The Key of Midnight -6ページ目

2007年”小説以外”ベスト

いつものように、小説以外で2007年印象に残った作品をいくつか。



「ヴァンパイア十字界」(城平京・木村有里)

今年最終巻が発売された漫画、です。

タイトルやあらすじからはとても想像できませんが、相当優れたミステリです。スパイラルと違いロジックにはそこまでこだわっていませんが、物語を盛り上げるためのどんでん返しが豊富。次々と明かされる意外な真実に、驚くこと間違いなし。最後も巧くまとめており、さすが城平作品、と言いたくなる一作でした。かなりオススメです。


「コードギアス 反逆のルルーシュ」公式サイト

こちらはアニメ。

・・・・・・今年はアニメを見ることが何だかんだで多かったのですが、どれも傑作ばかりでした。

これはエンターテイメントの最高峰です。ロボットものは食わず嫌いで敬遠していたのですが、デスノート的といわれて試しに見てみたら、すぐに熱中してしまいました。確かに、先の読めなさではデスノートに匹敵する作品です。

二期も楽しみです。


「電脳コイル」公式サイト

やっぱりアニメ。SFが好きな人の間で話題になったと思われる、ジュブナイルSF。あまりに深い世界観と張り巡らされた伏線に、途中でついていけなくなりそうになったこともしばしば・・・・・・。今でも100%理解できたのかといわれれば怪しいのですが、ラストのどんでん返しまで含めて、SFにはそこまで強くない自分でも相当楽しめた一作です。現在再放送中。


「モノノ怪」公式サイト

クセはありますが、日本古来の怪談を斬新な演出で新たなものに作り変えた傑作アニメーション。

元々妖怪系(?)は好みだったので、この作品は本当に面白かったです。ミステリ的な趣向も多く、意外と多くの人が楽しめそうなアニメです。何より凄いのは映像。一見の価値あり、です。


「ライアーゲーム」公式サイト

毎週楽しみにしていたドラマ。とにかく演出が格好良い! ストーリーも先が読めるか読めないかという丁度良い”難易度”で、いつも次週の展開を予想して楽しんでいました。

音楽も格好良いですし、キャストは嵌り役ですし、尺も丁度良いですし・・・・・・。本当に良く出来た作品だったと思います。

キノコの言動も毎週楽しみでした。


「Yours」特設ページ

音楽です。滅多にCDを買うことは無いのですが、これは買わずにはいられませんでした。

ひぐらしがどうとか、そういったことは一切関係無しに、最高の音楽だと思います。

気分を切り替えるのにベストなCD。多少入手しづらいのが欠点ですが、何としてでも手に入れる価値のある曲ばかりです。気になった方は、リンク先で「You」「being」「You-destructive」あたりを試聴してみると良いかと思います。また、同じdaiさんのHP で公開している「hope」も相当な名曲(「Yours」とは何の関係もありませんが)。是非聴いてみて下さい。


「Myself;Yourself」公式サイト

ゲームはまだ半分を超えたところなのですが・・・・・・。それでも、今年は一年中この作品を楽しみにしながら過ごしてきた気がします。中澤工さんの新作、ということで、タイトル発表時から期待していたのですが、次々と明かされる情報が見事に予想外のものばかりで、発売前から随分と驚かされました・・・・・・。作品の”外”に仕掛ける、とはまさにこういうことだな、と。

