・検察が政治判断ができると閣議決定 ~この安易な決定は後の日本に想像もできない害悪をもたらす~
「国際関係も考慮できる」尖閣事件の船長釈放に政府が答弁書:産経
政府は19日、沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件に関し、容疑者を起訴するかどうかの刑事処分を検察官が判断するに当たっては「国際関係への影響などについても、犯罪後の状況として考慮できる」との答弁書を閣議決定した。自民党の高市早苗衆院議員の質問主意書に答えた。
この事件で那覇地検は船長を処分保留で釈放する際に「今後の日中関係を考慮」したと説明。高市氏は質問主意書で「検察官に外交にかかわる政治的判断を行う権限や責任があるのか」とただした。
ほとんどマスコミでは話題になっていないようですが、何やら知らない間にとんでもない閣議決定が行われています。先の尖閣事件で船長を逃がした事を地検の仕業だと責任を押しつけようとした管政権でしたが、地検が勝手に政治判断で容疑者の無条件釈放などをしても良いのかという指摘に対し、菅内閣は自らの誤った行動を正当化するために、それが出来ると閣議決定してしまったのです。
閣議決定とはその場限りのものではありません。政権が変わっても基本的には踏襲される継続性のあるものです。この閣議決定のせいで、今後検察がどんなことができるようになるかと言うと、先の小沢氏の事件で言えば、日中関係が悪くなるといけないので小沢氏は起訴せず釈放とか、日本で殺人を犯した中国人でも、それが中国の要人の息子だったりした場合、日中関係を考慮して釈放とか、そんなことができるようになるのです。もはや無茶苦茶です。三権分立もあったものではないばかりか、近代的な民主主義国家の姿を失っています。
そんな決定民主主義の根底を覆すような決定を、自分たちの失敗を正当化するために平気な顔をして行うのですからこれ程恐ろしい事はありません。あまりにも酷すぎると言わざるを得ないでしょう。
この安易な閣議決定が後の日本にどれだけの悪害をもたらすかは想像ができません。
参考書籍:
民主党 無策政権の400日
株式会社ムックハウス
・中国の反日暴動を報道して日本の反中デモを黙殺したマスコミ ~未だ続く既存メディアの偏向報道~
今朝のテレビニュースや情報番組のトップは、週末に起きた中国の反日デモの話題で持ちきりでした。各番組ではキャスターや解説者が深刻そうな顔で、「難しい事態になってきた。日中関係は今回の修復の為に一体日本はどうすればいいのか」と話しますが、どれもピントはずれなコメントばかりで、的確な指摘をする番組は皆無でした。大体にしておかしいのが、このデモの責任が日本にあるかのような前提で話がされていることです。
少し脱線しますが、あれはデモではなく「暴動」と言います。2005年にも中国で同じような光景が見られましたが、その時から私はマスコミの使う「反日デモ」という言葉は使わず、このブログでは一貫して「反日暴動」と呼称してきましたが、今回もそうします。”デモ”などという優しい言葉で片付けられるものではなく、国際的にも非難されるべき暴力を伴った歴とした”暴動”です。
そしてこの反日暴動は、ある程度中国政府が主導しているのも間違いありません。今回の暴動の暴徒達は、インターネットの呼びかけで集められているそうですが、インターネットやテレビ、新聞などあらゆるメディアで情報統制を行っている中国政府は、ダメだと思えば簡単にこんな情報はシャットアウトし、呼びかけ人は政治犯としてすぐに投獄されるはずです。しかし、それをせず黙認している。もしかすると呼びかけ自体を中国政府が主導している可能性も十二分にあります。どちらにしてもこの暴動は中国政府の意志で行われていると考えて間違いありません。つまり、2005年以降、民衆による反日暴動を禁止してきた中国政府が方針転換したということがそこからわかるわけですが、それは何を意味するのか。対日政策の転換か。中国の内部事情か。単なる国民のガス抜きの為なのか。 そしてその考えの裏には何があるのか。その先には何があるのか。そこを報道してこそ存在意義のあるメディアとなりますが、そこまでを解説したメディアは残念ながら皆無でした。
