ゴルフ直線打法 -63ページ目

背骨の動きで「魔法の動き」を生み出す

腕の動きを主力として「魔法の動き」を実行しようとしても、実際的には、背骨の動きが無くては完全実行は不可能です。

そこでまず背骨の左側の緊張で左肩を右に押すと、左肩が引き下げられて右肩が上がる動きが現れます。この動きの限界で背骨の右側の緊張を高めれば、グリップが右後方に引かれ、この動きの限界でトップの切り返しの動きが現れます。この間、両腕とグリップが正しく固められていれば、自然に「魔法の動き」が実現します。

この状態では、グリップが右後方に引かれるために、相対的に両肩が前(上)に引かれて止まる形になります。ここからのダウンでは、体の引き戻しの動きで両肩が引き出される(押し上げられる)形で両腕が前に引き出されて左へ振られます。これが「肩を引き上げ続けてダウンからインパクト」(06-10-15)の動きの実態です。

腕の「魔法の動き」の完全実行

前回、「肩を引き上げ続けてダウンからインパクト」(06-10-15)と書きましたが、この動きの本質は肩と腕の「魔法の動き」の確実な実行です。このためには、アドレスで前腕の後側(下側)を引き伸ばしてグリップを前に押し出す形に腕を固めることが基本的です。これで、腕の下側が緊張した形で肩とグリップを繋ぐ、硬い腕の仕組みが出来上がります。

この固い腕の仕組みの後側(下側)を右に引く(回す)動きで、バックからトップへの「魔法の動き」を実行します。その限界で、今度は両前腕の前側を左に引く(回す)動きでトップの切り返しを実行します。

この切り返しの体勢が出来上がった所で、今度は上腕の前側(上側)を引き伸ばしてグリップを押し出す動きを実行します。この動きに伴って、両脚腰が肩を押し上げるように踏ん張ります。この両上腕の押し伸ばしでグリップを押し出す動きが、「肩を引き上げ続けてダウンからインパクト」の実態です。

このグリップの押し出しの動きでは、両腕が伸びて一定の平面内を振り抜かれる感覚のスイングが実現します。深いトップから、一気にこのグリップの押し出しの腕の動きに入るのが要点で、この腕の動きでは上体が押し返される感じの体勢になります。体を左に回してグリップを引き下ろして引っ張る形のスイングとは全く別の動きです。

肩を引き上げ続けてダウンからインパクト

脚腰の「魔法の動き」の話で、「ダウンからインパクトの前側の踏ん張りが決定的に大切」(06-10-14)と言われても、この動きの感覚が掴めなくては役に立ちません。この動きは、トップの切り返しの動きで発生する、肩の「魔法の動き」に対応する脚腰の動きです。

右肩を軽く後ろに引いたアドレスの体勢から(アドレスで右肩が前に出ると動きが上手くできません)、右腕の「魔法の動き」を実行してみます。右腕を自然に下げた状態から、右上腕後側を外向きに引き続けると、最後に肩が引き上げられて腕が前に引き出されます。更に動きを続けると、グリップが体の前に引き出されます。この肩の「魔法の動き」が、腕の前部の緊張を引き出します。

次に膝と足に体重を掛け、両膝を僅かに引き込んで脚腰を固めます。この状態から腕の「魔法の動き」を実行し、トップの切り返しの肩の「魔法の動き」でグリップが体の前に引き出されるまで動きを続けてみます。すると、この肩の「魔法の動き」に対応して、脚腰が肩を引き上げて固定するように踏ん張ります。左腕で同じように「魔法の動き」を実行すると、この場合も脚腰が左肩を引き上げるように踏ん張ります。

背骨の動きを許すと、これらの動きは、右肩を後ろに引き上げ、左肩を右に引き上げる形の動きになります。この動きに伴う、両大腿前部が緊張して両膝が引き伸ばされ形の動きで、両肩は引き上げ続けられます。この動きは、上体を右回りに押し続ける感じの動きになり、両上腕が前に引き出されて腕が伸び、グリップが右足外側方向に引き出されて直ちに左へ引かれます。

細かな動きを考えると、全体的な動きが捉え難くなりますから、とにかくトップの切り返しの動きで両肩を引き上げ、その動きを続けるように両脚腰の踏ん張りを続けてクラブを振り抜けばよいのです。

ダウンで一旦肩を引き下ろしてクラブを振ろうとすると、この強力な両脚腰の踏ん張りのパワーは利用できなくなります。深いトップの両肩を更に引き上げるように、両脚腰を踏ん張ることが要点です。

脚腰の「魔法の動き」を固める

前回、手と腕の繋がりの確認のために、腕を前に伸ばした時の上側、下側で話を進めましたが、脚の動きとの対応では、これは前側、後側になります。この場合、脚腰を固めて置いて「魔法の動き」で固めた腕を動かすと、固めた腕の後側(下側)の動きに、脚の後側の動きが対応することが確認できます。

