『悲しい知らせ』

 

 

メールに悪い事が書いて
あるのではないかという
気持ちがどうしても強く
なってしまい、一度
キッチンでお茶をいれてから、
テーブルにマグカップを
置いてメールを読む。


『まぁみさん、ご連絡を頂き
 ありがとうございます。

 まぁみさんのことは以前、
 瑞月からよく話をきいて

 いました。
 元旦那様である貞彦さん

 とは同じような業界にいる
 ものですから、1度だけ

 お会いしたことがあります。

 瑞月は、まぁみさんが
 お子様と幸せに暮らして
 いることがわかり
 よかったと私にいって
 いて、その時のことを

 ついこの間のように

 思い出します。

 瑞月は去年の暮、亡くなり
 ました。

 遺書には会社の事と、
 詫びの言葉が残されて
 いました」


続きが読めず

目を離す。

頭が事実においつかない。
遺書ということは

重い病気だったのか…。

受け入れがたいまま
メールの続きを最後まで

読む。

けれど、なぜ亡くなった

のかについては触れず、

瑞月さんが仕事にたいして

熱心に取り組んでいた

ことや、私に貞彦さんの

病気を知らせるべきか

悩んでいたということが

書かれている。

私はまだ信じられない

気持ちだけど、教えて

頂いたお礼と瑞月さん

との思い出を書いて

返信した。

 

 

その後、数日間メールの

やり取りは続き、瑞月さんの

最後は自殺であることを

知った。

 

 

続く。
 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

明日に続きます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

読んで頂けたら嬉しいです。

 

5話まで無料、20話まで

配信になります。

 

 

【絵本の紹介です】

一緒にくらしているバムと

ケロのおはなしです。

主婦のような立ち位置にいるバムと

いたずら大好きな可愛いケロちゃん。

何冊かシリーズがでていて

空の旅をしたり、お買い物に

いったり個性的なお友達も

登場しながら、時に主婦の苦労を

しているバムに共感してしまう

物語でもあります。

 

私がバムとケロに出会った

きっかけは、薬を処方して

もらっている薬局で読んで

好きになったのですが、

小児科や他の薬局にも

置いてあり、この絵本の

可愛さと読みやすさは

人気のようです。

 

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

言葉がでなくなるほど

疲れ果てた今日なのに、

明日も同じで進む力を

失くしてしまいそうでも、

なんとか乗り越えた先に

望んだ未来がありますように。

 

 

『ミスばかりの1日』

 

 

吸収したライバル会社
のHPが載っていたから、
そこへアクセスして
役員の名前を調べてみると、
瑞月さんの名前はない。

けれど、ブログで仲良く
仕事をしている様子を
投稿していた、ビジネス
パートナーといっている
人の名前を見つける。

どういうことなんだろうかと
思い、関連会社の役員など
も見たけど瑞月さんの
名前は無く、久しぶりに

ブログをみてみると、
日付は会社が吸収される

数ヶ月前に更新が止っていた。

最後の投稿は、仕事の内容
だったけど、以前に見たよう

な2人の仲がいい画像はない。

その前日も、前々日も同じ
ような投稿で、たまに画像が
載っていてもコンビニで
買ったお昼ご飯のみ。

瑞月さんと再会した時に
読んでいたブログとは

まったく違う感じになって

いて、2、3日分をとばし

ながら過去へさかのぼって

いくと、気になるタイトルが
あった。

 『志を引き継ぎます』
「苦楽を共にした仲間が
 天国へ旅立ちました。
 無念です。
 一緒に夢を見て会社を
 おこして戦ってきたのに。
 
 彼の功績を引き継ぎ前へ
 進みます」


瑞月さんが亡くなった…?
そんな思いが頭をよぎる
けど、何かの間違いだと
思い直す。
一緒に仕事をしている仲間は
他にもいるはずだし…。

だけど、役員の名前には
瑞月さんの名前だけが
なくて今年のメールは
きていない。

私は気持ちが落ち着かない
まま電車を降りて、社長に
頼まれている用事をすま
せてから、もう1度ブログを
読み返し、載っているアドレスへ
瑞月さんの知り合いという
ことを書き、メッセージを
送った。

送った後もずっと気持ちが
ざわめき、ぷう助をお迎えに
いった帰りにアパートの
階段を踏み外してスネに
アザができたり、お皿にラップを
しようとしたらラップの刃で
指も切る。

