ行けないよな、という映画だった。

男の多くは、最初はこういう映画を見て、映画好きになるんじゃないかと思う。評論はしようがないけど、面白くて、いい映画だと思った。

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「フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ シーズン1」も見始めた。

1話目は、仮想現実と、リアル現実の境が不明になった女性の物語。仮想現実では、男、リアルでは女。しかし、相互に行き来するうちに、どちらが本当の社会かがわからなくなり、片方の世界にしかいられなくなってしまう。どちらの世界を選択するのか?

本格的なSFで、ワクワクした。ただ、俺の部屋のwifi環境では、キンドルにドラマ1話をダウンロードするのに、何日もかかるので、次の話がなかなか見られない。情けない話ではある。

土曜日は仕事で、「もしかしたら、暇かも。」なんて思っていたら、がっつりと仕事だった。暇なときのためにコンピューターまで持っていったのだが、あちこちを歩き回り、余計なものを入れたせいで荷物は重いし、クタクタになった。重いバッグを持っていたせいか、今も肩が痛くて仕方がない。

明日も朝6時30分から仕事だ。人生を楽しく生きたいと思っていたけれど、なかなかできない。俺の人生、あちこちで失敗したなあ、という思いしかない。
誰か、今よりも収入が多い、俺に向いた仕事を紹介してくれないものだろうか。

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太宰治の小説だったか、昔読んだ小説に、夢のなかの妻に会う話があった。寝た後、その妻と会うとかいう話だった。現実に妻がいて、夢のなかにも別の妻がいるなんて、なんとも贅沢な話だと思っていたんだけど。

明け方、夢を見ていた。俺はどこかの大学の教室で、マンガを読んでいた。マンガを学ぶ授業だった。俺は手塚治虫タッチのマンガを思い描いていて、マンガは意外と簡単にストーリーが組み上がるんだなあ、なんて自分の描いたストーリーに没頭していた。

隣に、若い女の子が座った。「こんにちは。」話しかけてきたので、僕は頷いた。「私もマンガが好きなんだ。好き過ぎて、医学部を中退したくらい。」と言って彼女は笑った。彼女の声が大きくて、他の人に迷惑が掛かるんじゃないかと、どきどきした。

彼女は、俺が田舎の自動車学校に通っていた頃、一緒に授業を受けていた女の子に似ていた。その女の子は、東京の美術の専門学校に通っていた。俺は威張り散らす教官が大嫌いで、免許を取ったら2度と自動車学校になんかに来るものかと、日々思っていたけれど、彼女は「次はオートバイの免許を取りたい」と前向きだった。
俺は自動車免許のペーパー試験は東京で受けた。その東京の会場で、俺たちは再会をした。でも、それが人生で最後の出会いだった。いっしょに食事をしたくらいで何もなかったのに、俺は今でもときどき彼女のことを思い出す。そんな女の子に彼女は似ていた。

「へえ。すごいね。でも、失礼だけど、そんなに優秀そうに見えないね。」と俺は言った。彼女はにんまりと笑った。初対面だったのに、仲良くなれそうな雰囲気を持っていた。

それから、俺は再び、自分の描いた漫画の世界に入り込んでいった。彼女に話しかけようかと心のどこかで考えた瞬間に、目覚まし時計が鳴って俺は起きてしまった。

起きてしばらくは、すごくがっかりした気分だった。「太宰治はさあ、夢のなかにまで妻がいるのに、俺は恋人にもなれないのかよ」と思った。

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映画「ミレニアム2 火と戯れる女」を見た。
原作は読んでいたけれど、もう内容は忘れていた。

気になったのは、主人公の女の子が煙草を吸い過ぎなこと。演技の邪魔になるほどに吸っている。そんなヘビースモーカーの設定だったっけ?
それなりには面白かったけれど、思ったほどいい映画ではなくて残念だった。

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ドラマ「仁-JIN-」のシーズン1を見終わった。
原作のマンガは読んでいたけれど、ドラマで見るのは初めてだった。とても良質なテレビドラマになっている。
青カビからペニシリンを作り出す工程など、手抜きをせず、きちんと調べている。このドラマのとおりに作れば、本当に作れそうな気がするほどだ。

演技も素晴らしい。このドラマを通じて感じるのは、原作マンガのレベルの高さ。「日進月歩の医学の世界で、外科医が江戸時代にタイムスリップしたら。」この発想を支えるだけの詳細もマンガの段階で相当に描きこんである。

日本でも、こんなにいいドラマが作られるのかと、驚いた。スタッフ全員が全力で取り組んだ後が見られる。いいドラマだった。

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映画「サバイバー」を見た。9.11の後も、アメリカには次々とテロリストが侵入しているらしい。

この映画は、そういった時代を背景に、1人の女性エージェントが100万人の命を救うというエンターテイメントに仕上げている。実際に、似たようなことが起きているのかもしれない。

映画としてはそれなりに面白く、最後までハラハラしながら見た。アクション映画としてはいい映画になっていると思う。

ときどき、アメリカのドラマ「ミスターロボット」のシーズン3を見る。暗くてスケールがでかくて、コンピューター好きにはたまらないドラマだ。主人公は2重人格者でコンピューターの天才。いつも、何かをつぶやいている。そのつぶやきは、見ている俺たちに語りかけてくる。


信濃毎日新聞で毎日連載している湊かなえの小説「ブロードキャスト」でも、主人公の高校男子は刻一刻と変わる周りの状況に、逐一、反応して感想を持つ。俺はその感覚に違和感を感じてしまう。俺はそんなにいちいち考えたりしないからだ。高校時代ならなおさらだ。


