2月25日代々木レッスンは中級講座、第7回「コンポジットチャート(合成図)」。
5枚のコンポジットチャート示し、ポイントを話しました。その中には記事でも書いている私の元恋人、A子とB子と私のコンポジットチャートも入っていました。そして、講義が大体終了したころ、私はA子、B子との関係を次のように話しました。
①、かつて私はA子とB子二人と同時つきあっていた。しかし、”二股状態”を悪いこととは考えていなかった。A子、B子には誠実に対応していたつもりなので問題ないと考えていた。
②、A子、B子は私の占星術教室の生徒だったけれど、私が積極的にアタックしたわけではない。
③、A子は私と個人的交際をするようになってから教室に来ることはなくなった。私がB子とも親しくなると、A子とB子は互いに相手の存在を気にしていた。しかし、私はそうした女心にほとんど無頓着だった。
④、私はB子との交際をA子に隠さなかったし、B子にもA子との交際をやめるとは言わなかった。
「なんて男なの!」とご立腹されて当然です。二股だけでも感心しないのに、それを悪いとも思わず、隠そうともしない!
私の二股はたぶん、7Hルーラー月が射手座(複体サイン)であることと関係しています。それに加えて5Hルーラー水星がこれまた複体サイン「魚座」にあって月と6度差のスクエアであることもあるかもしれません。
私にも言いわけさせてください。私とA子、B子は約20年間交際しました。もし私が不誠実な対応をしていたとしたら、こんなに長く続いたでしょうか?
④、隠そうとしなかった点に「男の開き直り」をお感じになるかもしれません。けれどこれは射手座の特性のひとつの表れなのです。これが本日のテーマ。
射手座の特性は「高さ」と「広さ(寛大さ)」、「疾走性」、そして「オープン性」にあります。
「高さ」は日常生活から離れた精神的な価値を見出そうとする特性。「広さ」は人の自由を尊重し、人の誤りを責めることのない寛大な心。「疾走性」は自分の好きな方向に一直線に走る性向、そして「オープン性」はざっくばらんな率直性、正直さと公開性。
ふつう占星術師は「自分の過去の女性関係」など公表しません。そこには多くの場合「非難されても仕方のないこと」が含まれているからです。しかし私は、占星術の良い事例だから公開する のです。ここに「射手座のオ-プン性」があります。私のN月(射手座)は=ASC/MC(直接)なので強いのです。
射手座は「嘘」や「隠しごと」が苦手です。いったん嘘をつくと嘘をつき続けなければならないように、隠しごとも隠し続けなければならない。これが射手座にとって負担なのです。射手座は、心に何のわだかまりもなく自分の好きな方向へ一直線で進み、全力で楽しもうとする星座です。そのため「他者の心」を忘れがちになる傾向を持っています。つまり、しばしば無頓着になるのです。射手座は「他人の心を考えながら」ではとても真から楽しめないのです。他人の思惑を全く気にすることなく夢中で楽しみたい。それが射手座の真の願望です。我儘ともいえます。しかしそれゆえ若々しく、他人の自由も尊重するのです。
私はA子から他の男性との交際に入ったと聞かされたとき、許容しました。自分が二股しているのですから彼女の二股も認めなくてはなりません。なお、A子のASCルーラーが射手座でした。
A子とB子のケースでは私はオープン性と無頓着によってA子とB子を傷つけてしまった側面はあるでしょう。しかし私は二人とも好きでしたからどちらとも別れようとはしませんでした。
人間いろいろです。人は倫理観や常識、価値観を持って暮らしています。だからあれこれ言うのは当然です。ただ、ひとつだけ、人のチャートを見るときには自分の価値観をできるだけ少なくして見てほしいのです。特に、社会の一般倫理や常識といったものをいったん忘れてほしいのです。
私は、不倫していて、夫と子供を捨てて男性と暮らしたいという衝動に苦しんでいる女性の相談を受けたことがあります。そうした依頼を受けたとき「不倫なんかしちゃダメよ!」と初めから強く思うと公正な目でチャートを見ることができなくなります。私たちはだれでも「自分のチャートという色のついた眼鏡」で人と社会を見ています。ふだんはそれでよいのです。しかし、チャートを見るときは、できるだけ透明の「白い心」でチャートを見てほしいのです。不倫はダメ、ではなく、「どんな人なのか」を感じ、「その方にとっての最善の方向、生き方とは何なのだろう?」と考えてほしいのです。そして、不倫をやめたほうがよいと言うときには感情だけで言うのではなく、星の根拠を示し「この表示が不倫の苦しさの表示であると思う」「男性との良い点はここ、問題点はここ」と指摘するのです。
不倫する人が人間的に優しい人で、不倫を非難する人が実際には冷たい人であることさえあります。
浮気している男性、不倫している女性、暴力亭主、借金まみれの人、一カ月前刑務所から出所した男性、、、 どんな人であっても相談を受け、チャートを前にしたときにはできるだけ社会常識や価値観を排し「無色の心」で「その人のことだけを考えて」チャートと向きあってほしいのです。それが占星術を愛しているということだと思うのです。
了