ベイラスBeiras地方のコインブラCoinbraから北へ約30kmの所のブサコBuçaco国立公園の中に五つ星のブサコ・パレス・ホテルBussaco Palace Hotel http://www.almeidahotels.com/nm_quemsomos.php?id=12&menu1=3  があります。昔の修道院跡にポルトガル
の最後の王様マヌエル2Manuel II1907年に夏の館を建てましたが、3年後の1910年に王政が崩壊して共和国になったためこの王様はほとんど使わないで失脚しました。内部は当時をしのばせる豪華な装飾と調度品があって王侯気分で泊まりました。どの観光案内書にも紹介されていますが、このホテル元詰めのワインがあり、外部では飲めないという触れ込みです。


11時を過ぎていましたがわれわれ一行は豪華なロビーバー(12時まで開いている)で白・赤を開けて味わいました。土着のぶどうを使っていて、それほど感激するほどのものではありませんでしたが、歴史を感じさせる雰囲気のサロンで、ここでしか飲めないワインを味わっていると一種特別な優雅な気分になりました。




カベルネ・キュビン
Cabernet Cubinという珍しい品種のドイツ赤ワインを飲みました。ドイツにしては綴りがKubinでないし、フランス語式にクバンと発音するのか分かりませんでしたが、キュビンと発音するようです。ドイツワインにしては、濃いガーネット色、初めの香りはスパイスの香りが混じった豊かな果実香、しばらくすると木の香り、その内にチョコレートなどの香りが出てきました。カベルネ・ソーヴィニヨンほどのタンニンの強さは感じないアルコールも程よい強さで、バランスの良い、料理に合わせやすいワインでした。複雑性、濃縮感もありこのようなドイツの赤ワインもあるのだというのが実感でした。いろいろ調べてみました。

カベルネ・キュビンは、ヴュルテンベルグWuerttembergの在ヴァインスベルク国立ぶどう・果樹栽培学校兼研究所Staatlichen Lehr- und Versuchsanstalt für Wein- und Obstbau  Weinsberg [1868創立、ドイツ最古のぶどう栽培学校]の研究所で1999年にLemberger x Cabernet Sauvignonの交配で造りだされた品種で、晩熟、濃色、タンニンが豊富で、オーク樽熟を必要とする性質を持っています。この研究所は、KernerHeroldrebeDornferderなどの交配品種も造り出しています。Lembergerのシノニムは、Blauer LembergerまたはLimberger、オーストリーではBlaufraenkisch、ハンガリーではKékfrankos。 Weinsbergは、人口11千人、Heilbronnの東5kmにあり古代ローマ時代からの歴史ある村ですが、・・・・書きだすと切りがありません。

ワインは、ドイツワインを専門に輸入しているヘレンベルガー・ホーフ社が2006年に2004年ヴィンテージのものを初めて輸入して、現在は2005年物が売られているそうです。ファルツPfalzのベライヒ・ミッテルハールト・ドイッチェ・ヴァインシュトラーセBereich Mittelhaart / Deutsche Weinstrasse(ドイツワイン街道)のバード・デュルクハイムBad Duerkheimにあるヘレンベルク・ホーニッヒゼッケル協同組合Herrenberg-HonigsaeckelCabernet Cubin 2005 QbA Trockenです。アルコール12.5%、残糖2.2g/l、酸5.1g/l40年の古樽で1年熟成。この協同組合は、11社の生産者が加盟し200haの畑を所有し、約40種類の品種を作っています。1868年にそれまでHerrenbergHonigsaekelという単一畑をそれぞれ所有する2つの協同組合が合併して現在の名前になっています。