でも、どうなんだろう?世の中の人は、こんなに考えを文章にまとめながら暮らしているんだろうか?そんなことはあり得ないように思う。


でも、ミスターロボットを見たり、ブロードキャストを読んだりしながら思うことは、このくらい日々、思ったことやできごとを文章にして考える人でないと、小説家や脚本家にはなれないんだなということだ。俺が、どれだけ映画を見て本を読んでも、小説が書けないのは、普段から、考えを文章にしてまとめていないからだと、あるとき、気がついた。


すべてのできごとを文章化する。ちょっとやってみたら、物事を新鮮な気持ちでとらえれる感じがした。俺はきちんと考えずに、今までダラダラと生きてきちゃったんだなあ、とそのときに思った。


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今週末が今月最後の休みだ。これから2月まで休みなしの日々が始まる。


一応、休みに出勤した分は代休をくれることになっているけれど、休めるわけないし。部下は相変わらず、言うことを聞かない。他の部署の人たちと協力してやるしかない。
まあ、なんとかなるだろ。今までだってなんとかなったし。


それよりも、部下がやろうとしているイベントが規模がでかく、できるのか不安だ。部下は自信満々で1人でできると思っているらしいが、周りの評価は低い。報告も連絡も相談もない。「放っておけばいい」と多くの人に言われるが、失敗したときは、俺の責任になるんだろうな、と思っている。仕方がないと諦めてはいる。


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次の火曜日には、かなり重要な人たちの前で90分間のプレゼンをしなければならない。
会場まで1時間くらいかかるため、何度も車の手配の話が来る。俺をどの車で会場まで連れて行くかが、ちょっとした問題になっているらしい。
「プレゼンの話ですが…。」
「中止になりましたか?」
一応、聞いてみるが、なかなか中止にはならないようで、相手も苦笑いをしている。残念だ。


ほとんど準備ができていないが、まともな部下が別の講義で使ったという30ページ分のパワーポイントをくれた。これからそのパワーポイントを読み解いて、読み原稿を作っていく。プレゼンまでに間に合うだろうか?


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いろいろと忙しいなか、金曜日は朝から夜まで出張で、上司を連れてずっと車の運転をして、会議を次々とこなした。スケジュールがタイトで、時間に追われながらの運転でかなり疲れた。


でも、実際に問題となるのは、会議そのものよりもその報告書で、来週は書いている暇がないから、週末に仕上げなければならない。どんな会議にもいえることだが、会議の内容よりも、会議は議事録が大事だ。問題がある会議であればあるほど、議事録作成権を持つことが重要になる。週末はずっとテープ起しをしていた。


テープ起しは、昔から「Okoshiyasu2」というフリーソフトを使っている。結局、このソフトが一番使いやすい。ただ、1画面だと使いづらいので、テープ起しのときだけは、パソコンの画面を2つにして使っている。


テープ起しは、意味の補填をしないと、そのままではとてもじゃないが使えない。今回も「それは、あれだから。」という発言があった。意味は「その事業は、難しい。」だ。


実際の会議の何倍もテープ起しには時間がかかる。外注も会社は認めてくれるらしいが、そんな手続きを踏むほど、時間的に待っていてはもらえない。だから自分で書くけれど、徒労感の多い仕事ではある。


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林千勝の「近衛文麿 野望と挫折」(WAC)を読み終わった。

 

770枚ものノンフィクション書き下ろしである。人ごとみたいだけど、作者は俺の従兄弟だ。


この本は、なぜ、日本が負けるとわかっているアメリカとの戦争に突入したかが描かれている。そして、なぜ、勝てるはずだったソ連への宣戦布告をしなかったのかも。


よく「戦前と今と空気が似ている。」という人がいるが、この本を読むと、この戦争を引き起こした人は数人、よくて数十人であることがわかる。恐ろしいのは、敗戦することが織り込み済みなことだ。考えてみれば、明治憲法下で、主権者は天皇ただ一人。国民主権ですらなく、権力が偏っていた時代だった。


近衛文麿は藤原鎌足から少し前に総理大臣をした細川護煕に至る家系にいた。この家系図を見ると(本書には載っていないが)、日本史は、この家の家族史であることに気がつく。実際「昔は家にも書物や骨董がたくさんあったのですが、戦災で焼失してしまった。」という戦災が保元・平治の乱だったりするらしい。そして、近衛文麿は思いのままに、日本を戦争に引きずり込む。


正直、この本をどこまで信じていいのか俺は歴史学者じゃないし、歴史はあまり興味がないから知らない。でも、歴史を知るっていうことは現在を知るってことなんだということが、この本を読んでわかった。誰が自虐史観を始めたのかも、初めて知った。


長い本で、負けるに決まっているアメリカとの戦いに日本が突き進んでいく様を読んでいくのは辛かった。しかし、この本を読んで、今の日本なら、そう簡単に戦争に突入することはないことを改めて実感できたことはよかったと思う。


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映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を見た。

 

本でも読み、ハリウッド版の映画でも見ているから、もう十分にストーリーは承知している。本で読んだときに驚いたハッキングの手口も、アメリカのテレビドラマ「ミスター・ロボット」が登場した後では、どこか幼稚な気がする。


それでも、最後まで面白く見た。主人公を強姦した後見人の腹に「私はサディストの豚です、レイプ魔です。」と入れ墨を入れるシーンは、本でも最も印象的だったが、このオリジナル版の方がその雰囲気が良く出ていた。


主人公のリスベットがそんなに美人でもないのもリアリティーを感じた。褒めるような映画じゃないけれど、それなりに面白かった。


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「ガンズ・アンド・ストレンジャー」という映画も見た。

 

これはくだらない映画だったが、主人公の肉体的な能力が高く、アクションは高度だった。
途中、つまらなくて何度も見るのをやめようと思ったが、最後まで見た。見ても見なくても、人生に何の変化もない映画ではあった。

 

12月31日の大晦日の夜、姉の家で食事をした。義理の兄がワインを次々に注いでくれるので、急速に酔っ払った。12月29日に続いて、記憶がない時間ができ、元旦は朝から二日酔いだった。


