保育園

申し込んだ無料相談
にすべていき、週末を
迎えた。
 
弁護士さんとの内容は
最初の弁護士さんとほとんど
同じ。
どの弁護士さんに
依頼するのか迷っていた。
 
ただ1人の弁護士さんから、
過去に離婚の予定がばれて、
勝手に保育園へ迎えに行き
連れ去られたケースがあるから
保育園に夫が迎えに来ても、
引き渡さないよう
話したほうがいいという
アドバイスをいただく。
 
貞彦さんは、保育園とは
一切かかわりをもたず、
大丈夫だとは思ったけど
その油断が今まで、
自分の首をしめていたので
話に行くことにする。
 
いつもより早めに
保育園へお迎えにいき、
職員室で園長先生と
担任の先生に
事情をはなした。
 
職員室には、
役員長をしている
リサちゃんママが
事務作業をしていた。
 
リサちゃんは、ホテルで
クリスマスをしていたときに
ぷう助が話してくれた子。
ぷう助にいろいろなことを
教えてくれる
とても優秀なクラスのリーダー。
 
お母さんも、実業家で
忙しいはずなのに、率先して
役員長になり仕事をひきうける
素晴らしい人。
 
こういう話を噂話のように他人へ
漏らす人では
ないので、きにとめなかった。

事情を先生方に話すと
 
「大変だったね、がんばりましたね」
 
と励まして下さり、
 
 
「もちろん、旦那さんが来た時には
 ぷう助君のためにもとめます。
 でも保育園側には、まだ父親に親権が
 ある以上限界があるから、すぐ連絡するので
 迎えに来てください。それと万が一の時は
 警察をよんでもいいですか」
 
 
警察までよんで、とめていただける
ということは、とてもありがたい
ことではあるけど
大変な迷惑をかけてしまう。
 
でも、弁護士さんは連れ去られたら
取り戻すことは難しいといっていた。
 
悩んだけど、お願いすることに
して、私もすぐ携帯に出られるように
すること、迎えに行くことができるように
することをお話した。
 
それと、担任の先生が数ヵ月前の
出来事を思い出し、教えてくれた。
 
園庭でぷう助たちと
遊んでいると、夫が柵の外から
手をふってきたのだという。
 
先生は、初めて見る顔で
最初だれのお父さんか
わからなかったけど、
 
 
「ぷう助の父です。いつも
 息子がお世話になっております」
 
 
と、スーツ姿でたまたま通りかかったか
のような感じで、丁寧な挨拶
だったから、ぷう助に
 
 
「お父さんだよ~」
 
 
って、教えたら急に
先生に抱っこをせがみ、肩に
顔をうずめて、教室に帰る
といったという。
恥ずかしいんだなと思ったけど、
その後も、機嫌がなかなか
治らないことがあったと。
 
先生に、あの時ちゃんと
お母さんに報告していればよかった
と謝罪されてしまった。
 
まさか、貞彦さんが
ここまできているなんて、
このことを話せてよかった。
 
それにやはり
好印象だった。
でも、なりより先生方は
子供を信じてくれるので
私たちの味方でいてくれた。

色々と迷惑なお願いをしたあと、
職員室をでて、ぷう助の教室へ
迎えに行こうとすると、
後ろからリサちゃんママに
声をかけられ、
1枚の付箋をわたされる。
 
 
 
※数年前に離婚裁判をして
終わらせた記録です。
※現在は幸せに暮らしています。
※貞彦さんに特定されないよう
フェイクをいれている部分があります。
まっすぐかけなくて、ごめんなさい。
 
 
あっというまに
クリスマスが来て、
年を越してしまいそうな
勢いです。
ぷう助はクリスマスに
任天堂スイッチ?
というゲームがほしいそうです。
サンタはゲームの事について
まったくの無知なので
適当に返事をしていたのですが、
今日、職場の先輩に話したら
「こないだ抽選券もらうために
 ならんだよ~」
っていわれ、まったく意味が
わかりませんでした。
生産がおいつかず、
手に入らないそうです。
めちゃくちゃ
あせりました。
それも、定価3万円ぐらいが
amazonで約4万になっている……
定価の値段にも衝撃。
サンタをやって、今までで
1番悩みます。
手に入らない。
値段もすごい!

