「12RIVEN」(ゲーム)――その3
クリア後数日経ったので、改めて感想。
今回はネタバレ部分は反転にしてあります。
・・・・・・が、Ever17をプレイしたことがなければ読まないほうが吉かも。
ついでに言わせてもらえば、Ever17を知らない人は12RIVENの情報は一切検索しないほうが良いです。
そんなことをするくらいなら、何も知らないままEver17をプレイしたほうが絶対得でしょう。前の感想でも書きましたが、この作品をプレイするなら、間違いなくEver17、Remember11を先にやったほうが良いです。・・・・・・と、前置きはここまでにして。
先の感想では随分マイナス面ばかり強調してしまったので、では何が良かったのか、という部分について触れておきます。
まず、展開の速さ。
ここだけ取り出せば、過去のinfinityにも十分並ぶでしょう。適度に緊張感を保ったまま次々と事態が展開していくので、物語として非常に面白く読み進めることができます。
加えて、infinityシリーズの特徴の一つでもあった、雑学のオンパレード。予想通り、今回は物理よりは若干生物よりでしたが、天文学や心理学等、様々な知識が話に関わってくるので、そういったものが好きなら確実に楽しめると思います。今までと微妙に範囲が違うのがポイントですね。
”独自理論”は少し飛びすぎな印象はありますが、疑似科学系が好きな人ならまず楽しめるでしょう。
また、個人的に感心したのは言葉遊びの部分。アナグラムも含めて、これに関しては相当考えられていると思います。特に感動したのは、Ψクリミナルの語源。発売前から抱いていた疑問、OPの意味などが一気に氷解する。これはなかなか上手いな、と感じました。
そして、音楽。これはいつも通りのクオリティで、特にParil、Beyond the mebiusが良かったですね。良い意味でBGMに徹している曲が多いです。
OP曲も歌詞が素晴らしい、のですが・・・・・・。内容を100%表せているかどうかは微妙なところです。「LeMU」や「Darkness of Chaos」ほどには至っていない、でしょうか。正確には、歌詞のほうに物語が追いついていないといったところですが・・・・・・。
・・・・・・さて、ここからは個人的な批判。
ほとんどストーリーとは関係ありません。
打越さんには何の非もないであろうことなので、それでこの作品が微妙なことになっているのは・・・・・・さすがに、何も言わずにはいられません。
まずCG。別に絵が崩れているとか、そういったレベルでの話ならまだ構いません。でも、”明らかに文章の描写から乖離している”CGは頂けませんでした。具体的に言うと、バスタブですが。
CGをトリックに使用するくらいの作品なら、地の文と同様、CGにも”嘘を描いてはいけない”はずです。だからこそ、いくら絵が崩れていようとも構わないので、文章に合わないCGはなくして頂きたかったです。
そして、事前のネタバレ。
・・・・・・もう以前に記事にはしましたが、この作品が発売される前、Amazonで堂々とネタバレ(雅堂錬丸の声優が公開)されていました。その少し前には、雑誌記事でもやはりネタバレ(錬丸、鳴海の声優公開)がされています。他にもいくつか、堂々とネタバレが行われていたり・・・・・・。
ここらへん、どうにかならなかったのか、と。このネタバレが無ければ、トリックの一つには気づかなかった可能性があるわけで・・・・・・残念、としか言いようがありません。
もう一つは、各所の広告等で堂々と過去作品のネタバレをしていることです(そのまま抜粋すると、Ever17が「プレイヤーが登場人物として物語世界に介入する」という仕掛けであると明かしています)。
12RIVENをプレイするような人は、過去作品は当然プレイしているはずだ・・・・・・という考えなのかもしれませんが、それにしたって、堂々とメインのネタを割るのはどうかしています。はっきりいって、Ever17が”その仕掛け”であるのを知ってプレイしては、衝撃が半減するどころではないと思います。
しかもその上で、「12RIVENもこの仕掛けにこだわり、Ever17とは違った切り口で新しいエンターテイメントを提供する予定です」と続けています。いや、”予定です”なので嘘ではないのですが、”この仕掛け”に関していえばEver17、Remember11の足元にも及んでいない気がします。もっとも、12RIVENは元は小説として発表される予定だったらしいので、無理もない話ですが。でもそれなら、何でわざわざ過去作品のネタバレをしてまで期待をさせるようなことをしたのか・・・・・・理解に苦しみます。
もっとも・・・・・・例えて言うなら、「SAW3」のあらすじが堂々と前二作のネタバレになっているようなものだと思えば、という話ではあるのですが、SAWと違ってこれは”独立した”話です。過去作品とストーリー上リンクはありません。
そもそも、わざわざinfinityシリーズではなくてintegralシリーズとして発表していることからも、独立していることを(それなりに)前面に押し出しているわけですし・・・・・・。
