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第一子を顕微受精の自然周期胚盤胞移植で授かりました。妊娠初期の糖尿病検査で予告がなく、クッキーを食べて20分後に検査をしてしまい、妊娠糖尿病と診断され出産まで食事制限で乗り切りました。第一子は今のところ何の異常の指摘もなく、発達も順調です。
第二子も自然周期胚盤胞移植で現在妊娠中です。妊娠6ヶ月半ばとなりますが、尿糖等は一度も出ず(これは第一子の時もそうでした)、血液検査も妊娠初期は問題なく、体重変動も+3kg程度で、今の所エコー検診も順調と言われています。そのため食生活は今のところ特に気を遣っていません。第一子の頃は血糖値を気にしてかなり気を遣っていたため、妊娠前後で7〜8kg痩せました(第二子妊娠時もその体重はほぼ変わってません)。ただ、もともと太っていた方で、現在のBMIは23です。
PCOSやBMIの高い妊婦は自閉症リスクが高いという記事を読んで不安になっています。第一子の時は気を遣っていたから自閉症リスクを免れていたのか?と考えてしまいます。検診での指摘は受けていませんが、妊娠糖尿病対策のライフスタイルをすべきなのでしょうか。
A 米国では自閉症の診断が極めて緩く(甘く)、簡単に自閉症と診断されます。欧州や日本とは異なる診断基準で行われた検討ですので、欧州や日本の場合に当てはめるのは好ましくありません。基本的に、米国からの自閉症関連の論文は、かなり大げさに書かれています。例えば、米国では自閉症は2%に対し、イランでは1%、米国ではADHD(注意欠如•多動性障害)は9%に対し、フランスではわずか0.5%未満です。また、自閉症と記載されている論文の中には、ADHD=注意欠陥多動性障害、ASD=自閉症スペクトラム・アスペルガーなどを含んだり含まなかったり、様々です。
例えば、下記のものが自閉症のリスク因子として挙がっていますが、否定する論文もあります。
ART治療(2019.11.19「Q&A2387 ☆産婦人科医から質問:不妊治療の怖さについて」でご紹介)
夏の妊娠(2019.10.16「Q&A2352 夏の妊娠は自閉症リスク増加!?」でご紹介)
夫婦の肥満(2019.6.10「☆不妊原因と子供の健康について その2:夫婦の体重」でご紹介)
夫婦の年齢(2019.6.9「☆不妊原因と子供の健康について その1:夫婦の年齢」でご紹介)
PCOS(2016.2.10「Q&A996 息子の自閉症が心配です」でご紹介)
陣痛促進(誘発)剤(2014.5.12「☆陣痛促進剤と自閉症の関連」でご紹介)
結論的には、妊娠糖尿病対策のライフスタイルは、自閉症のリスク軽減のためというよりも、母体および胎児の健康のために必要な方策であるとお考えください。
下記の記事を参照してください。
2019.11.19「Q&A2387 ☆産婦人科医から質問:不妊治療の怖さについて」
2019.10.16「Q&A2352 夏の妊娠は自閉症リスク増加!?」
2019.6.10「☆不妊原因と子供の健康について その2:夫婦の体重」
2019.6.9「☆不妊原因と子供の健康について その1:夫婦の年齢」
2018.3.25「Q&A1775 PCOSで自閉症?」
2017.5.13「Q&A1455 第二子治療開始時期は?」
2017.2.12「Q&A1364 自閉症について」
2016.2.10「Q&A996 息子の自閉症が心配です」
2015.8.19「☆ADHDは先天的?後天的?」
2015.6.27「☆母体の加齢に伴いお子さんの自閉症は減少する」
2015.4.4「☆トキソプラズマ感染症と自閉症の関連」
2015.3.25「Q&A642 テストステロンと自閉症の関連」
2014.10.24「自閉症と体外受精の関連」
2014.5.12「☆陣痛促進剤と自閉症の関連」
2014.2.13「体外受精で自閉症は?」
2013.4.14「自閉症と体外受精の関連は?」
なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。