貞彦最終話  『約束(後半)』

 

 

長く暮らしていた町の
懐かしいバスと見慣れた
景色は、今でも住んで
いるかのような気持ちに
なる。

バスは3つ先にあるバス停に

着き、そこから少し歩き交通量の
多い通りで空車のタクシーを
見つけて乗車した。

バスへ乗ったあたりから
ぷう助の口数が減って
いるような気がして
顔を見ると、固い笑顔で
緊張していて、タクシーの
窓を触ったりコートの
ボタンをいじりながら、
座ってはいるけど気持ちが
落ち着かない様子。

私はバッグを開き、中に
入っているものがぷう助に
見えるようにして声を
かけた。


「ねぇぷう助、持ってきたよ。
 見て」
 
「!!!取っていい!?」

「もちろん」



ぷう助は私のバッグに
手をいれ、そっと金銀メダル
を取り出して見つめる。

引っ越し前、荷物を整理
していたらずっと
お菓子の缶へ入れて、
しまっていた金銀メダルを
久しぶりに見つけ
ぷう助にも見せていた。

ぷう助は「また遊ぼう」と
約束して別れたことを
ちゃんと覚えていて、
私はぷう助に、無理かも
しれないけど保育園へ
電話をして会いにいって
いいか聞いてみよう
という話をしていた。

そして会えることが
決まったのは一昨日。

他の日でもお友達には
会えるということだった
けど、園長先生と担任の
先生は異動されていて、
先生方が全員会いに来れる

のがこの日しかないという
事だった。


「これ首からさげていい?」

「もちろん。やっぱり
 最高だね、そのメダル」

「うん!」


本当は家を出る時に
メダルを渡そうかと
思ったけど、電車で
ひっかけて切れたり
したら嫌だなと思い、
電車を降りてから
渡すことにしていて、
タクシーも次の信号を
左折したら保育園が
見えてくるというところ
まで来る。

ぷう助は首からさげた
メダルと窓の景色を交互に
見て、私も心臓をドキドキ
させながら赤信号がかわる

のを待ち、タクシーが
発車すると左前に保育園が
見えてきた。

門の内側では何人かの
子供たちが道路を見ている
ようで、そこへタクシーが
止まった瞬間

「ぷう助くんがきたーーーー!!」

と、後ろの園庭で遊んでいる
お友達たちへ向かって叫び、
遊んでいたお友達たちが
どんどん走り門のまえへ
集まってきて、それぞれに
ぷう助の名前を呼んでいる。

急いで料金を支払い
タクシーを降りると、
1人1人の顔をよく見なく
てはわからないほど
成長している当時のクラス
メイトが立っていて、
それだけで胸がいっぱい
になってしまう。

わざわざこの日のために
足を運んでくださった
先生方も、門のところまで
来てくれた。

先生は子供たちが飛び
出さないように注意しながら
門をあけてくれて中へ
入ると、みんな最高の
笑顔で笑いあう。

そのお友達たちを強引に
かきわけて1人の男の子が
ぷう助の目の前に立ち
手をぎゅっと握った。

その子の顔をよく見ると、
お別れの時に冷たい雨の降る中
窓から身を乗り出し
「ブロックやろーなー!!」
と叫んでくれた、1番の
仲良しだった子。

ぷう助とにっこり
見つめ合うと、男の子が
強く握った手をひっぱり
ぷう助を園庭へ走って連れて
いき、他のお友達も負けじと
2人を追いかけていく。


青空の下、昨日も一緒に
遊んでいたかのように
みんなと鬼ごっこをしている
ぷう助。ドッチボールや

たか鬼もやろう!と

みんなで大盛り上がり。
 

 

いつまでもそんなぷう助を
見ていたいし、明日も
また一緒に遊ぶ姿を
みたいなと思う。

 