それでも、年賀状を書いたり、墓参りをしたり、掃除をしたりした。掃除は、年末の大掃除をロクにしなかったから、仕方がなかった。


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1月2日の夜、同級会があった。同級会があることは電話で知っていた。でも「細かいことは、また、連絡する」とそのときに聞いただけで、実際には連絡は来なかった。一般的には、6時か7時からだろう。でも、家庭を持っている人のことも考えて、7時からっていうのが本命だろう、と勝手に思っていた。


そして、実際に6時まで連絡がなかったので、7時からなんだと確信を持った。ドラマを見ながらベッドで寝ていたら、電話がかかってきた。
「今、何してる?今日、同級会だぞ。」「知ってるよ。」「もう始まってるぞ。」「7時からだと思ってた。何時からか、俺に連絡してないだろ。」「ああ。そうだっけ?」


それから、近所にあるタクシー会社に行った。なかに若い兄ちゃんが3人ほどたむろしている。「タクシー待ちの人?」聞いてみたら「タクシーを待っているんだけど、誰もいないし、配車用の電話が壊れていてタクシーが呼び出せないんです。」と言う。


同級会の会場は歩いて20分くらいのところなので、歩いて行くことにした。歩いていたら、たまたま空車のタクシーが走っていたので乗せてもらって、会場へ行った。


会場に着くと、みんなに何か言えというので「遅れてすまん。」ととりあえず、謝った。それから空席に座って勝手に飲み始めた。


どうやら、みんなの所には、出欠席の往復ハガキが届いていたらしい。「俺の所には、ハガキも来なかったぞ。」と文句を言うと「君は、準幹事だから出さなかった。」と言う。


幹事をしていたのはトシオで、彼とは20歳前後の頃、よく飲み歩いていた。高校も別だったが、中学校の頃からずっと仲間だった。中学校の頃もよく酔っ払った状態で彼は学校に来ていた。赤玉ポートワインを飲んだ後、サントリーの角瓶をストレートで飲んだりしていたらしい。だから、バスケの試合では、彼にパスが行くたびにふらついてトラベリングを取られたりした。


彼のじいさんが死んだときも、俺と一緒に飲んでいた。「いいのか?行かなくて。」「じいさんはもう80歳超えていたからな。ハレー彗星を2回見たってことになるから、いいんだ。」というわけのわからないことを言っていた。


中学時代の先生は、胃がんになり、俺の同級生の外科医に胃の3分の2を切ってもらったらしい。それからもう8年経つというから、再発はしないだろう。その外科医とも一緒に飲んだ。俺も、かつて病院で勤務したことがあったので、いろんな話をした。「外科医だろ?目は大丈夫か?」「そうなんだよ。目がなあ。」「外科医は技術があっても、老眼になると辛いんだよな。」という話をした。


自治医大卒の先生が、若くして田舎を回ることについて、俺は今まで、税金で医学部を出してもらったんだから当たり前だと思っていたが、彼は違うと言う。「田舎には俺たちベテランが行けばいいんだよ。若手はそれこそ目もいいし、大病院でいろんな症例をいっぱい診た方がいいんだ」と言う。「確かに、それは言えるな。」と思った。


中学時代の先生ともいろんな話をした。俺が未だに独身だと聞いて驚いていた。「そうなんですよ。すみません。」と謝った。


後半は、酔っ払ったトシオが話を一人で引っ張った。面白い話が多くて相当、笑った。これだけの面白い話ができるのは、才能だと思った。


トシオは「俺は、もう一つランク上の高校を受けるように先生に言われたんだけど、断った。」という話をした。俺も知らない話だった。「どうしてかというと、電車通学がしたかったから。好きな女の子が、電車通学になるって知っていたから。」と言うことだった。へえ。と思った。
「でも、6か月後に定期買いに行ったとき、やっぱりお金がもったいないし、自転車通学にしようと思って、盗んだ自転車で通ってた。」ということだった。「今でも、どうして俺は、あの女が好きだったのかって考えることがある。」ふーん。と思った。


20歳前後に飲み歩いていた頃の俺との話も相当出て、いろいろと思い出した。あの頃も、こいつのしゃべりは面白いなあって、いつも思っていたことも思い出した。


「俺がなんか言うじゃん。そうすると、ちょっと違う視点から言ってくれるんだよ。だから、いい兄ちゃんみたいに思っていた。」とも言われた。なるほどなあ、と思った。俺と飲みに行かなくなったのは「彼女ができたから。」らしい。それはそうだろうと、思った。


いろんな話を聞いて楽しかった。みんなで中学時代に合唱した歌をカラオケで歌ったりした。俺のクラスは歌がうまかった。今回も歌ってみて、未だにうまかったので「すごいな」と思った。


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俺が小学生のとき、父親が家にあった古い神棚を捨てて、新しい神棚にした。
新しい神棚を買うときには、俺も一緒に行った。どこかの神社に売っているのかと思っていたら、そうではなく、普通のホームセンターだった。


母が生きていた頃は、正月には神棚に灯明を灯して、拝んだりしたものだった。今は何もしていない。


俺は、買った当初から、この神棚がどこか気に入らなかった。ホームセンターで買うというのが、ショックだったこともあるのだろう。俺の信心が足りないせいもあるのかもしれないが、なんとなく、この神棚に換えた後から、家の運気が下がったような気がしていた。母もいなくなると、もう拝むこともない。それで、捨てることにした。でも、神棚をどこに捨てたらいいのかわからない。