アニメも毎週予想を裏切る展開(でも王道)で楽しませてくれました。

SFやミステリとはまた違った中澤さんの一面が見れる、という点でもお勧めな一作です。

2007年小説ベスト

昨年度はコメント無しのランキングでしたが、

今年はあまり本を読んでいないので、順位無しで印象に残った作品を10作上げるに留めておきます。

・・・・・・とてつもなく偏ってしまいましたが。


<ミステリ>

三津田信三 「厭魅の如き憑くもの」

三津田信三 「首無の如き祟るもの」

多崎礼 「煌夜祭」

法月綸太郎 「一の悲劇」

クリストファー・プリースト 「魔法」


今年は何といっても三津田信三さんが衝撃的でした。「厭魅」の恐怖、「首無」の衝撃。ここには挙げませんでしたが、「凶鳥の如き忌むもの」も密室ものの傑作です。

「煌夜祭」は多くの人に読んでもらいたい、連作短編の傑作です。一見ファンタジーで、実際壮大なファンタジーなのですが、その構成はミステリそのもの。久々に読んだ<連作短編ミステリ>の傑作でした。

法月さんも今年に入って面白いと感じるようになった作家さんです。中でも「頼子のために」と「一の悲劇」は傑作。より驚かされ、物語としても楽しめた「一の悲劇」のほうを挙げました。

「魔法」は・・・・・・ミステリなのかどうか迷ったのですが、ある意味では一番ミステリな作品だった、ということでこちらに。久々に読んだ<夏冬系>の作品。幻惑されます。いまだに真相はわかりませんが・・・・・・。眩暈を感じた一作です。

ちなみに、同様に眩暈を感じるような作品で「眩暈を愛して夢を見よ」(小川勝己著)もお薦め。こちらは本当にわからなかったので、なんともいえないのですが・・・・・・。心地よい酩酊感が味わえました。


<物語>

加納朋子 「ぐるぐる猿と歌う鳥」

桜庭一樹 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」

万城目学 「鹿男あをによし」

森見登美彦 「夜は短し歩けよ乙女」

米澤穂信 「遠まわりする雛」


「ぐるぐる猿と歌う鳥」は、特に夏の加納さんを囲む会で深く印象に残っています。作品自体の素晴らしさについては・・・・・・言うまでもないですね。思い出に残る一作になりました。

「少女七竈~」は良い時期に読めた一冊でした。感動した、というよりも・・・・・・心を動かされた、といったほうがしっくりくるような作品です。文章がとても綺麗。

エンターテイメントとして純粋に楽しめたのは、「鹿男あをによし」。ドラマがそろそろ始まるようですが・・・・・・期待半分、不安半分です。

「夜は短し歩けよ乙女」は素敵な恋愛小説。「少女七竈~」とはまた違った意味で文章が素晴らしい作品でした。

そして「遠まわりする雛」もまた、恋愛小説であり青春小説です。ほろ苦さも、優しさも、全部あわせて”青春”なのだということを実感させられる傑作。今後の展開が気になります。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

本年も宜しくお願い致します。

2007年――

気づけば今年も残すところ後僅か、実感が湧かないまま、大晦日を迎えてしまいました。


思い返せば。

マジックは、今年で最後と思い様々な活動をしてきましたし(おかげで文化祭では歴代最高の快挙を成し遂げられました)、

また、何だかんだで文章を書く機会も大幅に増えました。

勉強等も忙しくなり、結果として読書数は大幅に減ってしまいましたが・・・・・・。

それでも、これまで以上に充実した一年であったことには違いありません。


今年はどんな年だったか――と問われれば、

迷うことなく「自分の進路について考えた一年」だった、と答えられます。


高校2年という、”(一応)遊んでいられる”最後の年。

それだけに、常に心の中では「どのような路に進もうか」と悩んでいました。


その悩みを振り切るきっかけをくれたのが、

学校の友人だったり、カトレアの皆さんだったり、

あるいは読んだ本だったり、中澤工さんだったり・・・・・・。

沢山の方々のおかげで、ようやく目指すものが明確になってきました。

そういう意味で、

今年はいつも以上に、多くの人に感謝したい一年でもありました。

だから――。

お世話になった皆様、本当にありがとうございました。


来年は、受験生ということで何かと忙しくなりますが、

どうか、これまでと変わらず宜しくお願い致します。


では、良いお年を!