でも時間は、あっと

いうまに終わりが
来たようで、集合写真を

撮ることになった。

桜のつぼみが膨らんで
いる木の前に集合すると、
職員室から先生が腕に
たくさんの金銀メダルを
ぶら下げながら走ってきて
みんなの首にかけてくれる。

そして、木のすぐそばにある
ジャングルジムへ子供たちが
思うままにのぼり、ぷう助は
仲良しの男の子と絆でむすばれ
ているかのように肩を組み、
ジャングルジムの前で
金銀メダルを2つぶらさげて
みんなと最後の集合写真。


ぷう助はこんな素敵な友達が

いれば、生きていると必ず

訪れる困難にたいして、

なげいたり、わめいたり、

文句をいったり、涙を流す

だろうけど最後は

自分なりの答えをみつけて

いけるのだと思う。

私も死んだ方がマシだと思う
辛い事も、嫌な事も、怒りも
いっぱいあったけど、どうやって
お礼をしたらいいのもわからない
ほどの優しさにも出会えた。

離婚を決めてからは、
悪い事と良い事がこれで

もかというほど濃厚な

人生の時間をすごしたけど、

これからはまた平穏な毎日に

なるはず。

 

だけど、そんな毎日が幸せ

であるということがよく

わかった大きな出来事

だった。

 

 

4月からぷう助は小学生。

いっぱいトラブルが起きそう

だけど、きっと泣きながら

でも私たちは越えていける。

 

 

 

       おわり。

 

 

☆いつもお読み頂き

ありがとうございます。

 

今後は、現在までに起きた事や、

登場してくれた人の現在、

書きそびれてしまったモラハラの

ことや、育児の失態、漫画化の

事などを書かせていただいてから、

更新を終わります。

 

あと1ヶ月か3ヶ月なのか

わからないのですが、

もう少しだけ、私の記録に

お付き合い頂けたら嬉しいです。

本当に有難うございます。

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

お返事ができなくてごめんなさい。

 

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最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

家族とすごす週末がつらい人に

落ち着く時間ができますように。

 

 

 

貞彦最終話  約束(前半)

 

 

3月。
体調を崩さないように
することを何よりも意識して、
頭痛で寝込み1日中なにも
できなかったなんていう日を
作らないようにしたい。

そんな目標を掲げながら、
パートが忙しい時期では
あるけど1日だけお休みを
させもらった朝、いつも
通りにぷう助が起きてくる。


「お母さん今日はお仕事へ
 いかないの?
 病院へ行く日?」

「うん、仕事はお休み。
 ぷう助も今日は保育園を
 お休みしてお母さんと
 一緒にお出かけするよ」

「えっ!ほんとう!?
 どこへ行くの?
 バスにのれる?」

「行き先はひみつ。
 バスにも乗るよ」

「やったー!!
 お母さん早く朝ごはん
 ちょうだい!」


私がいつもと違う格好と
玄関前に用意していた
バッグも違うことに
すぐ気が付き、大喜びで
飛び跳ねながらトイレへ
行って、いつもはのんびり
している朝の支度をあっと
いう間に済ませる。

私も食器を洗い、支度をして
玄関へ急ぐと、ぷう助は
どこへ行くのかがわかった
ようで、靴まで先に履いて
待っていた。


「ぼくもう気づいちゃった~」

「うん、でもそれ以上言わないで。
 お母さん泣いちゃうから。
 そんな顔で電車に乗るの
 恥ずかしいもん」


ぷう助が笑い、私も靴を
履いて一緒に駅へ向かう。

外はまだコートがないと
寒いけど、風もなく
青空が広がるいい天気。

小走りのぷう助に手を
ひっぱられながら駅へ着き、
通勤の人たちと共に
電車に揺られて、窓から

見慣れた景色を眺める。

 

