昔の常識を疑ってみよう!
信長と秀吉が生み出した
「八幡商人」の本当のスゴさ
前回は、近江八幡がただの地方都市ではなく、「日本全体の経済や物の流れを動かす、今でいう総合商社や銀行のような存在だった」というお話をしました。
近江八幡に本社を置き、東京(江戸の日本橋)や大阪へと支店を広げていった彼らは、「信長や秀吉といった天下人の要請にみごとに応え、国家規模の事業を支えた最高峰のビジネス集団」でした。
ですが、ここで皆さんに一つ、静かに問いかけたい疑問があります。
「なぜ、これほど日本全体を動かしていた八幡商人が、現代では『天秤棒を担いで地道に歩いた、素朴な行商人』というイメージばかりで語られているのでしょうか?」
皆さんもよく知っている「売り手よし、買い手よし、世間よし」という「三方よし」の教え。とても素晴らしい道徳的な考え方ですが、実はこの言葉は近代になってから整理されたものであり、信長や秀吉の時代には存在していませんでした。
世の中で語られるイメージの多くは、江戸時代半ば以降の「国を閉ざしていた(鎖国していた)時代の近江商人」の話に基づいています。
ここで注意しなければならないのは、この「鎖国下の近江商人」という、ひとくくりのイメージに「八幡商人」まで一緒に入れてしまうと、彼らが本来持っていた「一番の凄みと、本当のカッコよさ」が完全に隠れてしまうということです。
1. 信長が安土城に仕掛けた「集金テーマパーク」の遺伝子
八幡商人は、どこからか突然現れたわけではありません。 彼らの本当のスタート地点は、織田信長が創り上げた「安土の城下町」にあります。
信長はなぜ、巨額の資金を投じて豪華絢爛な城をいくつも作ったのでしょうか? それは単に威張るためではありません。城そのものを現代でいう「大金を使って人を集め、さらに大きく儲けるテーマパーク」として発想していたからです。
圧倒的に豪華な安土城を見せつけることで人を引き寄せ、そこに「楽市楽座」を敷いて商売をさせ、莫大な富を回す――。
安土は単なる城下町ではなく、抜群の「集金力」を備えた超・広域の経済都市だったのです。
この「エンターテインメント性と集金力で国を動かす」という信長の巨大なビジネスモデルを一番近くで学び、完璧にマスターしたのが豊臣秀吉でした。
安土城が燃えてなくなった後、秀吉はその信長の構想をそのまま引き継ぎ、八幡山城と八幡堀(城下町)を作ります。
安土で育まれた最先端の商売パワーと都市の遺伝子は、そのまま八幡の町へと丸ごと移植されました。
八幡商人とは、信長が種を蒔き、秀吉が花を咲かせた「天下統一の経済システム」そして「天下人の要請」に応える中で鍛え上げられたビジネスパーソンたちだったのです。
2. 世界とつながっていた時代を駆け抜けた八幡商人
信長や秀吉の時代、日本は決して閉ざされていませんでした。 ヨーロッパの人々や中国、朝鮮といった国々と、政治・経済・軍事で激しく関わり合う「世界とダイレクトにつながる時代」だったのです。
信長の安土、そして秀吉の八幡という最高の環境で生まれた八幡商人が相手にしていたのは、近所の農民だけではありません。天下統一を目指す戦国大名たちや、海を越えてやってくる海外の商人たちです。
彼らに求められたのは、信長や秀吉という天下人の無茶ぶりともいえる巨大な要請に応え、お金を融通し、膨大な物資を安全に届ける「圧倒的なネットワークと、時代を見抜く力(当時の世界に通用するスケール感)」でした。
国内の狭い市場で商売をしていた江戸時代の行商人(一般的な近江商人のイメージ)と、天下人とともに世界規模の激動期をプロデュースした八幡商人を同じように扱ってしまうと、
「近江八幡という町がいかに特別な場所であり、八幡商人がどれほど凄かったのか」という歴史の真実がすっぽりと抜け落ちてしまいます。
八幡商人にあるのは、律儀な道徳心だけではありません。
「信長・秀吉の時代から受け継いだ、時代の先を見通し、国全体を動かすためのズバ抜けたビジネスセンス」なのです。
ではなぜ、これほど日本全体を動かしていた八幡商人のスケール感が、現代の観光案内では消え去り、「素朴なお行商人」として語られるようになったのでしょうか?
そこには、豊臣の時代を終わらせた「徳川(江戸幕府)による巧妙なイメージの書き換え(徳川マジック)」が深く関わっていたのです。
現代の通説を鮮やかに覆し、今私たちが暮らす「近江八幡という町が秘めている真の価値」と、歴史の波に埋もれてしまった「忘れ去られた輝き」を解き明かします! つづく
近江八幡に未来を感じる若者を育てよう!
城下町近江八幡は復活する!
近江八幡でっせ❣
前回のブログです
信長・秀吉の時代が育てた八幡商人と江戸の発展https://ameblo.jp/matsui0816/entry-12970809693.html
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