貞彦469話  『就学時検診』

 

 

11月。
予想はしていたけど
各所での手続きは
かなりの時間を使い、
手続きをした後も
いきなり高額な税金の
支払い用紙が届いたり、
国民保険の支払い額が

跳ね上がっていたりなど、

役所へ聞くために何回も

通った。

複雑な状態でくらして
いたものをみんなと同じ
ようにすると、当たり前に
あるシステムに何かが
ひっかかってしまい、
こういった請求がきてしまう
ようで、窓口で正しい金額を
だしてもらい一安心する。

ぷう助の戸籍も移す
ことができて1ヶ月間、
心落ち着く暇がなかった。

財産分与の件では、
四条先生からのメールで
詳細な金額を郵送で送った

という連絡がきていたけど、
返答しなくてはいけない
ものではないから、
手紙を開封するのは
後回しにする。

そんな疲れた毎日を
送っていた時、
保育園へ迎えにいった
ぷう助の機嫌がものすごく
悪かった。

久しぶりにこんなぷう助の
顔を見て、帰りながら
何がおきたのかを聞こうと
すると、ぷう助から
口をひらく。


「お母さんどうして僕の
 いっていることをちゃんと
 きかないの!!

 お母さんのせいで
 ぼくはみんなと同じ
 学校に行けなく
 なっちゃったんだよ!」


自転車をこぎながら
訴えをきき自宅に
着いた頃には、ぷう助が
怒りながら泣いていた。

私は意味がわからず、
そのまま泣いている
ぷう助の手をつなぎ
家へ入ってから話の
続きが始まる。


「ぷう助はここに住んで
 いるからみんなと同じ
 小学校に入学するんだよ」

「だから入れなくなっち
 ゃったんだって!
 
 お母さんに何回も
 いっていたのにちゃんと
 聞いてくれなかったじゃん」

「えっ!?
 なんの話?
 学校の事?」

「そーだよ、みんなもう
 学校にいったんだよ!」


そういわれ思い出したのは
就学時検診。

ぷう助がいう通り、たしかに

離婚が成立した頃、ぷう助の

お友達がお母さんと学校へ

行ってきたという話を
聞いた。

その話を聞いて、就学時検診の
知らせが順に届くんだなと
思い込み、ぷう助にも
「すぐ届くから待ってて」
と返事をしてからもう1ヶ月。

離婚の手続きですっかり
忘れていた。

ぷう助には謝り、明日
役所へ就学時検診の
お知らせが届いていない
事を伝えに行く約束をしたけど、

ぷう助は納得しないまま、

むくれた顔で夕食を食べ

お風呂に入り、すぐ眠った。


翌日、約束通りパートへ

行く前に役所へ寄って、

窓口を担当している職員さん
に話してみると

「住民票のある人には全員
 送っているので。
 もうそちらの小学校は
 就学時検診が終わってるから」

そういわれ、私たちは

先月まで住民票を持っていな

かったけど、引っ越し
てきた時からそういった
手続きはしていて、
行政の支援や保育料もこの
地域に住んでいる者として
生活しているという説明を
したけれど、就学時検診は
住民票が全てとの事だった。

ここで話が終わってしまい、
どうすればいいのかを
聞かなくてはと思っていると、
窓口の奥から30代後半
くらいの職員さんがきて、
私の話しをした職員さんに
事情を聞くとすぐ対応を
変わってくれた。


「申し訳ないです。情報を
 取りこぼしてしまったようです。
 
 ご住所の小学校ではすでに
 就学時検診が終わってしまい、
 大変申し訳ないのですが
 ここから離れている
 ●●小学校がまだやって
 いるので、そちらに
 いって受けてきてくださる
 ことは可能でしょうか?
 
 実はそちらも明日まで
 なんですが…」


●●小学校はうちから
遠く、バス停もはなれていて
自転車ならなんとか行ける
けど、雨に降られたら
その中でぷう助を連れて
いくとなると、タクシーで

行くしかない。

明日に行かなくては
いけないというのも、急
すぎて返答に悩んだけど
行く事にした。

私もぷう助の話を
適当に聞いて返事を
していたし、これを
役所にしっかり対応して
下さい!というのも
無理な話。

特例のような状態で
長い間暮らしていた
のだから、こういうことは
自分でも気をつけないと
いけなかった。


次の日、ぷう助はご機嫌で
保育園を早退して、
通ったことのない道や
小学校に大喜びで無事に
終わり私は疲れてしまって、
自転車をアパートに置いて
から、夕食はファミレスへ
行く事にした。

ぷう助は良い事だらけ

の1日でずっと笑って
いて、私もそんな顔を
みていると疲れはとれ
ないけどほっとする。

いつもは外でお酒を
飲むなんていうことは
絶対にしないけど、飲み
たくなってしまい
100円のグラスワインを
たのみぷう助と乾杯
した。

ワインはグラスの半分
までしか飲まないと
決めて、飲みながら
ぷう助がポテトフライや
ハンバーグを食べている
姿を眺めていると
『幸せだな…』と思う。

そう思えるところまで
やっときていた。

家へ帰ったら、四条先生

から届いていた封筒に

入っている財産分与の

金額を確認して、入金され

ていたら大学病院へ
寄付する下調べを

しようと思う。

 

