463話  『割れた携帯電話』

 

 

何が起こったのかも
わからず立ちすくむ。

バッグや携帯電話をどこかへ
ぶつけたり落としたり
しているならわかるけど、
お迎えの時に携帯電話で

時間を確認しているし、

落としたりもしていない。

信じられなかったけど、
固定電話を持っていないから
携帯が使えないとパート
でも困ってしまい、電話だけ
でも通じないかと試しに
実家へ電話をしてみたけど、
画面が粉々に割れている
せいで表示がまったく
見えなかった。

私はすぐにぷう助を
もう1度自転車に乗せて

実家へ急ぎ、いきなり

帰って来られて驚いている

母にぷう助をお願いして、

少し遠い携帯電話のお店へ

急ぐ。

兄がいないから、母に
ぷう助を任せるのは
少し心配だったけど、
ぷう助は十分に母の
身体が弱いことを
理解しているから
大丈夫だと思った。

辺りが暗くなってしまった
道でスピードをあげ
自転車をこぎながら、
何度も割れるような事を
しなかったかと思い返して
みたけど、何もわからない。

いつもと同じバッグで
同じ行動なのに、保育園
から自宅に帰って来る間で
粉々になるような割れ方を
するなんて、どれだけ

考えても答えがでない

ままお店につき、
すぐ携帯電話を
見てもらう。

若く礼儀正しい対応を
してくれる店員さんが、
電源ボタンをおしたり
割れ方の状態を見ながら、

「凄い割れ方していますね。
 でも画面は意外に弱くて
 ズボンのポケットに入れ

 ていたとかでも、取り出したら
 割れていたなんていうことは
 普通にありますので…」

そういってもらいながら、
私は修理の用紙に名前を
書き、代替えの携帯電話を
受け取ってから、また
自転車で急いで実家へ向かう。

早くぷう助にご飯を食べさ

せてお風呂へ入れないと

寝る時間に間に合わないと
思いながら、息を切らして

実家へ着くと、ぷう助は
ご機嫌で父と遊んでいた。


「ぷうちゃんに焼きそば
 食べさせておいたから、
 まぁみも食べなさい。

 なんで携帯電話の
 画面があんなバリバリに
 割れたの?

 あ、それとぷうちゃんは
 爺(父)とお風呂に入って
 いるから後は寝るだけよ」

「お母さんありがとうー。助かった」

「大盛りあがりしながら
 お風呂で遊んでいたわよ。
 
 湯船を見たらお湯が半分
 しかなくなっていて
 脱衣所もびしょびしょ。
 
 まったく爺はすぐ同い年に
 戻ってはしゃぐから

 手がかかる。
 

 ぷうちゃんはいい子
 だったわよ」


私はなんで携帯が割れたのか
わからないという話を
しながら焼きそばを
食べ、父ともっと遊び

たいぷう助を連れて

帰り支度をしていると、

母との話を聞いていた父が


「俺もこの間、手首につけて

 いたパワーストーンが
 いきなりバラバラバラ~って
 紐が切れたんだよ。

 これは厄から守ってもらった
 ってことだから、その携帯
 もそうに違いない!」


といい、私は携帯電話って
厄から守ってくれるんだっけ…
と思ったけど、玄関で靴を履き
荷物をもったところで、
和解になったことを
思い出し報告をした。


「ほらなー!
 こういうことがある時
 って不思議なことが起こる
 もんなんだよ。

 身体に気をつけろよ。
 大きな悪い事が身から
 離れるっていう時は、
 それに連なって悪いことが
 続けて起きる事があるんだ。

 

 毒をだしきるって意味」


父のいっていることも
たしかにわかるし、
大きな変化は、いつもの

調子を崩しやすい。

悪い事が続けて起こるのは
勘弁だけど、これから
苗字も変えて忙しくなりそう
だから、十分気を付けて
裁判を終わりにしようと
思った。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

【お知らせです】
いつもお読み頂きありがとう
ございます。
あと何回かの裁判で離婚が
決まり、ぷう助が小学生に
なる前で、お話を終了します。

終わった後は、そこから
現在に至るまでに起こった
いくつかの出来事、この
ブログに登場してくれた
人たちの現在、ぷう助の事、
伝えるつもりが抜け落ちた
部分などの投稿をしてから
ブログの更新を終わらせて
頂く予定です。

あと数ヶ月の更新になるかと
思いますが、お時間の許す
時に読んで頂けたら
幸いです。

皆様のおかげで、とても
幸せな時間を過ごさせて
頂きました。
ありがとうございます。

 

 

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【お気に入りの紹介です】

 

 

ブログでご紹介している

『ねこはるすばん』を描いている

町田尚子さんの絵本です。

 

ずっとネコヅメのよるをご紹介

したかったのですが、楽天で

確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

 

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

生きようと頑張っている人の

願いが届く明日になります

ように。