実際、このネタバレをしたことで何かメリットがあったかというと――何もなかったようにしか思えません。むしろ、ネタバレによって”ある仕掛け”に対する期待が高まっているにも関わらず、その点に関しては肩透かしだった――という意味で、全く逆効果だった気がします。
やはり、infinityシリーズのファンとしては、とても許せないことです。
・・・・・・本当に、打越さんのシナリオを色々な意味で潰しているとしか思えないのですが。環境が変わったとはいえ、これくらいはどうにかならなかったのでしょうか。
色々書きましたが、まだストーリーにはほとんど触れていません・・・・・・。
こちらについては、また次回に持ち越したいと思います。
「12RIVEN」(ゲーム)――その2
一通り終了しました。
まだ考察はしていないので、後で感想が変わる可能性は高いですが、まずはネタバレ無しでいくつか。ストーリーには触れません。
ネタバレありの感想は、また別に書きます。
とりあえず、まだ購入していない人に対して。
Ever17、Remember11を未プレイであれば、12Rをプレイするよりそちらをやったほうが楽しめます。
逆にプレイしたことがある人なら、E17、R11レベルの衝撃を期待しないほうが、より純粋に楽しめると思います。
いきなり比較してしまうのも酷だとは思いますが、E17やR11には及ばず――というのが最初の感想。
いや、別にOPが酷いとかCGがダメとか、そういうレベルでの話ではなく(それも一因であることは確かですが)。
シナリオが・・・・・・。infinityシリーズレベルの完成度に到達していない気がしました。
E17のカタルシス。R11のカタストロフィ。
これを一度体験してしまったら、もうこの程度では衝撃は受けない、と思います。
勿論、トリックは大量に仕掛けてありますし、それなりに規模も大きいのですが、ある程度読めてしまう部分はあるかな、と。全く予想外だったこともいくつかあるのですが・・・・・・アンフェアな気も。大トリックに関しては、衝撃を受けたものはほとんど無かったように思います。・・・・・・予想は結構外れたのですが。
全体的に、もやもやした感じが残る出来でした。
ミステリ部分以外にも、根幹を為すSF要素が概念的すぎる、キャラクタが弱い、矛盾の生じ方が半端ではないなど、色々あるのですが・・・・・・。細かいことはネタバレ感想で。
とはいえ、面白い/つまらないで言えば、断然面白く、良作のレベルは超えています。
普段の評価に照らし合わせれば、9くらいでしょうか。
もしE17やR11をプレイしたことがなければ、間違いなく傑作だといっていたはずです。
それだけ、infinityの三作は凄かったわけで・・・・・・。
期待しすぎなければ楽しめる作品、といえるでしょう。
ちなみに、いつもどおり過去作品との重要なリンクはありません。
だからといって、E17やR11を未プレイの人であれば、この作品をプレイしてしまうと(特にE17の)ネタが透けてしまう可能性が高いので・・・・・・いきなりこの作品から始めることはお勧めできませんが。
過去作品をプレイしているとより楽しめる部分もいくつかありますし。
もし、infinityやintegralに興味を持たれたなら、
まずはEver17(時間があれば事前にNever7)をプレイするのがベストでしょう。
その後、Remember11をプレイして、もっと何か読みたい――という場合に、この12RIVENをプレイすれば十分だと思います。
また、これからプレイする、infinityシリーズプレイ済みの方には、(シリーズ未プレイ者にネタバレなので反転)メタに期待しないで読めばそれなりに楽しめるはず――とだけ。
最後に。
今作の監督には申し訳ありませんが、
やはり、中澤さんが監督だったら――と思わずにはいられません。
十分傑作になりうるポテンシャルを秘めていただけに、よりSF/ミステリに強く、文章の質も保てる方に監督していただきたかったです。
またintegralシリーズが出るのであれば、無理なこととは知りつつも、中澤さんと打越さんの”integral”に期待します。
「12RIVEN」(ゲーム)――その1
錬丸編と鳴海編が終了。
あとは解決編となる∫ルートを残すのみです。
・・・・・・ネタバレなしで現段階の感想を書けば、
正直に言って、かなり面白いです。
これまでの心配は杞憂でした。
全くだれず、スピード感溢れる展開。
次々と現れる謎の数々。
プレイヤーの思考を停止させるトリック。
まさかここまでとは・・・・・・。OPムービーやSTORY紹介に抱いていた不安も、一気に吹き飛びました。
とはいえ、現状、”なんでもアリ”のように見えてしまうのが怖いですね。
本当は、解決編の前で一度考えをまとめようと思ったのですが、
あまりに予想外だったことが多すぎて、・・・・・・混乱状態です。
以下、ネタバレメモ。未プレイの人は絶対に見ないで下さい。
時系列と世界に関して。
「時の滅びた世界」=21日を無限ループする世界だと予想。