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

本当にありがとうございます。

 

 

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したかったのですが、楽天で

確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

不安と恐怖の中でいくつもの

決断をして、向かい風でも

生きることを諦めないで

いる人に幸せな明日が

きますように。

絶対に来ますように。

 

 

 

 

貞彦468話  『離婚後の手続き』

 

 

10月。
離婚が成立した後の
気持ちは、もっと
すっきりするのかと
思っていたけど、
離婚前とかわらない
どころか、逆に自分を
保つバランスを崩して
しまったかのよう
だった。

だけど、それも自然な
ことなのかもしれない
と思う。

長い間、自分の一部である
かのように離婚の裁判という
ものを持ち合わせてきた
のだから、悪い物を取り

除いたこのによる穴は、

時間の流れと共にいづれ

埋まっていくもの。

深く考える必要はないなと
思い、手続きを進める
日程を作る。

貞彦さんと暮らしていた
住所の役所へいき、
住民票や戸籍の手続きを
してから、今住んでいる
ところの役所で正式に
住民票を作る。

後は年金事務所、
銀行の名義変更、
勤め先へお給料の振り込み
口座の名義変更、
行政から頂ける児童
手当の振込先名義変更、
保険証の名前変更、
病院は行った時に名前変更、

免許証の変更。

保育園では、保険証の
コピーとそこに記載
されている苗字を伝えて
いれば、卒園まで苗字を
かえなくてもいいという
ことで、ぷう助に苗字の
変更を告げるのは、
小学生になる前にしよう
と思う。

かき出しただけでも
かなり時間を使う
ことがわかり、さらに
ぷう助の戸籍を移動
するのは、少し後に
しなくてはいけない
という話だった。

私の戸籍を作ってから、
その戸籍が役所で登録

される2週間後くらいに
ぷう助の戸籍を私の元へ
移すことができ、少しの

間だけ戸籍のぷう助は

貞彦さんの元へ置いたまま

となる。

住んでいないところに
住民票をおき、住んでいる
ところの住民票を持って
いないという私の手続きは

時間がかかることを考えると、
何日かパートを休まないと
いけない。

そう思うと、苗字がかわる
というのは女性の手続きが
多く、親権も得ているから

手続きだけでも大変だと

思う。


世間でよくいわれている
『結婚より離婚の方が
 大変』
というのを何年も

味わい、これが最後の

『大変』なんだと思った。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

本当にありがとうございます。

 

 

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待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

誰にも言えない試練の

ような苦しさを抱えている

人の願いが届く明日に

なりますように。

 

 

 

貞彦467話  『裁判が終わる』

 

 

なかなか戻ってこない
不二先生に対して、その場

にいた書記の方なのか

職業名はわからないけど、

裁判所の書類を扱っている

ような人と四条先生も、

態度には表さないけど

苛立ちを募らせているのが

わかり、私もだった。

待っている時間に携帯電話や
夕食の献立を考えたりできれば
ストレスを回避できるけど、
大事な時間に夕食を
考える気にもなれず、
部屋にいた人全員が
時計ばかり見る。

それでも戻ってこない
不二先生に、四条先生が
迎えに行こうかとそんな
話を始めていたところで
やっと戻ってきた。



「あ、あの、今聞いて
 きたんですが、それが

 期日はいちおう本人の希望で
 それで」

「許可をいただけたということで
 いいんですね」

「え、ええ、まぁその、
 あっ、はい、そんな感じで」


そこからはすごい早さで
四条先生がすべてを
しきり、不二先生に
書類を渡したら、記入
漏れのないように
隅々まで書くところの

指示をして、あっという間に

終わった。

私は一言も話さず、バッグに
使わなかったボールペンと
メモ用紙を入れていると


「私たちは先にここを
 出ますので、不二先生は
 鉢合せしないよう時間を
 ずらして出てください」

「あっ、はい、このあと
 貞彦さんにこの説明を
 しなくてはいけないので
 しばらくここにこます、
 大丈夫です」


会話が終わると同時に
四条先生は部屋をでて、
私も不二先生に一礼を
してから退室をする。

不二先生には待っている
間に苛立ちを感じたけど、
でも貞彦さんの弁護をする

のは大変だっただろう

なと思ってしまう。

不二先生のそんな
やり取りがあったおかげで
私は緊張していたことを
すっかり忘れていて、
四条先生とも不二先生の
話をした。

四条先生はここまでの
長い間、不二先生の返答が
遅かったり、よくわかって
いないのではないかと
いうことが多く、わざわざ
表を作って送ってあげたりも

したという。

初めて聞いた話で、
不二先生は離婚の裁判に
慣れていない先生だった
のかと聞いてみると、
何か1つを専門的にやっている
先生ではないようだった。

四条先生と一緒に、
いつもは裁判所の裏口から
出ていたけど、最後は
正面からでることが出来て
「ありがとうございました」
と心の中で一言いい、
先生にお金の清算や離婚届の
出し方をもう1度聞きながら