でも、毎日がんばっている
姿をみていると、サンタ心としては
叶えてあげたいとも
思ってしまいます。
悩む……
 
 
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無料相談の日、
前日にコピーした通帳と
ネットのメールボックスに
移した、今までの記録を
プリントアウトして
家をでる。
 
事務所のある駅へおり
5分のところの雑居ビル6階。
 
家を出た時から心臓の鼓動が
耳の奥から響いてくるように
バクバクしている。
 
法律なんて人生にまったくの無縁、
話をするというだけで
裁かれにいくような
気持になった。
 
事務所の受付で名前をつげると
横のパーテーションで
仕切られているテーブルに
案内され、すぐに40代ぐらいの
男の弁護士さんが来た。
 
事前にメールで
離婚希望であることなどを
つたえていたので、
話は弁護士さんからの
淡々とした質問と、
こちらから持参した証拠をだし
離婚までの流れをいっきに
説明された。
 
知りたかったことを
質問するまでもなく
教えてもらい、
拍子抜けしてしまう。
 
緊張もあったけど、
離婚ってそんなに
簡単なの?と、思ってしまうほど
なめらかに話は流れ、1時間も
たたずに終りに近づいた。
私のほうから、初めて弁護士さんに
質問をする。
 
 
「ここに記録してる
 通り今まで暴言、ひどい行為、
 結婚すら騙されていたような
 気持です。法律では
 なにもならないのですか」
 
「慰謝料ということになりますが
 厳しいでしょう。
 暴力などで診断書も
 ないんですよね」
 
 
証拠がすべて。
そういうことだった。
貞彦さんの記録ノート
という一部の証拠はあっても、
私の実行されたという証拠は
無い。
 
夏に部屋に閉じ込められ、
熱中症で病院へ行った
記録は、カルテ開示で用意できても
それが、貞彦さんのせいだという
証拠もない。
 
 
「ここにきていることを旦那さんは
 知っていますか」
 
「いいえ、知られたら
 離婚できないと思ったので
 離婚のこともいっていません」
 
「知られないようにしてください。
 警察にまだいかれていな
 いようでしたら、動いては
 くれないでしょうけど、相談に
 いったということも証拠に
 なるのでいったほうがいいです。
 今後の安全のためにも」
 
 
1時間が終わった。
暖房のきいた
オフィスから、外に出ると
一瞬だけ気持ちよく
すぐ寒くなった。
 
帰りに駅地下の
食品売り場へ寄る。
階段横の、休憩スペースのような
ベンチに座り、気持ちを
整理して帰りたかった。
 
お年寄りたちが、買い物を
終えて一息ついている
ところに座る。

弁護士さんがいい人なのかは、
比べる対象がまだいないから
わからない。
だけど悪い印象もない。
 
離婚は、依頼者から
したら一大決心で、命よりも
大切な息子の人生も左右してしまう
ことだけど、弁護士さんから
したら毎日扱っている
いつもの仕事だった。
 
そうすると私はお金を払い
仕事を依頼する人、
そう思ったら弁護士さんへの
敷居が最初よりさがり、
堂々と話し、必要な事を
遠慮せずいえばいいと
思えた。
 
慰謝料が厳しいという
のは悔しい事、ベンチでは
泣けないけど、1人の時
泣きたくなったら、めちゃくちゃ
自由に泣けばいい。
 
 
あのノートみたあと
失った年月をどうとらえるか
考えた。
その答えは、
憎しみも、幸せも、諦めも
 
『全部もって離婚する』
 
だった。
 
幸せに喰らいつくきでいるけど、
憎しみだって消そうと
思って消えるものじゃない。
 
表に出すと周囲から
良かれと思っていってくれる
意見にも自分を責める
要素を感じてしまう。
 
離婚のことにかんして
周囲には前向きに頑張り、
内側のヘドロのような
感情は否定しないで、
私の感情は、私がまずは
無下にせず、全部認めたい、
あの日、そう思った。

エスカレーターを
あがり、帰宅を急ぐ。

 

 

※数年前に離婚裁判をして

終わらせた記録です。

※貞彦さんに特定されないよう

フェイクをいれています。

詳しくかけない部分があり

申し訳ございません。

※現在は、幸せに暮らしています。

 

 

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トイレからでて、
貞彦さんの部屋へ戻り
押し込むように、本棚へ
ノートや本を戻す。
 
