「12RIVEN」(ゲーム)――その3
クリア後数日経ったので、改めて感想。
今回はネタバレ部分は反転にしてあります。
・・・・・・が、Ever17をプレイしたことがなければ読まないほうが吉かも。
ついでに言わせてもらえば、Ever17を知らない人は12RIVENの情報は一切検索しないほうが良いです。
そんなことをするくらいなら、何も知らないままEver17をプレイしたほうが絶対得でしょう。前の感想でも書きましたが、この作品をプレイするなら、間違いなくEver17、Remember11を先にやったほうが良いです。・・・・・・と、前置きはここまでにして。
先の感想では随分マイナス面ばかり強調してしまったので、では何が良かったのか、という部分について触れておきます。
まず、展開の速さ。
ここだけ取り出せば、過去のinfinityにも十分並ぶでしょう。適度に緊張感を保ったまま次々と事態が展開していくので、物語として非常に面白く読み進めることができます。
加えて、infinityシリーズの特徴の一つでもあった、雑学のオンパレード。予想通り、今回は物理よりは若干生物よりでしたが、天文学や心理学等、様々な知識が話に関わってくるので、そういったものが好きなら確実に楽しめると思います。今までと微妙に範囲が違うのがポイントですね。
”独自理論”は少し飛びすぎな印象はありますが、疑似科学系が好きな人ならまず楽しめるでしょう。
また、個人的に感心したのは言葉遊びの部分。アナグラムも含めて、これに関しては相当考えられていると思います。特に感動したのは、Ψクリミナルの語源。発売前から抱いていた疑問、OPの意味などが一気に氷解する。これはなかなか上手いな、と感じました。
そして、音楽。これはいつも通りのクオリティで、特にParil、Beyond the mebiusが良かったですね。良い意味でBGMに徹している曲が多いです。
OP曲も歌詞が素晴らしい、のですが・・・・・・。内容を100%表せているかどうかは微妙なところです。「LeMU」や「Darkness of Chaos」ほどには至っていない、でしょうか。正確には、歌詞のほうに物語が追いついていないといったところですが・・・・・・。
・・・・・・さて、ここからは個人的な批判。
ほとんどストーリーとは関係ありません。
打越さんには何の非もないであろうことなので、それでこの作品が微妙なことになっているのは・・・・・・さすがに、何も言わずにはいられません。
まずCG。別に絵が崩れているとか、そういったレベルでの話ならまだ構いません。でも、”明らかに文章の描写から乖離している”CGは頂けませんでした。具体的に言うと、バスタブですが。
CGをトリックに使用するくらいの作品なら、地の文と同様、CGにも”嘘を描いてはいけない”はずです。だからこそ、いくら絵が崩れていようとも構わないので、文章に合わないCGはなくして頂きたかったです。
そして、事前のネタバレ。
・・・・・・もう以前に記事にはしましたが、この作品が発売される前、Amazonで堂々とネタバレ(雅堂錬丸の声優が公開)されていました。その少し前には、雑誌記事でもやはりネタバレ(錬丸、鳴海の声優公開)がされています。他にもいくつか、堂々とネタバレが行われていたり・・・・・・。
ここらへん、どうにかならなかったのか、と。このネタバレが無ければ、トリックの一つには気づかなかった可能性があるわけで・・・・・・残念、としか言いようがありません。
もう一つは、各所の広告等で堂々と過去作品のネタバレをしていることです(そのまま抜粋すると、Ever17が「プレイヤーが登場人物として物語世界に介入する」という仕掛けであると明かしています)。
12RIVENをプレイするような人は、過去作品は当然プレイしているはずだ・・・・・・という考えなのかもしれませんが、それにしたって、堂々とメインのネタを割るのはどうかしています。はっきりいって、Ever17が”その仕掛け”であるのを知ってプレイしては、衝撃が半減するどころではないと思います。
しかもその上で、「12RIVENもこの仕掛けにこだわり、Ever17とは違った切り口で新しいエンターテイメントを提供する予定です」と続けています。いや、”予定です”なので嘘ではないのですが、”この仕掛け”に関していえばEver17、Remember11の足元にも及んでいない気がします。もっとも、12RIVENは元は小説として発表される予定だったらしいので、無理もない話ですが。でもそれなら、何でわざわざ過去作品のネタバレをしてまで期待をさせるようなことをしたのか・・・・・・理解に苦しみます。
もっとも・・・・・・例えて言うなら、「SAW3」のあらすじが堂々と前二作のネタバレになっているようなものだと思えば、という話ではあるのですが、SAWと違ってこれは”独立した”話です。過去作品とストーリー上リンクはありません。
そもそも、わざわざinfinityシリーズではなくてintegralシリーズとして発表していることからも、独立していることを(それなりに)前面に押し出しているわけですし・・・・・・。
実際、このネタバレをしたことで何かメリットがあったかというと――何もなかったようにしか思えません。むしろ、ネタバレによって”ある仕掛け”に対する期待が高まっているにも関わらず、その点に関しては肩透かしだった――という意味で、全く逆効果だった気がします。
やはり、infinityシリーズのファンとしては、とても許せないことです。
・・・・・・本当に、打越さんのシナリオを色々な意味で潰しているとしか思えないのですが。環境が変わったとはいえ、これくらいはどうにかならなかったのでしょうか。
色々書きましたが、まだストーリーにはほとんど触れていません・・・・・・。
こちらについては、また次回に持ち越したいと思います。