そんなミスばかりをしながら

家事を終え、ぷう助がほぼ

眠りについた横で、なんで私は
直接瑞月さんにメールを
送らなかったのだろうと
いうことに気づく。

今日は1日、マヌケな
ことばかりやっちゃって
いると思いながら、ぷう助を
起こさないようにそっと
布団からでて、瑞月さんに

直接メールを送ろうと思い

メールボックスをみると、
返信が来ていた。

だけどメールを送って
くれた人は、瑞月さんでは
なくビジネスパートナーと
いわれている人。

 

続く。
 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

明日に続きます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

 

5話まで無料、20話まで

配信になります。

株式会社パルソラ様から、キャラクターの

画像を頂きました。

 

【絵本の紹介になります】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

頑張っても報われない

毎日で、何も信じられなく

なってしまいそうな人が

ほんの少しでも、今日の

頑張りがみとめられる明日に

なりますように。

『過去に記録した書類の整理』

 

 

振り返ると、あっというまに
ぷう助が小学生になっていて、
学童ではうまくやってい
けるか心配になるトラブルも
あったけど、登下校を
1人でするのも当たり前の
毎日になり、3年間がすぎていく。

私も母子家庭の母という

立場が普通になっている

けど、ちゃんと出来ているか

といえば、やれていないこと

ばかりだし、夫婦で子育て

をしている人がうらやま

しくなることもある。

なんでも1人で責任を持って
子育てをすることが辛い
時もあるけど、私と
貞彦さんが一緒にいた
ところで、仲良く話し
合って子育ての方針を
決めていくなんて
いう理想にはならない。

そういうことを考えてしまう
時は、けして不幸では
ないけど、まだまだ
これから幸せになれる
余白が多いんだと
思うようにしている。

そんなことを思いながら、
そろそろ押入れでずっと
眠っている裁判の資料を
片付けようと思っていて、
日曜日、何年も開けて
いなかったダンボールを
開く。

でも開いた瞬間、やる気を
なくした。

今までも片付けなくては
と思っていたけど
やらなかった理由は、
記録として書き残した
自分のメモが膨大すぎて
見ないふりをしていたから。

調停や裁判で使用した
書類をまとめるのは簡単
だけど、私のメモは
箇条書きでその時に思った
ことや出来事をバラバラに
書き散らしているから、
まとめられる気がしない。

捨ててしまおうかとも
思いながらメモを1枚ずつ
読んでみると、残しておく

価値もないけど捨てる

勇気も無くて困る。

離婚をするべきか悩んで
いた頃、あらゆることを
考えていたメモには、
離婚を選んだ未来、
不倫をして虚しい心を
ごまかしながら生きていく
未来、何も行動を起こさず、
ずっと貞彦さんに従う
未来の予想を長々と書き
綴っていた。

そんなメモを読んでいると
部屋で1人笑ってしまう。

でも、当時は離婚をすると
決めていても、最後の
最後まで迷いが消えたわけ
ではなかった様子が詳細に
残されている。

色々思い出していると、
やっぱり捨てられず
メモには目を伏せて、
調停と裁判の資料を
整理することにした。

裁判の書類にも、悪いこと
だけではなく会いたい人の
思い出もあって懐かしく、
今連絡を取れるのは、
弁護士さんを紹介して
くれたリサちゃんママと、
貞彦さんが病気かもしれ
ないことを教えてくれた
瑞月さんだけ。

そう思った時、瑞月さんから
年明けのメールがきていない
ことを思い出す。

瑞月さんとは再会をしてから
年に1度だけ、メールで
年明けの挨拶をする関係
だったけど、仕事が
忙しいのかなと思い
深く考えていなかった。

少し気にはなったけど、
書類を片付けて私のメモは
そのままに箱を閉める。



数日後、社長に用事を

頼まれて、いつものパート先

ではない所へ行く途中の

電車で、ふと瑞月さんの

ことが浮かび会社のHPを

検索してみると、
「お知らせ」と書かれていて、

ライバル会社に吸収

されたことが報告されていた。


これは、悪い事実として
捉えるべきなのかと
思った。


続く。
 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

明日に続きます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

5話まで無料、20話まで

配信になります。

 

このブログでも、漫画からでも

書かれている言葉や絵が

読んでくれた人の楽しい時間に

なったり、幸せな人生を生きる

ほんのひとかけらでも参考に

なれたのなら、私は過去を

とても幸せなものにできます。

読んで頂きありがとうございます。

 

 

【絵本の紹介になります】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

前を向て歩き続けることに

疲れた人が、休むことを

許される明日になりますように。

 

私は明日、1秒でも無駄にせず

隅から隅まで24時間を使い切れ

ますように。

 