部屋に10秒以上いたら死んでしまう
猛毒のガスがでているかのように
どんどん苦しくなってきて
リビングへいそいだ。
 
キッチンに体を寄りかからせ、
マグカップに白湯を入れる。
 
目の前のリビングへ
移動するのもしんどく、
そのままシンクの下を
背もたれにして、体育座りした。
 
ノートに書かれていた
ことは確かに実行されていた。
でも、計画通りには
進んでいない。
 
計画では、気がつかせないよう
跡継ぎの男の子と、予備に
もう1人男の子。
 
そして会社の頂点を目指し、
自分が健康でいられるよう
食事を中心に生活のすべては
私にやらせ続けるという
内容で、もっと
悟られないよう緩急をついていた。
 
計画通りだったら、私は
気が付かなかったはず。
 
それなら幸せだった。
要領が悪い、こんな女でも
最後まで愛想をつかさないでいてくれて
ありがとうって、
気が付かないで
生涯を終わりたかった。
 
なんで、貞彦さんは計画通り
やらなかったんだろう…
私は、10年以上の
取り返せない月日を
直視できずに、
変な逆恨みをした。

マグカップの白湯が冷めて
ただの水になりかけたころ、
だんだん、納得のいく
答えがみえてくるきがした。
 
妊娠してからの悪阻、出産、育児に
体調不良で、私が家事を一時的に
できなくなったことは、
貞彦さんの計画外。
 
こそに今までうまくいっていた、
外部との切り離しが、保健師さんや
保育園によって失敗する。
お金も減る。
 
苛立ちから、本性がでたのでは
ないだろうか。
思い通りにならなくて、
本性のモラハラという気質が
でた。
 
それでどんどん計画的な
緩急ができなくなった。
そして私は厳しすぎた環境に
耐えられなくなって
逃げる準備をしている。
 
これは貞彦さんの失敗
なんじゃないだろうか。

なんとなく答えがでて、
ここで貞彦さんの
推測は終わり。
 
つぎは私の月日と
むきあわなくてはいけない。
 
だけど、どうやっても後悔の
言葉しか出てこない。
 
我慢しなきゃよかった。
世間がなんていおうと、もっと
自分の気持ちを大切に
信じてあげればよかった。
 
おかしいことは、おかしいって
貫き通せばよかった。

時間を取り戻せないことは
どれだけ泣いてもわかっている。
わかっていても、
泣きたい。
 
家をでれたとして、
残りの人生で
すべてを
取り戻せるのだろうかと、
思うと前向きには
なれない。
 
白髪の増えた髪、
カサカサに乾燥した
きめのあらい手の甲。
身体の年齢は、
何1つ戻らない。

あとは心。
諦めるか、悔しさと憎しみで
満たしていくか、幸せに
喰らいついていくのか。
 
泣きながらでいいから、
向き合って考えようと
自分自身に逃げないよういいきかせた。

 

 

※数年前に離婚裁判をして

終わらせた記録です。

※現在は幸せに暮らしています。

※貞彦さんに特定されないよう

フェイクをいれています。詳しく

かけないところがあり、申し訳ないです。

 

 

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ノートの中身

周囲がすべてぼろぼろで
ちぎれてしまいそうなノートを
そっと開く。
 
中は、シャーペンで
世界史のように年号
が書いてあり、年代はヒトラー
が現れる前から、おそらく
ヒトラーがいなくなり
世界がかわっていくところまで
が簡潔に記入されていた。
 
その後のページも、おそらく
ドイツ軍関係の事がずっと
書かれている。
 
ただの思い出深い学生時代の
ノートかなと拍子抜けして、
確認する速度をパラパラと
早めていると、重要事項のように
ペンで囲っている箇所がめにつく。
 
流し読みしながら、ノートは
最後のページまでいった。
心が気持ち悪い感覚になる。

『人を引き込む時間は夕方』
『壮大な自然を目の前にすると
 心がみたされる。
 そのときにわかりやすい短文を文言にする』
『奴隷の扱い方。
 目標をもたせず、ただ穴を掘らせているだけだと
 3ヵ月で脱走を考えたり、おかしくなって死ぬ。
 3ヵ月目に、コインを1枚だけ与えると
 また命令をきく。
 ぎりぎりのところで殺さず長く
 奴隷として保つ』
 
