【マンガ感想】
『風雲戦国伝 風雲児たち外伝 (みなもと太郎)』
風雲戦国伝 (PHPコミックス)
みなもと 太郎 PHP研究所 2010-11-16 by G-Tools |
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【あらすじ】
あの『風雲児たち』のオフィシャル外伝が、ついに登場!!幕末維新を牽引したのは、なぜ長州藩と薩摩藩だったのか…その答えは“関ヶ原”にあった! 幕末を語るために“関ヶ原”からスタートした、大長編歴史ギャグの名作『風雲児たち』。その原点ともなる戦国時代を描いたファン待望の一冊。教科書では教えてくれない歴史の意外なエピソードや、人と人とのつながりが満載。そこには、年表を覚えることでは感じることのできない歴史のドラマがある。ギャグを織り交ぜながら、歴史上の人物たちの素顔に迫る“みなもと史観”は、外伝においても健在。『風雲児たち』という“大河”へ繋がる珠玉の“支流”たちは、“みなもと史観”への入門編としても最適!!
幕末・・・に入る少し前の時代を描いている歴史マンガの外伝が収録されている作品です。
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・・・と多くの英雄を輩出した戦国時代。
その戦国時代で、彼ら英雄の影に隠れながらも、彼らと共に戦い、そして生き続けた人々。
その人々を歴史漫画・『風雲児たち』の作者・『みなもと太郎』が独自の解釈で描いていく・・・。
というような作品でして、歴史漫画・『風雲児たち』の作者・『みなもと太郎』先生が、『大谷吉継』や
『鍋島直茂』・『直江兼続』・『井伊直政』・『藤堂高虎』・『黒田官兵衛』・『池田輝政』・『毛利元就』・
『長宗我部元親』・『長宗我部盛親』などの戦国時代の人々を描いている作品です。
この作品集の特徴としては、1話8ページくらいの“短編”である点ですね。
作者の代表作である『風雲児たち』はすでに20年を超える長期連載となっているので、
「この作者が短編を書けるの?」と思われるファンもいるかもしれませんが、『風雲児たち』の連載自体、
短編ストーリーの集合体のような作品であるので、1話8ページでも『風雲児たち』を読むように
面白おかしく描かれております。 もちろん、8ページでは描ききれないため、前後編に判れていたり、
3部作になってしまっていたり、8回も連載されていたりしているので、かなり読み応えのある作品に
仕上がっていますよ。 「どうしようかな?」と思っているファンの方がいるならば迷うことなく購入を
お薦めします。 人によっては、本編より面白いと感じるかもしれませんよ(笑)。
(↑関ヶ原を迎え撃とうとする西軍の面々)
で、
個人的に面白かったのは、やはり『大谷吉継』の話ですね。
『大谷吉継』とは、『石田三成』と共に関ヶ原の戦いで活躍した人物でして、顔を白い頭巾で
隠していたことでも有名な人物です。 彼のエピソードとして有名なのが、あの『豊臣秀吉』に
「100万の軍勢を与えて指揮させてやりたかった」と言わせるほどの戦上手であったことでして、
関ヶ原の戦いでもその才能をフル回転させ、西軍を5分5分の戦いに導くことに成功しています。
そんな『大谷吉継』のエピソードが描かれることとなったのがこの外伝でして、
ナント、この話は8話(1話8ページなので、合計64ページ)に渡って描かれている長編となっています。
他の話と違い、64ページと長編なので、彼の立身出世が丁寧に描かれていきつつも、『石田三成』との
関係や、『徳川家康』との関係、そして関ヶ原の戦いなど彼が関わったとされるほとんどのイベントが
描かれていくので、特に『大谷吉継』について知らなくても、人物像や考え方などを知ることできます。
特に、関ヶ原の戦いに至るまでの話などは、恐らくほとんどの人が知らないであろう話であるので、
多くの人が非常に興味深く読むことが出来るのではないかと思いますよ。
また、これ以外の話も、非常に丁寧に描かれているのでぜひともお薦めしたいですね。
もちろん、取り上げられる人物達はマイナーな戦国武将ばかりなので魅力は薄いと思いますが、
戦国時代を生きた武将達の生き様を知ることの出来る数少ない漫画であると思うので、興味のある方は
ぜひとも手に取っていただきたいです。
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【総評】
面白いです(^^ゞ。
基本的に、本編との繋がりはほとんどゼロに近いわけですが、購入層はファン限定に
なるのでしょうね。 また、こういう外伝が発売れるくらいに売れて欲しいところです。
点数的には
90点
です。
では、ここまで。