姉に聞いたら、諏訪の神社で引き取ってくれるところがあるらしい。姉の家でも、古い神棚を処分するというので、一緒に持って行ってくれるように頼んだ。


そんな訳で、今、実家には神棚がない。でも、別にいいや、と思っている。


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土曜日の夜は、午後6時から、いろんな部署の部下と4人で麻雀をした。久しぶりに雀荘に行った。今の自動卓は、最初に手牌だけが持ち上がってくる。それを全員が手元まで持ってくると、ドラ表示までされた積まれた牌が持ち上がってくる。すごいな、と思った。1本場とか2本場も表示される。


俺は前半、絶好調だった。次々と大きな手をあがった。あがれなかったが、生まれて初めて、国士無双のテンパイまでいった。


後半は、運気も下がり、簡単に勝てなくなったが、それでもかなり勝つことができた。麻雀の最中に、ふと時計を見たら、午前1時を過ぎていた。


「もう帰ろうよ。」俺が言うと、他の3人も異存はないようだった。もう半荘だけして、帰ることにした。実際に帰ったのは、午前2時を過ぎていた。


俺が驚いたのは、自分が午後6時から午前2時まで、集中力を途切れさせなかったことだった。東大に行った俺の従兄弟は2人いるが、そのうちの1人は、かつて「勉強は1日6時間くらい。もっとできるけど、毎日続けるにはそのくらい。」と言っていた。


俺は、その話を休日前提の話だと思っていた。俺は、平日にそんなに勉強したことは、長い人生のなかで1度もない。普通の日に、そんなに集中できるわけがないと思っていた。


でも、今回、自分が集中して麻雀をしたことで、そんな勉強の話をリアルに捉えることができるようになったし、自分でもできるじゃんと思った。


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デンマークとスウェーデンの合作ドラマ「ブリッジ」のファーストシーズンを見終わった。

デンマークとスウェーデンの国境に掛かる橋で、夜、45秒間停電し、真っ暗になる。その間に、ちょうど国境の位置に死体が横たえられる。管轄はどちらになるのか?


さらに、死体は上半身と下半身が切断されており、それぞれ別の人間であることが判明する。スウェーデンの女性刑事と、デンマークの男性刑事が動き出す。


レビューを見ると高い評価は少ない。でも、俺は激務の後、見知らぬ男を自宅に連れ込んでセックスして、満足した後は、また事件をパソコンで調べ出す、このスウェーデンの女性刑事の態度がけっこう気に入った。仕事人間で、思ったことを平気でずけずけ言う性格も好きだ。何よりもタフで弱音を吐かない姿勢がいい。


「法の下の平等」という難解そうな本を、雑用をしたり、ご飯を食べながら読んでいる姿を見て、自分の勉強に対する姿勢も戒められたような気がする。「純粋な勉強時間」なんか、なくてもいいんだ、と思った。何をしながらでも、勉強はできるのだと。

 

このドラマでは、北欧の洗練されたキッチンや家具が映し出される。このドラマに出てくる犯人の家は、俺の理想の間取りで、理想の家具だ。犯行のための資料が壁に貼ってあるが、それすら美しい。

 

このドラマは女性の捜査官が主人公で、驚くほどの優秀さ。体に2発の銃弾を撃ち込まれても、出血しながら捜査を続ける。そして本当に解決する。こういうドラマが日本でも放映されるようになると女性の社会進出が本格的になるのではと思った。


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山野目章夫の「不動産登記法入門」(日本経済新聞出版社)を読み終わった。


「不動産登記は、おもしろい」 ことを実感してもらうためにこの本を書いたらしいが、特に面白くもなく、不動産登記について、深く理解ができたかと言われても、そうでもない。


素人向けに書いたのか、実務者向けに書いたのかも判然としない。学者らしく「こうあるべき」という制度に対する提言もあるが、そんなに優れているとも思えない。


買いたいと思った土地の所有者が外国人だったら?とか、戦前の共有登記で所有者が20人もいたらどうするのか?など、不動産登記の制度はこうあるべきと提言すべき事例というのがもっとあるはずだと思う。


やはり、こういう本は、実務でバリバリやっている人が書かないと、勢いも本当の問題のありかもわからない。


女の債務者のために、男が自分の土地を抵当権の目的にしているということを登記簿で見て、この学者の先生はにやにやしていたそうだが、そういうことは、おもしろいと言わずに、くだらないと言うんですよ、と教えてあげたい。


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阪田智之著、河野やし画の「マンガはじめて司法書士 民事訴訟法」(住宅新報社)も読み終わった。

民事訴訟法は、ある程度わかっているけれど、民事執行法や民事保全法のことは全く知らなかった。このマンガを読んで、どのようなものなのか、あたりがついたのは良かったと思う。そういうあたりがつくという点では、こういうマンガの本は適していると思う。


ただ、画のできはイマイチで、もう少しいい漫画家の先生はいなかったのかと思わないわけにはいかなかった。

 

中国語検定4級の試験に落ちてしまった。落ちることは確信していたので、悔しさはない。

リスニングと筆記はどちらも60点以上で合格だが、僕はそれぞれ45点と69点だった。リスニングには、「合格にはかなり努力を必要とします。」と書かれていた。全くその通りだと思う。

それでも、筆記が合格点をクリアしていたことは嬉しかった。中国語はやっぱりヒアリングが大切なんだということがよくわかった。これで、しばらくは受けるつもりはないけれど。

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クリスマス・イブには、フレンチを食べに行った。6時に店について、食べ終わったのが10時。翌日の仕事を考えて、最初の1杯しかワインは飲まなかったが、もし4時間も飲んでいたら、翌日は仕事どころではなかっただろうと思った。

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誕生日は、雪の降るなかを運転して、北の方の村に行き、そして、怒られて帰ってきた。どうってことのない一日だった。

カリフォルニアにいるクリスティーナは毎年、誕生日に「いつになったらカリフォルニアに来るの?」と優しいメールをくれる。今年も「行けなくてごめん。」と返事を書く。でも、どうして行けないのかが、もう僕にもよくわからなくなっている。