『愛のない夫婦の性』

 

 

ぷう助といつも通りに
すごした日曜日が終わり
迎えた月曜日、パートを
早退して、風俗店や居酒屋
がひしめき合う大きな
駅のそばにあるクリニック
へ行く。

駅から徒歩3分という
ところにある雑居ビルの
3階へ、薄暗いエレベーターに
乗ってついたクリニックは、
目の前に受付けがあり
初診の問診票を書いて
番号札をもらうと、
その奥にある待合室へ
行くようになっていた。

そこからは番号で呼ばれ、
短い問診の後に採血を
してすぐまた同じ待合室へ
戻るという、流れ作業のような
淡々とした対応だったけど
その方が気持ちが軽くなって
よかった。

待っている間、私がHIVに
感染している可能性は
とても低いはずだと、
そう思う理由をたくさん
ならべては悲観している
自分の気持ちをもちあげる。

でも、私はよく頭痛薬を
飲んでいるし、すぐ具合が
悪くなるのはいつものこと
だから、この体だと大きな
病気の前兆には気づけない。

陽性だったら私は
この場で自分を保つ
自信がないと思って

いた時、番号が呼ばれ
診察室へ入ると、
イスへ座る前にあっさり
『陰性』と告げられた。

ほっとしたのと同時に
2度とこんな思いは
嫌だと叫び散らたい
思いでいっぱいに
なり、お会計を済ませ
クリニックの外へでる。

どこかおいいしケーキの
カフェにでも行こうかと
思ったけど、1万円以上
検査代で使ってしまい
お茶代に1000円を出す
きにもなれず、なんとなく

歩きながら駅へ向かう。

今まで1度も愛のない

夫婦に性的なリスクが

あることを考えたことが

なかった。

愛がないから体の関係も
ないとなれば感染リスクは
考えなくていいけど、
不倫や風俗を利用して
好き放題やっている
夫が妻の体を大事に
するだろうか。

私は貞彦さんの機嫌を伺い
性に応じることを普通に

していたし、妻という

立場にいれば夫の誘いを

断る理由は生理か体調

不良くらいしかない。

経済的な事情や子供の
こともあるから、すぐに
離婚なんてできるもの
ではないけど、自分の
命を傷つけられてからでは
そんな事情も一生の
後悔にかわってしまう。

自分本位の夫が求めて
くる性の怖さを、生きた
ここちがしないほど
思い知る出来事だった。

駅に着き、地下の食品
売り場で最近ぷう助が
はまっているどら焼きを
お土産に買って、今夜から
またどら焼きをぷう助と

一緒に食べながら、平穏な

毎日の続きができるという
幸せに感謝しながら
家路をいそぐ。

 

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

明日に続きます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

 

『無職ですが子供を連れて逃げました』

5話まで無料、20話まで

配信になります。

 

漫画を描いてくださった、こたおんさんの

ご紹介です。

【絵本の紹介です】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

DV、モラハラで悩んでいる

人が笑顔になれる明日に

なりますように。

 

 

『結婚相手を間違えた罰』

 

 

冷めたコーヒーを口に
したら、ただの黒くて
苦い水に感じた。

瑞月さんはメールで
確信のもてないことを

どう伝えるべきか、

状況によっては伝えない

方がいいことだって
あるかもしれないから、
どうするかは会って
すべてを決めるという

ことにしていたという。

申し訳なさそうな
顔をしている瑞月さん
と、普通の会話に戻して
から少したったところで、
瑞月さんがトイレへ席を
たち、私は携帯を確認
するとサバ子から連絡
がきていた。

『ファミレスの裏にある駐車場
 でタバコ吸って待っている』
とメールがきていて、瑞月さんが
戻ってきたところで、私も

席をたちお別れすることになった。

一緒にファミレスをでてから、
友達と待ち合わせ
していることを伝え、
お別れをいって駅の
ほうへ歩いていく瑞月
さんの後姿が、人込み
にまぎれたところで
すぐ駐車場へ行く。