よって、この世界で何日・・・・・・などと語るのは無意味。現世界のどの地点から送られてきても、結局は繰り返す21日のどこかの時点に飛ばされることになる。
それが”時の滅びた世界”の意味。
鳴海編は21日から22日にかけての物語。
また、現世界で起きたことは、”確率的現象”でない限り、時の滅びた世界に影響していることから、
何物かが”現世界”の事象を元に”時の滅びた世界”を創造していると仮定。
この”何物か”=製作者。なぜなら、”現世界”の事象全てを把握できる人物は製作者しかいないから。
よって、”作られた異世界ファンタジー”とはこの時の滅びた世界を指す。
そして、エクリプティック・シンドロームにかかった人間は、
自我は時の滅びた世界に、識閾下は現世界に。
何らかの理由で”自我と識閾下”が乖離した人間は、
自我は現世界に、識閾下は時の滅びた世界に送られることになる。
エクリプティック・シンドロームに関して。
エクリプティック・シンドロームは、DNAの塩基配列を変化させることで自我と識閾下を乖離させる。
エクリプティック・シンドロームを発症させるトリガーは二つ。
1つはdivision。もう1つはロドモン。
divisionは、”見る”だけでエクリプティック・シンドロームを引き起こす映像。
ロドモンは、一定量以上を体内に取り込むことでエクリプティック・シンドロームを引き起こすトリガー。
ちなみに、Contra Division for Ecliptic Syndrome――これは文字通り、変化したDNAの塩基配列を元にもどさせるシークエンスであり、文字通りに捉えるならば映像。
以下に述べるが、これはΨクリミナルが所持していると予想。
Ψに関して。
これは、(戦闘服ヘルメットの場合)divisionを利用して一時的に自らの自我と識閾下を乖離させ、時の滅びた世界で行ったことを現世界にフィードバックさせる能力。だから、時の滅びた世界自体ではΨは発動できない。
また、乖離した意識を統合するために、彼らはCODECSを常に持っているはず。
乖離した状況が続きすぎると統合するのが困難になるので12分。
つまり、彼らのヘルメットには、発動時にdivisionを流し、その12分後CODECSを流すように設定されている。
ここで、各人物に関して。
・鳴海の識閾下として現れた人格がマイナ。これは、マイナが博識であること、鳴海がサイクロペディア症候群であることからほぼ確定的。
では、いつ自我と識閾下が乖離したのか。これは、冒頭で鳴海の”識閾下”にプレイヤーが介入したため。事実、マイナが登場するのは、鳴海視点で選択肢を選んだ後。この”選択肢を選ぶ”という行為で介入したため、鳴海の識閾下にはプレイヤーが割り込み、本来の識閾下であるマイナは時の滅びた世界に飛ばされた。
・大手町の識閾下は慎久郎。これは、バッドエンドにて大手町が鳴海に”殺害”されたとき、”自我と識閾下が乖離”し、(慎久郎が語っていた”20年前の交通事故”とはこれのこと)、結果的に自我が時の滅びた世界に送られたものと思われる。
・真琴。首を切り、「ロドモン」を傷口から体内に取り込むことによってエクリプティック・シンドロームに自らかかった。そして、自我を時の滅びた世界に送り込む。
何故――? 時の滅びた世界のミュウと錬丸の自我を抹消するため。第弐エクリプス計画の遂行に、二人の自我は邪魔だった。
・錬丸。ミュウにdivisionを見せられたせいでエクリプティック・シンドロームにかかる。そして、そのままプールに落下。このとき、自我が時の滅びた世界に飛ばされる。
また、同時に現世界では、エクリプティック・シンドロームの症状の一つ、記憶消失にかかる。彼は、真琴により理文学園の学生証、制服を与えられる。こうして現世界に残留した識閾下が伊野瀬オメガ。ちなみに、本来の伊野瀬オメガは女性で顔も違うが、真琴がリブロクのデータベースに侵入し情報を改ざんした。
ただし、時の滅びた世界に飛ばされた錬丸に”識閾下”はないはずなのだが、その”空虚な識閾下”にプレイヤーが介入している。
・ミュウとチサト。20日正午、ミュウと錬丸は時の滅びた世界に飛ばされ、チサトは撃たれる。錬丸は伊野瀬オメガとなったが、ミュウのほうにはチサトの自我が入り込む。・・・・・・なぜかは不明。その後、チサトはミュウの身体を借りて現世界で過ごし、時の滅びた世界でのミュウの危機には、Ψを利用してかけつける。
そして21日午前。再びインテグラルの屋上にて、チサト(身体はミュウ)は霧寺に人質にとられる。そこに現れたのがチサトの妹・伊野瀬オメガ。彼女は撃たれ、危篤状態に。
・タンゴ。いなくなった(オメガになった)錬丸の身代わりとして真琴に用意された人物。ロドモンにより、強制的にエクリプティック・シンドロームを発症させられる。
・星野遊々。どうでもいいエクリプティック・シンドローム患者。ちなみに慎久郎が現世界の遊々を知っていたのは、実際に現世界で大手町が遊々にあったことがあるため。
・ミュウと霧寺。二卵性双生児。ともに、鳴海の弟と妹。
「私」にに関して。
私は携帯電話を持っており、それを取り出して天気予報を確認、「憂鬱な雨」を嘆いていた。
「私」とは何物か?
