貞彦467話  『裁判が終わる』

 

 

なかなか戻ってこない
不二先生に対して、その場

にいた書記の方なのか

職業名はわからないけど、

裁判所の書類を扱っている

ような人と四条先生も、

態度には表さないけど

苛立ちを募らせているのが

わかり、私もだった。

待っている時間に携帯電話や
夕食の献立を考えたりできれば
ストレスを回避できるけど、
大事な時間に夕食を
考える気にもなれず、
部屋にいた人全員が
時計ばかり見る。

それでも戻ってこない
不二先生に、四条先生が
迎えに行こうかとそんな
話を始めていたところで
やっと戻ってきた。



「あ、あの、今聞いて
 きたんですが、それが

 期日はいちおう本人の希望で
 それで」

「許可をいただけたということで
 いいんですね」

「え、ええ、まぁその、
 あっ、はい、そんな感じで」


そこからはすごい早さで
四条先生がすべてを
しきり、不二先生に
書類を渡したら、記入
漏れのないように
隅々まで書くところの

指示をして、あっという間に

終わった。

私は一言も話さず、バッグに
使わなかったボールペンと
メモ用紙を入れていると


「私たちは先にここを
 出ますので、不二先生は
 鉢合せしないよう時間を
 ずらして出てください」

「あっ、はい、このあと
 貞彦さんにこの説明を
 しなくてはいけないので
 しばらくここにこます、
 大丈夫です」


会話が終わると同時に
四条先生は部屋をでて、
私も不二先生に一礼を
してから退室をする。

不二先生には待っている
間に苛立ちを感じたけど、
でも貞彦さんの弁護をする

のは大変だっただろう

なと思ってしまう。

不二先生のそんな
やり取りがあったおかげで
私は緊張していたことを
すっかり忘れていて、
四条先生とも不二先生の
話をした。

四条先生はここまでの
長い間、不二先生の返答が
遅かったり、よくわかって
いないのではないかと
いうことが多く、わざわざ
表を作って送ってあげたりも

したという。

初めて聞いた話で、
不二先生は離婚の裁判に
慣れていない先生だった
のかと聞いてみると、
何か1つを専門的にやっている
先生ではないようだった。

四条先生と一緒に、
いつもは裁判所の裏口から
出ていたけど、最後は
正面からでることが出来て
「ありがとうございました」
と心の中で一言いい、
先生にお金の清算や離婚届の
出し方をもう1度聞きながら

駅へ向かう。

貞彦さんからの財産分与は
法律事務所のほうへ入金され、
そこから法テラスで借りた分の
清算をして、残りが私に
入金される。

だいたいの計算をすると、
財産は法テラスで借りて
いる額と同額くらいだから、
財産分与で全部返しきれれば
いいなと思う。

そして、駅へ着き先生と
別れた後は、母やサバ子など
ここまで支えてくれた
人たちに裁判の終わりを
メールで報告した。


【お知らせです】
いつもお読み頂きありがとう
ございます。

裁判がここで終わりました。
9月に裁判が終わり、
明日からの投稿は、その続きで
手続きや引っ越しなどをして、
ぷう助が小学生になる前の
3月でお話を終了します。

終わった後は、現在に至る
までに起こったいくつかの
出来事、このブログに登場して
くれた人たちの現在、ぷう助の事、
伝えるつもりが抜け落ちた
部分などの投稿をしてから、
ブログの更新を終わらせて
頂く予定です。

あと数ヶ月の更新になるかと
思いますが、お時間の許す
時に読んで頂けたら
幸いです。

皆様のおかげで、とても
幸せな時間を過ごさせて
頂きました。
ありがとうございます。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

本当にありがとうございます。

 

 

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【お気に入りの紹介です】

お月さまってどんなあじ? [ ミハエル・グレーニェツ ]

 

※昨日からご紹介しました

「お月さまってどんなあじ?」

が楽天で在庫無しになってしまいました。

amazonにもないようです。

図書館にはあると思いますので、

ぜひ、読んでみてください。

 

 

『お月さまってどんなあじ?』

 

本を開く前に、想像をする
ことから始まる楽しい
絵本です。
「どんなあじ?」という
題名だけで、感性が豊かな
子供たちはどんな味か
という想像を頭の中に
描きます。

自分が好きな物の味、
嫌いな味、触感がふわふわ
なパンのようだったり、
おせんべいのようだったりと
自然と頭の中では、おつきさまの
味をイメージしてから、絵本の
1ページ目が始まります。

そして、絵本のページを
めくるごとに早くおつきさま
の味を知りたくなって
いき、最後に自分が想像
したお月さまの味だったのか
ということを知ることが
できます。

文章は2歳頃から全文を

読んであげることが

できるくらいの長さで、

動物たちもでてきて
わかりやすい言葉になって

います。

 

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

不安に囲まれて孤独に

負けそうな今日を

生きている人が

受け取れなかった幸せは、

そのぶん明日、2倍の

幸せになって届きますように。

 

明日も明後日も辛かったら

その分の幸せを

1ヶ月後、3ヶ月後、半年に

全部受け取って幸せ

いっぱいの未来が必ず

来ますように。