「ファミレスの周りを
 見てたけど貞ちゃん
 っぽい人はいなかったよ。
 
 彼、悪そうな感じじゃ
 なかったね」

サバ子は外から話している

様子をみていたようで、
私はまだすべてを
受け止めきれていない
気持ちのまま話した。

「調停のやり取りをして
 いるときから、とんでも
 ない男だと思って

 いたけど悪魔だね。

 すぐ検査してくれる病院が
 あるから行ってきな。

 保険はきかないから
 1万くらいかかるはず
 だけど、無料で時間が
 かかるところより
 早くわかったほうが
 いいでしょ」

そういってお財布から
お札を取り出そうとした
サバ子の手をとめて、
すぐ病院へ行くという
返事をしてから、私は
サバ子の前だからいえる
愚痴をはく。

結婚相手を間違えると
別れてからもその過ちの
罰をうけないといけないのか?
思うままにしゃべりサバ子に

きいてもらっているうちに、

やっと落ち着いて考えることが

できるようになってきた。

ぷう助を妊娠している時は、
妊婦検診で検査をしていて
陰性だったから、その後の
3年間で私と貞彦さんとの
肉体関係がどのくらい
会ったのか…。

考えてはみたけど、
何年も前のことなんて
ぼやけていてはっきり
思い出せなかった。

 

 

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

明日に続きます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

 

『無職ですが子供を連れて逃げました』

本日から5話まで無料、20話まで

配信になります。

 

たくさんの方に漫画をお読み頂き

ありがとうございます。

漫画化にあたり、フェイク部分を

変更したことによって、ブログ

では書いていなかったことを

小さくつけたしたりしています。

 

 

【絵本の紹介です】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

悲しい時、苦しい時に

正直な自分の気持ちを

許してあげられる明日に

なりますように。

 

「実は、伝えるべきか
 とても迷った事が
 ありまして……
 
 けれど、余計なお世話でも
 あって、傷つけてしまうかも
 しれないのですが、どうしても
 お話ししたいと思いメールを
 出しました…」


会話が途切れ、お互いに
コーヒーを飲むと
瑞月さんから、迷いが

あるような話し方で、
再会の目的となる話が
始まった。


「私は何をいわれても
 大丈夫です。
 
 瑞月さんが元気に活躍
 されてることを知り
 それだけでも嬉しかった
 です。
 遠慮なく教えてください」

「…はい。
 あくまで噂です。
 そのことを念頭において
 聞いてください。

 当時、まぁみさんが
 いなくなった事が知れ
 渡り、しばらくたった頃、
 元旦那さんが体調を崩して
 会社を早退したり休んだ
 りする日が続いたそうです。

 頬骨がわかるくらい痩せて、
 腕に採血か点滴後のテープを
 つけていることもよく
 あったとか。

 それで、本当のところは
 わからないのですが、
 その時に元旦那さんが、
 その、海外の風俗と
 いいますか、そういう
 ところで病気に感染した、
 というような話があり
 まして…」

「風俗から感染?」

「まぁみさんにこんな
 話をするのは、申し訳
 なく、無駄に嫌な思いを
 させてしまうことに
 なるのではないかと
 思ったのですが…、
 元旦那さんはよくアジア
 方面へ出張にいって
 ましたよね」

「はい」

「そういう時はいつも、
 その、男の悪しき行い
 みたいなものがありまして。

 きまったメンバーで
 女性のいるお店へ
 行くんです。

 違法なところではなく、
 観光客がいくような
 体の関係を持つところで…」

「そこから性的な
 感染をしたということ
 なんですか?」

「はっきりしたことは
 なにもわかりません。

 ただ、たとえ噂で
 あってもその病気が、
 HIVでして……
 本当にごめんなさい」


会社で貞彦さんの様子が
おかしくなりはじめた頃、
海外へ出張にいっても
いつものメンバーと
行動することを止め、
他にも社内で感染を
匂わせる妙な言動が
あったり、仕事の業績も
落とし、その噂は瑞月さん
の元まで届いたという。

私は、言われたことを
飲み込めていないまま
返答をする。


「海外でそのような遊びを
 していることは初めて
 知りましたが、貞彦さんとは
 色々ありましたので、今更
 驚くようなことではあり
 ません。

 でもその噂であるものを
 わざわざ私に知らせるという
 のは、かなり勇気のいること
 だったと思います。

 今のところ、私は元気にして
 いますが、検査はしようと
 思います」

「憶測なので安易に発言
 するつもりはまったく
 ないのですが、もしも
 のことを考えると、
 HIVは潜伏期間も長く、
 早期治療がその後を
 左右します。

 元旦那さんに聞いたところで
 本当のことをいっている
 のかはわかりません。

 確実なのはまぁみさんが
 検査をされることです」

「…そうですね」

「お子様もいらっしゃるので、
 こんなことをいってしまう
 ために呼び出したお叱りを
 頂く覚悟できました」


HIVは感染してもすぐ気が
付かないらしく、万が一
貞彦さんが感染していても
それが私と暮らしていた時
なのか、その後なのかは
わからない。

離婚後、長く続いた
平穏すぎる日々は
こんな理由で1度ストップ
した。

 