まず、錬丸はありえない。なぜなら彼は携帯を所持しておらず(落としたため)、また、時の滅びた世界に雨は降っていない。
そして、鳴海でもない。なぜなら彼女はこの時点で、携帯を身に付けていない(大手町がメールを読んでいる)し、よって当然天気予報を確認することもできない。
では、誰なのか?
ここで重要なのは、「私」視点に選択肢が出てきている――すなわち、「私」にプレイヤーが介入しているということ。
ただし、「私」=プレイヤーではない。なぜなら、「携帯を所持して」いて、かつ「天気予報に電話をかける」のは、視点のみならず身体も必要であるから。
さて、私という一人称を使う人物のうち、この「私」として可能性がありそうな人物は、真琴、マイナ、遊々、ミュウ。
喫茶店、という場所的に、遊々は除外。携帯を持っていないことからミュウも除外。
とすると、真琴かマイナのどちらかだが・・・・・・。マイナは時の滅びた世界におり、「雨を愁う」はずがないので、消去法で真琴に。
真琴の言動のおかしさに関して。
21日の0時にホームレスに暗号と手紙を渡す。
1時にReVにチェックイン。
3時21分に鳴海に聖書の引用文を送る。
4時にボンベやロドモンを購入。
6時に音声ファイル録音。
11時に鳴海に再度メール。
問題は、ボンベとロドモン。
ロドモンの内容量は100ml、もし瓶の重さを考慮しなかったとしても、360本購入したら36キロ。
これに、2キロのボンベが二つ、マスクやガムがつくので、購入物の総重量は40キロ以上。
こんなものを一人で運んだとはとても思いにくいので、協力者がいたことは確実。
また、時の止まった世界では、21日7時に「Look up me」とロドモンの空き瓶を発見。
すなわち、真琴は、21日の4時から7時までの間に大量のロドモンを風呂場に注ぎ、ビンを階下に移動させ、かつ、プールの底に文字を書いたことになる。
やはり、これも一人で行うのは厳しいと思われる。では、誰が真琴の共犯者なのか?
アリバイを考慮すると、大手町、ボスはありえない。そこで考えられる可能性が、タンゴとオメガ(錬丸の識閾下)。特にオメガは、21日の正午過ぎまでどこにいたのか? という問題があるので、記憶が無いのをいいことに真琴の手伝いをさせられていた、ということも。
プレイヤーに関して。
現状、プレイヤーが介入している場所は次の三つ。
時の滅びた世界の錬丸の識閾下、現世界の鳴海の識閾下、「私」。
∫ルートを予想するなら、「私」が主人公になるはずだが・・・・・・?
12RIVEN発売まで
気づけば、12RIVEN の発売日まであと一日。
・・・・・・というわけで、発売前に内容の予想を少しだけ。
まず、過去に書いた考察等はこちら。
公式サイトのSTORYはどうしようもないので・・・・・・触れないことにして。
更に言えばOPも手抜きにも程が・・・・・・いや、これも置いておいて。
あまり発売前から具体的なストーリーについて書くのもあれなので、方向性を少し変えて、キャッチコピーの面から少しだけ考察をしてみます。
これまでに発表されたキャッチコピーはこちら。
誰もいない世界、
頼れるのは絆。
終焉に向かって、
世界を求めて。
約束されていた、愛。
崩れ始めた
真、実。
君が、解き放たれてしまう前に・・・・・・
どうやら、最後のでキャッチコピーとしては決まりみたいですね。
これまでのInfinityシリーズはキャッチコピーも伏線として機能していたので、この一行にも何かが隠されているはず・・・・・・ですが、シンプルにそのまま解釈するほかにないような気もします。
ただ、あえて何かがあるとするなら、(nfinityシリーズ三作のネタバレ→)これまでの「主人公」の一人称、すなわち、E17のボクや、R11のオレ、ワタシから考えると、Integralでは二人称、すなわち「君」が主人公を表すのではないかな、と。まあ、深読みだとは思いますが。(←ここまで)
もう一つ、声優に関して。
現時点で声優名が伏せられているのは二人の主人公と、一部のキャラ(慎久郎など)ですね。