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29日に、実家に帰ってきた。夜は飲みに行き、シャンパンをあけ、ワインを飲み、ウイスキーを飲んだ。それから2軒もハシゴした。

1軒目の店では、女子会をしていたなかに入ってしまい、それでもご陽気に騒いで飲んでいた。ここら辺、素面の自分だったら考えられないことで、思い返すたびに「何をしていたんだ」と体温が2度くらい上がる。相当数の参加者に、迷惑を感じさせたと思う。

2軒目の店では、友達が一人でカウンターに座って飲んでいた。「おお。」とか言い合って、そして、そこから記憶がない。

気づいたら家のベッドに、寝ていた。鍵、時計、財布、特になくしたものはないようだった。最初に起きたときはまだ酔っていた。血行がよくなっているのか、肌が張っていて、唇も潤っていた。でも既に、わずかながら、気分の悪さが始まっていた。水を飲んで再び眠る。吐くまでのことはなかったが、気分はずっと悪かった。

ときどき目を覚まして、マンガを読み、映画を見て、ゲームをして、また寝た。いつまでも寝ていられるようだった。姉から、電話があって、姪が帰ってきているから一緒に食事をしないかという。でも、気分が悪くて断った。

バーの女性からも、食事のお誘いがあった。でも、姪が帰ってきているからと言ってそっちも断った。

夜、まだ気分は悪かったが、お腹は空いていたので、コンビニに行ってパンを買ってきた。パンをかじりながら、なんだかわびしい年末だな、と思った。自業自得であることはよくわかっていた。

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「ビリギャル」を見た。あまりにつまらなくて何度も途中で、見るのをやめていたけれど、2週間くらいかけて最後まで見た。

勉強ができない高校2年生の女の子が、適切なコーチングを受けたら、慶応大学に受かりましたという映画。そんなに無理な話じゃなくて、地頭(じあたま)がよくてコーチングが合っていれば受かるんじゃないかと俺は思う。

ただ、高校に眠りにだけ行っていて、母親が「授業中に眠らせてください。そうでないと娘が死んでしまいます。」というのはどうかと思う。卒業できる日数だけ、高校に行ったら、あとは行かなきゃいいだけじゃん。まわりの生徒にも迷惑だ。

慶応大学合格がゴールというのは、高校生にとってはいい物語なのかもしれないけれど、どこかつまらない。こういう新しさのない古典的な話が大ヒットするのも、この映画が名古屋を舞台にした映画だからなのだろうか。

そう言えば、最近、すごい話を聞いた。お金持ち限定の話だが、どうしても医者になりたかったら、中国の大学の医学部を目指すといいらしい。最初は中国語の勉強をしつつ、大学の医学部へ。そして、中国での医師免許を取った後、日本で医師免許を取る。

そんな回り道をした中国語と日本語が話せる医者というのが、今は大学病院で引く手あまたなのだそう。そして、その中国の大学医学部に進ませるプロがいて、その人から俺は話を聞いたのだった。大学受験をしなくても、お金持ちなら、いろんな道があるんだなあ、と思った。

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「ミュージアム」も見た。中途半端にリアルで、最後は都合よく助かる。結局、殺人犯が何をしたかったのかもよくわからない。

あのハンバーガーの肉は何だったのか?そしてまた、子どもと母親はずっと縛って監禁していたのか?トイレ、どうしていたんだよ。いろいろとよくわからない映画だった。

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堀尾省太のマンガ「ゴールデンゴールド」(モーニングコミックス)を今出ている3巻まで読んだ。

久しぶりにワクワクするマンガを読んだ。

島で暮らしている中学生の女の子が、海で気味の悪い人形を拾う。その人形にお祈りをしてみたところ、突然、実在化し、女の子の家では途端に金回りが良くなる。

この人形は福の神なのか?マンガならではストーリーで、絵の技術も素晴らしい。奇妙な世界を描いているが、世の中の汚さも素直に描いており、深い。早く続きが読みたい。
土曜日の朝、善光寺に行こうと思った。途中まで自転車で行き、銀行の駐輪場に自転車を駐めて、そこからは歩いた。

善光寺に行くのは何年ぶりだろう。道の両脇には新しい店ができている。しばらく来ていなかったからなあ、と思う。長野県特産だという俺が知らないお土産物がたくさん売られている。野沢菜漬けにもこんなに多くの種類があるのかと、驚いた。

前の彼女と最後に神社に行ったとき、おみくじを引いたら「凶」だった。俺は凶なんておみくじを引いたのは初めてだったので、それから神社に行っておみくじを引くのが怖くなった。みんなが楽しそうに引いているときも「俺はいいや」なんて言って逃げていた。

でも、考えてみたら、そんなことを怖がるなんて馬鹿げた話だ。気に入らなかったら、もう1回引けばいいんだし。

それで、善光寺に行ったらおみくじを引こうと思った。本堂で、お賽銭を入れると、帰り道の脇におみくじがあった。100円を入れて、がちゃがちゃと箱を振る。箸のような棒が箱に開いた丸い穴から出てくる。44番だった。

「44?」また、レアな縁起の悪そうな数字を引いてしまったものだと思った。44番の箱から紙を取り出す。「吉」だった。

「心の持ちようで、幸せとも不幸せともなる。」そうだ。当たり前だと思うが、深い意味があるのかもしれない。「物事は先んずるに利あり。」なのだそうだ。それはそうなのかもしれない。

何もかもうまくいくってわけではなくて残念だったが、凶ではなかった。今のところは、それでよし、ということにしておくしかないのか。そろそろバラ色の未来が広がってくる頃だと勝手に思っていたが、そうではないらしい。「縁談は秋にして尚よし。」らしい。秋は随分と遠いなあ、なんて思う。

