12月31日の大晦日の夜、姉の家で食事をした。義理の兄がワインを次々に注いでくれるので、急速に酔っ払った。12月29日に続いて、記憶がない時間ができ、元旦は朝から二日酔いだった。


それでも、年賀状を書いたり、墓参りをしたり、掃除をしたりした。掃除は、年末の大掃除をロクにしなかったから、仕方がなかった。


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1月2日の夜、同級会があった。同級会があることは電話で知っていた。でも「細かいことは、また、連絡する」とそのときに聞いただけで、実際には連絡は来なかった。一般的には、6時か7時からだろう。でも、家庭を持っている人のことも考えて、7時からっていうのが本命だろう、と勝手に思っていた。


そして、実際に6時まで連絡がなかったので、7時からなんだと確信を持った。ドラマを見ながらベッドで寝ていたら、電話がかかってきた。
「今、何してる?今日、同級会だぞ。」「知ってるよ。」「もう始まってるぞ。」「7時からだと思ってた。何時からか、俺に連絡してないだろ。」「ああ。そうだっけ?」


それから、近所にあるタクシー会社に行った。なかに若い兄ちゃんが3人ほどたむろしている。「タクシー待ちの人?」聞いてみたら「タクシーを待っているんだけど、誰もいないし、配車用の電話が壊れていてタクシーが呼び出せないんです。」と言う。


同級会の会場は歩いて20分くらいのところなので、歩いて行くことにした。歩いていたら、たまたま空車のタクシーが走っていたので乗せてもらって、会場へ行った。


会場に着くと、みんなに何か言えというので「遅れてすまん。」ととりあえず、謝った。それから空席に座って勝手に飲み始めた。


どうやら、みんなの所には、出欠席の往復ハガキが届いていたらしい。「俺の所には、ハガキも来なかったぞ。」と文句を言うと「君は、準幹事だから出さなかった。」と言う。


幹事をしていたのはトシオで、彼とは20歳前後の頃、よく飲み歩いていた。高校も別だったが、中学校の頃からずっと仲間だった。中学校の頃もよく酔っ払った状態で彼は学校に来ていた。赤玉ポートワインを飲んだ後、サントリーの角瓶をストレートで飲んだりしていたらしい。だから、バスケの試合では、彼にパスが行くたびにふらついてトラベリングを取られたりした。


彼のじいさんが死んだときも、俺と一緒に飲んでいた。「いいのか?行かなくて。」「じいさんはもう80歳超えていたからな。ハレー彗星を2回見たってことになるから、いいんだ。」というわけのわからないことを言っていた。


中学時代の先生は、胃がんになり、俺の同級生の外科医に胃の3分の2を切ってもらったらしい。それからもう8年経つというから、再発はしないだろう。その外科医とも一緒に飲んだ。俺も、かつて病院で勤務したことがあったので、いろんな話をした。「外科医だろ?目は大丈夫か?」「そうなんだよ。目がなあ。」「外科医は技術があっても、老眼になると辛いんだよな。」という話をした。


自治医大卒の先生が、若くして田舎を回ることについて、俺は今まで、税金で医学部を出してもらったんだから当たり前だと思っていたが、彼は違うと言う。「田舎には俺たちベテランが行けばいいんだよ。若手はそれこそ目もいいし、大病院でいろんな症例をいっぱい診た方がいいんだ」と言う。「確かに、それは言えるな。」と思った。


中学時代の先生ともいろんな話をした。俺が未だに独身だと聞いて驚いていた。「そうなんですよ。すみません。」と謝った。


後半は、酔っ払ったトシオが話を一人で引っ張った。面白い話が多くて相当、笑った。これだけの面白い話ができるのは、才能だと思った。


トシオは「俺は、もう一つランク上の高校を受けるように先生に言われたんだけど、断った。」という話をした。俺も知らない話だった。「どうしてかというと、電車通学がしたかったから。好きな女の子が、電車通学になるって知っていたから。」と言うことだった。へえ。と思った。
「でも、6か月後に定期買いに行ったとき、やっぱりお金がもったいないし、自転車通学にしようと思って、盗んだ自転車で通ってた。」ということだった。「今でも、どうして俺は、あの女が好きだったのかって考えることがある。」ふーん。と思った。


20歳前後に飲み歩いていた頃の俺との話も相当出て、いろいろと思い出した。あの頃も、こいつのしゃべりは面白いなあって、いつも思っていたことも思い出した。


「俺がなんか言うじゃん。そうすると、ちょっと違う視点から言ってくれるんだよ。だから、いい兄ちゃんみたいに思っていた。」とも言われた。なるほどなあ、と思った。俺と飲みに行かなくなったのは「彼女ができたから。」らしい。それはそうだろうと、思った。


いろんな話を聞いて楽しかった。みんなで中学時代に合唱した歌をカラオケで歌ったりした。俺のクラスは歌がうまかった。今回も歌ってみて、未だにうまかったので「すごいな」と思った。


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俺が小学生のとき、父親が家にあった古い神棚を捨てて、新しい神棚にした。
新しい神棚を買うときには、俺も一緒に行った。どこかの神社に売っているのかと思っていたら、そうではなく、普通のホームセンターだった。