駅へ向かう。

貞彦さんからの財産分与は
法律事務所のほうへ入金され、
そこから法テラスで借りた分の
清算をして、残りが私に
入金される。

だいたいの計算をすると、
財産は法テラスで借りて
いる額と同額くらいだから、
財産分与で全部返しきれれば
いいなと思う。

そして、駅へ着き先生と
別れた後は、母やサバ子など
ここまで支えてくれた
人たちに裁判の終わりを
メールで報告した。


【お知らせです】
いつもお読み頂きありがとう
ございます。

裁判がここで終わりました。
9月に裁判が終わり、
明日からの投稿は、その続きで
手続きや引っ越しなどをして、
ぷう助が小学生になる前の
3月でお話を終了します。

終わった後は、現在に至る
までに起こったいくつかの
出来事、このブログに登場して
くれた人たちの現在、ぷう助の事、
伝えるつもりが抜け落ちた
部分などの投稿をしてから、
ブログの更新を終わらせて
頂く予定です。

あと数ヶ月の更新になるかと
思いますが、お時間の許す
時に読んで頂けたら
幸いです。

皆様のおかげで、とても
幸せな時間を過ごさせて
頂きました。
ありがとうございます。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

本当にありがとうございます。

 

 

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お月さまってどんなあじ? [ ミハエル・グレーニェツ ]

 

※昨日からご紹介しました

「お月さまってどんなあじ?」

が楽天で在庫無しになってしまいました。

amazonにもないようです。

図書館にはあると思いますので、

ぜひ、読んでみてください。

 

 

『お月さまってどんなあじ?』

 

本を開く前に、想像をする
ことから始まる楽しい
絵本です。
「どんなあじ?」という
題名だけで、感性が豊かな
子供たちはどんな味か
という想像を頭の中に
描きます。

自分が好きな物の味、
嫌いな味、触感がふわふわ
なパンのようだったり、
おせんべいのようだったりと
自然と頭の中では、おつきさまの
味をイメージしてから、絵本の
1ページ目が始まります。

そして、絵本のページを
めくるごとに早くおつきさま
の味を知りたくなって
いき、最後に自分が想像
したお月さまの味だったのか
ということを知ることが
できます。

文章は2歳頃から全文を

読んであげることが

できるくらいの長さで、

動物たちもでてきて
わかりやすい言葉になって

います。

 

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

不安に囲まれて孤独に

負けそうな今日を

生きている人が

受け取れなかった幸せは、

そのぶん明日、2倍の

幸せになって届きますように。

 

明日も明後日も辛かったら

その分の幸せを

1ヶ月後、3ヶ月後、半年に

全部受け取って幸せ

いっぱいの未来が必ず

来ますように。

 

 

 

貞彦466話  『最後の裁判』

 

 

裁判所の中へ入ると
警備員が立っていて、
不審物をもちこんで
いないかのチェックが
ある。

気が付くと、私が
初めて裁判所に足を
踏み入れた時よりも
チェックの時間が増え、
厳しくなったなと思う。

弁護士さんたちは以前と

かわらず、ほとんど

チェックはされない。

四条先生とそんな話を
しながら控室へいき、
先生が書類を出しに行く
という事で、私は調停を
やっていた時とあまり

変わらない古い病院の
待合室のような空間で待つ。

しばらくすると、先生が
戻ってきて貞彦さん側から
始まるけど先生もその場へ
いくということで、私は
終わるまで、そのまま
1人で待機となった。

控室で待っている人たちも

どんどん呼ばれて行く。


貞彦さんたちは今、どんな
やり取りをしているのだろうか
と、想像してみたりしながら
自分の番がくるのを待つ。

時計をみると20分がすぎて
いて、また貞彦さんが
長引かせているのかな
と思っていたら、四条先生が
戻ってきて次は私が裁判官の
ところへ行く。

緊張した。
ドアを開け、入室したら
すぐに席へ座り名前などの
確認をしてから和解の話に

なり、私は「はい」という

ことぐらいしかしなくて

よかったけど、調停や

たまに出席した裁判の

時とは違う改まった空気。

返答するべき内容が
終わると、後は裁判官
と四条先生が日付や書類
などのやり取りを話し合って
いて、私は返答に悩む
こともないまま座ってる
だけとなり、1度退室後に
別室でまた違うやり取りを
するという話になった。

四条先生が控室に戻りながら

「久しぶりに貞彦さんの姿を
 見たのですが、ずいぶん
 痩せてましたよ。

 背がすらっと高い人
 でしたけど細くなって、
 だいぶ前にお会いした
 時よりもより背の高さが
 目立つような姿でした」

「そうなんですか。
 きっと独自の理論で食生活を
 送っているはずです。

 普通の人は1日三食ですが、
 貞彦さんはきっと1日の
 必要摂取量を計算して
 それを6食にわけて食べた
 ほうがいいとか、逆に
 サプリと栄養ドリンク
 だけにして、食材は無駄な
 エネルギーをとるから食べない
 なんていうことをやって
 いると思います」