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家に帰ると久しぶりの遠足で疲れてしまい、それから寝ながらマンガを読んだり映画を見たり、テレビドラマを見たりしていた。うつらうつらしていた。

考えようによっては、幸せなのかもしれなかった。

でも、夕方には起きて、職場ではできなかった会議のテープ起こしをした。「やっぱり、俺は不幸だなあ。」とも思った。

ときどきキンドルで見ているアメリカのドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」では、メイゼルの夫は、お金持ちのメイゼルと結婚して、副社長の地位を父親からもらって、それでも不満でメイゼルと別れようとする。
お飾りの副社長は不満らしいが、俺にとっては理想の環境だ。メイゼルは俺と結婚すればよかったのにと思ったが、俺の人生にはそういうことはないみたいだ。

今の俺の理想は、昔の司法受験生のように、あるいはどこかの大学教授のように、仕事が勉強だけのこと。どこかのテレビ局が、資格試験のファイターを募集って企画でも作ってくれないかな、と思う。俺、プロのファイターになるのに。まあ、どれだけ頑張っても司法試験は受からないとは思うけどさあ。

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世界一、どうでもいい話だが、暇なときにダラダラとしていたゲームのシム・シティで、とうとう人口が100万人を超えた。市長支持率は100%。

100万人を超えたら何かあるのかと思ったけれど、特に何もなく、もしこのことを誰かに話したら「マジで暇なんですね」といわれそうだと自分で認識をした。偉業ではなく、恥ずかしがるような類いのことだと思う。

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アニメ「いぬやしき」を最終の11話まで見終わった。

俺は、このアニメを見ている間、主人公たちの世界が日本しかないことにすごく違和感を感じていた。その力を、日本だけではなくて、世界で使えよ、と思っていた。彼らなら、現在起きているどんな国際紛争でも解決できるだろう。

よく、アメリカ国内の野球の試合なのに「ワールド・シリーズ」とか、アメリカ人は国内が世界だと思っているんじゃないのか?なんてことがいわれるけれど、日本人だって、世界は日本国内だけだと思っているんじゃないのか?と、こういうアニメを見ると思う。

最後まで見て、でも、いいアニメだったとは思う。もっと事前に科学者と相談すれば、隕石の軌道を変えるにもやりようがあったのではなどとも思うけど、まあ、最後まで見たんだから、面白かったんだと思う。

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スペインの映画「人生スイッチ」を見た。
短編が6本ほど続くオムニバス形式の映画だ。
最初の話は、まあまあだな、という感じだったけれど、「パンク」という短編には驚いた。

アウディに乗ったビジネスマンが、くたびれたトラックを追い抜く。追い抜きを何度か邪魔されて怒っていたので、追い抜くときに暴言を吐く。ところが、そのアウディがパンクする。道の脇で、タイヤの交換をしている彼に、くたびれたトラックに乗っていた男からの逆襲が始まる。その逆襲が、常軌を逸している。

最後のウェディングという短編も、発想力が桁外れ。自分の結婚式でも、この映画を流したいと思うくらい気に入った。いったいどんな人がこんな話を思いつくのだろうと思う。日本で近いのは筒井康隆や小松左京だろうか?思い出しても「すごい」と思う。

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キアヌ・リーブスの映画「エクスポーズ」も見た。
同僚の刑事が殺される。調査を続けると、相当の悪徳刑事だったらしく、彼を殺したがっている人が数多くいることがわかる。

それとは別に、美しい女性が妊娠する。本人は、カトリックの信心による奇跡だというが、誰も彼女のいうことを信じない。どんなに信心深い人も「私、性交していないのに懐胎した。」と言われると疑う。彼女も実は心に闇を抱えていた。

特にどうってことのない映画ではあったが、どこかシンとした気持ちになる映画だった。
試験勉強に身が入らない。自分が何をしなければならないのか、わかっているけどどうしても手につかない。仕事がうまくいっていないということもあるのかもしれない。

手助けどころか重荷にしかなっていない部下にも困っている。いない方がずっとスムーズに仕事が進む。

こんなときには、何か別なことに集中した方がいいのかもしれない。でも、恋をしたいとか旅行に行きたいような気分でもない。酒すら飲みたくない。「なにをやっているんだろうな。」という思いばかりが募る。

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日曜日には、松本の丸善に行った。俺は、東京のお茶の水にある丸善が好きで、昔は、いろんなことに行き詰まるとあの界隈をうろうろしていた。

松本の丸善で、何冊か法律関係の書籍や、卓上カレンダーを買った。買ったものの重さを感じて、意外と俺は前向きなんだな、という気がした。

読みたい小説が何冊か目に入ったが、買わなかった。しばらくは勉強していればいいや、と思った。

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アメリカの弁護士のドラマ「スーツ」のシーズン5を見終わった。
超人的な記憶力を持ち、どんな判例も条文も覚えているマイクは、ハーバード大学を卒業したとして、ニューヨークの有名な法律事務所に入る。ところが、実際には大学には行っていない。天才ハッカーに行ったように書き換えてもらっただけだ。

シーズン5の途中までは、法律事務所内の内輪もめの状況が長く、あまりにつまらなくて見るのをしばらくやめていた。

久しぶりに見てみたら、とうとうマイクの嘘がばれて、詐欺罪で告発されていた。「どうやって切り抜けるんだろう?」。大手法律事務所のボスの娘とは婚約していたが、それも暗礁に乗り上げる。この状態からのマイクと、その上司のハーヴィーの反撃はなかなかすごかった。

いろいろとあって、マイクは司法取引を選んで2年間の服役へ。「本当に刑務所に入るんだ。」。ちょっとがっかりしたけれど、シーズン6はプリズン・ブレイクの天才バージョンが始まるのかと思ったら、ワクワクしてきた。

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佐藤洋一の「マンガはじめて司法書士 不動産登記法」(住宅新報社)を読み終わった。