この事から、腕を固めた「魔法の動き」は、背骨を通じて脚腰の「魔法の動き」を生むことが分かります。したがって、肩と腕の「魔法の動き」を実行しながら、脚腰の動きを観察すると、バックとダウンの脚腰の正しい動きが確認できます。これまで、あれこれ考えて作ってきた脚腰の動きが、これで簡単に確認できます。ゆっくりした動きで試してみて下さい。

ところでここで気になることがあります。腕の「魔法の動き」では、前側の動きが見えないのです。実は、この前側の動きはインパクトの直線的なクラブの振り抜きで現れます。「魔法の動き」の間は足の踵側に力点がありますが、インパクトでは足裏の拇指球(親指内側の足の膨らみ)側に力が入って踏ん張ります。これにより、両腕が前に引き出されて左へ引かれます。

左手の親指を右手で握り、アドレスの体勢から腕の「魔法の動き」で軽く右にバックし、両手が右足外側に来た位置で体を止め、ここから、腕の後ろ側を右に引く「魔法の動き」をゆっくり実行してみれば、インパクトの「引き金」動作が、足の拇指球への力点の移動と、これによる両脚前面の緊張と両膝の引き締め(ロック)を生み、両腕の急激な左への引きを生むのが見られます。

大きなスイングの動きでは、トップの切り返しの「魔法の動き」でこの動きが現れて急激な引き下ろしが実現し、更にその極限で再び「魔法の動き」による「引き金」動作でインパクトが実現することが分かります。トップの切り返しで、脚と腕の後ろから前への力点の転換を確認することが要点です。

スイングのパワーの源泉が、地面を押す脚の動きにあることを考えれば、その適切な動きを引き出す脚腰の「魔法の動き」の重要性は明瞭です。特にダウンからインパクトの前側の踏ん張りが、決定的に大切な動きであることが分かります。肩と腕の「魔法の動き」の検討から始まった「直線打法」の追求は、この脚腰の「魔法の動き」の確認に伴う、後ろから前への力点の転換の認識で、一応の終点に到達したと言えます。

「魔法の動き」の定義を固める

バックのスタートからインパクトまで一貫して保つ「魔法の動き」は、これまで右腕を内側に回し、左腕を外側に回す動きで腕を固める動作と説明して来ました。この動きの構成要素が、体の動きを議論する機能解剖学の分野で上腕の内旋、外旋、前腕の回内、回外と呼ばれることに対応させたものです。ところが、この表現は不十分で、腕の動きの働きを十分に説明しません。

右腕を前に伸ばすと、親指が上、小指が下になります。この体勢から後ろ三本指を固く握ってグリップを固めます。この体勢から小指側を外向きに引くと、前腕下側が引き伸ばされてリストが固まり、右腕全体も固まります。これが右腕の「魔法の動き」です。左腕の場合も同様に後ろ三本指の握りを強めてグリップを固め、この体勢から小指側を内側に引くと、前腕下側が引き伸ばされてリストが固まり、左腕全体が固まります、これが左腕の「魔法の動き」です。

これに対して、右腕の親指側を内側に回すと、リストが折れて腕は固まりません。左腕の親指側を外側に回す場合も同様です。右腕を内側、左腕を外側に回すと言うだけでは、この動きと受け取られる危険があります。後ろ三本の指でクラブを握るという説明があっても、この危険は避けられません。

アドレスの体勢で左手の親指を右手の平で横から握ってグリップの形を作り、この「魔法の動き」をゆっくり実行すると、グリップが右足先方向に引かれます。そこで、この動きで右に引かれた腰を、頭の位置を保ったまま、元の体勢に引き戻すように両脚腰を踏ん張ってみて下さい。「魔法の動き」が現れ、次いでグリップが左脇前まで直線的に引かれます。これが「魔法の動き」のインパクトの引き金動作です。

ここまでの動きの感覚が捉えられれば、バックのスタートでグリップを固め、左腕の下側を内側に、右腕の下側を外側に引く「魔法の動き」を確実に実行し、背骨の左側、次いで右側の緊張でバックからトップに上げ、更に「魔法の動き」を強めて「深いトップ」に入れ、脚腰の引き戻しで右足外側に一気にダウン、「魔法の動き」でインパクトを実行、という形で、方向性の確保される強力なスイングが完成します。

「魔法の動き」で固めた腕を背骨の動きで振る

前回と前々回の話は、肩の動きに注目したものでしたが、スイングのパワーは、何と言っても両脚が地面を押す力によるもので、これの完全利用には背骨の動きを使うしかありません。したがって、背骨の左サイドの緊張と、これに次ぐ右サイドの緊張でクラブを引き上げ、背骨の正面引き戻しでダウンを実行するのが基本の動きとなります(参照:「背骨の両サイドを固めてダウン」(06-09-30))。