「Myself;Yourself 第1話~最終話」(アニメ)

「Myself;Yourself」アニメ公式サイト


――衝撃的な作品です。


とにかく最終回が! なんという伏線回収・・・・・・そして全く予想もしなかった展開・・・・・・。TVを前に思わず声を上げてしまったことなんて久々です。

それはさておき。


中澤工さんが企画・原案、ディレクション、プロデュース等を担当しているゲーム「Myself;Yourself 」のアニメ版です。

とはいえ、設定等は大きく変更されており、ゲームとアニメはかなり違った作品になっています。

どうやらそれにも”必然性”があるようですが、それはゲームのほうをクリアしないと不明なので・・・・・・。

今はまず、アニメ版の感想を。

・・・・・・一言でいってしまえば、やはり冒頭の言葉に集約されるのですが。抽象的過ぎるのでもう少し具体的に言えば、

「先が全く読めない」

これに尽きると思います。

”王道”なのは間違いありません。王道すぎて逆に不自然さを感じる、と言っていた友人もいました。・・・・・・でも、王道だからといって先の展開が読めることは無く。常に期待を裏切ってくれます。

”普通ならこうだろう”という、自分がフィクションに対して持っていた常識のようなものが、綺麗に崩されていく様に鳥肌が立つこともしばしば。

深読みをすればするほど意外性が増す――というのは正しい言い方かどうかはわからないのですが、とにかく、毎週これほどまで楽しみにさせてくれた作品は他にほとんど思い当たりません。

・・・・・・勿論、これだけ面白く鑑賞できたのも、”原作ゲームが中澤工さん担当だから”という先入観によるものが大きいでしょう。逆にいえば、その先入観が無かった場合は、全く異なった感想になると思います。

そう考えると・・・・・・この感想も、あまり当てにならないかもしれませんが。

ただ、中澤工作品を一度もプレイしたことがない、ふだんからミステリも読まない、といった人にこの作品を勧めても「かなり面白い」という評価が返ってくることが多かったので、一般的にも楽しめる作品になっていると思います。


ストーリーは・・・・・・一応、王道青春恋愛もの、ということで良いのでしょうか。実際、青春群像劇、というのが一番近いイメージでした。少なくともミステリやSFではないです(サスペンスっぽい要素や、謎はいくつもありますが)。

何を話してもネタバレにつながりそうなので、具体的に触れることはしません。

基本的に序盤は明るいエピソードが続きますが、その中にそっと”影”を忍ばせているのが巧いです。実際、後半に至ると話はシリアスさを増していき、序盤にばら撒かれた伏線が次々と回収されていきます。ほろ苦さと、痛みを伴って。

・・・・・・これはもう、圧巻、というほかないですね。普段からミステリをよく読み中澤さんの作品に親しんでいる自分にとっては、非常に新鮮な感覚でした。”王道”とはこういう意味か、と唸らせられます。


そして・・・・・・いくつもの伏線が予想外の方法で回収されていき、到達した最終回。

――この展開は絶対予想できなかった。

第一話から張ってあった伏線が回収され、美しい旋律と共に迎えるエンディング。――ああ、このためだけにでも音楽に拘る必要があったのだな、と納得すると同時に感動しました。

それでも、このラスト自体に賛否両論はあるかな、と思うのですが、そこは・・・・・・「ゲーム版がある」ということで。限られた時間の中で何とかまとめたな、と思ってしまったのは事実ですが、ゲームへの導入、という意味では最高だったと思います。

勿論アニメはアニメで完結しており、かなり面白いことは間違いありません。ただ・・・・・・アニメを見るならゲームもプレイしたほうがいいだろうなあ、というのが率直な感想。

何といっても共通するテーマを持つ作品ですし、個人的にはゲームのほうがより(テーマという意味では)より深く、感情に訴えかけてくるものがあると感じたので・・・・・・。

更に、アニメを見ていると、原作ゲームをプレイしたときにいくつもの発見と驚きが味わえます。これはかなり面白いので、アニメだけ見ていた人は是非ゲームをプレイしてみてください。その逆のパターンもまた然り。