↑瑞月さんと奥さんの事。

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

明日に続きます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

『無職ですが子供を連れて逃げました』

本日から5話まで無料、20話まで

配信になります。

 

 

【絵本の紹介になります】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

昨日、このブログを2017年

から読んでくださった方が

長い闘病の末に亡くなりました。

 

体調のすぐれない時でも

毎日読みに来てくださり、

必ず「いいね」をおして

くれる方で、その方の

ブログの更新がない時、

「いいね」を探しては

ほっとしていました。

 

そんな「いいね」が

少し前からなくなり、

それは私の投稿がいまいち

だったに違いないと

自分の中にある触れたくない

不安を追い払っていました。

 

だけど、ご冥福を

お祈りいたしますと

いわなくてはいけない日が

きてしまいました。

 

でも、今日までは

「いいね」を探したいです。

 

そんなことを書いたら、本当に

「いいね」を押してくれる

ような気がします。

 

 

感謝しかありません。

心からご冥福をお祈りいたします。

有難うございます。

 

『ファミレスで再会』

 

 

瑞月さんから返ってきた。
メールには1通目と似た
ような内容で、瑞月さんは
私が貞彦さんの元を去る前に
独立しているから、貞彦さん

のことは全て会社勤めを
していた頃に仲が良かった人
からの話だという。

だから貞彦さんとのつな
がりはなく、会って話がしたい
というのは、個人的な理由
だと書いてあった。

瑞月さんは私が貞彦さんを
警戒していることに気づいてる。

だけどそこまでしてでも
会いたい理由って何なの
だろうかと、さらに
気になりながらサバ子と
メールのやり取りをして、
会ってみることにした。

場所や時間は、私が指定した
ところでかまわないという
ことだったから、サバ子の
職場近くにあるファミレスに
して、当日は万が一とんでも
ない事がおきたらサバ子に
来てもらう。

そう決めて返信をしてから
数日間、瑞月さんが
当時、教えてくれた会社の
ブログを思い出しアクセス

してみると、いきいきとした
瑞月さんの姿がたくさん
投稿されていた。

ブログはもう1人の
ビジネスパートナーと
一緒にやっているみたいで、
2人で仕事をしている姿や
残業終わりにラーメンを
食べに行っている仲のいい
写真ばかり。

ブログを読んでいたら、

私に会いたいという理由

なんて気にならなくなり、

瑞月さんが元気にやって

いることがとても嬉しかった。

そんな気持ちのまま数日が
たち、会う約束をした当日、
時間より10分程早くファミ
レスにつき、お店のなかへ
入ろうとしたところで、
スーツをきた瑞月さんが
後ろからきて、振り返り
目が合う。

以前より痩せているように
見えたけど、顔はブログと
同じく元気そうで軽い挨拶を
かわし、席へついてから
会話が始まる。


「わざわざお時間を作って
 頂きありがとうございます。

 あの時は大変お世話に
 なりました。
 それなのにお礼もいえない
 ままで…。

 毎日夕食をごちそうに
 なっていた頃、なぜか
 まぁみさんは私が脂身
 を嫌うということを
 知っていて、私の食事は
 全部取り除き作って
 くれましたよね。

 後でちゃんとお礼をと
 思っていたのですが、
 私は本当にバカだなと。

 妻に先立たれて、何か
 してあげたくても
 その時にしてあげなきゃ
 後ではないんだと悔しい
 ほど思い知ったのに、
 会社を離れてから
 まぁみさんが貞彦さんの
 元を去ったという噂を
 を耳にして、まだお礼も
 していなかったのにと
 後悔してます」

「あの頃、瑞月さんの
 奥さんも一緒にみんなで
 妻同士だけのランチやショッ
 ピングに行っていました。

 女同士のおしゃべりは
 夫の嫌いな食べ物だけでも
 盛り上がります。
 
 ホームパーティーも
 していたので、食べ物の
 好みやアレルギーの
 情報は妻たちのなかで
 共有されていたんですよ。

 だから気になさらないで
 ください。

 私の方こそ、あんな
 形で姿を消してしまい
 申し訳なかったです」

「いいえ、深い事情が
 あったことはわかります。
 今はお幸せに暮らして
 いるのですか」

「はい、周囲の人たちに
 支えられて子供と
 2人で暮しています」


瑞月さんは私が子供と
2人でくらしている近況を
聞き、私は瑞月さんの
仕事の事を聞きながら
交互に交わす会話は、
再会した目的である
本題の入り口が、どこに
あるのかわからないまま
しばらく続いた。
 