「想像つきます。
 そういうことをやるのが
 好きというか、本質的に
 そういう人のようですね」


そんな小さいおしゃべりを
してから、次は裁判官が
いない部屋で、貞彦さん側の
弁護士である不二先生と
なにかのやり取りをする
ようで別室へ入る。

どんなことを決めるのかは
聞いていなくて、四条先生が
テンポよく話している姿
にたいして不二先生が
マイペースで
「う~ん」「どうしたらいいかな~」
と返答していた。

会話のやり取りから離婚届の
期日や書類、お金の振り込み

などを話し合ってくれて

いるのがわかったけど、

途中で四条先生が

「それは不二先生が貞彦さんに
 ちゃんと聞いて許可を
 もらってきてください!」

と、とどめを刺すように
いったら不二先生が
小さな声で

「わかりました…。聞き入れて
 もらえるかな…、いってきます」

と独り言をもらすように
控室で待っている貞彦さん
の元へ向かった。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

本当にありがとうございます。

 

 

【お知らせです】
いつもお読み頂きありがとう
ございます。
これが離婚の最後の裁判となり、

手続きや引っ越しなどをして、

ぷう助が小学生になる手前で

お話を終了します。

終わった後は、現在に至る

までに起こったいくつかの

出来事、このブログに登場して

くれた人たちの現在、ぷう助の事、
伝えるつもりが抜け落ちた
部分などの投稿をしてから、
ブログの更新を終わらせて
頂く予定です。

あと数ヶ月の更新になるかと
思いますが、お時間の許す
時に読んで頂けたら
幸いです。

皆様のおかげで、とても
幸せな時間を過ごさせて
頂きました。
ありがとうございます。

 

 

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【お気に入りの紹介です】

 

 

本を開く前に、想像をする
ことから始まる楽しい
絵本です。
「どんなあじ?」という
題名だけで、感性が豊かな
子供たちはどんな味か
という想像を頭の中に
描きます。

自分が好きな物の味、
嫌いな味、触感がふわふわ
なパンのようだったり、
おせんべいのようだったりと
自然と頭の中では、おつきさまの
味をイメージしてから、絵本の
1ページ目が始まります。

そして、絵本のページを
めくるごとに早くおつきさま
の味を知りたくなって
いき、最後に自分が想像
したお月さまの味だったのか
ということを知ることが
できます。

文章は2歳頃から全文を

読んであげることが

できるくらいの長さで、

動物たちもでてきて
わかりやすい言葉になって

います。

 

 

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

辛い出来事と同じ分だけ

たくさん笑うことが

できる明日になりますように。

 

 

 

 

貞彦465話  『離婚が成立する2日前』

 

 

9月。

最後の裁判所へ行く2日前。
とても緊張していた。
 

本当にこれでよかったのか、
何度考えても答えは同じ
なのに、それでも繰り返し
考えてしまう。

流れのままに身を任せれば
離婚は遠く、その分婚姻費用を
受け取れるから貯金ができる
というメリットがある。

もし離婚をしたすぐ後に
大金が必要になる事態が
起きた時、私はこの決断を
後悔しないだろうか…と
次から次へと『もしも』を
作り、自分を試すように
自問自答する。

そんな終わりのない
ことを続けていたら、
段々と嫌になってきた。

必要以上に不安を大きく
しているのは自分自身で、
毎日忙しいはずなのに
余計な不安ごとを考える
余裕があるなら、部屋の
掃除をして時間をそっちに
使おうよと厳しめに

自分へ言い聞かせる。

その後は、ふと余計な事が
浮かぶたびに掃除ばかり

していた。

好きな本や漫画を読んで
みたりもしたけど、動きを
止めれば頭が余計な事を
考えだすことがわかり、
2日間、掃除ばかりしながら
当日を迎える。

朝は、いつもと変りなく
ぷう助を保育園へお願い
してから裁判所へ向かう。

満員電車に乗っている時、
きっと今日のことはずっと
忘れない日になるはずだから、

大切に1日をすごそう
と思い、調停の時から
かわらない車内の様子や
窓から見える景色を眺め
駅につく。

駅前には先に四条先生と
2人の男性弁護士さんも
いて、裁判所へ行く
用事があるということで
一緒に向かう。

裁判所までの
おしゃべりはいつも
楽しくて、先生方の
お陰で私は人生で
初めて、法律とは
こんなに面白い
ものなんだと知った。

学生の頃に知っていたら、
体の自由がきかなかった
とはいえ、法律の勉強を
したかったなと思う。

子供の成長過程の中では
色々な職業の面白さを
教えて、進路の選択を
広げてあげることも
大事だという話も先生方と
しながら、裁判所が見えて

くる。

そして門をくぐり、
ここで男性の弁護士さん
とは最後のお別れとなった。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