この組合のあるBad Duerkheimというと、昔からの温泉場と世界最大の樽があるということなどで観光では有名です。デュルクハイマー・リーゼンファスDuerkheimer Riesenfass(デュルクハイムの巨大樽)といって、170万リットルの大樽の中がレストランになっています。170万リットルは、17,000ヘクトリットル、というとザクセン州の年間ワイン生産量(2005)17,545ヘクトリットルに匹敵します。シャトー・マルゴー・ワインの年間生産量が20万本ですから、15万リットル(1,500ヘクトリットル)。ということは、その10倍以上、10年分以上の生産量になります。といっても、ワインを入れる樽ではありません。なお、1386年創立の最古の大学のある街ハイデルベルクHeidelbergで、要塞であった古城の中にある大樽(グローセス・ファスGrosses Fass)は容量が22万リットルで、ワインを入れる樽としては世界最大といわれています。


バイラーダ
Bairadaにあるルイス・パト社Luis Patoを訪問した時、砂地土壌のためフィロキセラに侵されていない畑を見ました。1.2ヘクタールの小さなものでしたが、バイラーダ地方の土着品種バーガBagaが接ぎ木なしで植えられていました。接ぎ木したものより房が小さく、開花・収穫が早いそうです。1
ヘクタール当たり8,000本の密植で、グリーンハーヴェストを厳しく行うため6本のぶどう樹でボトル1本のワインしかできません。


このぶどうからペ・フランコ
Pé Francoという銘柄のワインが造られてます。「自由の足」という意味で、接
ぎ木なしのぶどうからできていることを意味しています。2005年物を試飲しましたがまだまだとても若すぎて10年以上先が楽しみなワインでした。


ラベルの絵が横向きに貼られていました。フィロキセラに侵される前の18世紀風のデザインにして、25~30年瓶内熟成することを暗示しています。3羽の鴨は、オーナーのパト氏のPatoがポルトガル語で鴨という意味で、3人の娘さんを表しているそうです。 


ボルゲス
Borges社のガタオ・ヴィニョ・ヴェルデGatão Vinho Verde whiteとガタオ・ロゼGatão roseのラベルにそれぞれ描かれている青色とピンクの猫のラベルは結構目立ちます。Gatãoとは、gato猫から来た大きな猫という意味です。


ボルゲス社を訪問した時に、ラベルに何故猫が描けれているのか聞いてみました。


その由来は、「20世紀初頭Vinho Verdeとしては一番古い造り手の一人であって、当時はVinho Verdeの赤ワインをガタオGatãoという村でGatãoという名前で造っていました。次第に売り上げが上がってきたので、ガタオ村だけのぶどうでは足らなくなり、近隣の村のぶどうも使い始めたところ、ヴィーニョ・ヴェルデ委員会から、他の村のぶどうも使ってガタオという村名のワインを造ることにクレームがつきました。そこで、『ガタオとは大きな猫という意味で名付けているので、村の名前ではない。』と釈明して、それ以来ラベルに大きな猫が描かれるようになった。」ということです。


ニーポート社のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア
Vila Nova de Gaiaの熟成庫ロッジlodgeを訪ねました。ドウロ川を背に狭い道が上がっていて両側にロッジが建ち並んでいます。途中まで上がった右側にありました。


ロッジ内部はかなり暗く、縦型、横型のいろいろな大きさの樽が置かれています。トーニーのような熟成タイプは小さな木樽で、ルビータイプは大樽で熟成されます。
5代も家族経営で続いてくる間、ワインブレンダーも一緒に継承されてきていてしっかりしたコンセプトで造られていることが認識できます。


ここのロッジはあまり観光客の来訪を意識していないような地味な感じでした。試飲室みたいのはなくて、大変古風ですが趣のあるテーブルと椅子が並んでいる一角で試飲をしました。いずれのポートもエレガントな感じが他の生産者のものと違って際立っていました。

ニーポートNiepoort社の昨年完成したばかりのスティルワインのワイナリーを訪問しました。ドウロ川を遡りレグアReguaを過ぎて、ピニョンPinhaoの手前テードTedo川が流れ込む所の左岸にあります。ここは150年来、家族経営でぶどうを購入してポートワインを造ってきましたが、現在は自社畑を持ち、二つのワイナリーでそれぞれポートワインとスティルワインを造っています。