重要として書かれているところに
思いあたることがいくつかある。
 
結婚前からぷう助が
産まれる前まで、
交際の告白、プロポーズ、
大切な話はすべて、夕方の最高に
綺麗な夕方の前だった。

2冊目のノートを手に取る。
書き始めの年は、1冊目と間があいていて
社会人になってからのようだった。
歴史ではなく、交渉や
話術のなどビジネス的な
内容が、ノートのすみまで
しっかりと書かれている。
流し読みしていると、
 
1、家族、友人など外部との
  接触を切り離す
2、同じ短文をすり込む
3、考える時間をあたえないよう、
  労働を詰め込む

こんな書き込みが長く続き、
次のページに
女性の名前が書かかれていて
その下に
切り離し✕(友人)
仕事  ✕(仕事はやめたくない)
親、親戚は遠方〇

そしてまた別の女性
で同じように〇✕。
何人かの女性のあと
『さなえ』という名前がでてくる。
一生忘れない
貞彦さんの元不倫相手。
切り離し✕(両親、友人)
仕事〇(専業主婦希望)
 
 
そして私の名前も……。
見なければよかった。
でも、ノートの書き込みはまだ続く。
 
私はさらに特別だった。
〇✕の後に、夕陽の成功、
家族と連絡を取れなくするため、
悟られないよう
徐々に無謀な家事を増やし
ては、思考を止め
たまに許しをあたえ
るという、完璧な計画が
5ページぶんも書かれていた。
 
それは貞彦さんの勝手な
妄想ではなく、私には
すべて身に覚えのあるもの。
最後のほうに
『まぁみにより、2冊目のノート紛失』
と記載されている。
 
これだけは、身に覚えがないと
何度か、記憶を思い返していると
数年前、私がノートを捨てたといい、
たこ焼きをまき
散らしたときのことを思い出した。
 
あのとき何のノートかきいても貞彦さんは
答えなかった。
 
 
 
頭がぼんやりする。
交際しているときから
騙されていた?
なにも気が付かず、
結婚して14年がすぎる。

14年……
私の14年……

どんどん動悸が強くなり、
心臓が胃をけりあげているようで
吐き気がしてトイレへ走り、便座にむかって
口を開いたけど、何度もケホッと
なり胃液すらでない。
 
 
便座に頬をつける。

 

 

 

 

※数年前に離婚裁判をして、

終わらせた記録です。

今は幸せにくらしています。

 

※貞彦さんに特定されないよう

フェイクをいれています。

あまり、くわしく書くことが

できず、すみません。

 