 

↑瑞月さんと奥さんの事。

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

明日に続きます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

【漫画への経緯と思い】

 

漫画の下絵は今、ぷう助を
妊娠しているところまで
送って頂き、同時に
表紙となる絵も告知用に
頂きました。

漫画は途中のお話から
有料で読んで頂く形になる
みたいなので、読んで
頂きたいという気持ちは
ありますが、日常生活でも
はっきり分かるほど物価が
上がっている時です。

今すぐではなくても
漫画は電子書店にあり
数量限定でもありません。
なので、生活の負担に

ならないようにして

いただけたらと願って

います。

でも、私が1番皆様に見て
頂きたいのは、告知用に
送って頂いた漫画の表紙です。

明日午前10時、その漫画の表紙と
共に詳細を投稿させて頂き
ます。

(投稿時間が少しずれる

 可能性があります)
 

 

バナーの下絵は

株式会社パルソラ様の

提供です。

 

 

【お気に入りの紹介です】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

悲しみのなかにいる人が

生きることを諦めない

明日でありますように。

 

『返信をするべきか』

 

 

なぜ瑞月さんが私と
会いたいというのか、
思い当たることが

まったくなかった。

貞彦さんに利用されて、
私にそんなメールを出した
のではないかとも少し
思う。

だけど丁寧に書かれて
いるメールには、貞彦さんが
出世から外れて違う部署へ
移動したり、ホームパーティーを
していた当時の仲間も離れて
いったというような事も
書かれていて、貞彦さんに
協力をしてあげようと
思っているような内容では
ない気がする。

瑞月さんが悪い人ではない
ことは確かだけど、人を
利用するのが上手なのも
貞彦さんだから、1人で
判断するのは止めようと
思いサバ子へ連絡した。


サバ子は夜、ぷう助が
眠った後に、缶ビールと

スルメイカが入っている
コンビニの袋を持って

うちに来てくれた。

グラスにビールを
注ぎながら
「どーせぷう助のために
 酔わないよう半分しか
 飲まないんでしょ」
といいながら渡してくれて、
残り半分のビールが入って

いるサバ子の缶と乾杯する。

 

そのまま片手にビールを

もって一緒にメールを

読むと、サバ子も最初は

貞彦さんが何かを仕掛けて

きたのではないかと疑って

いたけど、メールを読んだ

ら無言になり、私は飲み物を

麦茶に変え、サバ子は2本目の

ビールをあけた。


「貞ちゃんが仕掛けて
 きているようには見えない
 けど、瑞月さんっていう人、
 何かいいたげで気になるよね…」

「瑞月さんは控えめな
 人で、そんな人が
 子供を連れて失踪
 したと言われている元
 仕事仲間の妻にメール
 してくるなんて、よほどの
 ことがあるんじゃないか
 っていう気もする」


いつもは即答ではっきり
ものをいってくれるサバ子
だけど、しばらく色々な
案をだしながら話し合い、
私から当たり障りのない
返信をしてみる事に
なった。

それで返信がくるようなら
もう1度考えるという事で、
すぐに瑞月さんへ挨拶と
短い近況を送ってみる。

今更メールを返信した

ところで返事がくるの

だろうかと思ったり、

来ない方が何事もなく

終わるからいいなとも

思う。


 

そして翌日の夜、メール
ボックスをひらくと
返信がきていた。

 

 

↑瑞月さんと奥さんの事。

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

【漫画への経緯と思い】

 

定期的に下絵を送って頂き、
自分の書いた言葉の意味が
間違っていないか、言葉と
絵が組み合わさることで
伝わる力が増し、逆に
それが個人の特定に繋がって
しまうことにならないよう
意識して、言葉を変えたり

しました。

漫画家さんがどんな方
なのかは何も知らないの
ですが、漫画には私が
文字として書いていない
けれど伝えたかった情景や、
思いが描かれています。

それだけ漫画家さんが
このブログを深く読んで

くださっているのが伝わり、

感謝しかなく、下絵を受け

取るたびに胸がいっぱいでした。

 

 

明日に続きます。

バナーの下絵は

株式会社パルソラ様の

提供です。

 

 

 

【お気に入りの絵本です】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

やりきれない思いで

いっぱいになってしまう

心でも、落ち着いて自分の

やるべきことができる明日に

なりますように。

 

