アルツハイマー病が原因の6割を占めるとされる「認知症」にはレベルがありますが、現在の日本では500万人近い方が認知症と診断されるレベルにあるようです。これは驚くべき数字です。2025年には「65才以上の5人に1人」が認知症になると推測されています。

 

64才までの発症を若年性認知症と総称しますが、先日のTVドキュメンタリーの鳥取県米子市の主婦、荒川泰子さん(59才)の事例は深刻なものでした。

 

昨年8月8日早朝、起床した夫、勉さんは妻がいないことを知ります。翌日、鳥取県に向かう国道を歩く泰子さんの姿が防犯カメラに写っていることを知りますが、今日まで泰子さんは発見されていません。

 

荒川泰子さん 1964年2月16日生まれ

 

この日付は番組の中で勉さんが「今日(2月16日)が妻の60才の誕生日」とケーキに火を灯すシーンで知りました。

 

いつも言うことですが、この日の星はこの日に生まれた方全員に共通するものですからこの日の星で認知症を指摘することはできません。それでも占星術の観点で見てみることが星を学ぶ人間の習性です。

 

正午時点の星を見ると、水瓶座で、土星、太陽、火星が「タイトな合」です。これを「男性運のハード」と即断することはできません。泰子さんには立派に社会人になっている二人の息子さんと泰子さんを懸命に探しているご主人がいます。この合は別の意味と見るべきでしょう。

 

月は魚座28度45。優しそうな泰子さんの姿から魚座で間違いなさそうです。不明になった昨年8月8日のT海王星は27魚座19でしたからこの「合」も表示になっている可能性は高いようです。

 

もし泰子さんのN月が「27魚座19」にあるとしたら、2023年5月に1回目、今年2024年3月に2回目の「T海王星 合 N月」という「外惑星Tの複数回形成」となります。(注..私は逆行によるコンタクトを形成と見ません。順行によるコンタクトのみをコンタクト・形成とします)

 

P(プログレス)では、P土星(2魚座12)=N太陽/天王星(2射手座30)という接近0度18の「長期形成」が見られます。この誤差は時刻不明ですから厳正な数字ではありませんが泰子さんのN月が魚座27前後とすれば確実な=です。

 

長期形成には「長期であるがゆえの意味」があり、この=は基本的にかなりハードです。この長期形成を見れば、Nにおける太陽のハードも男性運とは限らないということの意味もおわかりいただけると思います。

 

夫、勉さんが「似た人が歩いていた」という車載カメラに残る姿の情報を得て車で探しに行くシーンには胸を打たれました。ご家族には実に深刻な問題です。

 

医学が進歩し日本人の平均寿命は伸びていますが、脳は生命の難関のようです。

 

他人事ではありません。私は「占星術は脳トレになる。自分が認知症になるとは考えられない」などと教室で軽口をたたいていますが、生きていけば将来「なる」かもしれません。そうなれば評論家・江藤淳氏のように自死を考えなくてはならないでしょう。私にとって占星術ができなくなることは生きている意味がないことと同じです。