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隠してあった物

携帯だけを持ち
貞彦さんの部屋へはいる。

まずは本棚。
上の棚から将棋の本、仕事、
自己開発系、一番下に青い合成革の
ような高級感がある分厚い
ファイルがあった。
 
取り出し開いてみると、
家の権利や図面など
住宅関係の書類がすべてはいっている。
1つみつけた。
 
あとで他の証拠と
一緒にコピーするために
1度戻す。
 
次はクローゼットの中。
今まで、洗濯をしたものをしまう
時にしか開けたことはない。
 
後ろめたさと、罪悪感を
感じながらも位置を動かす前に、全体の
写メをとる。
 
元にもどすとき1㎝のずれも
ないくらいに、戻さないと
神経質な貞彦さんにあやしまれると
思った。

まずは、棚の上に並べられている
普段あまり使用しない
ビジネスバッグを端から
1つずつおろして、ポケットの
中もチェック。
入っているのは
ハンカチだけ。
 
4つ目、使用しているのを
見たことがないバッグをあけた時、
1冊の通帳がはいっていた。
私の知らない通帳。
 
日付けは、ぷう助が産まれた
半年後につくられていて、
作った日付以外の記帳はされて
いない。
 
支店も自宅からはるかに遠く、
出張でも、いったとは
思えない場所。
 
口座と支店名の写メをとる。
あとクローゼットにはいっているのは
洋服の収納ボックスと書類入れくらい。
 
書類入れをみると、普通にクリアファイルへ
生命保険、年金、持ち株、通帳が
いくつかはいっていて、
通帳はすべて丁寧に記帳され
金額の残高も、数万円程度。
 
通帳はすべて写メを撮って、
書類関係は、住宅のものと
一緒にまとめて、コンビニへ
コピーしに行くことにして、
これも戻す。
 
やましくないものは、どうどうと
クリアファイルに入れている。
 
バッグにはいっていた
1冊の通帳だけは隠されていた。
そう考えると、私に有利かもしれない
証拠になる
何かは、普通の所にはなはず。
 
クローゼットの奥や
すみっこを全部探したけれど
なにもなし。
 
最初に撮った写メをみながら、
元に戻っているか確認。
 
そしてもう1度、本棚をみる。
上から順番に、将棋の本をガバっと
もてるだけ掴んでは、
本棚の一番奥を見る。
 
自己開発本をてにとったとき、
奥に青っぽいビニール
があった。
その列の本を両端いがい、
すべて抜き取ると、本を
購入したときに、いれてもらうような
群青色の
平べったいビニール
袋がでてくる。
 
シワシワで、持ち手のところには
はがしたテープがねじれて
片側だけについている。
袋をあけると、中には
古くて、補修だらけの
ノートが2冊。

日付は、かなり昔で
字も幼い。
携帯の電卓で計算すると、
貞彦さんが中学3年生の時の
ものだった。

そのノートの表紙には
卍マークを斜めにした、
ヒトラーで有名なナチスのマーク
ハーケン クロイツ
が、マジックペンで
何度も書きなぞり
強く協調されていた。

 

 

※数年前に離婚裁判をして終わらせた記録です。

現在は幸せに暮らしています。

 

※貞彦さんに特定されないようフェイクを

入れています。すみません。

 

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お金の隠し場所

弁護士さんの無料相談の
日まで、家事の合間に
必要な証拠を探すことにする。
 
でも、探す前に私も
こうやって貞彦さんに
探されて、お金を取られたんだ
ということに気がつく。
 
お金以外に隠していた
物はないけど、多分
私の口座番号は、すでに
控えられているだろうし、
これから、私たちはお互いに
探り合っている状態になるのかも
しれない。
 
内職のお金の残り
2万円弱をどこに隠そうか悩む。
 
現金はいざとなった時に、
すぐ必要になるかもしれないから
手放せないし、取り上げられても
困る。
 
食器棚、ぷう助のおもちゃ箱、
物置、考えれば考えるほど
全部バレてしまいそうで
決められなかった。
 
母にヘソクリはどこに隠しているのか
きこうと思ったけど
両親はいまだに
仲が良くそんなことはしていなはず。
 
その時、腹巻にお金を入れていた
祖父のことを思い出した。
 
大酒飲みの祖父は夏でも
ステテコで、たぬき腹にラクダ色の腹巻を
していた。
お酒を買うときも、普通に
お財布からお金をだすし、
家族は誰も、腹巻に
お金をいれていることを知らなかった。
 
そんな祖父が突然、外で倒れ私たち家族が
病院に着いた時には、息を引き取っていた。
看護師長さんの誘導で、後をついていき
てっきり霊安室へ案内
されるとばかり思っていたら、
受付のお会計に案内される。
みんな心の中で
 
『治療費を払わないと
遺体とも会わせてくれないなんて』
 
と思っていたら、事務の方が
奥から古いお金で70万円分を
持ってきた。
 
看護師長さんから、この
70万円は腹巻に入っていたこと、
そして治療のため
腹巻を切ってしまったことを
謝罪され、切断された
腹巻も返却された。
 
この話は、葬儀にきてくれた
親戚たちを和ませ、母は腹巻を
縫い合わせ、話し合って70万円は
天国へ一緒にもって
いってもらうことにした。
 
あの時の祖父のことを
思い出す。
 
「じいちゃんは金持ちなんだぞ」
 
そういって、お腹をぽんぽんっ!
と叩いていた。
そして、お風呂に入るときだけは
可愛がってくれた孫の私ですら、
近づくことを嫌がり、それでも
いくと、なぜか脱いだものの上へ
不自然にバスマットがのっていた。
 
 
私は、妊娠していた時に
使っていた腹巻を引っ張り出し、
きつめに詰めて縫い直す。
そしてお金を入れた。

これからは、みつけた証拠も
腹巻にいれて、こまめに
実家へ送ることにすることにした。
 
今まで書き溜めた手帳は、
すぐに実家へ送り、これからの
記録はメモ帳へ貞彦さんに感謝している
内容を含めて書き、
危険な事はネットで
フリーのメールボックスを
つくり、下書きの所に書き溜めることに
した。