本当にありがとうございます。

 

 

【お知らせです】
いつもお読み頂きありがとう
ございます。
あと何回かの裁判で離婚が
決まり、ぷう助が小学生に
なる前で、お話を終了します。

終わった後は、そこから
現在に至るまでに起こった
いくつかの出来事、この
ブログに登場してくれた
人たちの現在、ぷう助の事、
伝えるつもりが抜け落ちた
部分などの投稿をしてから
ブログの更新を終わらせて
頂く予定です。

あと数ヶ月の更新になるかと
思いますが、お時間の許す
時に読んで頂けたら
幸いです。

皆様のおかげで、とても
幸せな時間を過ごさせて
頂きました。
ありがとうございます。

 

 

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『ねこはるすばん』を描いている

町田尚子さんの絵本です。

 

ずっとネコヅメのよるをご紹介

したかったのですが、楽天で

確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

どんな人にも心穏やかな

明日が来ますように。

 

 

 

 

 

 

貞彦464話  『自由は孤独』

 

 

長い間、裁判中だったとは
いえ、ひとり親家庭をやって
きたつもりだけど、離婚が

はっきりしたことによって、

婚姻費用がなくなり完全に

すべてが私の選択と責任に

なるんだと思ったら、あらた

めて小さなプレッシャーと
頑張ろうという気持ちなった。

婚姻費用を頼って生活を
していたわけではないけど、
いざ無くなることがわかると
プレッシャーに感じるという
のは、どんなお金でも
得ていた安心感はあったという
ことなんだと知る。

でも、そのことはすぐに
忘れる自信があった。

ぷう助が小学校にあがったら
パートも増やし、私ももっと
好きな事をして忙しすぎる
人生をおくろうと決めて
いるから、この先しばらくの
間は、明るいひとり人親家庭に
なると信じている。

そんな気持ちで最後の
裁判所へ行く日までを
すごしていた時、パート

では、たまにしか会えない
最年長のパートさんと
勤務時間がかさなり、
久しぶりにおしゃべりを
することができた。

その方も若い頃に離婚
していて、1人で2人の
子供を育て上げた人。

私が長い間、裁判所へ
行くためにパートを
不定期でお休みさせて
もらっているから、
みんな私の事情は知って
いて、子供を1人で育てる
話で盛り上がる。

家賃と塾の月謝を払ったら
手元に3000円しか残らなくて
慌てて日雇いした話を聞けば、
私も前にお金が足らなくて
社長にたのみ冷凍倉庫で
働かせてもらった事
などを話し、笑いっぱなしの
休憩時間はあっという
間だった。


「私は離婚した時、2度と
 この世の男性は信用しない
 という強い思いで今も
 そういう道を歩んでいるけど、
 良い事ばかりではないのよ」

「そうなんですか」

「相手のご飯は作らなくて
 いいし、洗濯も自分と
 子供のペースでいいから
 好きにできる」

「私も家を出た時に
 その気持ちの軽さを
 味わいました」

「でも自由は孤独よ。
 
 うちはとっくに2人の
 子供たちが巣立って
 いざ1人になった時、
 この年齢にならなくちゃ
 わからない孤独があるの。
 私ね、実は癌の治療して
 るの!」

「えっ!!?」

「でも年だから、あなたの
 お母さんみたいに進行も
 早くないし、こうして
 のんびり抗がん剤しながら
 普通に生活できるのよ。

 癌細胞もおばあちゃん
 ってことね。

 だけど年を取れば病気を
 したり身体のあちこちが
 故障してくるし、親も
 死んじゃっているから
 1人でこの時間を
 すごすことになる。

 もし私のように、男性に
 対して強い決意をもって
 いないのなら、再婚は
 年を取った時にしておいて
 よかったと思うように
 なるわよ。

 少し自由な時間を味わったら、
 また探してみなさい
 パートナーを。

 おばちゃんの独り言」


毎日元気に働いていて、
趣味でやっているサークル
活動の話も聞いていたから、
私にとっては自然と
母子家庭の目標になって
くれていたような人で、
治療中だなんて全く
気が付かなかった。

頂いた言葉は、自分の中で
大事にしまっておこうと
思う。

今は再婚とかそんな
ことは考えられない
けど、2人の子供を育て
あげたからこその
とても重みのある言葉だった。

 

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

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いつもお読み頂きありがとう
ございます。
あと何回かの裁判で離婚が
決まり、ぷう助が小学生に
なる前で、お話を終了します。

終わった後は、そこから
現在に至るまでに起こった
いくつかの出来事、この
ブログに登場してくれた
人たちの現在、ぷう助の事、
伝えるつもりが抜け落ちた
部分などの投稿をしてから
ブログの更新を終わらせて
頂く予定です。

あと数ヶ月の更新になるかと
思いますが、お時間の許す
時に読んで頂けたら
幸いです。

皆様のおかげで、とても
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道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

 