この強力な動きを実用化するには、この体の動きをクラブに適切に繋ぐ、肩と腕(グリップを含む)の固い仕組みが必要です。このために、バックのスタート時に、右前腕回内(内側回し)と左前腕回外(外側回し)を実行します。これが腕の「魔法の動き」で、これによって肩からグリップまでが固い仕組みに変わります。この肩と腕の体勢があると、バックのどの位置からも、そのまま背骨を正面に引き戻す動きで、しっかりボールを打つことができます。

そこで、フル・スイングの際には、まず背骨の左側を緊張させる動きで、この固まった両腕をバックし、更に背骨の右側の緊張でトップまで上げます。ここから更に右肩を後ろ、左肩を右に引く肩の動きで「深いトップ」に入れます。この動きで両腕の「魔法の動き」は強まり、そのまま背骨を正面向きに引き戻すだけで、強力なインパクトが実現します。

「魔法の動き」によって固まった両腕を背骨の動きでバックすれば、「深いトップ」への動きが更に「魔法の動き」を強め、ボールを目がけてクラブを振る体勢を確保するわけです。このバックの動きの安定感が、ベン・ホーガンの言う「面」の意識を与えるものと考えられます。しかし、これだけでは「魔法の動き」の役割は明瞭ではありません。

ダウンの動きでの「魔法の動き」の役割は、インパクト圏の直線的な腕の引きの動きの引き金であると思われます。右上腕内旋、左上腕外旋の動きが、この働きを生みます。これについては更に詳しい検討を加えた上で次回に書きます。

バック:まず左肩の動きを決める

前回、「右足で右肩を後ろ、左足で左肩を右に押すインパクト」(06-10-10)が良いと書きましたが、この動きは、左への体の動きに対して、肩の位置を固定してダウンを実現します。これにより、体の動きのエネルギーが、肩の回転という無駄な動きに浪費されることなく、クラブの引き下ろしに完全利用されることになります。

トップの切り返しでは、「右足で右肩を後ろ、左足で左肩を右に押す感覚でクラブが振れる」体勢に入れると書きましたが、この時の動きの感覚は、クラブをまっすぐ振ればボールに当たる「面」に乗る、というイメージになります。ベン・ホーガンが「モダン・ゴルフ」で、バックの最後でクラブが「一定の溝(スロット)」打つ、と表現した感覚と思われます。

ところでホーガンは、バックの始めからこの溝に乗るような「面」に沿って振れば、トップの終わりで確実に溝の終点を打つことを知り、これで一流のゴルファーになれると考え始めたと言います。しかしその要点は明確にされていません。

実は、「右足で右肩を後ろ、左足で左肩を右に押す」ダウンは、バックの始めから「右肩を後ろ、左肩を右」に押す動きに入れて置けば、脚腰の踏ん張りで上体を止めながら、この肩の動きを強めるだけで実現します。

奇妙な感じがするかも知れませんが、この「右肩を後ろ、左肩を右」に押す動きは、肩周りの筋群が左右の肩甲骨を右は後ろ、左は右に向けて引くことで現れます。これを右腕の内側回し、左腕の外側回しに結びつけると、「魔法の動き」になります。

バックの始めから「右肩を後ろ、左肩を右」に押す動きに入れるには、この左上腕の外旋(外側回し)が絶対に必要です。左肩を右に押す動きを試しながら、左上腕外旋の効果を確認してみて下さい。左肩がしっかり固まります。ただ左肩を右に押そうとすると、左上腕内旋(内側回し)が現れます。これでは左肩が緩んでしまいます。

同様に、右肩を後ろに押す動きでは、右上腕内旋が必要です。外向きに回ると肩が緩んでしまいます。こうしてバックの始めから「右肩を後ろ、左肩を右」に押す動き(肩と腕の「魔法の動き」)に入れると、どの時点でも両肩が締まり、脚腰の踏ん張りで上体を止めれば「魔法の動き」によるダウンが実現することが分かります。重くて固いクラブはこれでなくては振れません。

右足で右肩を後ろ、左足で左肩を右に押すインパクト

ダウンの動きの狙いはインパクトです。インパクトの動きのパワーは、脚が地面を押す動きが生みます。この脚の働きを誤ると、シャンクが出たり引っかけが出たりすることになります。

脚の動きの地面への働き掛けは、足の働きで決まります。そこで、足の動きの効果を意識的に捉えることが重要になります。これには、地面を押す足の動きを、一定の目的意識と繋げて捉えることが効果的です。