両方ともあわせて「Myself;Yourself」という作品である、といったところでしょうか。やはり、ゲームをクリアしていない以上何とも言えないところですが・・・・・・。


とりあえずアニメを見て、気に入ったらゲームをプレイする、というのがベストだと思います。細かいことは抜きにしても楽しめる作品なので、未見の方は是非。シリアスな青春ものが好きな人に、特にお薦めです。

そして、アニメ関係者の皆様。毎週楽しませて頂いて、どうもありがとうございました。

結局今年も

クリスマス・イブです。


昨日は朝の9時から夜の9時まで丸半日テストだったので、今日くらいは一日休もう、と思っていたのですが・・・・・・。

朝起きて、真っ先に気づいてしまった事実。


まだ年賀状書いてない。


・・・・・・仕方が無く、一日中年賀状に費やしました。相変わらず筆ペンと水彩で手書きです。いつかPCに変えよう、とは思いながらも、そのタイミングがなかなか見つかりません。

とりあえず今日は、絵だけは全部描き終わったので、明日の午前中は住所を書いて投函ですね・・・・・・。


ところで、絵を描きながら唐突に、「去年のクリスマスイブは何をやっていたっけ」と思ったので、調べてみました。

――年賀状を書いていました。


学習能力・・・・・・無いなあ。


これだけのクリスマスイブも寂しいので、今日はマイユア をプレイして寝ることにします。

価値観の相違、というテーマが前面に出ていて、個人的にとてもタイムリーです。

物理とかトリック、ロジックとは違いますが、感情的な意味で深く考えさせられます。自分を振り返らずにはいられないのは確か。

読み終えたら感想を書きますが・・・・・・。ある程度プレイしてみて、やっぱり中澤さんの作品だった、という実感が湧きました。

――これは間違いなく、過去作品が好きな人にはお薦め、ですね。

アドレス変えました

少し事情があって、5年間使っていたメールアドレスを取りやめて、Hotmailに移ることにしました。


新しいアドレスは、

mu-magic928φlive.jp (φを@に変えてください)


以降、このアドレスをメインで使っていくと思います。

・・・・・・しかし、今まで使っていたメールボックスの容量が4MBだったのですが(これでよく5年間も持ったものです)、この変更で5GBになりました。


・・・・・・一体何倍?


ともあれ、今までアドレス帳に登録して頂いていた皆様、変更していただけると幸いです。

マイユア発売!

Myself;Yourself 」が本日発売になりました!


「I/O 」以来、と考えると約二年ぶりの中澤工さんの新作です。

しかも今回は、企画・原案が中澤さんお一人であるのに加えて、ディレクション、プロデュースまでも中澤さんがご担当されています。

そう考えると、「Remember11 」以来の純粋な中澤工作品、といっても良いのではないでしょうか。


今回は特に大きな叙述トリック等は無さそうですが、その分、中澤さんの思い描かれたテーマが凝縮されているようです。

実際、そんなに甘い話・・・・・・じゃないようですね。

王道を謳っていますが、王道とは決して、普通ということではない。

アニメのほうでも、大量の伏線を張り、過去の事件を絡めつつ、残り一話だというのに”どこに落とすのか見当もつかない”状態ですが・・・・・・。

そんな中でも中澤さんお得意の「記憶喪失」ネタがあり、ゲームのほうでもこれは出てくるのか、もしあるとすればどのような真相を用意しているのか、大変楽しみなところです。


とにかく、中澤さんの作品に一度でも触れたことがある方なら、手にとってみる価値はあるでしょう。

個人的にミステリ・サスペンス方面では「Remember11」が最も中澤さんらしい作品(そしてベスト)だと勝手に思っているのですが、今回の「Myself;Yourself」はジャンルが全くの正反対。それだけに、タイトル発表当時は期待半分、不安半分だったのですが・・・・・・・。

