戦争と原爆について語りたい 5 ~日本軍部の負の側面~
善だけじゃない日本軍部の負の側面を書いています。ちょっと歴史をおさらいしますが、5.15事件では海軍の青年将校らが軍縮を支持していた犬養毅を射殺。政治より武力が支配する色合いを濃くしていきます。2.26事件では、海軍が成功したなら陸軍だってと、今度は陸軍青年将校らがテロを起こします。このような状況で政治家も国民も恐怖で震えあがる中、これを機に陸軍が一気に暴走。陸軍主導で「日独伊三国同盟」を締結。本来の神道とは似ても似つかぬ宗教カルトと化した軍部は、天皇の名を利用してどんなムチャクチャな事も国民に求めます。特攻隊については、なんと8割が銃弾幕を突破できず、海に落ちただけでした。爆弾や魚雷といった通常攻撃の方がパイロットを生存させた上、戦果もあげられたのです。軍部ではなく国民にどの程度の落ち度があったかについては、難しいと思いますが、ただ当時は特高警察が目を光らせる監視社会でした。少しでも体制批判でもしようものなら連行されて拷問。ひどい時は死体で返されたそうです。隣近所で互いに監視しあう「隣組制度」で平和主義は監視されていました。この状況で戦争反対の運動なんて、とうてい無理でしょうね。「アジア解放」や「八紘一宇」など看板だけは美しいものの、国民は恐怖で支配されていた側面が大きいように思います。もちろん国民も「アジア解放」や「八紘一宇」の信念はある程度持っていたと思いますが、軍の上層部が国民と同じような気持ちで動いていたかと言われると疑問です。つまりアジアのためと言うより日本そのものの保身の意味あいが強かったんじゃないかと思います。そうするためにはアジアから白人を追い払うのが、日本にとっても都合がよかったという事じゃないでしょうか。もちろん当時の日本は外交的に追い詰められた状態だったと思うので、平和にのんびり暮らしてる現代の感覚だけで裁くのは不公平ではあります。そのあたりが、私が「何もかも善ではなく、何もかも悪ではない」と強調したい理由なんです。このあたりの動画を見ると、「アジアに及ぼした結果」に限って言うなら素晴らしいの一言に尽きます。しかし一方では「731部隊」や日中戦争での「重慶爆撃」なんて事もありました。↓731部隊重慶爆撃善か悪かのように、単純化して戦争を総括すると間違いを犯してしまいます。ただ動画を観て思いましたが、欧米列強の国々は口には出さなくても、もしかしたら今でも日本を恨んでるかもしれませんよね。(庶民ではなく支配層とかは)日本のせいで植民地を失ったし、植民地支配が悪い事という新しい価値観を生み、罪悪感を感じさせられるわけですから。もっと清々しい気持ちで植民地支配を続けていられたらと思ってるかもしれません。