これでできるかぎり
自分の身は守ったはず。
 
 
貞彦さんの部屋へ向かう。
 
 
 
 
※数年前に離婚裁判をして
おわらせた記録です。
現在は、幸せにくらしています。
 
 
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私は、人生で初めて弁護士さんと
かかわることになる。
 
周囲にも法律関係、裁判をしたことが
ある人は1人を除いていない。
 
その1人は貞彦さんのみ。
貞彦さんは法律関係の仕事
ではないけど、会社には顧問弁護士
がいる。
 
貞彦さん自身も
企業間の裁判で慣れていて
知識も豊富。
 
 
私は、ゼロから弁護士という存在とは?
というところから調べる。
《以下、私の個人的な解釈なので
ずれや、間違えている部分が
あるかもしれません》

良い弁護士さんとは…
 
「裁判に勝つ、和解であっても
 勝ちという状態にできる、
 裁判だけにかぎらず、依頼者が
 いい人生になる提案ができる」
 
その良い弁護士さんを探す方法は、
お医者さんと似ている。
 
内科や皮膚科の先生がいるように
弁護士さんも家事(離婚)、
労働問題、相続、交通事故など
得意分野ある。
お医者さんと違うのは、専門ではなく
すべてのことができる。
 
けれど、お願いするのなら
離婚を得意としている
名医にたのみたい。
 
法律事務所も、大学病院の
ようないろいろな診療科が
ある大手の事務所、
数人の弁護士さんがいる
地域の病院のようなところ。
1つの分野を
つよくだいしている、
クリニックのようなところ。
この中で、どこを選ぶかは
同じ家事でも、それぞれ
だと思った。
 
家事でも、夫が
犯罪を犯していたり、家事以外
の事がある場合は、刑事など
どの分野にも強い弁護士さんがいる
大きな法律事務所のほうがいいと思う。
 
家事だけなら、できるだけ
これから利用するであろう
裁判所の近くで、その裁判所での
経験も豊富であろう法律事務所がいいのでは
ないだろうか。
 
そうすれば、長く続く
弁護士さんの交通費(出張費)
はかからないか、わずかですむ。

私の場合は、多分
家事のみ。
検索で裁判所のある
駅周辺で、無料相談の事務所をさがし、
HPは、弁護士紹介のところを
みて、弁護士さんが自己紹介で家事について
長くコメントしている
人に申し込んだ。
 
あとは未知。
会ってから判断することにする。

他に、今の自分に
なにができるか調べると、
預金通帳(記帳していなくてもいい)、株関係、
不動産、年金、生命保険、車などの
書類のコピー。
 
いままで、この必要なコピーの
ことに関しては、貞彦さんがすべて
管理していて、ほとんど
ふれたことがなかった。
 
見たことがあるのは、私の
掛け捨てのがん保険の
書類だけ。
 
貞彦さんに『見せて』なんていって
も、みせてくれるはずないし、
日中、貞彦さんの部屋を
探すしかないと
思うと、泥棒に入ろうと
しているような気持ちになり、
やめようと思った。
 
でも、だったらなぜ
わざわざぷう助と家に戻ったの
と、いう気持ちが強く沸く。
 
そう思うと、
どうどうと終わらせるためだし、
私が内職で貯めたお金を
どんな形でもいいから
取り返したい……

だから、やっぱり
探すことにした。

 

 

※数年前に離婚裁判をした記録です。

今は、幸せに暮らしています。

 

 

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弁護士費用

弁護士さんにお願い
するというだけで、
とんでもない費用が
かかることは、簡単に
想像できた。
 
詳しくなんて調べなくても、
うちは無理だってはなからそう思う。
 
だから離婚で、弁護士さんに依頼する
なんてことは選択になかった
けれど、こうするしかない
ところまでこじらせて
しまったのも自分。
 
貞彦さんとの離婚は
きっと、最悪にこじれて
調停では終わらず、裁判に
なること可能性が高いことも
想像できる。
 
着手金、親権、財産分与、面会
などすべてを調べてはみたものの
予想通り100万はかかりそうだった。

法テラスというお金を貸してくれる
制度が利用できるけど、
100万円を借りる、そして
月々、最低5000円は返済しなくはいけない
ということにたいして絶望で
心がうめつくされそうになるけど、
やらなくてはいけない。
 
