五線譜のコードと転調

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先日のスカパー音楽祭でモーニング娘。'18が『五線譜のたすき』を披露した際、ピアノを弾いてらっしゃった素敵なおじ様(本間照光さんという方で、番組の音楽総監督を務めている)が、
 
 
「4小節に1回転調している難しい曲(を歌いこなしていて凄い)」
 
 
的なことをおっしゃっていましたよね。
 
 
 
 
4小節に1回転調している。
 
 
 
音楽的知識に乏しいわたくしにはあまりピンときませんが、とにかくやたら転調しているのは聴いててわかります。
 
 
アコースティックギターで耳コピを試みたところ、なるほどDで始まったものがAメロの段階でFになる。
 
 
 
イントロとAメロのコード進行もちょっとおもしろくて、前の小節の終わりのコードを次の始まりの頭に持ってくるのを連続させてるんですね。
 
 
何を言ってるのか自分でもわかりませんが、例えばAメロ。
 
 
海の底でも
D→A→Bm
 
山の上でも
Bm→A→G
 
都会でも
G→A→Bm
 
だれかの故郷
Bm→E→A
 
 
といった具合です。
 
 
歌詞で言えば、懐かしのシャッフルユニット「エレジーズ」が歌った『印象派 ルノアールのように』のサビみたいな感じ。
 
 
しりとりじゃないですが、前の文字の終わりの2文字を次の歌詞の頭にしてるようなやつ。
 
 
五線譜のコード進行も、似たような趣向が凝らされていて「おもろいやん」と思いました。
 
 
 
そして転調の話に戻しますが、↑の次のパートからもう転調します。
 
 
まみえなくても
F→C→Dm
 
作れたらいい
Dm→C→B♭
 
この先の
B♭→C→Dm
 
だれかの笑顔
B♭→C→F
 
 
 
さすがに最後の「だれかの笑顔」の部分だけはしりとりコード進行ではないですが、さっきはDで始まっていたメロディーが、今度はFになってます。
 
 
これはつまり、1音半上がってるということになりますね。
 
 
大体転調というと半音か1音くらいが多いんですが、半音でも1音でもなく、1音半(1.5音)も上がってる。
ギターで言うと、3フレット分です。
 
 
 
そのままBメロへ。
 
 
わたしたちの行く末は
Gm7→A7
 
ことばや数字に表せない
Dm→G
 
地球のまわる音
F→A7
 
合図に使命
Dm→G (←ここのGだけ自信ない)
 
果たしに向かおうよ
B♭→C
 
 
 
からのサビでまた転調(元に戻る)し、Dで始まります。
 
 
どれほど夢にうなされたらば
D→G→A→F#7
 
みんながきれいな朝陽見られるの
Bm→E→Asus4→A
 
この大自然のメロディ途切れぬように歌うよ
F→B♭→C→A7
 
毎夜毎夜毎夜
Dm→C→G
 
やさしい時代の子守唄
B♭→C→D(イントロの音に戻る)
 
 
 
ご覧のように、Aメロと同じくサビでも途中でDからFに1音半上がってます。
 
 
そしてサビ終わりにまたDに戻る。
 
 
この流れがスムーズで、1音半も上がったり下がったりしてるわりには違和感がない。
あるいは1音半だからこそ、なのでしょうか。
その辺の詳しいことはよくわかりません。
 
 
 
 
で、実はこの曲、間奏明けにさらに半音上がってるんですよね。
 
 
フクちゃんの「ど~れ~ほ~ど~♪」というパートの直前に転調してます。
 
 
つまり大サビでは、DではなくD♭になっている。
 
 
もちろん、その途中でさらに1音半上がってF♭になります。
 
 
つまり、最終的には2音上がってるということになりますね。
ギターで言うと4フレット分です。
 
 
 
カラオケで言ったほうがわかりやすいか。(ここで気付いた)
 
 
カラオケで言うと、最終的には4回分キーを上げたことになります。
 
 
 
これを『雨の降らない星では愛せないだろう?』で例えると、Aメロの途中でピピピと3回分キーを上げてBメロの終わりまで歌い、サビに突入すると同時にピピピと3回分キーを下げて戻し、そのサビの途中でまたピピピと3回分キーを上げ、サビが終わると同時にまたピピピと3回分キーを下げて元に戻すという感じ。
そしてさらに間奏明けにピと1回分キーを上げて大サビに突入し、その大サビの途中でもピピピと3回分キーを上げるのです。
五線譜の大サビは2回繰り返されるので、それを2回やるわけですね。まるでジェットコースターのように、キーが1音半分上がったり下がったりしまくる構成になっておるわけです。
 
 
って書くとすごい複雑っぽいですが、そこまで複雑なわけではありません。
ただ、音の上がり下がりは激しい。
 
 
まさに転調祭りな曲と言えましょう。
 
 
 
 
ミスチルの『終わりなき旅』のように、進むにつれてどんどんキーが上がっていく曲もありますが、あれともまた少し違って、曲の途中で上がり下がりを繰り返すというのがおもしろい。
(終わりなき旅も、AメロBメロからサビに入るときに転調していて、そこからさらに大サビに向かって転調を繰り返すという構成ではありますが)
 
 
ちょっと技巧に走り過ぎてるきらいもなくはないですが、まぁ違和感はないからたぶん問題ない。
 
 
 
 
 
 
だからどうしたということでもありませんが、五線譜はいっぱい転調してるよ~という話。
 
 
 
ちなみに、さっき例に出した『雨の降らない~』のサビのコード進行は五線譜と少し似てます。
 
 
D→G→A→F#7→Bm→E→Asus4→A
 
 
なんて、まんま同じですよ。
(パクリだ!などと言うつもりはありませんw わりと王道な流れです。もしかして雨降らオマージュ?というのは考え過ぎか)
 
 
雨降らの場合は、そこから転調せずにDがBmになるんですけどね。
 
 
 
DとかGとか言われても、楽器をやらない人には「わからんわ」という感じかと思いますが、これでしか説明できなくて申し訳ない。
 
 
なにしろいまだに楽譜も読めない人間なので。
 
 
楽譜が読めなくても、ギターは弾けます。
ピアノは……どうなんでしょう。わかりません。
 
 
 
 
まぁとにかく、五線譜のコード進行と転調祭りについてのお話でした~。