中澤さんのコメントを何度も拝見させて頂いた今は、もう期待しかできません。


早速一時間ほどプレイしてみましたが、既に(アニメ版との)相違点は数多く、話もいきなり不穏な空気が漂っています・・・・・・。

冬休み一杯、勉強の合間を縫ってプレイする予定でしたが、これは思わず一気に読んでしまいたくなりますね・・・・・・。ともあれ、まだまだ序盤。先が楽しみです。


そして、この「マイユア」発売が嬉しいのは、これで周囲に中澤さんを知っている人が増えたこと。

個人的にも、この機会に過去作品「Ever17」や「Remember11」を紹介するため、関係ない記事を15枚ほど書いて、ようやくちょっとした紹介を図書の会誌に載せてもらったり、中澤作品関連の評論を書かせてもらえるように頼んだりと色々やりました。

「マイユア」を購入する資金も自分で作らないとと思い、いくうか文章を書いて、どうにかお金を溜めることもできました。

そういったことを含めて、大変思い出深い一作になりそうです。


皆様も、興味が湧いた方は是非! 見てみてください。

過去作品の「Ever17 」や「Remember11」といったInfinityシリーズも、この機会に!

こちらは、”新しいミステリの形式”を探している人や、考察好き、理系ミステリ好き、騙されたい――といった人に、特にお薦めですよ。

とりとめもなく

なるほど夢を見るのもそう簡単じゃないな、と実感する今日この頃です。


理想と現実、なんて言葉は使いたくないなーと思っていましたが、

どうしてもそんなことを意識せざるをえない状況にきてしまっているようで。


「遠回りする雛」を読み返して、

やっぱり恋愛部分がどうとかではなく、

進路選択の会話が一番響いてしまいました。


丁度センタープレも迫っているのですが、

勉強しなきゃなあ・・・・・・と、数学と日本史/世界史の参考書を注文した翌日、

何故か四十度弱の熱を出して倒れてしまい・・・・・・。

仕方が無いので学校も休み寝ていたら、

枕もとに分厚い「大学への数学」やら何やらが届いておりました。


しかも、医者に行ったら、

「診断不能」の一言。

「きっとテスト後で疲れが溜まっているだけでしょう。特に熱以外の症状が無いので、こちらとしてはウィルス性感染症と判断する以外何とも。とにかく、疲れを癒しなさい」

とのことで、

「じゃあ寝ていればいいんですね?」とお聞きしたら、

「勉強しなさい」と、有難いお言葉が。


・・・・・・なるほど。

これは疲れる。


結局、医者の勧め(?)を無視して勉強をせず、丸一日撮り溜めていた「ガリレオ」を見て過ごしたら、

何と一日で熱が35度まで下がっていました! 脅威です。人間の身体は凄い! と実感。

しかし、あの熱は本当に何だったのでしょう・・・・・・。疲れだけで40度弱の熱が出るものか・・・・・・。


そんなこんなで、気づいたら今年も残り2週間を切っていました。驚きです。

つい先日、クリスマスパーティー兼忘年会的イベントがあったばかりというのに、全く実感がわきません。

「このミス」やら「本ミス」やらを見ても、なんだか・・・・・・。

ただ、着実に忙しくなっていることだけは実感。さすが年末。


・・・・・・と、本当にとりとめのないことばかりですが、近況報告でした。



そういえば明後日は「Myself;Yourself 」の発売日です。こればかりは長いこと待っていたので「ようやくか」という実感があります。中澤作品の普及、という意味で・・・・・・かどうかはともかく、もっと広まってほしいタイトルですね。

12RIVEN――積分と次元

12RIVEN公式HP の、「Production Notes」内の記述に関して。

・・・・・・あまり興味のある方はいらっしゃらないかもしれませんが、折角ここ数日間考えていたので、ちょっとした考察を書いておきます。といってもストーリーに触れるものではありません。