辛い毎日で幸せに

なれることを信じられなく

なってしまった人が

生きる事だけは諦めないで

明日を迎えられますように。

その明日に小さくても元気がでる

出来事がありますように。

 

 

 

 

463話  『割れた携帯電話』

 

 

何が起こったのかも
わからず立ちすくむ。

バッグや携帯電話をどこかへ
ぶつけたり落としたり
しているならわかるけど、
お迎えの時に携帯電話で

時間を確認しているし、

落としたりもしていない。

信じられなかったけど、
固定電話を持っていないから
携帯が使えないとパート
でも困ってしまい、電話だけ
でも通じないかと試しに
実家へ電話をしてみたけど、
画面が粉々に割れている
せいで表示がまったく
見えなかった。

私はすぐにぷう助を
もう1度自転車に乗せて

実家へ急ぎ、いきなり

帰って来られて驚いている

母にぷう助をお願いして、

少し遠い携帯電話のお店へ

急ぐ。

兄がいないから、母に
ぷう助を任せるのは
少し心配だったけど、
ぷう助は十分に母の
身体が弱いことを
理解しているから
大丈夫だと思った。

辺りが暗くなってしまった
道でスピードをあげ
自転車をこぎながら、
何度も割れるような事を
しなかったかと思い返して
みたけど、何もわからない。

いつもと同じバッグで
同じ行動なのに、保育園
から自宅に帰って来る間で
粉々になるような割れ方を
するなんて、どれだけ

考えても答えがでない

ままお店につき、
すぐ携帯電話を
見てもらう。

若く礼儀正しい対応を
してくれる店員さんが、
電源ボタンをおしたり
割れ方の状態を見ながら、

「凄い割れ方していますね。
 でも画面は意外に弱くて
 ズボンのポケットに入れ

 ていたとかでも、取り出したら
 割れていたなんていうことは
 普通にありますので…」

そういってもらいながら、
私は修理の用紙に名前を
書き、代替えの携帯電話を
受け取ってから、また
自転車で急いで実家へ向かう。

早くぷう助にご飯を食べさ

せてお風呂へ入れないと

寝る時間に間に合わないと
思いながら、息を切らして

実家へ着くと、ぷう助は
ご機嫌で父と遊んでいた。


「ぷうちゃんに焼きそば
 食べさせておいたから、
 まぁみも食べなさい。

 なんで携帯電話の
 画面があんなバリバリに
 割れたの?

 あ、それとぷうちゃんは
 爺(父)とお風呂に入って
 いるから後は寝るだけよ」

「お母さんありがとうー。助かった」

「大盛りあがりしながら
 お風呂で遊んでいたわよ。
 
 湯船を見たらお湯が半分
 しかなくなっていて
 脱衣所もびしょびしょ。
 
 まったく爺はすぐ同い年に
 戻ってはしゃぐから

 手がかかる。
 

 ぷうちゃんはいい子
 だったわよ」


私はなんで携帯が割れたのか
わからないという話を
しながら焼きそばを
食べ、父ともっと遊び

たいぷう助を連れて

帰り支度をしていると、

母との話を聞いていた父が


「俺もこの間、手首につけて

 いたパワーストーンが
 いきなりバラバラバラ~って
 紐が切れたんだよ。

 これは厄から守ってもらった
 ってことだから、その携帯
 もそうに違いない!」


といい、私は携帯電話って
厄から守ってくれるんだっけ…
と思ったけど、玄関で靴を履き
荷物をもったところで、
和解になったことを
思い出し報告をした。


「ほらなー!
 こういうことがある時
 って不思議なことが起こる
 もんなんだよ。

 身体に気をつけろよ。
 大きな悪い事が身から
 離れるっていう時は、
 それに連なって悪いことが
 続けて起きる事があるんだ。

 

 毒をだしきるって意味」


父のいっていることも
たしかにわかるし、
大きな変化は、いつもの

調子を崩しやすい。

悪い事が続けて起こるのは
勘弁だけど、これから
苗字も変えて忙しくなりそう
だから、十分気を付けて
裁判を終わりにしようと
思った。

 

 

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今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

 

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

生きようと頑張っている人の

願いが届く明日になります

ように。

 

 

貞彦462話  『和解が決まる』

 

 

8月。
貞彦さん側から和解の
返事はなく、堂々巡り
のような裁判の書面が
四条先生から届いてから
1週間後のパート中、
和解に応じるという
報告が来た。

和解を待っている状態
ではあったけど、いざ
その連絡を受けてみたら
すぐには信じられず、
美味しいものと不味いものを
同時に食べたかのような
はっきりしない気持ちになる。

気がつくとパートの手が
止っていて、気持ちを
切り替えるためにトイレへ
行くとまた電話がなり、
四条先生からだと思って
作業着のポケットから
電話を取り出そうと
したら着信が切れ、その
瞬間


