【マンガ感想】
『へうげもの 13巻 (山田芳裕)』
へうげもの(13) (モーニングKC)
山田 芳裕 講談社 2011-07-22 by G-Tools |
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【あらすじ】
秀吉の死により、泥沼の朝鮮侵略がようやく終結。死にものぐるいで戦った武将たちの不満は官僚派の筆頭・石田三成に集中。世に言う「七将」襲撃事件をまあまあまあと丸く収めたのが家康。三成を政権から追放するナイフエッヂな政略で、次の天下は徳川さんとの声しきり。とにかく時代はゴーゴー「関ヶ原」。「ヘウケモノ」な茶碗を世に放つ織部。東西分かれてのくんずほぐれつに、危ない橋を平気で渡ります!
功名よりも茶器に興味を示す人物・古田織部を主人公とした戦国時代を舞台とするマンガ。
この古田織部は実在した人物で、利休の弟子で、利休七哲のひとりであり、
織部焼・織部流の創始者としても有名な人物です。
戦国時代のマンガといえば、戦争で生き残り、立身出世が主流でありますが、
このマンガは『文化』・・・特に茶の湯の世界が中心に描かれています。
そのおかげで、このマンガは非常に新しい視点から戦国時代を描かれております。
千利休の影響で、茶の湯が多くの大名に流行ったことは有名ですが、
漫画というジャンルで、本格的に安土・桃山文化の世界を描いた作品は他に読んだことがありません。
そういった意味で、多くの読者にとって、『新しい作品』であると思います。
『戦国時代のもう一つの顔』である安土・桃山文化を描いているということで、
どうしても地味な印象を受けるかもしれませんが、文化的なことだけでなく、
ちゃんと戦国マンガらしい部分(独自解釈が多いけど)も描かれているので
そういった意味でも、戦国ファンが安心して買える作品だと思います。
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ここからは、13巻の感想。
13巻では、12巻で『豊臣秀吉』が死んでしまったことから起こることとなった様々な出来事を
描きつつも、『前田利家』の死、『徳川家康』の台頭が印象的に描かれております。
そんな13巻のメインとなるのは、もちろん『石田光成』と武断派との対立ですね。
このイベントは、『豊臣秀吉』の死により、2回目の朝鮮出兵がついに終わることとなったところから
始まりまして、その朝鮮出兵で命を懸けてきた西国大名たちを何故か『石田光成』が筑前国・博多で
迎えることとなりました。
上記の画像のように『石田光成』は、西国大名たちに対して主君のような態度をとります。
さすがに西国大名たちはその態度にあきれてしまうわけですが、さらに『石田光成』は
挑発するような言葉を言い放つこととなり、西国大名たちはその言葉に対して怒りを
あらわにします。
そして、さらに上記の画像のように、『石田光成』は「文句があるなら言ってみろ」と言い放ち、
完全に西国大名たちと対立構造を作ってしまうこととなりました。 もちろん、この『石田光成』の
行動は計算の上での行動でして、簡単に言うならば、『豊臣秀吉』を失った『豊臣政権』に対して
謀反を起こそうとする人物をあぶりだすための行動であったようです。 そのために、事前に
自分に味方してくれる人々と連絡を取り合っているようで、もしも、ここに参加している西国大名や
『徳川家康』が謀反を起こすこととなった場合に対しても対策をしているようです。
しかし、そんな用意周到に物事を進めていた『石田光成』であったのですが、最大の味方である
『前田利家』の急死や、『徳川家康』の暗殺計画の失敗、武断派の『加藤清正』・『福島正則』・
『黒田長政』・『細川忠興』・『浅野幸長』・『池田輝政』・『加藤嘉明』の7人の大名による突然の
石田光成邸襲撃により、結果的に、『徳川家康』から五奉行の役を辞し国元の佐和山城へ
帰るように言い渡されます。 『石田三成』はそのことをしぶしぶ受け入れることとなり、
実質的に、天下は『徳川家康』が掌握することとなりました。
これ以降は、実質的に天下人となった『徳川家康』による統制が始まることとなり、
一応、『豊臣家』を立てながらも、自分と対立する勢力に目を光らせていく描写が描かれます。
そして、その『徳川家康』にあの有名な『直江状』が届くこととなり、ついに時代が動きだそうと
いう雰囲気になってきます。
ということで、『直江状』が届いたところで、次巻へ続いていきました。
恐らく、次巻以降は、関ヶ原の戦いの前哨戦や、関ヶ原の戦いが描かれることとなり、
一気に時代が動き出すのだと思われます。 次巻も楽しみです。
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【総評】
『豊臣秀吉』が死んだことで一気に時代が動き出しました。
この時代の変化に、主人公・『古田織部』がどのような行動をとっていくのか、
非常に気になりますね。 次巻も楽しみです。
点数的には
96点
です。
では、ここまで。