第11日目
駅でレンタカーを返却し、10:53 Bordeaux-Saint Jean駅発、
TGVにて13:30 Tours Saint-Pierre-des-Corps駅着。再び駅でレンタカーを借り出し、Rochcorbonへ。
Hotel Les Hautes Rochesで2泊

【Les Hautes Roches】http://www.leshautesroches.com/
Tours Saint-Pierre-des-Corpsトゥール・サン・ピエール・デ・コー駅は、Toursトゥールの町の中心地にあるTours-Centre駅ではなく、町の中心から東の少し外れた所にあります。パリ/ボルドー間を走るTGVは、Tours-Centre駅まで入らず、Tours Saint-Pierre-des-Corps駅に停まります。我々の泊まるホテルもToursの町から東に少し外れたRochcorbonロッシュコルボンで、Vouvrayヴーヴレの西端にあります。車で約8km、ロワール川に面したホテルに着きました。

ロワールワインを勉強すると、Saumurソミュール地区やTouraineトゥーレーヌ地区の白亜の石灰質土壌Tuffeauテュフォーの崖の横穴がワインの熟成・貯蔵に使われていると習います。この横穴に部屋を持つホテルです。Tuffeauの洞穴の部屋に泊まりたくてこのホテルを予約しました。

ホテル内のレストランは一つ星でロワール川を見下ろす高台にあり、ロワール川の眺めが良くて、落ち着いた雰囲気でした。

写真は、ロワール川側より眺めたホテルの全景。左に洞穴の部屋が並んでいます。右側の建物には、レセプション、レストラン・バー、普通の泊まり部屋などがあります。



Château le PuyのオーナーJean Pierre AMOREAUジャン・ピエール・アモロー夫妻のセミナーに出席してきました。

1610年より有機農法でワイン生産をしているBordeaux Côtes de Francsボルドー・コート・ド・フラン地区の個人の生産者です。
http://www.chateau-le-puy.com/

この地区の畑では110mという最高場所に25haの畑を持っていてビオディナミ農法でぶどう栽培をし、さらに、醸造においてもビオディナミを採用している数少ない生産者ということです。醸造におけるビオディナミとは、バトナージュで右回りのあと急に左回りに変えたり、満月が欠けていく時期に瓶詰めしたりします。

土壌: サンテミリオンやポムロールの砂利の多い粘土質に比べて、石灰粘土質でその分タンニンが十分なので新樽を使わなくても良いということです。

品種: 赤ワインには、メルロ85%、カベルネ・ソーヴィニヨン13%、カルムネール2%。
白ワインには、セミヨン100%です。(ボルドーではフィロキセラ以降消えてしまったといわれるカルムネールが、この生産者のところの様に稀に残っています。)

4種類のワインを生産しています。
(1)Château le Puy (赤) AOC Bordeaux Côtes de Francs
(2)Château le Puy Barthelemy (赤) AOC Bordeaux Côtes de Francs
(3)Château le Puy Marie Cecile (白)Vin de Table
(4)Château le Puy Marie-Elisa (貴腐) Vin de Table

二酸化硫黄無添加という話が印象的でした。セミナー後半の質問でも、無添加の話に関するものが多かったのですが、4種類のワインの内、Château le Puyワインの熟成で、大樽12ヶ月、バリック12ヶ月の内、大樽にワインを詰めた後、栓の所に4mg/l無水二酸化硫黄を詰めるだけである。他には醸造でも瓶詰めの時でも無添加ということでした。

コルクの材質に大変気を使っていて、長期保存を考え瓶の口部を手作業で封印をしているのが特徴です。この封印は、SO2無添加による保存状態の劣化を考慮したものではないとのことです。コルクの外面に発生するカビ類が瓶中に入る込むおそれがあるとの考えで封印をしているとのことです。

試飲ワインは、やわらかいというのが全体の印象で、タンニンも酸も突出していませんでした。大変ナチュラルなバランスの良い味わいなので、濃いワインを飲みつけている人には一瞬物足りなく感じるのでないかと思うほどです。ビオディナミと同時に、醗酵時にルモンタージュやピジャージュの代わりにchapeau immergéシャポー・イメルジェという網を沈めて果帽を液中に保っておく方法を取っていて、これによってタンニンがバランス良くしているそうです。

SO2無添加ワインというと、賞味期限はどのくらいなのかなと懐疑的でしたが、どうもこのワインはそのような危惧が無用のワインのようです。今後注目していってみたいワインです。