ぷう助には冗談で泣い
ちゃうからなんていったけど、
色々思い出すと本当に涙が

込み上げてしまいそうだから、

気持ちをそらしてしばらく

の間は車内の広告を

読んだりしていた。

ぷう助もずっと静かに
乗っていて、電車の窓から
たくさんのタクシーや
バスが行き来するロータリー
が見えてくると、何も

いわなくても降りる気

満々で私と手を繋ぐ。

電車はあまり乗らない
ぷう助だけど、窓からの

景色は覚えていたようで、

何のとまどいもなく

電車をおりて、人込みの中を

ぬけ改札まで着くと、

「またここに来たかったんだよー!!」
とぷう助が喜びながら、
貞彦さんと暮らしていた頃に
見に来ていた長距離バスが来る
ロータリーへ向かう。

ぷう助はどんなバスも好き
だけど、引っ越した後も
1番好きなバスは変わる

ことなくこの駅へ
来るバスだったから、
必ず連れてきてあげようと
思っていた。

当時、私も自分は
死んだ者として衝動的に
ぷう助と乗ったバスだから
思い出がありすぎて、
ぷう助とはまったく
違う気持ちだけど、
そのバスを含めてロータリー
を見る。


「いつまででも見ていられるね」

「うん!」

「でももう、約束の時間に
 なっちゃうからそろそろ
 行こう。
 帰りにまた見ていいよ」

「うん!行こう!!」


そこから私たちは、あの時に
乗ったバスではなく、地元を
走る路線バスへ乗る。

 

 

 

☆いつもお読み頂き

ありがとうございます。

明日で長く続いた離婚までの

お話が終わりを迎えます。

 

今後は、現在までに起きた

大きな出来事や、登場して

くれた人の現在、書きそびれて

しまったモラハラのことや、

育児の失態、漫画化の事などを

書かせていただいてから、

更新を終わります。

 

あと1ヶ月か3ヶ月なのか

わからないのですが、

もう少しだけ、私の記録に

お付き合い頂けたら嬉しいです。

本当に有難うございます。

 

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☆個人の特定につながらないよう

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確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

メッセージを頂き、ここまで

読んでくださる方がたくさん

いらっしゃることがわかり、

逆に私のほうが元気をいっぱい

もらっています。

 

 

自分で自分を支えるしか

ない状況の人に

心落ち着ける明日が

来ますように。

読んでくださる皆様に

素敵な明日が来ますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貞彦477話 『あたりまえに家事をする』

 

 

深夜1時半、まだまだ
いくらでもおしゃべりは
できるけど、私もサバ子も
若い頃のように寝ないで
朝から仕事をするほどの
体力はなく、続きはまた今度
となった。

サバ子が帰った後の部屋で
残ったビール飲み、窓の
外に見える夜空と積み上げ
てあげてあるダンボールを
眺めながら、酔った頭で何を
考えるわけでもなく思い
ついたままのことを浮かべる。

私はきっと、このまま何の
資格もないから、体を動かす
ようなパートをして
ずっと同じ賃金で細々と
やれるところまでやって
いくのだろうけど、ぷう助が
大人になる頃は、女性が
もっと当たり前に男性と
対等な関係になっていく
のだと思う。

女性が社会にでることが
当たり前になると男性は、
家事や育児が出来ることも
当たり前となっていく。

ぷう助には掃除や洗濯など

当たり前の家事を、
普通にできるように教えた
ほうが大人になった時、
困らないだろうと思う。

ぷう助が結婚をした時、
家事や育児は女性がメインで
やるものという価値観は、
奥さんとの間でひずみが
でてくるだろうから、奥さんと
一緒にやることを大前提と
して、話し合えるのがいいな
なんて、理想の夫婦を
思い描く。

そんなことを考えていると
あっという間に深夜2時を
すぎてしまい、ぷう助の
隣りへ横になる。


あと2日で3月。
3月はパートも保育園の
役員も1番忙しくなるけど、
忘れていた約束を果たしに行く。

 

 

 

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一部の表現をかえています。

 

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道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

楽しい事を感じれなくなって

しまうほど疲れた心が、

ゆっくりと回復して

いきますように。

 

 

 

貞彦476話  『モラハラにあう女性』

 