”積分”に関する内容の真偽、です。

自分の知識では心許なかったため、物理の先生や友人と色々話して考えました。間違っている部分があれば指摘していただけると助かります。


いくつか不明なところはありますが、問題となるのは次の部分。

積分をすることによって、「より高次の関数になることも」ある(※1)のは間違いありませんが、「つまり、次元があがることがあると言える」このくだりが奇妙です。

とりあえず、積分して”高次の関数”となるのは問題ないのです。ただし、それはイコール次元が上がる、ということには決してなりません。


そもそも次元とは何なのか、という話ですが、

この記述から読み取れる限りでは、二種類の次元――数学的な次元と物理的な次元のそれぞれを考える必要があるでしょう。


まず、数学における次元とは、すなわち”座標軸の数”を示します。

たとえば、変数が二つある数式なら、それは2次元、ということになるわけですね。

具体的には、y-2xという式が合った場合、これをグラフに表すためには座標軸が二本必要になるので、この式は2次元であるということになります。

ただ、この考え方で行くと、

たとえどんな式を積分したところで、次元は上がるどころか変化することはありません。

微分しようが積分しようが、座標軸の数は変化しないのです。変数の数が変化しない、と言い換えても良いのですが、これだとどうもおかしなことになります。

そこで、今度は物理における次元を考えてみます。

正確には、物理量の次元、ということになります。

これは数学の次元とは少し異なります。

例えば時間、例えば長さ、そういったものに関して使われる「次元」です。いわゆる次元解析、といったときの次元、といえばわかりやすいでしょうか。

これによれば、長さの次元はLであり、時間の次元はTです。つまり、物理量の次元とは、物理量が持つ基本的な性質のことを表すのです。

・・・・・・といってもなんだかよく判らないと思いますので、結論から書けば。

この次元の意味においては、”積分することによって次元が変わる”ことは十分にありうるのです。

t(時間)の関数で表示されるような式、例えば、

V(速度)=at(加速度×時間)+v(初速度)

という式の右辺を時間に関して積分すると、

X(変位)=1/2at^2(加速度×時間の二乗)+vt(初速度×時間)+x(最初の位置)

・・・・・・という式が導けます(記号等、おかしいのは勘弁してください)。

これを数学的に見ると次元は変化していませんが物理的には確実に変化しています。

tは「時間」の次元であり、t^2は「時間の二乗」の次元。この二つは別物です。

つまり、物理量の次元で考えれば、先ほどの説明は間違っていない・・・・・・といいたいところなのですが、

たとえそう考えても、これは「次元があがる」ということにつながりません。

「時間の次元」と「時間の二乗の次元」には、上下の区別は無いからです。

故に、積分することによって「次元は変化する」のは確かですが「次元が上がる」ことは、ありません。


・・・・・・・と、こんな結論が出てしまいました。

これ、本当に合っているのでしょうか・・・・・・?


と、ここまで書いてきて一つ気になったことが。

たとえば、y=2xという式があったとして、この2xを全く無関係なzに関して積分する、なんてことは・・・・・・できるのでしょうか。

これで、数学的に次元が上がってしまうような。・・・・・・何かが確実に間違っている気がするのですが。

→間違っているようですね。「全く無関係な」z、というのがアウトなようです。xとzの間に何らかの関わりが無ければなりません。


やはり積分は難解ですね。

こう考えていくと、そもそも何故12RIVENはintegralなどというテーマを選んだのか大変気になるのですが・・・・・・。どうなるのでしょう。


また、積分等、学問的なことを切り離してストーリーだけ取り出しても、新たにいくつか「謎」が浮かび上がってきたのですが、それについては機会があればまた、書くことにします。


※1

少しだけ補足。

「高次の関数になる」場合以外の例はいくらでもあります。

例えば三角関数。

sinxを積分すると、-cosxになりますが、これらに次数の大小はありません。

それ故、「なることもある」のです。