生産ワインの中で、(2)Barthelemyと(3)Marie Cecilの2つボトルの形が変わっているのに気が付きました。オーナーに尋ねてみると、(2)は曾祖父、(3)は曾祖母の名前で、200年前のボトルの形をコピーしたものだそうです。

写真は、真ん中が200年前のボトルの形をしたBarthelemy(底の凹みが5cmもあります)。左がブルゴーニュ、右がボルドーの一般の瓶です。



Sauternesソーテルヌで貴腐ぶどうができる気候条件は、朝方霧が発生して、午後風が強く暖かい日に変わることと習った人が居るとおもいます。この霧は、一年で92日間発生するそうです。

ソーテルヌ地区とBarsacバルサック地区の間を通ってGaronneガロンヌ川に注ぐ小さなCiron川と大きなGaronne 川の水温の差がこの霧の発生の要因といわれていますが、ホテルからシャトー・ディケムに行く途中でこの川を渡りました。

このCiron川に関する問題が2004年度の呼称資格一次試験に出ています。

ディケム訪問の帰りにD116号線沿いの橋上でCiron川を写したのが掲載の写真です。Garonne川に注ぐ所は分かりませんが、ここ(合流点より約7キロ上流)では思ったより小さな川でした。
 



第10日目
Ch. Smith Haut Lafitteのオーナー夫人からアポイントメントを取ってもらってChâteau d'Yquemを15:30に訪問しました。ホテルから、トゥールーズ方面の高速A62 に乗って15kmで出口2を出て地図を頼りに田舎道を更に約12km、迷わず走ってChâteau d'Yquemの城が小高い丘の上に見えてきました。下側の畑では収獲作業の最中でした。

3組を同時に案内するということで、全員が揃うまで待合室で待つ間、2組目の2人連れと話しましたが、一人がイタリアソムリエ協会の教授でした。早速Sangiovese grossoとpiccoloのことを聞きましたら、11月15日付け「講師の雑記」でトスカーナのリカーゾリ氏が答えたと同じ様にgrossoの粒が大きいことはないとのことでした。果皮が厚く色素の抽出が多いということでした。イタリアワインに関する質問があったらいつでもe-メールで聞くことができるようになりました。良い人に会えてラッキーでした。

案内人が3組を纏めて案内してくれました。3組目はフランスのワイン販売関係のグループのようでした。

品種:セミヨン80%、ソーヴィニヨン・ブラン20%。ミュスカデルは使わない。

収獲:今年は9月6日に始め、訪問日10月10日現在も摘んでいる。9月に雨が多く灰色カビ病が多かったので収穫率が低かった。

収穫量制限:ソーテルヌ規定では1ヘクタール当たり25hlだが、ディケムでは8hl。100%貴腐ぶどうを使用するので、そうでないぶどうは売ってしまう。とにかく貴腐ぶどうの選果が最重要であると案内人は強調していました。このため通常、収獲では6週間にわたり5~6回の手摘み作業をする。ある年には10月から12月末までかかって11回も収獲作業をした。

ぶどうには20度以上の潜在アルコールの熟度が要求されるので、過去20年間で平均1ヘクタール当たり9ヘクトリットルという収獲率で、ぶどう樹1本あたりグラス1杯分に相当するそうです。

醸造後にワインも厳選するので、まったくディケムワインを造らなかった年が20世紀に次の9回があった。1910、1915、1930、1951、1952、1964、1972、1974、1992年。

2002年物のディケムを試飲しました。この年は50%のぶどうを売ってしまったそうです。シャトーを見学し、説明を聞いた後の試飲で、なんとなく貴重なワインをうやうやしくいただいている感じでした。

高度80mの丘の上のシャトーの内外は、質素な感じですが清潔感があり、庭も含めて掃除が行き届いていました。丘の下に広がるぶどう畑を見下ろしていると、世界に冠たるディケムに来ているのだと感激でした。

一寸覚えておきたい話として、

(1) ディケムの飲み頃温度は、12~14度で、決して冷やしすぎないこと。

(2) 相性の良い料理は、フォアグラ、ソース付きの平目、ロブスター、通常のワインには合わせにくいロックフォールチーズにも合う。デザートとしては、チョコレートとアイスクリームのような甘味の強いものは避ける。Blanc-manger(洋風杏仁豆腐に卵黄と牛乳で作った甘いソースをかけたもの)やアーモンドを使ったものが最も合うとのことでした。

