『愛のない夫婦の性』
ぷう助といつも通りに
すごした日曜日が終わり
迎えた月曜日、パートを
早退して、風俗店や居酒屋
がひしめき合う大きな
駅のそばにあるクリニック
へ行く。
駅から徒歩3分という
ところにある雑居ビルの
3階へ、薄暗いエレベーターに
乗ってついたクリニックは、
目の前に受付けがあり
初診の問診票を書いて
番号札をもらうと、
その奥にある待合室へ
行くようになっていた。
そこからは番号で呼ばれ、
短い問診の後に採血を
してすぐまた同じ待合室へ
戻るという、流れ作業のような
淡々とした対応だったけど
その方が気持ちが軽くなって
よかった。
待っている間、私がHIVに
感染している可能性は
とても低いはずだと、
そう思う理由をたくさん
ならべては悲観している
自分の気持ちをもちあげる。
でも、私はよく頭痛薬を
飲んでいるし、すぐ具合が
悪くなるのはいつものこと
だから、この体だと大きな
病気の前兆には気づけない。
陽性だったら私は
この場で自分を保つ
自信がないと思って
いた時、番号が呼ばれ
診察室へ入ると、
イスへ座る前にあっさり
『陰性』と告げられた。
ほっとしたのと同時に
2度とこんな思いは
嫌だと叫び散らたい
思いでいっぱいに
なり、お会計を済ませ
クリニックの外へでる。
どこかおいいしケーキの
カフェにでも行こうかと
思ったけど、1万円以上
検査代で使ってしまい
お茶代に1000円を出す
きにもなれず、なんとなく
歩きながら駅へ向かう。
今まで1度も愛のない
夫婦に性的なリスクが
あることを考えたことが
なかった。
愛がないから体の関係も
ないとなれば感染リスクは
考えなくていいけど、
不倫や風俗を利用して
好き放題やっている
夫が妻の体を大事に
するだろうか。
私は貞彦さんの機嫌を伺い
性に応じることを普通に
していたし、妻という
立場にいれば夫の誘いを
断る理由は生理か体調
不良くらいしかない。
経済的な事情や子供の
こともあるから、すぐに
離婚なんてできるもの
ではないけど、自分の
命を傷つけられてからでは
そんな事情も一生の
後悔にかわってしまう。
自分本位の夫が求めて
くる性の怖さを、生きた
ここちがしないほど
思い知る出来事だった。
駅に着き、地下の食品
売り場で最近ぷう助が
はまっているどら焼きを
お土産に買って、今夜から
またどら焼きをぷう助と
一緒に食べながら、平穏な
毎日の続きができるという
幸せに感謝しながら
家路をいそぐ。
☆過去のお話になります。
☆個人の特定につながらないよう
一部の表現をかえています。
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明日に続きます。
『無職ですが子供を連れて逃げました』
5話まで無料、20話まで
配信になります。
漫画を描いてくださった、こたおんさんの
ご紹介です。
【絵本の紹介です】
保育園や幼稚園でもみかける
絵本です。
電車が大好きというわけでは
なくても、男女関係なく
みんなが楽しく読めます。
蒸気機関車で出発すると、途中で
新幹線や貨物列車を見つけどんどん
連結していき、線路が切れていれば
つないで、夢のような電車の旅をします。
この絵本のすごい所は、色々な
電車が登場して連結していく
なかで、連結した電車は
それぞれの特徴的な役割を
はたしてくれるので、電車好きな
男の子の心にもしっかり届きます。
他にもシリーズがあり、夢の
ような旅となっているので、
この絵本から出発することを
お勧めします。
最後の最後までお読み
頂きありがとうございます。
DV、モラハラで悩んでいる
人が笑顔になれる明日に
なりますように。