こちらの新しいワイナリーでは随所に近代的な装置が取り入れられていて、世界各地で勉強をしてきた
5代目の現当主が素晴らしいワインに仕上げています。Cotto社のスティルワインも素晴らしいが、両者とも自社畑を持ち、醸造から瓶詰めまでの一貫作業をしています。当然のこと、品質は飛躍的に上がり、従来のDOC ドウロの概念を変えたといわれています。DOC ドウロの将来性に注目していこうと思います。


相当な投資をしたワイナリーのほんの一部を紹介しますと、天井に丸穴の空いたところから、ぶどうを受け入れて各桶に配給する装置で、受け入れ樋は軽い力の手動で移動できます。熟成庫にはフレンチオークの新樽が並んでいるのも壮観でした。





私の受験講座を受けてソムリエを取得していた長山洋平さんが今年
512日にオーナーシェフとして立ち上げたお店です。正式名は、「ナガーン クッチーナ・イタリアーナ Naga~n cucina italiana」とありました。以前勤めていたレストランで、先輩が長山さんのことを、「ナガーン」と呼んでいたのを店名にしたそうです。

場所:大阪市中央区東心斎橋1-3-7 ENT長堀1F 地下鉄 堺筋線・長堀鶴見緑地線の長堀橋駅⑦出口から南へすぐの便利な所です。 電話/FAX06-6252-5566 

ランチ 1130~1430ラストオーダー、ディナー 18:0022:00ラストオーダー

日曜定休(翌月曜祝日の場合は日曜営業、月曜休)


特徴は、いろいろなスパイスを使うこだわりを持っていたり、ワニ肉を使った料理や、ギリシャのフレーヴァード・ワイン「レッチーナ」を置いたりしていて話題を提供することに心がけているようです。ランチにはセットメニューがありますが、ディナーはアラカルトです。

今回2人で食べたのは、プリモピアットとして「香草入りニンニクとタカの爪のスパゲッティ1,000円」「サンマと焼なすのパスタ1,300円」、セコンドピアットは「ヘルシーワニ肉のふんわりソテー・根セロリソース・ライム添え欧米風1,400円」と「朝市鮮魚おまかせ―さわらのソテー・リゾット添え1,600円」でした。ワインは、ガヴィ・デ・ガヴィ。



いずれの料理もリーゾナブルな値段なのに、香草を工夫しているのか複雑で深みのある味わいが印象的でした。サンマが大変ふっくらと料理されているのに連れは感心していました。



ワニ肉はオーストラリアから輸入されたものだそうです。ワニといえば、私が、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロに住んでいた時、
3家族でブラジルの北西にある日本の本州ほどの大きさのある湿原、パンタナルに年末年始の旅行に行ったことを思い出しました。そこでピラニアを釣って刺身にしたり、ワニの尻尾の肉を食べて楽しみました。一部をリオに持ち帰ると、ブラジル人の知人が直ぐに分けてくれと訪ねてきました。両方の肉とも強壮効果があるのだと言っていました。ナガーンのメニューにヘルシーワニ肉と書かれているのもうなずけます。
長山さんは、知人の店を手伝ったり、私の講座を紹介してくれたり大変面倒見の良い人で、まだ独身です。


ポルトPortoからドウロDouro地区まで100kmを車で移動しましたが、途中マロン山脈Serra do Marãoの山道を登って下ります。


ドウロ地区でワインが酒精強化され、ひと冬過ごした後、昔は、ラベロ船barco rabeloでポルトのヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤVila Nova de Gaiaの熟成庫ロッジLodgeまでドウロ川を下って運ばれました。結構危険なこともあったようです。