 

モラハラに会いやすい女性
というのは特徴があるという。
その特徴を嗅ぎつけるのが
上手なモラハラをする側。

幼少期に経験した親との

関係や、何らかの理由で

自分に自信をもてず

自己肯定感の低い人が
あいやすいというのは
読んだことがある。

実際に私も病気という
負い目があって、すぐ
体調を崩し思い通りに
いかない自分には今でも
うんざりしているし、
ずっと自信が持てない
根幹になっていると思う。



「モラハラにあいやすい
 女性って自己肯定感が
 低いっていう話があるけど
 サバ子はどう思う?

 そうだとするならどう
 すれば、そういう女性が
 幸せになれる?」

「そういうことを知って
 『私のことだ~』
 ってなったら次に
 『こうすればよくなります』
 っていう答えを探して実行
 するわけでしょ。

 でも、結局うまくいかなくて
 『やっぱり何をやっても
 私は駄目なんだ、かわれない』
 ってさらに自己肯定感を下げる
 人のほうが多いんじゃない?」

「なるほど」

「ねぇ、モラハラや暴力男
 から無事に脱出できた女って、
 普通の男からしたら最高に
 いい女だと思わない?」

「なんで?」

「だってとんでもない忍耐力
 みにつけてきてるでしょ。

 夫の要望に1ミリの誤差もなく
 答えようと全力で努めるし、
 それでも責められて、さらに
 奴隷化しても命削る勢いで
 尽くしているんだから。

 そうとうな年月そんなことを
 しているもんだから、やって
 あげている側はとっくに麻痺
 しちゃっているんだろうけど、
 これをモラハラじゃない
 男にやったらほんのちょっと
 だけで『ありがとう~』って
 喜ばれるよ」

「たしかに、忍耐力は自信
 あるっていうか、モラハラ
 も暴力も毎日あっていると
 それが普通になるから
 麻痺してくる」

「仕事をして帰ってきたら
 三ツ星レストランより
 最高のタイミングで
 自分好みの食事が毎日
 でてくるわけでしょ。

 家事もすべて自分の
 こだわり通りにやって
 くれて、怒っている
 時は気をつかってくれて、
 不倫されても
 『私にも至らないところ
 があった』『家族の為、

 子供の為』とかいって
 傷つけられたのはこっち
 なのに、自分は血流しっぱ

 なしで家族守って、痛くも

 ないやった側を擁護してやる

 なんて最高すぎるじゃん、
 そんな女」

「そういうふうに考えた
 ことはなかったな」

「いい女が輝くのは自分の心に

 素直な行動をとった時だよ。


 だからここから幸せになれる

 って決まってるの。
 かんぱ~~~い」

0時すぎ、ぷう助が起きないよう

酔っぱらった小声で
サバ子と私のおしゃべりは
続く。
 

 

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この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

溺れているかのような

辛い時間を過ごしている人

に明日、何一つ悪い事が

起こりませんように。

 

 

 

貞彦475話  『引っ越し後』

 

 

引っ越しは、料金があがる

3月になる前に決まり、

急いで荷造りをして

当日を迎えた。

堂々と荷物をまとめて
積み込める引っ越しは
いいなと思いながら、
すべての荷物を積み終える
頃にぷう助の自転車も
トラックへ乗せてもらい、
あっという間に落ち着いた

引っ越しが終わる。

 