写真は、小高い丘の頂上にある端整なディケムのワイナリー



今年のソムリエ協会呼称資格試験に、私の講座を受けて合格した方たちの合格祝賀会を新地の串かつとワインの店「なかなか本店」を借り切って昨晩開催しました。一人最低一本ずつのワインを、畑島亮シェフ・店主(同じく合格参加者)の大変美味しい料理と一緒に楽しく盛り上がりました。皆さんそれぞれ真新しいソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパートのバッジをつけて幸せそうでした。

写真は、会の開始直後に撮ったものなので、皆さんはまだ素面です。(遅れて参加1人、特別参加3人、欠席3人)

合格の時点では、奥深いワインのほんの入り口に入り込んだだけです。これからも好奇心を持ってワインの知識を身につけていって、一層ワインを楽しめるように、また、ワインをサービスする人はワインの普及に力を入れていただきたいと思います。

〔参考〕「なかなか本店」のHP:
http://www.kushi-nakanaka.com/honten/honten_00_top.html


私事ながら、妻とは星座占いでも九星易断でも相性では必ず凶ですが、何とか結婚45周年を迎えたので、近所のお気に入りイタリアン、il Galletto nero イル・ガレット・ネロに夕食に行きました。http://gallettonero.ecoweb.jp/

アラカルトで注文したメイン料理が大変美味しかったのでここに書くことにしました。

鹿もも肉の煮込みグリル、マスカルポーネ・チーズとパンチェッタと
ホロホロ鶏もも肉のかぼちゃ詰め添え,クレモア風
でした。

このお店は、このHPでリンクして紹介していますが本当に美味しいので、駅に近いし大阪・神戸からも足を伸ばしていただきたいお店です。

帰りに、坂本シェフから、Hanakoの1月号の表紙の料理の写真は、自分の店のものだと聞かされて、Hanakoを買ってきました。2006年関西おいしい店グランプリの特集でしたが、「イル・ガレット・ネロ」の他にも、串かつ「なかなか」や「restaurant Mitsuyama」など私の講座で知り合ったシェフ達の店があるので嬉しくなりました。

写真は、レストラン一階にある花屋さんで買ったもの。



http://www.sources-caudalie.com/US.html

Smith Haut Lafitteのシャトーと同じ敷地にある「コーダリーの泉」という意味のホテルです。単なる宿泊だけでなく立派な2つのレストランとワインセラピーがあります。

部屋は、離れの建物にあり、到着時部屋に案内されて庭の方のカーテンを開けるとベランダのテーブルの上に放し飼いの孔雀のつがいが居たので驚きました。部屋で落ち着いた後、大きな池にスワンやおしどり、野鳥が遊んでいる庭を散歩しました。ぶどう畑にも続いていてそのまま広大な畑の中も散策しました。

幾つかの離れの建物や部屋の中の装飾などが自然で素朴な作りで、非常に落ち着いてくつろげました。レストランの食事は上等だし、従業員は皆大変にこやかで親切だし、天気はよく暖かいし、快適な休暇気分でした。

レストランでのワインは、Smith Haut Lafitteのワインだけかと思ったら、他の生産者のワインが多数ワインリストにあり、お客の殆どが他の生産者のものを飲んでいるので不思議な感じでした。我々も他の生産者のワインを注文しました。

2日目のホテルでの夕食時、AOC Pessac-LeognanのChâteau de Rouillac 2000を注文して飲みました。バランスよく丁度飲み頃時期の感じで楽しめました。食事を終わってレストランを出る途中で、ソムリエが他のテーブルに座っていたグループに我々を紹介しました。そのグループの一人にChâteau de Rouillacのオーナーが居ました。まさに地元のレストランです。



神戸市役所の向かい側のフラワーロードビル2階にグルメリア倶楽部が開設され、そのカルチャー教室で私がワイン講座を受け持つことになりました。
1月からソムリエ協会呼称資格試験のための受験講座を始めますが、その前に12月23日(土)14:00 ~ 16:00「ワインをより楽しく味わうため入門講座」を一日講座で行います。
ワインのことを知れば知るほどワインを美味しく楽しく味わえることを知っていただきたいと思っています。
お知り合いでワインの勉強にご興味がある方がいらっしゃいましたらご紹介下さい。
http://gourmeria-club.com/ 『詳細はこちら』から「カルチャー教室のご案内3」をご覧下さい。
写真は当日の提供ワインです。