一見奇妙な感じですが、右足の働きで右肩を後ろに押し、左足の働きで左肩を右に押す意識でインパクトを実行すると、方向性が確保されながら力強いインパクトが実現します。

このことを確認するには、アプロ-チ・ウェッヂを握り、左腕を弱めて右腕の動きでクラブを小さく振り、右足で右肩を後ろに押す意識でインパクトを実行してみます。右膝が緩むとこの動きができず、シャンク風の不安定なインパクトになります。

次に右腕を弱めて左腕でクラブを小さく振り、左足で左肩を右に押してインパクトを実行してみます。しっかり肩を押せば、確かなインパクトが実現する筈です。左膝が緩むとこの動きはできず、インパクトで引っかけ風の動きが現れます。

右足で右肩を後ろに押すと同時に、左足が左肩を右に押せば、両肩を乗せた上体が右に回るような動きになる筈です。これは体を左へ回して打つという、一般的なスイングのイメージとは正反対です。しかし、とにかく何回か実際に試してみて下さい。結果を見れば効果が納得できます。

左足の動きで上体が右に押されることはすぐ分かります。その分だけ腰は左へ引かれますが、右足が右肩を後ろに押して止めるため、腰の左回転は止められます。こうして「体の正面」を保ったインパクトが実現するわけです。

この動きをドライバーなどの大きなスイングで実現するには、上体の動きでバックを実行し、トップの切り返しで、この両足の働きでダウンができる体勢に入れればよいのです。小さなスイングでも、実際はこのような動きになっています。右足で右肩を後ろ、左足で左肩を右に押す感覚でクラブが振れる体勢に入れるのを、トップの切り返しの目的と考えればよいのです。

ダウンの肩の動きが腕を固める

前回、右前腕回内の動きで「深いトップ」に入れれば、腕の固まったダウンを実現できることを書きましたが、これでは小さなショットの場合が問題として残ります。実はこれまで重視して来た、一貫して「魔法の動き」を保つことを実行すれば、必然的に腕は固まるのです。

「魔法の動き」を確認するには、アドレスの体勢で両手を軽く握って自然に下げ、ここから右腕を内側、左腕を外側に回してみます。この動きで、右肩甲骨が背骨の方に引かれ、左肩甲骨は左外側に引き出されます。この動きで右肩が後ろ、左肩が前に引かれ、肩が右に回ります。この時の肩(肩甲骨)の動きを体感して下さい。

次に同じ動きを、直接肩を含む上体の動きで作ってみて下さい。軽く後ろ三本指を握りしめて置いて、この動きを実行すると、「魔法の動き」の形の腕の動きが自然により強く現れます。この事から、両肩を右に回すように上体の動きを作れば、両腕は一貫して固まった状態を保つことが分かります。

ところが、この肩の動きは脚腰の動きに繋がります。このことはアドレスの体勢から両肩を右に回す動きを作ってみれば分かります。ダウンの動きに入る時に、意識的にこの動きを作れば、脚腰の踏ん張りがどのように起こるのか、あるいは更に両脚腰の踏ん張りはどのようにすべきかを確認できます。

トップの切り返しの動きを、この両肩の動きで実行する限り、ダウンの開始時にはバックで引き出された左腰が元の位置に引き戻されるだけで、上体が左へ回る動き、すなわち腰が左へ回る動きには絶対に入りません。むしろ上体は右向きに引き戻される形で、「体の正面」が保たれます。

「固めた腕」を体で引く

これまで繰り返し「腕を体で引く」動きについて話して来ました。これらの動きでは、腕の固まりを保つことが大切です。重いクラブを体の大きな力で引くには、肩、肘、手の関節をしっかり固める必要があります。これらの関節に緩みがあると、体の生み出す大きな力をヘッドの動きに確実に繋ぐことができません。

このブログの中で初めて腕を引く動きを確かめた時は、腕の捻れの方向を確認するために、手の平を開いて固定したまま、腕を引く動きを検討しました(体で腕を振らない:体では腕を引く(06-08-09))。しかし、これでは肘をグリップに繋ぐ前腕の動きは確定しません。手の握りを含めて、肩と腕の固い仕組みを確保しなくては、強力なダウンの動きの構造は固まらないのです。

インパクトで両腕が伸びるという話もありましたが、それはこの強力に固めた肩から腕の体勢を保ってのことです。肘を緩めて腕を伸ばせば、リストも緩んでしまいます。これでは重くて固いシャフトのクラブは振れません。ダウンの動きの検討では、グリップから肘までの前腕をしっかり固めて動きを作る必要があります。

これを確保する決定的に重要な動きは、トップの切り返しで、右前腕を回内する「魔法の動き」を実行して「深いトップ」に確実に入れることです。これによって肩と胸に緊張が発生し、グリップをしっかり両足に繋ぐ体勢が出来上がります。ここまで来れば、両脚の踏ん張りで両足が地面を右に押す体勢に入ることを意識するだけで、強力なダウンの振り抜きが実現します。