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今月31日からN●K朝ドラ『花子とアン』の放送がスタートします。
「アン」とは1908年初版の不朽の名作少女小説「グリーンゲイブルズのアン」のヒロイン、「花子」はその原作を初めて日本語に翻訳した(1952年)村岡花子さんです。
花子を演じるのは吉高由里子さん。↓ご本人はこちら。

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『赤毛のアン・シリーズ』(全巻は読んでいませんが・・・汗!)は、小学生中学年時代のバイブルでした。低学年時はバーネットに耽り、高学年でブロンテ姉妹に突入と英国系文学に耽溺し、中学生から将門記に始まり源平物他の戦記に走った極端な少女でした(あ・・・英国系なら「トーマス・エドワード・ロレンス」にどっぷり♪)。
いえ、確かに少女だったと言えるのは小学生までだったと、今改めて思う次第です。

そんな少女期の想い出にピッタリ合った映画が、1985~2000年にかけてCBC(カナダ放送協会)のドラマ『赤毛のアン』シリーズ作品(ケヴィン・サリヴァン製作)です。
この度の朝ドラ放送開始にあたり、想い出の映画を紹介致します。


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1994/8/6以降観  於・小倉昭和館1

Anne of Green Gables  ─ 緑の切妻屋根のアン

1985年  カナダ映画  196分
監督・脚本・製作/ケヴィン・サリヴァン(『アンの青春(1987)』
原作/ルーシー・モード・モンゴメリー
脚本/ジョー・ワイゼンフェルド
製作/イアン・マクドガル
撮影/ルネ・オオハシ
美術/キャロル・スピアー
音楽/ハーグッド・ハーディ
衣装/マーサ・マン
【キャスト】
アン・シャーリー/ミーガン・フォローズ
マリラ・カスバート(グリーンゲイブルズの女主人)/コリーン・デューハースト
マシュー・カスバート(マリラの兄)/リチャード・ファーンズワース
レイチェル・リンド(カスバート家の隣人)/パトリシア・ハミルトン
トーマス・リンド(レイチェルの夫)/デイヴィッド・ヒューズ
ダイアナ・バーリー(アンの親友)/シュイラー・グラント
バーリー夫人(ダイアナの母)/ロースマリー・ラドクリフ
ジョン・バーリー(ダイアナの父)/ロバート・コリンズ
ギルバート・ブライス(アンとダイアナの学友。常にアンと成績を争う)
ジョナサン・クロンビー
ステイシー先生(アン達の恩師)/マリリン・ライトストーン
アラン牧師/セドリック・スミス
アラン夫人/クリスティアーヌ・クルーガー
ジョセフィン夫人(ダイアナの大おば)/チャーミオン・キング
エヴァンズ夫人(有名な舞台女優)/ジャッキー・バローズ
カナダ・ノバスコシアで生まれたアンは生後3ヵ月で孤児となった、赤毛である事が最大のコンプレックスの少女。幾つかの家を転々とし子守奉公をさせられていたが、12歳の時に孤児院に。そこからプリンス・エドワード島のアヴォンリーに引き取られる。その家、グリーンゲイブルズのカスバート家は老いた未婚の兄妹の家庭で、農場を手伝わせる為の男の子を希望していた。手違いだったが、結局アンはカスバート家で暮す事に。入学初日から赤毛を「にんじん」とからかった少年ギルバートをブっ叩いたり、赤毛を黒く染めようとしておかしな緑色になったり、親友となった黒髪の美少女ダイアナに誤ってワインを飲ませたり、次から次へと騒動を起こすアンを老兄妹は次第に娘として深く愛するようになる。天敵となったギルバートやダイアナ他の少女達と、友情や諍いを経験しながら青春を迎えたアンは、クイーン学院に入学し1年後トップの成績を讃えられ奨学金で大学進学の特権を得るも、マシューの他界という悲しい出来事を経て、マリラを支える為にアヴォンリーで教師をする決意を。アンとマリラが離れずに済むよう、そのポストを譲ったのは、共に首席の成績で教職をとったギルバートだった。喧嘩相手だった少年は、いつの間にか逞しい青年となりアンを愛していたのだった・・・。