体験版をプレイすればわかりますが、主人公二人には声が無いわけではありません。少なくとも、体験版において三嶋鳴海ははっきりと一言発していたので、間違いなく声はついています。
で・・・・・・それを聞く限り、(以下、ネタの予想アリ→)恐らく、三嶋鳴海の声優は佐藤理奈、すなわちマイナと同一・・・・・・なんですよね。加えて、以前にAmazonで12RIVENの特典紹介のところに、「高橋直純(雅堂錬丸役)インタビューDVD」と書いてあったのが、数日後に(伊野瀬オメガ役)に直っていたことを考えると・・・・・・オメガと錬丸の声優も一緒なのかなあ、と。だからといって、同一人物と断定していいのかは微妙なところですが。(←ここまで)
まさか、そのような安直な一人二役トリックで終わるとは思えないですし、思いたくはありませんが・・・・・・ううむ。本当に、予想ができない作品ですね。
インタビュー記事によれば、「エクリプティック・シンドローム」なるものが出てくるらしいですし・・・・・・。
それに今回は、物理学よりも、どうやら生物学に近い部分で話が進みそうな予感。EVE nes generationとネタが被っているわけはないでしょうが・・・・・・。少なくとも、これまでの情報やOPから判断すると、量子力学など現代物理学は今までより盛り込みが薄そうです。
何にせよ、発売日は明日。
あと一日、期待しながら待つことにします。
アンビバレンス
「インフィニティPlus 」関連の話。
「インフィニティPlus」の発売決定が発表されたときに、一番危惧していたのは、中澤さんが関わっていらっしゃらないのではないか・・・・・・ということでした。
どうも、(現時点では)本当に関わっていらっしゃらないようですね。
凄く複雑な心境です。
確かに、infinityシリーズのファンとしては、これ以上無いほど嬉しいのですが。
同時に中澤工さんのファンとしては、なんともいえない悔しさを感じずにはいられません。
以前から、「12RIVEN」関連で近い感情を抱くことはたびたびありました(「Remember11」をほぼ無視した広告等)が、今度のはさすがに・・・・・・。
いくら中澤さんの手を離れた作品とはいえ、「Never7」「Ever17」「Remember11」はどれも中澤さんの監督作品ですし、作品の中核に中澤さんが関わっていたことは間違いないはずです。
にも拘わらず、公式サイトでの発表の前に、中澤さんに一切報せが無かった――というのは衝撃でした。
でも。それが悔しい、というのは、一ユーザーの(製作者の方の想いを無視した)勝手な感情である、というのがわかっているだけに。
悔しいです。
そんなことを書いたって、どうにもならないことは重々承知しているのですが。
・・・・・・それにしても。中澤さんが書かれた記事 を読むと、”作り手としての”中澤さんの意識、というものに頭が下がらずにはいられません。この記事を読んで、凄いなあ・・・・・・と感服してしまうのは的外れなのかもしれませんが。本当に、まだまだ自分の考えは幼いのだということを自覚させられます。
しかし、これだけ楽しみで同時に悔しさを覚える作品というのははじめてです。・・・・・・何だかんだで買ってしまうのでしょうが。
(2/28 追記)
こちら の詳細を読むと、特典には打越さんだけでなく中澤さんのインタビューも掲載されるようです。
再掲載でないとすれば、今後中澤さんがかかわる可能性もある、ということでしょうか・・・・・・?
インフィニティPlus発売予定
今日、こちらで「インフィニティPlus 」が4月4日に発売されるとの発表がありました。
(注:リンク先のProduction NoteやIntroduction等は、Ever17等をプレイしたことがなければ見ないほうが良いと思います)
Windows用ソフト。15540円。
内容はなんと。
「Never7」「Ever17」「Remember11」「12RIVEN」の四本セット+α!!