1. Menetou-Salon, Comte Lafond
2. Alsace Gewurztraminer 2004, Hugel
3. Bourgonge Pinot Noir 2003, Bouchard Père et Fils
4. Château Loudenne Medoc Cru Bourgeois Superieur 2003



先月、日本産ぶどう100%のワインの普及・向上を期待して「日本ワインを愛する会」に入会しました。

早速掲題の会の案内が送られてきました。会場は甲府会場と、東京会場がありましたが、やはり、産出地の風土を感じながら試飲したいと思い現地に行きました。

県内21社による山梨県産ぶどう100%を原料としたワインが出展されています。主催は、山梨県ワイン酒造協同組合で、勝沼醸造で聞いたところ、ワイン販売関係で79の加盟者がいる組合です。別に、山梨県ワイン酒造組合というのがありワイン製造関係の組合で49が加盟しています。

午前中、勝沼醸造を訪問した後、午後13:30から始まっている湯村常盤ホテルの会場に行きました。勝沼から甲府まで地理不案内なので電車で行くつもりでしたが勝沼醸造の有賀常務が車で送ってくれました。

会場は大変広く、訪問者もそれほど多くないので、ゆったりしていました。帰りの時間があるので、生産者8社のブースに絞り試飲しました。

甲州種ワインを殆どの生産者が出品していましたが、フレッシュ・フルーティから樽熟ものまでかなり洗練されてきていました。土地柄甲州種ワインの品質向上が感じられます。
マスカット・ベリーAが、もっと粗い味わいと思っていましたが、結構柔らかい造りのものがあり印象に残りました。

会場で提供されていたワインは、各社が力を入れて造っているワインを選んだものと思いますので、会場で貰った資料で提供ワインの品種別本数を数えてみましたら下記の通りになりました。やはり、甲州種が断然多く88本中44本、続いてマスカット・ベリーA種が9本でした。

(1) 44本 甲州、
(2) 9本 マスカット・ベリーA、
(3) 6本 シャルドネ、
(4) 5本 カベルネ・ソーヴィニヨン、
(5) 3本 甲斐ノワール、
(6) 各2本、
  巨峰、
  ブラック・クイーン、
  メルロ、
マスカット・ベリーA+カベルネ・ソーヴィニヨン
  カベルネ・ソーヴィニヨン+メルロ+プティ・ヴェルド、
  アジロンダック、この品種については、
http://katsunuma.net/budou/serch/adiron.htm 参照
(8) 各1本、  
  甲州+シャルドネ、
  甲州+シャルドネ+セミヨン、
  甲斐ブラン、
  カベルネ・ソーヴィニヨン+メルロ、
  カベルネ・ソーヴィニヨン+メルロ+カベルネ・フラン、
  カベルネ・フラン、
  シラー+カベルネ・ソーヴィニヨン、
  マスカット・ベリーA+ブラッククイーン、
  マスカット・ベリーA+カベルネ・フラン
総計88本

帰りは、16:42甲府発、身延線で静岡まで出て、新幹線に乗り換えて、20:59新大阪着。4時間超の旅は疲れました。東京から1時間半に比べ遠いなという感じです。国産ワインの色々な会が東京で開催されるのに関西ではごく稀なのはこんなところからなのかと思います。

しかし、帰ってから資料を見ていると、甲州ぶどう発祥の説の一つになっている大善寺や、ワイン関連遺産・施設も沢山あるので、時間がかかってもまた機会をみて訪れたくなりました。



ソムリエ協会教本2006年度版475頁の日本のところを見ると歴史の項で、「明治10年に勝沼町の有志で大日本葡萄酒会社(通称、祝村葡萄酒会社)が設立され、高野正誠(まさなり)と土屋龍憲(りゅうけん)の二人がフランスに派遣されぶどう栽培とワイン醸造を勉強してきた」とあります。

二人は、日本のワイン造りの先駆者ということで勝沼では超有名人。勝沼醸造の近くにも写真のような看板がありました。町の各所にシンボルマークとしてあるそうです。

「通称、祝村葡萄酒会社」とありますが、勝沼醸造の直ぐ近くの交差点の名前が「祝1区」でした。まさに日本のワイン造りの発祥の地に来ているのだと感じました。

写真左が高野正誠、右が土屋助次郎(後に改名、龍憲)。派遣当時それぞれ25才と19才,一年半のフランス滞在。