今は、川の途中にできたダムのため、船では運べないのでタンクローリーで道路輸送しています。山道も危険な所もありますが、川下りよりは安全のようです。


ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤのドウロ川岸には、観光用に何隻ものラベロ舟が係留されていました。









今年5月に9日間のポルトガルワイナリーツアーに参加して、たくさん新しい知識を仕入れることができました。まとめてトピックスに掲載する予定ですが、雑記ではそのさわりの所だけを書いてみます。



1オートヴィニフィケーション: Douroのキンタ・デ・コットQuinta de Cottoを訪問した時、本では読んでいたAutovinificationというコンクリートでできた醗酵槽を見ました。ルモンタージュを電気を使わないでできる装置です。


過去ドウロ地区の奥地で電気が通じていない所で醗酵を行うときに大いに利用されたそうです。密閉槽の中で醗酵が進み炭酸ガスが発生すると、その内部圧力でマストが円柱を通って上部のトレイに押し上げられます。別の所に内部圧によって開閉する弁があり、これがある圧力に達し開くと内部圧力が落ち、トレイに入っていたマストが再び槽中のマスト上に降りかかるように落ちることによってルモンタージュができる仕組みです。電気の代わりに醗酵で発生する炭酸ガスの圧力を利用しています。



Cotto社では近いうちにモーターを使ってルモンタージュをする新しいステンレス醗酵槽に変えるそうです。


三国ワイン主催でビルカール・サルモンの次期当主
Antoine Roland-Billecart氏を迎えて京都の五条近く鴨川のほとりにある「Funatusu
http://www.funatsuru.com/  で特別ディナーが開かれました。


三国ワインの今井社長とアントワーヌ・ローラン・ビルカール氏の挨拶と乾杯の後、Brut Reserveから始まりました。会場は、昔、料亭旅館鮒鶴だった面影を残す格子天井の和風の部屋で、鴨川の夜景が望める落ち着いた雰囲気でした。さすがに京都らしく、和服姿の女性が目につき華やかさもありました。


シャンパーニュNMのビルカール・サルモンhttp://www.champagne-billecart.fr/eng/maison/maison.htm は、メレイユ・シュル・アイMereuil-sur-Aÿ村に本拠があり、Nicolas Francois Billecart氏とElisabeth Salmon嬢が結婚して1818年に創立され両家の名前をとっています。4年前に三国ワインと販売契約を結んでいます。

ビルカール氏の挨拶で、シャンパーニュ造りでは、①フレッシュネス  ②美しい果実味  ③ぶどう品種個性の尊重 の3つのことを念頭に入れているとのことです。


いくつかの質問を直接してみました。

1.瓶内気圧:Brut ReserveBrut Roseなどは5.7気圧。ミレジメは6気圧。

2.ミレジメの瓶の形:普通のよりふっくらした形になっているのは、創始者のオマージュでFoundation bottleとして特別な形にしているそうです。

3.ビルカール・サルモンの会社ロゴ:頭文字のBSの組み合わせのデザインの様ですが、その他に写真で説明されているような意味があります。

ぶどう―なめらかさ、喜び
ボトル―厳しさ、技量

泡―繊細さ、活力


楽しんだ3種類のシャンパーニュ:

1Brut Reserve50% ピノ・ムニエ(果実実)、30% シャルドネ(美しい酸味)、20% ピノ・ノワール(骨格)。フレッシュな果実実が特徴。

2Brut Rose30% ピノ・ノワール、20% ピノ・ムニエ、50% シャルドネ。3種類で白ワインを造り、少量のピノ・ノワールの赤ワインをブレンド(セニエ法ではない)。薄めのエレガントなピンクで華やかさが特徴。

3Millesime Cuvee Nicolas Francois Billecart 199860% ピノ・ノワール、40% シャルドネ。創始者のオマージュ。リッチな感じが特徴。


全体的に、エレガントな感じが印象的で、閉会後も楽しい余韻が長く残りました。