「お嬢ちゃん~どこへ
 いっちゃったのかと
 思ったら、おトイレで
 休憩してちゃだめですよ~。
 休憩は休憩室でしなさ~い」


社長が来ていて、私を探し
ながら電話をしたらすぐそば
の女子トイレから着信音が
聴こえ、私がトイレへ入って

いるという事を知ったよう

だった。


「休憩じゃありません。
 トイレへ行っていただけです」

「そんなこといってぇ~、
 じゃ、ついてきて」

「どこへ行くんですか?」

「買い物だよ~。君たちは
 大事なおててが荒れちゃう
 からゴム手袋とかハンドクリーム
 が欲しいんだろ。

 おじさんが用意したゴム
 手袋じゃ文句ばっかり
 いうから、まったく
 お嬢様たちは」

「でもまだ倉庫の点検と
 階段の清掃が終わっていません」

「そんなことたいして
 大事なことじゃないんだよ。

 いいかい、ビル管理なんていう
 仕事はいかにやっているフリ
 を真面目にするかが大事なんだ。

 階段を掃除しなかったら
 明日だれか気づくのか?
 3日に1度やればいいんだよ。
 
 その他の日は、作業着を
 来て使わない用具を
 持ち歩き、さりげなく
 アピールしながら
 『今日もがんばってま~す』
 と笑顔をふりまく。
 仕事とはそういうものだ」

「わかりました」


私は笑いながら返事をして
車の助手席へ乗る。

社長と話していると
いつも通りに戻れて
ありがたかった。

そして、おしゃべりを
しながら買い物をして
いるとあっというまに
ぷう助をお迎えに行く時間
になってしまい、慌てて
保育園へ行く。

保育園へ着き携帯電話の
時計を確認するといつも
より10分遅く、夕食は何に
しようかと考えながら
ぷう助を連れて自転車の
カゴへ、自分のバッグと
ぷう助の洗濯物が入っている
リュックを入れて、帰宅を
急ぐ。

今夜はこれからのことも
決めようと思ったりしながら
自転車をこぎ、家に着いて
バッグから鍵をだそうと
した時、バッグの内ポケット

へ入れている携帯電話に

白い線が入っているのが

かすかに見える。

不思議に思いながら
取り出してみると、
画面がハンマーで叩き
割られたかのように細かく
バリバリに割れていた。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

 

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したかったのですが、楽天で

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道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

悲しくて悔しい今日だった

としても、信じることを

諦めない明日でありますように。

 

 

貞彦461話  『1番怖いもの』

 

 

7月。
貞彦さん側から和解に
関する話はないまま夏を
迎える。

少し前に母から、田舎に
住んでいる祖母の認知症が
進んでいるという話を聞き、
お盆の帰省ラッシュを
避けて一足早くぷう助と
祖父母の家へ行くことにした。

私にとっては故郷といって
しまうほど、ずっと暮らして
いたわけではないけど
大切な場所。

幼い頃、夏休みや連休は

ずっと植物や動物、虫や

蛇がいるなかで
すごしていた大切な
思い出で、そこで教わった
ことの大きさは大人に
なってから気が付くこと
ばかりだった。

自給自足の生活はずっと
働いているようなものだから、
祖父母が私のためだけに
付きっきりで遊んでくれる
なんていうことはなく、私は
1人で遊んでいるか、
畑や家畜の世話をしている
祖母のところへいって一緒に
作業をするかのどちらか。

でも、何1つ淋しいなんて

いう事はなく、夏休みが

終わり自分の家へ帰って、学校へ
いかなくてはいけないことが
憂鬱に思うくらい楽しかった。

3頭の大型犬はいつでもしっぽ
をふって遊んでくれるし、
夜中に始まる動物のお産は、
普段聴いたこのない鳴き声を
あげ目に涙をためて、命を
産み落とす瞬間を目の前で見る。

時には産まれたばかりの
可愛いひよこを触りたくて
近ずくと、にらみをきかせた
雌鶏が鼓膜に響くような
鳴き声で襲ってきたりもする。

だけどそんな雌鶏が翌朝、
野犬に食い殺されている姿を
見つけ泣いたりもして、
綺麗な事だけではない

生と死を学んだ。

ぷう助にも、そんな事を
学ばせたかったなと
1時間に1本しか
来ない電車に乗り
景色を眺めていると、

ぷう助のおしゃべりが

始まる。


「ねぇねぇお母さん、
 ひーばあちゃんちって
 トイレが長い廊下の
 むこうにあるでしょ。
 夜一緒にトイレへいってよ」

「いいよ。でもおばけなんて
 でないから平気だよ」

「だって怖いんだもん。
 おかあさんはおばけ
 怖くないの?」

「おばけじゃなくても
 脅かされたらびっくり
 するけど、いるぶんには
 怖くないかな」

「じゃーお母さんの1番
 怖いものってなに?」


そういわれて、考えては
みたけど何もでてこない
自分に少し驚く。

もう幽霊がでたくらいでは
怖くないし、そうなると

病気とか交通事故にあう

というような事になる

のかなと思いつつ、
1番は何だろうかと
電車に揺られながら

まじめに考えて、その

答えが分かった。


「1番怖いことが分かったよ。
 『ぷう助を失うこと』
 この世でこれに勝る
 怖い事はない!って
 いったところで
 伝わった…?」

「えー、おばけでしょ1番は」

 