そして夜、サバ子が引っ越し
祝いにビールとお惣菜を買って
きてくれた。


「もーーー!なんなのこの
 新居は!!
 私に登山させる気?
 まったく、6階まであがって
 くるのに体力消耗した」

「そういうかと思った。
 だけど部屋も景色も
 最高なんだよ、みてみて」


笑いながら荷物だらけの
部屋へサバ子を案内する。

ぷう助もサバ子と久しぶりに
会えたことが嬉しくて、
さっそくたくさん遊んで
もらい寝る時間が近づいて

くると、遊びながら

舞台の幕を下ろすかのよう

に瞼を閉じ眠った。

私が寝室へぷう助を運んで

いる間にサバ子はビールや

お惣菜をテーブルに並べ、

そこからは久しぶりに

酔っても大丈夫な環境で

ビールを飲みながら、
学生の頃のような
止る事のないおしゃべりを
深夜まで楽しむ。

なんて心地のいい時間
なんだろうと思う。

貞彦さんと夫婦でいたら
人生にこんな時間は
作れなかった。

毎日貞彦さんのこだわりに
合わせた家事を深夜まで
終わらずにやって、
貞彦さんの機嫌がいい時に
笑い、怒っている時は

常に気を使う。

だから貞彦さんと
離婚できたことは良かった

と思っているけど、DVや

モラハラを受けるのは、

女性側にも原因がある

という書籍やブログも

目にしている。

そのことはずっと自分の
なかでもひっかかっていて
誰にもいえなかったけど、
サバ子に聞いてみた。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

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道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

1人でどうにもならない

辛さを感じている人に

月や星の明かり、植物や

ペットが寄り添ってく

ますように。

 

 

 

貞彦474話  『引っ越しの準備』

 

 

2月。
希望した賃貸物件は何の
トラブルもなく借りる事が
でき、あとは引っ越しだった。

普通の引っ越しにも
かかわらず、変な
緊張を無意識に感じては
自分自身に
「ただの引っ越しだから」
といい、堂々と引っ越しが
できる安心を取り戻し
アパートへ来た時の事を
思い出す。

あの時、引っ越し2日前に、
まさか貞彦さんにバレる
なんていうことは無いはず
だと自分自身に言い聞か
せていた。

ずっとバレるのではないかと
気がおかしくなりながら
緊張していたけど、引っ越し
4日前より2日前のほうが
バレるかもしれないという
思いが少しだけ減っていた

記憶がある。

その理由は
「引っ越し1日前にバレる
 なんていうことが起こるのは
 ドラマ以外にあり得ない」
と思っていた。

大抵のストーリーは、そこから
かっこいい救世主がきて
ぎりぎりのところで助かり
ハッピーエンドになる。

だから1日前にバレても
大丈夫だし、現実には
すごい偶然が重なり
悪い事が起こるなんてまず
無い。

なのに、その現実は起こった。
でも今ではそれも笑い話。

そんな過去を思い出しながら
押入れを開け、どのくらいの
荷物があるかを確認した
けど、そんなにたくさんの
物は無く、あっさり引っ越しが
できそうだった。

だけどアパートでの
思い出はどんどんでてくる。

蜘蛛のメロスと一緒に
暮していたり、トイレの
床が抜け落ちて、土の
地面からにょきっと
便器だけがはえている
ような状態になった時は、
直してもらうのに1日がかり
だったけどぷう助と大笑い
した。

毎週金曜日の深夜2時に
なると、2階に住んでいる
フィリピン人のお父さんが
窓を全開にしたまま
ドラゴンボールの主題歌を
母国語で熱唱する。

私はぷう助の寝顔を見ながら、

ぷう助が起こされたりしな

ければ別にいいと思い、

それすら平和な時間を

感じていた。

そんな思い出が溢れてくる
私とぷう助が最初に住んだ
アパートに感謝して、荷物の
整理を始める。
 

 

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道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

辛くて悲しくて自信が

もてなくて、明日もきっと

今日と同じ辛い日が続くと

思っていたとしても、生きている

自分は頑張っていると

思える明日が来ますように。

 

 

 

貞彦473話  『空をえらぶ』

 

 

1月。
ぷう助と完全な母子家庭で
迎えた初めての新年は、
去年となにも変わりなかった
けど気持ちだけは軽かった。

休み明け、パート先では
年末に大雪が降った影響で、
雪の重さから建物の一部が

破損して水漏れが起きたり、

オフィスの窓ガラスにひびが

入っていたりして忙しい

1週間をすごした後、
不動産へ賃貸物件を探しに
いった。

不動産で条件を伝えると
すぐに3ヶ所の物件を紹介
してもらい、そのうちの
2ヶ所はよく知っている
建物で、もう1ヶ所は
築年数も古くなくて、
間取りも広く6階で
風通し、日当たりも良い。