こういう本は、マンガと言いつつセリフだらけだったり、挿絵があるだけで、普通に文章が載っているといったものが多いが、このマンガは、それなりにストーリーがちゃんとできている。

俺は、本当にこの本から入門することになる。実務では、売買契約書ではなく、登記原因証明情報という書面を新たに作るのだということも、まともに勉強をしていない俺は初めて知った。なかなかためになった。

申請書類と添付書類は基本的にはホッチキスで留めるが、売買契約書のように返却してもらわなければならないものは、ホッチキス留めにするのはコピーで、本物はクリップ留めにして提出するのだということも知らなかった。どうするんだろうなあ、と今まで不思議に思っていたことだった。

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映画「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」を見た。

大泉洋の演技はいいとしても、映画としては面白くもないし、意外性もないけれど、こういう映画が売れているんだから仕方がない。

相手はバットやナイフで武装した数10人。こちらは素手の探偵2人。これが喧嘩したらどうなるか。昔、戦略ゲームか何かで勉強したときには、同じ武器なら勝つ確率は数の比の二乗に反比例することになっていた。

例えば味方が1人で敵が2人の場合、同じ武器を持っていたとしたら勝つ確率は1:4。つまり20%しかない。味方が1人で敵が3人の場合は1:9。味方が1人で敵が5人なら、勝つ確率は1:25。まず勝つことはあり得ない。

そう考えていくと、探偵2人で数10人の敵を素手で倒せるわけがない。もっとも、日本の時代劇は毎回、信じられないほどの人数を単独で倒してしまうので、日本のアクションにリアリティを求めること自体が間違っているのかもしれない。

一応、最後まで見たけれど、どうでもいい映画だった。

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映画「ボーダーライン」も見た。久しぶりにまともな映画を見た気がする。

メキシコの麻薬カルテルを潰すため、アメリカは違法で危険な賭に出る。かつての麻薬王に現在の麻薬王を狩らせる。

超法規的なこの業務を合法に仕立てるため、FBIの女性捜査官が引っ張り出される。彼女は「合法でした。」というためだけに、この危険な業務に随行させられる。ところが彼女は、この捜査の違法性を公表すると言って譲らない。

現在の麻薬王を狩るのも簡単な話ではない。次々と被害者が出る。麻薬カルテルも黙っていないが、アメリカの力の前に押さえつけられる。
緊張した場面が続き、俺が彼女の立場だったらどのように立ち回るか考えながら見ていた。

麻薬の問題は、それがどんなに高値であっても買いたがるアメリカ人が悪いのだと今まで思っていた。これはメキシコの問題というよりはアメリカの国内問題なのだと。

この映画を見て、メキシコの麻薬カルテルのひどさも理解ができた。そして、この問題はなかなか解決しそうにないことも、アメリカができるのはメキシコの麻薬組織にカオスを引き起こすことくらいだということもわかった。

なぜ、国がここまで麻薬を禁じているのかも少しわかった。お金持ちの日本が、本当に麻薬のマーケットになったら、ますます世界の秩序が不安定になることも想像ができた。

現状が認識できる、いい映画だと思った。
新聞を読んでいたらビットコインが急騰し、もし今年の1月に購入していれば20倍になったのだという。

ということは1月に20万円分買っておけば400万円に、ちょっと頑張って200万円も買っておけば4000万円にもなったということだ。

俺、アメリカのドラマのスタートアップとか見て、電子通貨の将来性は人に説明できるくらいだったのに、自分では1円も買わなかったからなあ。未だに買い方も知らないし。

株でも、なんでもそうだが、後から思い返すと、どうしてあの時に手を打たなかったんだろう?と思うことが多い。自分自身を振り返ってみて、情報には接しているのに何も行動しない俺は、つくづく金儲けの才能がないんだなあ、と思う。

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「スパイ・レジェンド」を見た。
ピアーズ・ブロスナンが随分年を取っている。007のときのイメージで彼を見てしまう。まあまあのアクション映画で、ヒロインも頑張っていたけれど、CIAだって、そんなに簡単に異国で人を殺せないだろ、レベルのことはいろいろと思った。
 
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「金融腐食列島呪縛」も見た。
総会屋への不正融資疑惑に直面した銀行の物語だ。かつては300億円も融資をしていた総会屋から銀行が手を切る。それはもちろん、強制捜査が発端だが、銀行は自助努力の形で手を切った形にしたかった。経営陣は総入替え。途中で、銀行員が総会屋が放った刺客に拳銃で撃たれるなどの被害も出る。

こういう人たちがいて、暴力団や総会屋から、日本の企業は手が切れたのかということを改めて感じる。まだ、大蔵省の過剰接待が当たり前に行われていた頃の、そして、銀行が統廃合を繰り返す前の映画で、苦情の電話というのはいつの時代でも取りづらいものだなあ、とか、パソコンがあってもなくても、サラリーマンの辛さというのは普遍的なものなのだということを強く感じた。それから、役所広司らの活躍を見ながら、俺の会社にも、ピンチになったときに活躍する人が現れるのだろうかと、少し考え込んだ。
 
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「パトリオット~特命諜報員ジョン・タヴナー~シーズン1」も見終わった。
CIAに所属する父親から、命じられるままに活動する諜報員ジョン。しかし、強度のストレスで精神が壊れかけている。

銃の腕も格闘技の技術もめざましいが、トラブルで相手を殺した後、趣味のフォークソングで、その状況を人前で歌ってしまったりする。常に悲しげで、常にトラブルがあり、常に課題がつきまとう。見ている俺もぐったりする。
 
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清野とおるの「東京都北区赤羽」(Bbmfマガジン)を全8巻、読み終わった。
赤羽での出来事を書いているだけだが、本人の人柄がにじみ出ていて、一緒に飲みたくなるような、そんな漫画だ。
でも、もう俺は赤羽の話はおなかいっぱい。
 