少女小説の王道である名作、少女の頃に読まれた方々も多い事と思います。
そんな一人であった風森も、時代も国も違うのにどうしてこれほど共感する部分が多いんだろう!とハマったのでした。

容姿にコンプレックスを持っている、気になる男の子とは喧嘩で始まり、失敗を繰り返すのに憎まれないお得なキャラクターといったツボを全て押さえ、等身大の少女が時代を超え読者のハートをがっちり掴んでいます。
フィクションであり読者対象が若い(というよりも幼い)少女なだけに、ラリホ~な展開と完全性善説に立ったストーリー構成ではありますが、老若男女全てが心癒される物語と言っても過言ではありません。

アンが名前のスペルに拘るのも(「Ann」でなく「Anne」)、少女には分かるんですよ。綺麗な漢字の名前が良かったとか、カッコいい名前を付けて欲しかったとか・・・(たとえ名前負けであろうとも!爆!)。

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そして何よりも魅力的なのは、学業は優秀なのにドジ子ちゃんなのがポイント♪
宿敵ギルバートに「美人な子より頭の良い子の方が魅力的」と褒められても、「美人って言われる方が絶対いいっ!」と真剣に落ち込むのが女の子なんですね。

心に残る名台詞も数々有りますが風森一押しは、「明日は常に新しい日、まだ失敗の無い日」です。この言葉を心の支えに何十年も失敗を繰り返すおばはんに成ってしまいました(爆爆っ!)。

小説の実写化ではイメージの問題が有りますが、このシリーズでアンを演じたカナダの女優ミーガン・フォローズが大変キュート(むしろ原作よりも可愛い過ぎ)で、そこがシリーズのヒットと人気に繋がったと思います。
またヴィクトリア朝の名残りを感じる衣装、小物の数々(スポードの食器等♪)、家屋と内装、本物のプリンス・エドワード島でのロケによる美しい風景も目を楽しませてくれます。家屋に名前が付いているって可愛いですね♪カスバート家の「グリーンゲイブルズ」とか、『アン・シリーズ』ではありませんが、他のサリヴァン作品に登場するアボンリーの家には「ローズ・コテージ」というのも有りました。素敵な名前♪
この映画公開の後、実際にカナダまで出かけたのは世界中で日本人(それも女子!)が一番多いと思います。おそらく♪

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年をとって改めて観賞し直すとどっぷりハマった少女の心境よりも、彼女を育てる側のマリラやマシューの気持ちに沿ってしまいました。マシューの死後、生前のマシュー自身も残されたマリラも「あの時、間違えて家に来てくれて良かった」とアンに言うシーンは涙なくしては観られません。大好きで何度も観る映画って、もう泣くシーンが決まってしまっているんですよね(笑)。マシューとアンの関係もツボだった風森は、マシューが駅までアンを迎えに来るシーンからウルルとしてしまいます。そして、アンの為にパフスリーブのドレスを買いに行くマシューにも。やがて進学の為に旅立つアンを見送りながら、「いつまでも子供のままでいてくれたらいいのに」と涙するマリラの心情も痛いほど分かる年に成りました(笑)。

マリラを演じたコリーン・デューハーストさん(1926~1991)はカナダの女優で、
サリヴァン作品以外では知りませんが、マシューのリチャード・ファーンズワースさん(1920~2000)はお馴染のハリウッド・スター。ポール・ニューマンやロバート・レッドフォードとの共演作で観ていました。1999年のデヴィッド・リンチ監督作『ストレート・ストーリー』でオスカー受賞した後、病気を苦にショットガンで自殺していしまったというニュースはショックでした。二人に合掌。(-人-)

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かつて『赤毛のアン』を読んで育った世界中の少女が、大人に成った今でも自分の中に居るアンを感じる事が出来る、そんな原作の雰囲気をそのまま作り上げた映画です。
ちなみに『赤毛のアン』を全く知らずに育った我が家のかつての少年も、この映画を観て号泣しております♪(≧∇≦)ノノノ☆☆☆・・・ので、男性諸氏にもお薦めです♪

シリーズは、成長し互いを恋の相手と見る様になったアンとギルバートの物語へと続いていきます。