ただ、エレベーターが無い
という。

家賃が安い理由は6階まで
階段で行かなくては
いけないという事だったけど、
いまいち想像がつかなくて
案内してもらう事にした。

不動産から10分程度の
物件で、エレベーターが
ないという事の不便さを
考えてみる。

ぷう助は身軽だから、
6階までなんて余裕で
上り下りできる体力が
あるし、持病もなく毎日
元気に保育園へ通って
いることを思うと問題は
なさそう。

そうなると、私次第だった。
買い出しなどで重い荷物を
持って6階までいけるのか?
朝、1階まで降りてしまった
直後に忘れ物に気が付いたら
もう1度往復できるのか?
もし、ぷう助が病気をした
時にぷう助をかかえて1階
まで降りられるか?

思いつく限りのことを
頭にうかべ物件の前に

着いた時、階段で休憩を

しないで6階までいける

のかを試してみるため、

先に階段をのぼらせて

もらう。

普通にのぼっていると
2階まではなにも感じず、
4階までいったところで
はっきりと疲れを感じた。

そこからさらに6階へ
ついた時には、コートを

着ている身体が温まり

3分程度の運動をした

ような疲れになる。

でも、そこから室内へ
入ると角部屋で窓から

見る景色は空一色、キッチンや
トイレも全て新し物に
取り換えたばかりという
ことで、エレベーターが無い
以外はすごくいい物件。

逆にエレベーターがあったら、
家賃はもっと高くなり
私が住める所にはならない。

不動産には1日だけ考えさせて
欲しいと伝え、お返事を明日に
させてもらう。

だけど私は室内から窓を
見た時の空に惚れてしまい、
気持ちはほぼ決まっている。

ただ、恋は盲目という
言葉もあるから、一晩
頭を冷やし、ぷう助にも
階段でいいか聞いてからに
しようと思う。


そして翌日、エレベーターが
無いということよりも、窓から
見える空を選んだ。

 

 

 

 

☆この時の賃貸が、今まで住んできた

 賃貸の中で1番好きな物件でした。

 

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道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

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道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

逃げることのできない

苦しみの中にいる人が、

自分自身を責めてしまう

ことのない明日を迎えられ

ますように。

 

 

 

貞彦472話  『サンタさんはいる』

 

 

12月。
書類やお金の清算も
離婚関係のことは
すべて終わり、残りは
引っ越しとぷう助が
小学校へ入学する準備
となった。

だけど想像以上に

保育園の役員活動が忙しく、

毎週土曜日に集まっては
アルバム制作や謝恩会の
準備であっというまに
クリスマス。

ぷう助は苺やフルーツが
のっているクリスマス
ケーキを喜ばないから、
何ものっていない
白銀の世界みたい
なホールケーキを作る。

普通にスポンジを焼き、
それが例え失敗して
膨らまずにホットケーキの
ようになってしまっても
関係なく、間に生クリーム
をたっぷりはさんで、さらに
全体も生クリームで包む
ようにぬったら完成で、
原価1000円もしない。

たっぷりの生クリームが
あればそれで満足だという。

ケーキを切るとその断面は、
生クリームが豪雪地帯の
降り積もった雪のように
なっていて、ぷう助の
お誕生日ケーキとクリスマス
ケーキはいつも笑いながら
食べる。

そしてサンタクロースの

話になった。


「お母さんはサンタさんに
 何をたのんだの?」

「ひみつ」

「前(去年)はお母さんに届いて
 無かったよね」

「ちゃんと届いたよ」

「えっ!?でもプレゼント
 もってなかったじゃん」

「お母さんは目にみえないものを
 頼んでいたから」

「それちゃんと届いたの?」

「うん、受け取っているよ」


私は毎年サンタさんに
『幸せを1つプレゼントして

 ください』
と頼んでいる。

 