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水野文俊の「もう過去問ぐるぐるは必要ない!?働きながらの司法書士効率的合格法」も読んだ。

彼は平日3~5時間、土日は8時間以上、最低でも勉強しろという。時間が確保できない人は睡眠時間を4時間から5時間にまで削れと。
確かになあ、それだけ勉強したら受かるだろうなあ、とは思った。
ただ正直、気象予報士の勉強で、毎日1時間勉強するだけで、俺は苦しかった。無謀な試験を目指しているのかなあ?とも思った。
ふと、俺は映画館で映画見たときにはエンドロールが終わるまで座っているよなあ、ということを思った。映画館では、エンドロールが終わるまで明るくならないし、何となく映画館で映画を見るときの礼儀のようにも感じていた。

でも、実際の話、エンドロールに友達の名前でも出てこない限り、そんなに真剣になって見る必要はない。

高校の頃、英語の先生が「エンドロールの最初にでっかい字で出てくるのが、スターだ。制作費の半分を持っていく。その次に出てくるのは、2番目の俳優で…。それから、withって言葉のあとに脇役の名前が並ぶ…」なんて説明をしてくれた。「そんなルールになっているのか。」俺は学校をサボって映画を見て確認をしたんだけど、必ずしもそういうルールというわけではないようだった。

今から考えると英語の先生の説明はでたらめだった。ただ、エンドロールに意味があるという思い込みをするには十分な話だったので、俺は今までいつも最後まで座って見ていた。

キンドルで映画を見るようになってから、エンドロールなんて1秒も見なくなった。実際、それで何の問題もないような気がするけれど。

そうそう。俺は映画館で今までエンドロールを最後まで見ていたけど、最後まで見ていて本当によかったと思ったのは、スピルバーグの「ヤングシャーロック ピラミッドの謎」だけで、ほかはほぼ意味がなかった(この映画はエンドロールの後に、敵の正体がホームズの永遠のライバルとなるモリアーティ教授だということが明かされる。)。

エンドロールの途中で席を立つやつを、今までは、どこか厳しい眼差しで見ていたけれど、次に映画館に行ったら、俺が真っ先に席を立ちそうな、そんな気もする。

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姉から「久しぶりに実家に行ったら、ポストに受験票が届いていた。」というメールが来た。「ああ。それはもう、いらないやつだ。」そういえば、先週の中国語の試験は受験票なしで受けたのだった。

住所変更をするのが面倒なので、最近は、受験票等の送付先も実家にしている。中国語検定の試験もそうしていた。

この試験は事務方がとても親切で、受験票を送るだけでなく、「受験票を送りました」というメールも届く。そしてメールに「受験票が届かなかった場合には、このメールを印刷してくれば、受験できます」ということが書いてある。それで、俺は、受験票を実家まで取りに行かずに、メールを印刷して持っていったのだった。

試験自体は、散々なできで、不合格は間違いがない。ただ、親切な試験だという印象は持った。

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今週末、久しぶりに実家に戻った。実家でも電気や水道を使っているので、当然、電気代等がかかる。自動引き落としにしている口座があるので、そこに残金があるのかを確認する。管理する住居が2カ所あるといろいろとめんどくさい。

夜は、姉の家に行って食事をした。少しだけ飲んで帰ってきた。

夜、家に数台あるパソコンを一斉に起動してデータを整理していたら、メインのデスクトップパソコンが突然、動かなくなった。ちょうど、画面上にエクセルで作ったパスワードの一覧表を開いている時だった。

世の中、いつの間にかパスワードだらけになっていて、しかも、それぞれにアルファベットと数字の組み合わせでないとダメだとか、6文字にしろだの8文字にしろだの制約があるので、一覧表でも作らないと、とても覚えきれない。

「まじで、故障?」

慌てて、スイッチを入れ直す。ディスプレイに青地に白の文字で「自動修復」の文字が浮かんでいる。いろんなオプションを試したけれど、どうしても起動しない。他のパソコンで、ネット情報を調べる。でも復旧ができない。

パソコンの自動診断でCPUもメモリもハードディスクも大丈夫なのはわかった。それでも、起動しない。思い切って、初期状態に戻すボタンも押してみたが、それすらできなかった。

修理に出そうかと思ったけれど、考えてみたら、特に大切なデータも保管していなかったし、他のパソコンで十分補完できる。

「要は、必要以上に俺自身がパソコンを持ちすぎなんだよ。」ということがわかった。また、暇なときに、ハードディスクを破壊して、業者に引き取ってもらおうと思った。修理先でパスワードを盗み見られても困るしなあ。

「とりあえず、押し入れに入れておこう。」と思いながら、ふすまを開けてみたら、そこに、以前、置き去りにしていた別のパソコンがあって、ほかにも何台か、使っていないパソコンがあった。そういえばwindows10が出たときに、結構、買い換えたんだっけ?こんなにあるのかよ。「あのなあ。」と思った。

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 茂木 誠の「ニュースの なぜ? は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問」(SBクリエイティブ)を読み終わった。

なぜ、中東はいつも戦争をしているのかや、なぜギリシャをEUが見捨てないのかなどがわかりやすく書いてある。俺が「確かに。」と思ったのは、ギリシャ等の国がEUにとどまっていると、どうしたってユーロの相対的価値が下がる。そうなると、ドイツのような輸出国家には有利になる、といった記述だった。

他の問題もそうだが、なかなか、一筋縄ではいかない問題が、世界には数多くあることはよくわかった。

ただ、相当にわかりやすく書いてあるので、文章から抜け落ちてしまっている情報が山のようにあるだろうという印象は受けた。わかりやすくて、高校生には向いていると思う。ただ、大人が自分で読むのに絶賛するような本じゃない。