あの中澤工さんと打越鋼太郎さんの代表作、infinityシリーズ三本に加え、打越さんの新作「12RIVEN」を加えた豪華セットです。・・・・・・といっても、知らない人が大半だと思いますので、
そういう場合は、まずはこちら のinfinityシリーズのサイトを。
まずは「Remember11」あたりのストーリー紹介を読んでみてください。きっと気になるはずです。
以前から何度もこのシリーズについては言及していますが・・・・・・。まず一言、SFミステリ(本格、というわけではありません)が好きな人なら、プレイして損はありません。
12RIVENはまだ出ていないので不明ですが、infinityシリーズにはどれも、とてつもない規模のトリックが仕込まれています。
どれだけの言葉を尽くしてもこの凄さを伝えることは不可能ですが、どんでん返しのレベルでは、これらを超えることは不可能じゃないかと思うほど。
ある意味、「小説」という枷の中で縛られていたミステリの可能性を、「ノベルゲーム」という表現方法を使うことで新たな境地へと広げた作品――と言っても、過言ではないでしょう。
実際、ノベルゲームでしか成り立たないトリックがこれらの作品には仕掛けられています。
個人的に、”それまでのミステリを踏まえた上で””既存の枠を越えている”ミステリで、特に破格のものを三作品上げるとすれば、麻耶雄嵩の「夏と冬の奏鳴曲」とこの「Ever17」「Remember11」になります。
Never7によって作られる世界観の下地。これも十分なサプライズを与えてくれますが、まだまだ序の口に過ぎません。
Ever17における超絶トリックとあまりに膨大すぎる伏線の数々。あらゆるものが伏線、というのはまさにこれのことです。
Remember11はEver17を踏まえた上で更に高レベルなトリックを仕掛けた作品。ここまでくると、最早ミステリというジャンルではくくれません。
はっきりいって、Ever17クラスの衝撃と感動、あるいはRemember11のような推理の楽しみが味わえるなら、それだけで15000円は元がとれる――と思います。
Ever17の、約6時間にも及ぶ伏線回収(解決編)に感嘆しない人はいないでしょうし、Remember11のラストは誰もが衝撃に震えるでしょう。
12RIVENはおいておいても、「Never」「Ever」「Remember」だけで、以下のいくつかに当てはまる人は買う価値がある、といえます。
まず、どんでん返しものが好きな人。自分で推理するのが好きな人。現代物理学に興味がある人(特に量子力学)。時間ものSFなどが好きな人。哲学が好きな人。疑似科学系がOKな人。
そして、麻耶雄嵩(特に「夏と冬の奏鳴曲」)や西澤保彦(特に「人格転移の殺人」)が好きな人(夏冬が好き、というだけでもRemember11はプレイする価値があります)。
いくつか難点を挙げるとすれば、「Never7」のミステリ要素が薄い(でも「Ever17」の前にやっておいたほうが良い)、「Ever17」の解決編までが長い(自分は30時間弱かかりました)、Remember11は解答に辿り付く(?)までに何度も読み返してひたすら伏線を拾わないと意味が無い(こちらは80時間くらいかかりました)・・・・・・等々。
また、ミステリのトリックを駆使して創られた作品ですが、「夏冬~」のラストの展開が許せない、という人にはきついかもしれません。どれも真相が明かされた時点で、一気に視界が開けて物語の全体像が見えてくるのですが、これに飛躍を感じる人はいるかもしれない、とは思います。
でもそれを補って、素晴らしい作品であることは確かでしょう。意外なトリック、意外な犯人、意外な動機・・・・・・全部が揃っています。”このトリックを使用した動機”というのもまた素晴らしく・・・・・・と語っているとうっかりネタバレしかねないので、そろそろ止めますが。
少し誉めすぎた気もしますが、決して誇張はしていません。「Ever17」だけでも、友人10人近くに進めて、全員が全員、大絶賛していました。ミステリ読みでも、そうでなくても、です。これに「Remember11」、そして「Never7」と新作「12RIVEN」がつくのですから・・・・・・。破格といっても差し支えないでしょう。
・・・・・・まあ、PS2があるなら、infinityシリーズはどれも2000円で買えるのですが。PC版や12RIVENに興味がなければそっちのほうが安いので、そちらも見てみてもいいかもしれません・・・・・・と言ってしまうと、別にこの「インフィニティPlus」を推す必要はなかったのですが、折角の機会だからということで、お勧めしてみました。
当然、自分も買います。・・・・・・再度プレイする時間があるかは不明ですが。
・・・・・・しかしこれもまた、中澤さんはどういう位置付けなのでしょうか・・・・・・。12RIVENにも中澤さんは参加されていませんし、それが不安で仕方が無いのですが・・・・・・。
束の間の
修学旅行から帰ってきてそろそろ一週間・・・・・・・。
沖縄は大変素敵なところでした。
出発前は全く期待していなかったのですが、行ってみたらこれが本当に面白い。
何より、こんな季節でも海に入って遊べるというのが驚きでした(何年かぶりに海の水に触れました)。
写真で見るような海の青さと砂浜の白さに感動です。