「うん!やっぱりぷう助の

 いう通りおばけだね!」


その意味がまだ伝わらない
事に私が笑い、おばけに

変更するとぷう助も
笑った。

私はいつの間にか幽霊も
お化けも怖くなくなっている。

小さい頃は夜、電気の消えて
いる部屋へ行くのも怖くて、
兄に電気をつけてもらったり
するほどの怖がりだったはず。

でも今となっては、
男性とデートをした
としても
「きゃっ、こわ~い」
なんて可愛く彼氏の後ろに
隠れることは出来なく
なっている。

それどころか、そんな事が
おきたら自分から彼氏の
前に立って守り対処する
ほうが、自然な行動だなと

思ったら随分、私は強く

なったものだとさらに

笑えてしまう。

守る物ができるというのは
こういう事なんだと、
よくわかるぷう助からの
質問だった。
 

 

 

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最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

大きな不安をすべて信じて

しまいそうな時でも、

自分が大切にしている

ものを忘れないで

いられますように。

 

 

 

貞彦460話  『僕の血』

 

 

6月。
今年中に離婚をするという
目標と共に和解の話も
でてきたことによって、
体が身軽になるような
すっきりする感覚だった。

離婚が決まり本当の
住民票を作ったら、
引っ越しをしてぷう助の
小学校入学を迎えたいという、
未来の前向きな予定を
具体的に思い描き、たまに
不動産の賃貸物件を見る。


そんな日々を過ごしていた

夕方、スーパーで売って

いるぷう助が好きな一口

サイズのシュークリームが

特売になっていたから、

購入して夕食後のデザートに
だした。

私はぷう助が喜ぶものだと

思っていたら、まったく
嬉しそうな顔をせず、なぜ

そんな顔をしているのか

よくわからずに、シュー

クリームなんてしばらくの間

あげていなかったから

嫌いになってしまったのか

とも思ってみる。


「ねぇ、お母さん」

「なに?」

「僕の血って半分は
 あのお父さんの血なんだよね」

「……うん、そうだね」

「だから僕もあの人みたいに
 なっていくんだ、どうしよう
 お母さん!」


ぷう助は思いを
話し終えると真剣に
悩んでいたような
顔になっていた。

誰の血が入っていようと
ぷう助は私の子で血なんて
関係ない。

それに血のつながりが
なくても、里親や
養子縁組で幸せな親子
だっていっぱいいる。

『血じゃないんだよ』
と、いいたいけど
それでぷう助が納得できる
のだろうか…。
 

こういう発言をするという事
は、自分の半分を嫌い
になりそうだという事。


「実は今までぷう助には
 いわなかったんだけど、
 そのことでお母さんは
 心の中でずっと
 『ご先祖様ありがとうー!』
 って思っていたんだよ。
 
 血にはばぁばや、ひーじい
 ちゃんとかみんなの
 遺伝子っていうのが
 はいっているから、すごいの」

「でもお父さんのも
 はいってるんでしょ?」

「確かにお父さんには
 酷いことをされて
 たくさん、嫌な気持ちに
 させられたよね。
 
 だけど、お父さんは
 勉強をほとんどしなくても
 100点取れる人で、
 学校では何でも1番に
 選ばれていたんだよ。
 
 ぷう助は迷路のお勉強が
 得意で、難しいやつでも

 すぐゴールにたどり着ける。

 

 それはお父さんに似たんだと
 思う。
 
 でも、ぷう助はお父さんと
 違ってすごく優しいし、
 顔もいいよ!お友達も
 たくさんいるでしょ。
 
 そこはきっとお母さんに
 似たはず!
 お母さん勉強は出来ないけど
 めーちゃくちゃ優しいし、
 そこそこ美人でしょ。ね、ね??
 助けてくれる友達もいる。
 

 だからぷう助は、お父さんと
 お母さんのいいとこどり
 だったって事。
 
 これは万々歳!お父さんと
 お母さんのご先祖様が
 それぞれのいい所をだし
 あって、ぷう助が最高の
 人生になるような血にして
 作ってくれたんだもん」

「そっか。よかったぁ」


ぷう助は安心した顔を
したけど、それを見て
私の方がもっと深く
ほっとした。

普通に夕食を食べている
と思っていたら、いきなり
こんな質問が飛んでくる
なんて焦る。

ぷう助はいつも通りに
シュークリームを私と
自分のお皿へ分けると、
小皿をまた持って来て
自分の分から1個だけ
取ってのせた。

それはご先祖様に
あげるのだという。

私はそのシュークリームを
見て、幼いころ大事によく
してくれたひーおばあちゃんや、
私が母のお腹にいる時に
亡くなり会えなかった
ひーおじいちゃんの事を
思い出し、いつもより
おいしい特売のシュークリーム
だった。
 

 

 

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