手持ちのお金は内職で貯めた
残り約2万円。
母子家庭になり、パートをしながら
返済もして、ぷう助を大学へ
いかせることは現実的に
厳しい。
 
 
借金をする勇気もいる。
どう考えたら、実行できるのだろう。
心は紐をつけていないバンジー
ジャンプを、せまられているかのように
震えあがる。
 
 
私は2つの物語を作ってみた。
 
1つ目は、私の人生は完治しない
進行性の病に侵されている。
どれだけ後悔しても、2度と健康な
人生は取り戻せない。
じわじわと状況は悪化し、有効な
薬もなく、最後は寝たきりで
苦しみながら死んでいく。
絶望と後悔に打ちひしがれていると、
そこに神様が現れて
『100万払うなら、人生を
 狂わす病の原因をとりのぞいてあげよう』
と、救いの手を差し伸べてくれた。

こんな状況なら
たった100万円で
人生という命をすくってもらえるなら
ありがたいと思う。
 
 
2つ目は、私の人生はこの先も
不幸な事が確定している。
けれど、毎月5000円(法テラスの返済)
を払えば、人様並みの幸せが買える。
携帯代を払っているのと同じこと。
豊かな人生をおくるために、幸せ代
月々5000円。
 
 
 
結局、借金にかわりはないのだけど
『100万円の借入れ』を
そのまま、受け入れることは
できず、住宅を購入する時のように
『ローンは毎月の賃貸の家賃を払うのと同じ
 ですよ』
そんな、お得感をだした
考え方をしないと、飛び込めなかった。
 
 
 
次にどうやって
良い弁護士さんと契約するかを
調べる。
 
※数年前に離婚裁判をして
終わらせた記録です。
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土下座

翌日、ホテルのチェックアウトを
すませ、ぷう助と公園で遊んだり
しながら夕暮れ前に
帰宅した。
 
家の中は冷たいのに
籠っている空気。
 
リビングへいくと
ぷう助は、嬉しそうに
おもちゃ箱へむかい
ミニカーのバスをだして
カーペットの模様に
そって走らせる。
 
ストーブをつけ
私もソファーに
座る。
 
早く家を出たいとは
思っていても
座りなれたソファーは
落ち着かせてくれた。
 
これからの事は昨日、母と話した後
眠ることができず
だいたいの道筋は
決めている。
 
疲れているであろう、ぷう助をいつもより
早めにお風呂へ
入れて、夕食をたべさせ
寝るだけの状態にして
貞彦さんを待つ。
 
 
 
 
夜、貞彦さんがいつもと
同じ時間に帰ってきた。
 
ぷう助は、ミニカーを握りながら
カーペットの上で寝転がり、
いつの間にか目を閉じていた。
ぷう助に毛布をかける。
 
そして、私は貞彦さんの部屋の扉をあけた。
 
 
「申し訳ございませんでした」
 
「は?」
 
「本当にごめんなさい、こんなことをしてしまって」
 
 
扉をあけてすぐ、
貞彦さんが座っているイスの後ろで
両手のひら、おでこを床にペッタリつけ
土下座して許しを請う。
 
 
「人のお金をつかって
 家出というなの
 優雅な旅行ですか。
 バカな女だとは思っていましたが、
 実行しなきゃわからないなんて
 本物ですね。それで金がなくなって
 のこのこ帰ってきたのですね」
 
「本当にごめんなさい。
 貞彦さんの言う通り、
 私は本当にバカな女で
 母親だった。お金が無くなった時
 初めてきがついたの。
 『貞彦さんのいうとおりだった、
 貞彦さんのお金がなくちゃ
 私もぷう助も幸せに生きていけないんだ』
って。だから、もう2度としません。
 許してください」
 
「いいか、次は無い!!!
 バカは逆らわず強いものに
 したがっていれば、うまくいくんです!
 次同じことをやったら、罰金200万
 払ってもらう。精神的被害をうけた
 慰謝料です」
 