森も凄ければ川も凄い、自然だけでなく市場も凄い(豚のパーツがそこら中に・・・・・・)。
四日間、圧倒されっぱなしでした。
・・・・・・で、沖縄から帰還。
一気に押し寄せる課題の山。
何というか、
”修学旅行以前”と”以後”で、忙しさが倍以上違う気がします。
学校ではレポート四種に問題集、日曜には一日テスト。
これだけならまだしも、世界史の複雑さが追い討ちに・・・・・・。
もう受験生なんだなあ、と意識させられました。
来週はもう少しゆっくりできる気も・・・・・・するのですが・・・・・・。
とりあえず、春休みの12RIVENまでは、あまり本は読めそうにないです。
カードとサイン
久々にマジックの話。
「カードを一枚引いてください」
これは良く耳にする台詞だと思います。
でも最近は、それに加えて、
「では、そのカードにサインをしてください」
という台詞を聞く機会が増えました。
カードにサインをしてもらうのは是か非か。
この問題は、随分昔から議論されてきた気がします。
何が問題かといえば、カードにしてもらうことはお客様に心理的な抵抗感を与える――ということ、らしいです。
「トランプは52枚揃っていないと役に立たない」→「今、自分がこのカードにサインをしたら、もうこのカードは使えないかもしれない」→「トランプ全体がダメになる、勿体無い」
そんなところでしょうか。
僕はマジックをする際、ペンを持っていれば大抵、お客様にサインをしてもらいます。そうしたほうが不思議さが増す、というのが一番の理由ですが、それだけでなく、初対面の方の名前を知ることができる、というのも一つの理由です。
最近はTVの効果か、「カードにサインをする」ということがマジックでは一般的なのだ、と認識されつつあるみたいで、特に躊躇もなくサインをしてくれる方が増えています。以前驚いたのは、小学生低学年くらいの子たちにカードを引いてもらったとき、「カードにサインさせて」と頼まれたことです。
そうか、カードにサインをするのはここまで一般的になっているのか・・・・・・と思ったものですが、その反対に、サインを躊躇う方もたまにいらっしゃいます。
理由は大抵二つで、一つは「名前を教えたくない」そしてもう一つが先程述べた「勿体無い」というもの。前者の場合、何か記号か絵でも描いて下さいとお願いすれば問題ないのですが、後者の場合は、なかなか上手い対応が思いつきません。
以前は、一度サインを書いてもらって、それを消して元の状態に戻す、という演技を行ったりもしたのですが、手間がかかるのであまりやらなくなってきました。
・・・・・・とりあえず今は、お客様が複数いる場合はその中で一番年齢が低い人に書いてもらう、という形でクリアしているのですが、”サインを書かないと成立しない”マジックを行うことが多いので、これはなかなか深刻な問題です。
せっかく楽しんでもらうために演技をしていても、それが逆にストレスを与えていたら洒落になりません。
・・・・・・といっても、他に解決策は思いつかないのですが。
もう一つの問題は、「演技の後、サインしてもらったカードをどうするか」です。
一番多いパターンは、サインを書いてもらったお客様自身にプレゼントする、というものですね。・・・・・自分もこれが多かったのですが、最近少し、疑問を覚えるようになりました。
自分のサインしたカードを貰って嬉しい人はいるのでしょうか。
・・・・・・もらったけど、結局どうしようもないから捨ててしまった、という話も聞きますし。むしろそちらのほうが自然でしょう。
プロであれば、「お客様がサインしたカード」の裏に自分のサインを書いて渡す、というのが一番無難で、実際にそれをやっている人を何人も見ましたが、アマチュアではあまり真似ができません。
大体、「サインを書いて頂いた」のだから、それは自分が丁寧に受け取っておく、というのが礼儀ではないかな・・・・・・と。
そんなわけで最近は、サインしてもらったカードはとっておく、という風に変えました。・・・・・・ただ、一日に何十人にもサインをしてもらったりすると、さすがにサインを見ただけでそれを書いてくれた人のことを思い出すのはほぼ不可能に近いです。
・・・・・・それもまた失礼ではないか、と。だからといってどうしようもなく、やはり解決策はないのですが。
もっとも、そんなことをいちいち気にする観客の方はいないかもしれませんが・・・・・・。
でも、大量にたまったサインカードを何かの拍子で見ると、何か申し訳ない気持ちが湧いてきます。
また話は変わるのですが、カードマジックをやっている人はサインを書いたり書いてもらったりということが割と日常的なことになっている場合が多いですね。今までプロ、アマ問わず色々な方の演技を見てきましたが、多くの人がサインを書いてもらう、あるいはサインを書いていました。
自分もサインを書いてもらうだけでなく、書くことも多いです。
サインを書く、というと「誰もお前のサインなんか欲しくない」といわれそうですが、自分のサインを一つ持っておくと役に立つことが良くあります。あるマジックでは、練習時間の大半が「自分のサインを書くこと」だったりもします。実際、”自分のサイン”を正確に書く能力(?)が要求されるマジックもあるのです。
また、小さい子を相手にマジックをしていると、サインを求められることもそれなりにあるので、自分のサインは「持っておいたほうがいい」ことに変わりありません。