 

『1通のメール』

 

 

毎日、信じられないくらい
平穏な日が続き、こういう
時がくるものなのだな
と思う。

離婚に悩み自分を
責めて苦しかった当時の
私は、こんな未来が
あることを想像することは
できなかった。

そんな日々を楽しんで
いた時、ずっと使って
いないメールボックスを
削除しようと思い、
最後に受信箱をひらいて

みると、「瑞月」と
いう見覚えのある名前
からのメールがきている。

数秒考えていると、
貞彦さんの元仕事仲間で
夕食を食べにきていた
瑞月さんの顔が浮かん
できた。

メールボックスは
貞彦さんの会社の人たちとの
やり取りでたまに使って

いたぐらいから、
貞彦さんの元を去って
からは見ることもなく、
瑞月さんからのメールも
かなり前の日付。

貞彦さんと仲が良かった
人だから、このまま
見ないでメールボックスを
削除してしまおうかと
一瞬悩む。

でもそんなことをしたら、
ずっと何が書いてあったのか
気になり続けるんだろう
と思い、キッチンへ行き
麦茶を入れたグラスを持って
再びパソコンの前に
座り、目を伏せたいような、
なんともいえない気持ちで
メールをひらく。

『お元気ですか。
 突然のメール失礼します』
この書き出しから始まった
文章には、私が貞彦さんの
元を去った後の様子が書かれ

ていた。

当時、会社ではすぐに
「貞彦さんの奥さんが失踪した」
「重病で入院している」
といった噂がひろがったという。

日頃から、私は貞彦さんの

会社で働く人の奥さん達と
連絡を取り合っていたから、
急に音信不通となったことで
異変に気付かれるのは

早かったのかもしれない。

そして次に書かれていたのは
『どうしても会ってお話し

 したいことがあります』
という言葉。

 

 

↑瑞月さんと奥さんの事。

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

【漫画への経緯と思い】

 

私の担当をしてくださる
編集の方は辞退に
対して、問題を一緒に
解決していくという
という提案をしていただき、
再び悩みに悩んでもう1度
漫画化という願いを
叶えてみたいと強く
思い直しました。

ぷう助も家事をいつも以上に
協力してくれますが、
ぷう助は自分の幼い頃の記憶が
漫画になるということに
想像できないといっています。

それは私も同じで、

流れ星のしっぽに手がとどいて

しまっているかのような

夢のはざまにいる感覚。

 

明日に続きます。

バナーの下絵は

株式会社パルソラ様の

提供です。

 

 

 

【お気に入りの絵本です】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

長く続く苦しみと絶望の

終わりが明日来ますように。

 

 

『あいさつの意味』

 

 

学童へ私がお迎えに
行くようになってからは、
トイレが水浸しになる事が
なくなり、ゴールデン
ウイーク後にお迎えを
やめて、ぷう助は1人で
帰宅するようになり
私は楽になった。


夜、ぷう助と夕食を
食べながら学校での
出来事を聞いていると、
挨拶週間というものが
あり、毎朝上級生が門に
たち大きな声であいさつを
しているという。

そこからぷう助の
「なんであいさつをするの?」
という疑問がはじまった。

私には挨拶で思い出す人がいる。
若い頃、バイト先へ行く
途中の道に、ダンボールの
家を作ったホームレスの人が
何人か暮らしているところが
あった。

毎朝、その道を通ると70代
くらいで腰の曲がった
ホームレスのおじさんが、
通る人全員に笑顔で
「おはようございます!」
と挨拶を仕事にしているかの
ように元気よく言う。

返事が返ってこなくても
無視をされても、関係なく毎日
笑顔で挨拶を続けている。

当時の私はホームレスの人に
声をかけられるということに
驚いて、軽く頭を下げつつ
足早にその道を去った。

でも毎朝笑顔で挨拶をして
もらっているうちに、
いつのまにか私も笑顔で
挨拶をかえすようになり、
その道を通る人達も
挨拶をしていた。

挨拶をすることが
当たり前になり、たまに
おじさんが2日続けて
いないとすごく心配に
なったりして、会えた
時には
「心配しちゃいました」
と、挨拶以外の一声を
かけたりするように
なっていた年の瀬。

その年最後のバイトが終わり、
寒くて早くストーブの真正面に
座りたい気持ちで家路を急ぎ、
おじさんが暮らしている道を
通った時、おじさんは
寒くないのか、年越しの
食べ物があるのか気に
なってくる。
 