私がまだ7歳だった頃まで、

家は経済的に貧しかったけど

サンタクロースは来ていた。

でも7歳のクリスマスイブ、
いきなり父から
「サンタクロースは親が
 プレゼントを用意している
 からいない。
 今年はそのプレゼントを
 用意できなんだ」
と告げられて、布団の中で
一晩中泣き、翌朝も
気持ちが沈んだまま。

プレゼントが無いという
ことに悲しかったわけで
はなく、なんとなく
プレゼントを用意して
いるのは親かもしれない
とは思っているけど、
サンタクロースを信じて
いた気持ちが大きかった。

だけど真正面から事実を

言われてしまい、大晦日に

なっても表面上は普通の

顔をしていたけど、心は

立ち直れないままで年が

明けていく。

そして、落ちるところ

まで落ち込み続けて

行き着いた答えは、

サンタクロースは
いるという事。

サンタクロースは
目に見えるプレゼントを
持って来てくれるだけ

ではなくて、幸せとか

良い事とか目に見えない

プレゼントも持ってきて

いるはずで、去年の私にも

プレゼントは届いていた。

そう思ってからは毎年、
おもちゃは届かないけど
目に見えないものが
届いていると信じて、
プレゼントのお願いを
していた。

今思うと、冬の絵本には
サンタクロースの登場が
多く、サンタさんの存在が
大好きだったのだと思う。

好きすぎて、父の言った
事よりも、自分が信じている
ものを押し通していた。

父はプレゼントが届かずに
悲しい思いをするなら、
本当の事をいったほうが
いいだろうという気持ちで
言ったのもよくわかる。

サンタクロースは
プレゼントを持ってきて
くれるけど、ものだけ
ではなく世界中の子供たちに
幸せをもってきてくれるから、
例え経済的に厳しい状況に
なっても来てくれるし、

大人の私にも信じていれば

おまけしてくれるんじゃ

ないかな、なんて

思ってみたりした。

クリスマスが終わったら
一気に年越しへ向かい、
新しい年が始まる。
そうしたらすぐに
不動産へ物件を探しに行く。
 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

本当にありがとうございます。

 

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町田尚子さんの絵本です。

 

ずっとネコヅメのよるをご紹介

したかったのですが、楽天で

確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

急に気温が変動した地域の

方は、いつもより体調に

気を付けておすごしください。

 

今夜はゆっくり身体を

休めて素敵な明日を

迎えられますように。

 

 

貞彦471話  『夢は何歳でも大きい』

 

 

大学病院へ問い合わせの

メールをしてから2日後、

返信が来た。

ぷう助がお世話になった大学
病院では寄付をする先が
いくつかに別れているとの事。

大学で病気の研究や学生たちが
学ぶための寄付、病院の建物や

設備を最新のものにする寄付、
特定の科、部門への寄付。

そして小児科への寄付は現金が
1番良く、物は例え新品でも
その都度、受け取れるかの
対応や消毒作業などで手間が
かかってしまうため、できるだけ
控えて頂いているという
お返事。

とても丁寧なお返事を
頂き、これで間違いなく
お金を送ったほうがよい
ということがわかったから、
小児科へ寄付の希望を
返信した。

その翌日、寄付係から
来たメールには振込先と、
私の名前を病院の定期的に
発刊される会報のような
ものに乗せてよいかという
質問、税制上の優遇措置に
ついて書かれていたけど
全てお断りする。

名前は今後も誰が目に
するのか、わからないものは
気をつけなくてはいけないし、
税の優遇は、優遇してもらう

だけの税金をおさめて

いないから必要ない。

なんとなく私が寄付
なんてできるのは
人生でこれが最後かな
と思った。

これからは、ぷう助が大人に
なって私の元を離れる
まではずっと節約生活で、
ぷう助が巣立ったら今度は
年金で食べていけない
らしいから、老後の貯金を
貯めなくてはいけないし
一生、こういう暮らしな