母が生きていた頃は、正月には神棚に灯明を灯して、拝んだりしたものだった。今は何もしていない。


俺は、買った当初から、この神棚がどこか気に入らなかった。ホームセンターで買うというのが、ショックだったこともあるのだろう。俺の信心が足りないせいもあるのかもしれないが、なんとなく、この神棚に換えた後から、家の運気が下がったような気がしていた。母もいなくなると、もう拝むこともない。それで、捨てることにした。でも、神棚をどこに捨てたらいいのかわからない。


姉に聞いたら、諏訪の神社で引き取ってくれるところがあるらしい。姉の家でも、古い神棚を処分するというので、一緒に持って行ってくれるように頼んだ。


そんな訳で、今、実家には神棚がない。でも、別にいいや、と思っている。


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土曜日の夜は、午後6時から、いろんな部署の部下と4人で麻雀をした。久しぶりに雀荘に行った。今の自動卓は、最初に手牌だけが持ち上がってくる。それを全員が手元まで持ってくると、ドラ表示までされた積まれた牌が持ち上がってくる。すごいな、と思った。1本場とか2本場も表示される。


俺は前半、絶好調だった。次々と大きな手をあがった。あがれなかったが、生まれて初めて、国士無双のテンパイまでいった。


後半は、運気も下がり、簡単に勝てなくなったが、それでもかなり勝つことができた。麻雀の最中に、ふと時計を見たら、午前1時を過ぎていた。


「もう帰ろうよ。」俺が言うと、他の3人も異存はないようだった。もう半荘だけして、帰ることにした。実際に帰ったのは、午前2時を過ぎていた。


俺が驚いたのは、自分が午後6時から午前2時まで、集中力を途切れさせなかったことだった。東大に行った俺の従兄弟は2人いるが、そのうちの1人は、かつて「勉強は1日6時間くらい。もっとできるけど、毎日続けるにはそのくらい。」と言っていた。


俺は、その話を休日前提の話だと思っていた。俺は、平日にそんなに勉強したことは、長い人生のなかで1度もない。普通の日に、そんなに集中できるわけがないと思っていた。


でも、今回、自分が集中して麻雀をしたことで、そんな勉強の話をリアルに捉えることができるようになったし、自分でもできるじゃんと思った。


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デンマークとスウェーデンの合作ドラマ「ブリッジ」のファーストシーズンを見終わった。

デンマークとスウェーデンの国境に掛かる橋で、夜、45秒間停電し、真っ暗になる。その間に、ちょうど国境の位置に死体が横たえられる。管轄はどちらになるのか?


さらに、死体は上半身と下半身が切断されており、それぞれ別の人間であることが判明する。スウェーデンの女性刑事と、デンマークの男性刑事が動き出す。


レビューを見ると高い評価は少ない。でも、俺は激務の後、見知らぬ男を自宅に連れ込んでセックスして、満足した後は、また事件をパソコンで調べ出す、このスウェーデンの女性刑事の態度がけっこう気に入った。仕事人間で、思ったことを平気でずけずけ言う性格も好きだ。何よりもタフで弱音を吐かない姿勢がいい。


「法の下の平等」という難解そうな本を、雑用をしたり、ご飯を食べながら読んでいる姿を見て、自分の勉強に対する姿勢も戒められたような気がする。「純粋な勉強時間」なんか、なくてもいいんだ、と思った。何をしながらでも、勉強はできるのだと。

 

このドラマでは、北欧の洗練されたキッチンや家具が映し出される。このドラマに出てくる犯人の家は、俺の理想の間取りで、理想の家具だ。犯行のための資料が壁に貼ってあるが、それすら美しい。

 

このドラマは女性の捜査官が主人公で、驚くほどの優秀さ。体に2発の銃弾を撃ち込まれても、出血しながら捜査を続ける。そして本当に解決する。こういうドラマが日本でも放映されるようになると女性の社会進出が本格的になるのではと思った。


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山野目章夫の「不動産登記法入門」(日本経済新聞出版社)を読み終わった。


「不動産登記は、おもしろい」 ことを実感してもらうためにこの本を書いたらしいが、特に面白くもなく、不動産登記について、深く理解ができたかと言われても、そうでもない。


素人向けに書いたのか、実務者向けに書いたのかも判然としない。学者らしく「こうあるべき」という制度に対する提言もあるが、そんなに優れているとも思えない。


買いたいと思った土地の所有者が外国人だったら?とか、戦前の共有登記で所有者が20人もいたらどうするのか?など、不動産登記の制度はこうあるべきと提言すべき事例というのがもっとあるはずだと思う。


やはり、こういう本は、実務でバリバリやっている人が書かないと、勢いも本当の問題のありかもわからない。


女の債務者のために、男が自分の土地を抵当権の目的にしているということを登記簿で見て、この学者の先生はにやにやしていたそうだが、そういうことは、おもしろいと言わずに、くだらないと言うんですよ、と教えてあげたい。


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阪田智之著、河野やし画の「マンガはじめて司法書士 民事訴訟法」(住宅新報社)も読み終わった。

民事訴訟法は、ある程度わかっているけれど、民事執行法や民事保全法のことは全く知らなかった。このマンガを読んで、どのようなものなのか、あたりがついたのは良かったと思う。そういうあたりがつくという点では、こういうマンガの本は適していると思う。


ただ、画のできはイマイチで、もう少しいい漫画家の先生はいなかったのかと思わないわけにはいかなかった。