道を通り過ぎた後も

気になる気持ちが大きく

なってしまい、引き返して

ダンボールのおうちの前へ
行くと、出入り口のところから
光が漏れていて中にいる
ようだった。

寝ていたら起こしてしまうと
悪いから小声て

「おじさん、いますか?」

と聞いてみると、中からすぐ
顔をだしてくれて朝と同じ
笑顔で

「おー!ねえちゃんか!
 さむいぞー、ちょっとまってな」

といい、外に置いてあるダンボール
をあけて中からカップラーメンを
だし、ポットのお湯を注ごうと
した。

私は大切なご飯をいただくなんて
できないと思い慌てて止めた
けど、2個目も出してお湯を注ぐ。

気を使わせてしまい、声を
かけないほうがよかったと
後悔していると、割り箸を
渡されさらに

「卵おとすか?」

と聞かれた。
カップラーメンを
受け取りながらおじさんに
来た理由を話すと、
笑いながら積み上げられた
ダンボール6箱すべてを
見せてくれた。

その中身は全部食べ物で、
インスタントラーメンに
お節セット、缶詰、お菓子、
缶コーヒーにジュースも
あり、道を通る人が持って来て

くれて、お正月には
お雑煮も作って持って

来てくれるという。

そして、部屋の中に置いて
あるものも紹介してくれた。

布団は冬山の登山に
使う寝袋でとても温かく、
壁にはB5サイズの写真が
何枚も飾られている。

ランタンの明かりに
照らされている写真を
見るとモノクロのおじさんが
写っていて、それは
道を通っている人が
若い写真家で撮ってくれた
のだという。

「みんなたくさんもってきて
 くれるから俺は
 何も困らないんだよ。

 たまにボランティアが
 非常食もってきてくれる

 んだけど良い生活してる

 からいらねぇんだ」

そういいながら、生活の
豊かさを教えてくれる。

私は、挨拶の力って
こんなに凄いんだと知り、
そんな私もおじさんが
心配になり声をかけた1人で、
逆にカップラーメンまで
ごちそうになってしまった。

一緒にラーメンをすすり
ながら、おじさんの挨拶は
元気がでて嬉しいという
話になると

「毎朝、暗い顔して
 会社に行く人とか、
 うつむいてふらふらっと
 歩いている人がいるから
 声かけちゃうんだよ」

という。

私はまたおじさんと
年明けに会うことを
約束して、その帰り道
『挨拶』という
シンプルなコミュニ
ケーションがこんなにも
人との関係を変える力が
あるのかということに

感動した。

挨拶をする関係に
なると、助けの手を
差し伸べやすくなると
いうことでもある。

まったくの他人が困って
いそうな時に声をかけるのは
勇気がいるし、余計な
お世話になってしまう
かもしれないとか、
無視されたら自分が
傷つくから、やっぱり
声をかけないほうが
いいかもと思ってしまう
ことがある。

だけど、たった10文字
未満の言葉を使っていれば、
助けてもらえる事も増え、
思いやりの言葉もかけ
やすくなる。

おじさんは見返りなんて
関係なく、みんなに元気を
毎日あげていた。

だから、もらっていた私も
おじさんが大切な人になり、
困っていることがあれば
なにかしてあげたいと
思う。

ぷう助には、当時
みんなに元気をいっぱい
くれたおじさんの話をした。

おじさんは私が出会ってから
4年後、夜に倒れ病院へ
はこばれてから数日後に
亡くなったという話を、
毎朝、同じ道を通る人
から教えてもらった。

おじさんが挨拶をして
くれたおかげで、おじさんの
最後を教えてくれた人とも、
同じ道を通るというだけの
他人だったのに顔見知りとなる。

挨拶はとても簡単なのに
いいことだらけの
コミュニケーション。

ぷう助にも覚えておいて
欲しいなと思った。

 

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

ランキングに参加しています。

クリックしていただけると

励みになります。

いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

【漫画への経緯と思い】

 

私生活が忙しくなっていき、

色々と悩み漫画化を諦めるしか

ないと思うようになりました。

 

漫画になったブログの姿を

すごく見たいけど、1番大切

なのは家族で、家族にとって

マイナスになる事はだめだと

思い、担当の方に辞退を

申し出ました。

 

明日に続きます。

バナーの絵は株式会社

パルソラ様の提供です。

 

 

 

【お気に入りの絵本です】

 

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

 

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

パートナーのことで

悩んでいる人に、

心に寄り添う言葉が

届く明日になりますように。

 

病気でベッドの上に

いる人の気持ちが

全部叶う明日になりますように。