こんにちは、リブラです。今回は、ウエイン・ダイアー著「老子が教える実践道(タオ)の哲学」の解説です。
第61章「低きに徹する強さ」
「大国を例えるなら、低地、すべての流れの向かうところ。大国を例えるなら、世の女人、天の下の万物を受け容れる器。女人の穏やかさが、男を負かす。穏やかに身を低くして、女は男に勝つ。
大国が小国の前に身を低くすれば、友愛と信頼を勝ち得るだろう。小国が大国の前に身を低くすれば、大国を味方につけることができる。かたや、身を屈めて勝ち、かたや、低きに徹して勝つ」
ー老子が教えるタオの哲学ー
謙遜や沈黙が力、身を屈めて姿を隠すことが強さ、そう言われて、あなたは理解できますか?武道では、最強の達人は、自ら力を振るいません。相手の攻撃を巧みに利用して、最小の力で最大の効果を引き出すのです。
目立たないところで静かに過ごしていると、やがて、あなたの立つ低地に人々の心が流れ込み、友愛と信頼の湖ができあがります。
そうした女性的な「陰」のエネルギーの場、宇宙の母の領域に踏みとどまる限り、あなたはエネルギーと力を放射し、他者を味方にできます。頑なに変わるまいとする者の心も変えていきます。
今日のタオ
危機に直面したら、低地にいてあなたを上手に味方につけてしまった人を思い出し、その人のイメージに向かって「そばにいてください」と静かに言ってみましょう。すると、その人が直接指示を出しているように、難問は解決し、悪癖は消え、エゴからは解放されます。あなたは女性的な本質を取り戻し、道の自然を見つけることができるでしょう。とダイアー博士は言っています。
わたしたちのいるところは、有史以来、ずっと男性性(合理性・機能性)優位社会です。合理性や機能性を何より重視する社会では、強いこと・速いこと・有能なことに価値を認め、その競争で抜きん出るものが勝者になります。
精神的に・肉体的に強い人、素早い行動ができる人、有能さに自信がある人は、男性性(合理性・機能性)優位社会の競争が楽しめるプレイヤーです。
では、精神的に・肉体的に弱い人、素早い行動ができないマイペースな人、未だ自分の有能さが見つからない人はずっと敗者でこの人生ゲームを楽しめないプレイヤーなのでしょうか?
そんなことはありませんよね?最初に配られた持ち札(生まれ持った性質)で勝利が決まってしまうならば、強くなろうと・速くなろう・有能になろうと頑張る人がいるのが珍しい社会になるでしょう。
不利と思われる持ち札(生まれ持った性質)があったとしても、その持ち札をいかに使うかということと、未来のチャンスをどう活かすことで勝者になり得ることもできるからみんな頑張ろうとするわけです。
ただし、その「頑張る」やり方に人生ゲームのトラップがあります。
男性性(合理性・機能性)優位社会では、強いこと・速いこと・有能なことに価値を認めそこを目指すように教育しますが、その競争に向かない人のための戦略は教えてくれません。
それどころか、男性性(合理性・機能性)を尊重するために女性性(受容性・協調性)を否定することも、ときには必要と刷り込まれます。
すると、精神的に・肉体的に弱い人、素早い行動ができないマイペースな人、未だ自分の有能さが見つからない人、受容性・協調性に長けた人は、自己否定から人生ゲームを始めることになってしまうのです。
なんて意地悪で不平等な社会!と嘆きたくなるかもしれませんが、この世界を創った創造主は無条件の愛の源です。最初に配られた持ち札(生まれ持った性質)で勝利が決まる二元性の極みの世を観て楽しむ存在ではありません。
この世の創造物を見渡せば一目瞭然です。自然界は女性性(受容性・協調性)優位で動いています。花は蜜を蜂に与え、蜂は受粉で結実に貢献し、その実を食べる鳥が種を別の場所に運びます。動けない生き物には動ける生き物がやって来て持ちつ持たれつの関係を営んでいるのが自然界です。男性性(合理性・機能性)だけでは生き残っていけません。
ちょっと創造主(人生ゲームの設計者側)の視点で眺めてみましょう。
光と闇、陽と陰、プラスとマイナス、男性と女性・・・など、二極に分かれたものをセットで創ったのはなぜなのか?
生物の始まりは海の植物性のプランクトンだと言われています。単細胞が分裂してただ同じもの作り増殖するだけだったようです。そこに雌雄が分かれたプランクトンが生まれ、遺伝子の組み換えができるので生物多様性に発展していったのでした。
極に分かれて戦わせたり競わせたりするのではなく、相補的な関係を持たせて新たな展開を生むために二極性を創造したのです。相補的な関係は、どちらか一方に合わせるのではなく、それぞれのありのままの持ち味を活かして、互いにないものを補い合う関係です。
地図の読める男が方向音痴の女をバカにするのではなく、コミュニケーションが得意な女が話を聞けない男にウンザリするのではなく、それぞれの得意を尊重し、苦手なところは助けてもらう、そういう相補的な関係のために極性があるはずです。
そして、そんな相補的な関係を築いていくには、自分自身が何が得意で何が苦手なのかを知っておくと便利です。
ホロスコープの天体で火星座(おひつじ座・しし座・いて座)が多ければ、行動力があり、じっとしているのが苦手です。
地星座(おうし座・おとめ座・やぎ座)が多ければ、現実的に考え、事実に則して物事に取り組むことが得意で、無計画や曖昧さに不安を感じます。
風星座(ふたご座・てんびん座・みずがめ座)が多ければ、コミュニケーションで情報交換するのが得意で、コミュニケーションが取れず情報がないと不安になります。
水星座(かに座・さそり座・うお座)が多ければ、場やグループの空気が読めてムードメーカーになることができますが、感情に飲まれたり、振り回される場合もあります。
持って生まれた資質・性質の弱点や欠点をあげつらうのではなく、その反対側の性質を持つがゆえの代償と捉えれば、創造主が意図した二極の相補的な関係が、自身の内側の世界にも存在することに気づくはずです。
人生のブループリントであるホロスコープには、太陽(ハイアーセルフ)と対になる月(インナーチャイルド)、金星(女性性)と対になる火星(男性性)、土星(現実性・物質性)と対になる海王星(夢・イメージ・霊性)があります。
太陽(ハイアーセルフ)に照らされて月(インナーチャイルド)は闇夜で輝くことができます。火星(男性性)の与える力と金星(女性性)の受けとる力が組みになると豊かさの発展につながります。海王星(夢・イメージ・霊性)があるから、土星(現実性・物質性)が具現化に働くのです。
陰の性質と陽の性質が相補的な関係で互いに欠落している部分を補い守るとき、完全な形となりほんとうの強さが生まれるのです。
次回も「老子が教えるタオの哲学」の解説を予定しています。
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