のかと考える。

だけど、それならまだ良くて
他の人よりも体力がない分、
仕事もかぎられているし、
加齢で体調不良も増えて
いくだろうから、老後の
資金を貯められるくらいの
力が残っていたらマシなの
かもしれない。

そこまで考えたところで、
寄付の問い合わせをした時は
「明るい未来がある!」
なんて思っていたのに、
考えが暗くなっていることに
気が付き、ずっと願っていた
前向きな夢も思い出してみる。

今度、もっと大金を手に
したら寄付じゃなくて、
それを元にお金を生み出す
手段に変えて、継続的な
支援ができるようにしたい。

雇用を作れたら、私の

ような事情をもった人に

仕事をお願いできるし、
そうすることが母子家庭の
子供を救うことにも繋がる。

私の後半戦になっている人生、
どこまで夢が叶うだろうか。

ぷう助が世界中のバスに乗る

という夢と同じくらい

私の夢もそうとう大きいなと

思った。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

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わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

毎日ベッドの上で過ごして

いる人が素敵な夢を見られる

夜になり、明日笑顔がふえますように。

 

 

 

貞彦470話  『財産分与が振り込まれる』

 

 

帰宅後、ぷう助が眠り
静まりかえったリビングで、
四条先生からの封筒を
開封して清算がどう

なっているのかを見る。

内容は財産分与の金額から
法テラスで借りた費用が
引かれ、わずかに残った
金額が私の口座に振り
込まれているという
あっさりとした詳細
だった。

離婚が成立した日に
なんとなく計算していた
通りで、このお金は
大学病院への寄付を
決めている。

引っ越してきたばかり
の頃、ぷう助がたちの
悪い風邪をひき入院をし
た時、ボランティアや
スタッフなどに支えられ、
子供たちの悲しみが少し
でも減るような環境が
作られていることに
感謝した。

その時はまだお金に困って
いて、夜勤をして始発で
病院へ向かう車内で、仮眠を
とるという生活だったから
なにもできなかった。

だから、もし裁判が終わって
財産分与を手にすること
があったら、必ずこの
気持ちは返そうと決めて

いた願いをこれから叶える。

この思いに揺らぎはない。

貞彦さんとまだ夫婦2人で
仲が良かった頃、今よりも
はるかに大きな額で豊かな
生活をおくり、車を買い
替える事なんて簡単にでき
るような貯金も普通にあった。

だけど、1度も寄付をしようと
思ったことはない。
貞彦さんが稼いできてくれた
お金だからという訳では
なく、そういう気持ちに
ならなかった。

例え何百万円かの貯金が
あっても、少ないと思って
いれば千円の寄付をだす
気持ちにはなれないし、
お財布に1万円しか
入っていないのに
千円だせる人もいる。

私は子供がいるし、体が
弱いから貯金を減らす
ことはできないけど、でも
これから頑張ってお金を
増やせる明るい未来がある

から、ないものとしていた

このお金は無くていい。

本当は寄付というより、
入院している子供たちを
直接喜ばせる芸や、スタッフ
をねぎらう技術もないから、
お金でしか私にやれることが
ないだけの事。

そんなことを思いながら
HPで見つけた寄付係へ、
どのように小児科へ
寄付すればいいのかを
メールを送った。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

☆メッセージをたくさんいただき

ありがとうございます。

お返事がとてもおそくなって

しまいすみません。

あたたかいお言葉に感謝で

いっぱいです。

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『ねこはるすばん』を描いている

町田尚子さんの絵本です。

 

ずっとネコヅメのよるをご紹介

したかったのですが、楽天で

確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

有難うございます。

自分が頑張っていないと

思っている人も、頑張りきった

人も、頑張れが嫌いな人にも、

今日より幸せな明日が来ますように。