「うん、わかった。ごめんなさい」
 
先に土下座で服従をしたせいか、
いつもより怒りは
短かった。
 
部屋をでて、
寝ているぷう助を抱きかかえ
寝室へいき、寝かせる。
 
昨日、貞彦さんが帰宅したら
こうしようと決めていた。
 
私にとって土下座はほとんど
価値のないもの。
それはプライドがないだけかも
しれないけど、物事が
うまくいくのなら、いくらでも
頭など下げられる。
 
でも貞彦さんのように
強いプライドを持っている人は、
謝罪させたがるし、土下座にも
価値観を持っているのでは
ないかと思った。

正面から1対1ではかなわない。
本心を隠し、ばれないよう味方を集める
しか本当に終わらせることはできない。
 
翌朝、貞彦さんが出勤した
後、家事は後回しに
パソコンで
地域と『弁護士 無料 相談』
と検索する。
 
1時間無料相談のところを
4ヶ所選び、
順番に電話をして
すべてに予約をお願いする。
 
時間の取り決めをしている間も
緊張して手足がそわそわした。
 
こうしようと決めてはいたけど
まさか、人生で弁護士さんと
かかわる時がくるなんて
まだ、現実のすべてを
受け入れることは
できなかった。
 
それに、予約の電話をした
だけで、心の底から
罪悪感がこみ上げてくる。
 
服従したふりをして、
弁護士さんを味方につけ
逃げ切った時、どれだけ
貞彦さんは傷つくだろう…。
 
そう思うと、いくら長い間
許せないことを
されてきとはいえ、私の
行いは非道だと責められ、
批判されることだろうと
思った。
 
 
それでも、ぷう助と
自分を1番に選びたい。

そのまま、パソコンで
具体的な弁護士費用を検索する。
 
 
※数年前に離婚裁判をして
終わらせた記録です。現在は幸せにくらしています。
※貞彦さんに特定されないよう
フェイクをいれています。すみません。
 
 
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泥酔のナイル川

深夜2時過ぎ、
母は電話越しに
私の質問にたいして、
ずっと教えたがっていた
かのように兄の話をする。
 
兄は、実家から30分
くらいのところに
住んでいる。
 
いつでも帰れる距離だけど、
ほとんど実家にはいかず
メールだけは、親と仲良く
していたらしい。
 
 
「それがね、まぁみに電話した日の
 早朝にいきなり、兄やんが
 帰ってきたの。私まだ寝起きよ。
 何事かと思ったら
 『胸糞悪い夢見た』って」
 
「それだけでいきなり
 早朝に?」
 
「昨日上司に、樽の香りがする
 飲んだこともない高級な
 ウィスキーをごちそうになったんだって。
 そしたら泥酔して
 家の玄関で靴もはいたまま
 意識なくなったらいしんだけど、
 その時に夢をみたらしいの。
 それが、まぁみがナイル川のような
 向こう岸もみえない大きな
 う●この川で溺れてるだって。
 すごく遠くで、首までう●こに
 埋まって、もがいていて
 まぁみが死んじゃう!と思って
 助けに行きたいんだけど、
 手段がないんだって。
 船を出してくれ
 って兄やんも泣き叫んで訴えたんだけど
 う●この川に出せる船がなくて
 溺れていくまぁみを
 目の前に、叫び散らかしている
 自分の声で目が覚めた時、
 泣きながら目覚めて
 胸糞わるくて
 たまらねぇっていいながら
 うちにきたのよ」
 
「兄やんらしい…」
 
 
私も母も、今まで泣いていたのに
一緒に笑った。
 
 
「お母さん兄やんのそれを
 本気にしたの?」
 
「だって、万が一ってことだって
 あるじゃない。虫の知らって
 よくいうでしょ。別になにもなければ
 いいんだし、それに
 何もなくないじゃない!!」
 
「たしかに…。」
 
「兄やんに感謝よ」
 
「うん、返せないほどの
 恩を感じる……
 今の私は、う●このナイル川に
 溺れているってことね…」
 
「そういうことっ!」

笑いながら、
こんな話をしたのは
何年ぶりだったかなと
思った。
 
笑い終わり、落ち着いたところで
最後に必ずぷう助を
つれて戻ることを約束して
電話をきる。

兄は、兄やんといっても
おっさん呼ばわりされても
おかしくない年。
 
 
相変わらずな家族に
戻りたいと
思った。
 
こんなアホな話が
できて、いつも
笑っていられる家族に
なりたかった。
 
 
私はこれから
結婚式の時に
十字架の前で誓って
築いた家族を壊す。

家族としての中身はとっくに
壊れていたけど、
最後の形を崩して
終わらせる。

 

※数年前に離婚裁判をして

終わらせた記録です。

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