でも、サインを”する”のにも、やはり問題が。
自分の場合、サインしたカードはやはり、演技が終わった後に小さい子にあげることが多いのですが・・・・・・。
以前、自分がマジックを見せたことがあるらしい子に偶然会って、「まだ持っています」と僕のサインしたカードを見せられたときは本当に赤面しました。・・・・・・その人の名前も覚えていない、顔も覚えていない。その上、サインを見たら、もう滅茶苦茶に下手な字だったからで・・・・・・。当然の如く自分のサインしたカードなんて後で捨ててくれるだろう、と思っていたので、これには少し反省しました。
「アマチュアだから」という理由で、一人一人のお客様に対して真摯に向き合わないのは、自分勝手にも程があるな、と。
それで最近は、自分のほうからサインをする必要性があるマジックはほとんどやっていません。どうしても、という自己紹介の場で使うくらいで・・・・・・。
長々と書いてきましたが、「サインを書いてもらうこと」「サインを書くこと」について、昨年から考える機会が増えたので、折角だから――と思ってまとめてみました。。
・・・・・・長いことマジックをやっていると物の見方が変わることがよくありますが(尤もそれは別にマジックに限ったことではないと思いますが)、マジックをやっていて”サイン”という行為が日常的になってしまっている人は、少しそのことについて考えてみても良いのではないか、と思います。
当たり前といえば当たり前ですが、演技をする側にとっては慣れたことでも、普通の人にとってはカードに「サインをする」のも「サインをしてもらう」のも、非日常的なことなのですから。
・・・・・・結局は、観客側の方の心理の問題という部分もあるので、「どうすればいいのか」はそう簡単にいえるものではない、と思いますが。
高校最後の公演までに、納得できる落ち着き所を見つけたいものです。
道尾秀介 「ラットマン」
- 道尾 秀介
- ラットマン
姫川はアマチュアバンドのギタリストだ。高校時代に同級生3人とともに結成、デビューを目指すでもなく、解散するでもなく、細々と続けて14年になり、メンバーのほとんどは30歳を超え、姫川の恋人・ひかりが叩いていたドラムだけが、彼女の妹・桂に交代した。そこには僅かな軋みが存在していた。姫川は父と姉を幼い頃に亡くしており、二人が亡くなったときの奇妙な経緯は、心に暗い影を落としていた。
ある冬の日曜日、練習中にスタジオで起こった事件が、姫川の過去の記憶を呼び覚ます。――事件が解決したとき、彼らの前にはどんな風景が待っているのか。
新鋭作家の新たなる代表作。
◆ ◆ ◆
本書は「シャドウ 」「ソロモンの犬 」と併せて、青春三部作の完結編となる作品だそうです。
帯に書かれたコピー、
ようこそ。ここが、青春の終わりだ。
は、タイトルと共に本書の内容を見事に表していると思います。
ミステリとしての意外性は十分にあります。「ソロモンの犬」で見られた”疑う読者を騙す”構造や、「シャドウ」のような大量の伏線も仕込まれています。
・・・・・・でも、そんなことじゃなくて。
本書が本当に素晴らしいのは、ミステリという形式を利用して人間を描ききったところ。道尾さんはずっと、「ミステリを通して人間を描きたい」といった旨のことを語っていましたが、正直これまでの作品では、それが完璧に達成されているとは思いませんでした。
でも、「ラットマン」は、それを達成できた――と思います。
静謐な空気に包まれた物語で、真相もこれまでの作品に比べれば”静かな驚き”を呼び起こしてくれるような、そんなタイプのもの。
そして、その真相が完全にテーマに直結している。
隙が無い。物語として完成されている。
そんな気がしました。
文章もとても綺麗で、一行一行が読者に与える効果を計算して書いたのではないか・・・・・・と思ってしまうほど。
構図の美しさが半端ではなく、最後の数ページで明かされる真相が単なる意外性や驚き以上の衝撃を読者に与えます。
帯の「注目を集めてきた新鋭が、ついに到達した最高傑作」は決して誇張でもなんでもないと、読み終わって思いました。
確かにこれは、最高傑作。
ミステリとしてではなく、ミステリを”利用した”青春小説として。「シャドウ」や「ソロモンの犬」で感じた歪さもなく。最初から最後まで、完璧。
読み終わった後には、切なさが残る。何故か不思議な爽やかさもありながら、それでも絶望的な寂しさが残る。ラスト六行は何度も読み返してしまいました。
この真摯な問いかけは、きっと誰もの心に残るでしょう。
とてつもない意外性があるわけではない。思わず号泣する真相というわけでもない。派手さはない物語。でもこんな傑作、なかなか無い。
きっとこれはまた読み返すことになるだろう――と、読了後すぐに確信しました。
上に引用したキャッチコピーに惹かれるものがある人は、是非とも読んでください。物語のテーマとミステリとしての仕掛けが完全に直結しているという意味では、これ以上は無いのではないかとさえ思いました。本当に素晴らしい、一冊です。9点。
それにしても・・・・・・道尾秀介、本当に只者ではないですね。今後、本書以上の作品が果たして書けるのかどうか。・・・・・・簡単ではないと思いますが、きっと書いてしまうのでしょう。「ミステリを通して人間を描く姿勢」は、徹底して欲しいです。