そしてもう一つ。ネットから情報を得ている人は多くが知っているはずですが、10/16には日本でも5000人規模の反中デモが行われました。(これは中国の反日暴動とは対照的に、一切の暴力も混乱もなく、中国大使館のポストへ抗議の書簡を投函して終えるという、極めて紳士的に行われた日本人らしいデモでした)このような政治問題で日本人が外国の大使館へ抗議を数千人規模で行うというのは極めて異例です。それにもかかわらず、これをちゃんと報道したマスコミはほとんどありませんでした。わずかにネット記事としていくつかの新聞社が申し訳程度に載せただけであり、中国の反日暴動と並べて報道するようなマスコミは皆無でした。今まで大人しかった日本人国民が、あまりにも横暴な中国と、あまりにも弱腰な日本政府に対してとうとう声を上げ始めたという極めて重要なニュースですが、それはマスコミによって黙殺されたのです。その一方では、中国の反日暴動を、中国国民は怒っているというような見え方で大々的に報道するのですから、これを偏向報道と言わずしてなんと言うのでしょうか。
今回の件で、この国のマスコミの実態をあらためて思い知らされたと同時に、今尚日本が偏ったマスコミに支配され、亡国へ突き進もうとしているということを痛感させられました。
このメディアの統制のしくみと実態が、西村幸祐氏の新刊『メディア症候群~なぜ日本人は騙されているのか?~』 に詳しく書かれています。これ一冊で近年におけるメディアの情報統制システムの一端が解析されていますが、その冒頭に書かれた文章が今の日本を鋭く現していましたので紹介します。お勧めできる本ですので、興味を持たれた方は続きを読んでみて下さい。
外国の手先と堕すメディアとその報道に翻弄される日本の姿を、すなわち、私達が「現実」を直視できないその症状を、私は「メディア症候群」と呼ぶ。
権力を監視するはずのメディアが権力となり、米国と特定アジアの手先となって、国民を日本国外の権力の恣に操る。事実、構造改革意向の自民党政権時代、そして民主党政権が誕生してからも、子供手当やその他の政策でどれだけの国富が米国や特定アジアに流れることになったのか誰か計算してみたらどうだろう。しかも、国益だけではなく、国家国民の資産である領土、資源、さらに日本人の人権までもが次と外国に簒奪されていく過程に入っているのである・・・・
参考書籍:
メディア症候群
西村幸祐
・政府がビデオ公開に消極的なのはなぜか ~ビデオには政府を転覆させるほどの映像が映っている?~
ビデオ扱い、仙谷氏に一任=漁船衝突事件:時事
仙谷由人官房長官は15日夕、柳田稔法相と前原誠司外相、馬淵澄夫国土交通相らと首相官邸で会談し、衆院予算委員会が尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像の提出要求を議決したことを受けて協議した。その結果、仙谷長官に対応を一任することを確認した。
これに関し、政府高官は「政府としては、提出するかどうかの判断だ」と述べ、提出しないことも含め慎重に検討する考えを示した。
尖閣ビデオの公開要求が衆院の予算委で決議されましたが、政府内ではまだ隠蔽の方向で検討がされているようです。公開するかしないかの判断権地検にあると思っていたのですが、最終権限は政府にあるのでしょうか。今回のようなケースは過去に前例がないので正直なところよくわかりませんが、捜査権や起訴権限を持っているのは地検であるのに、ビデオ公開の権限が政府にあるというのはおかしい気がします。仮に政府にあったとしても、首相でもない仙谷官房長官に判断を一任という対応も全く理解できません。政府内でも反日政策の急先鋒である仙谷氏に一任ということは、公開しないという判断とほぼ同意です。
しかし、もともと今回の尖閣問題でも強硬な姿勢を見せていた前原氏までもが非公開の方針に同意しているのはなぜでしょうか。ここで一つの疑念が生まれてきます。それはビデオの内容が、もし公開すれば政府が転覆してしまうほどに酷い内容である可能性があるということです。
噂の範囲を出ませんが、ビデオには、中国人船長や船員が甲板上で挑発や攻撃行為を行っている姿が映っているとか、意図的に巡視船に衝突した際に、海保職員が海に転落している姿が映っているなどという話もあります。もしそのような誰の目から見ても明らかな酷い犯罪行為が映っていたとしたら、それでも中国に土下座しながらその犯罪人を無罪放免した政府へ対して、いくら温厚な日本国民も黙ってはいないでしょう。世論は一気に沸騰し、それは現政権などあっという間に転覆するほどの温度に達するでしょう。
これまでは、政府がビデオ公開に消極的なのは、”中国へ配慮して”という政府の外交的弱腰対応が原因であるという意見が主でした。しかし、政府は中国への配慮よりも、自分の政権維持のためにビデオ公開に消極的であるという可能性もあります。
どちらにしても、我々日本国民には真実を知る権利があります。ビデオの一部始終が広く公開されることを強く望みます。
参考書籍:
国境の島が危ない! (家族で読めるfamily book series)山本 皓一
・我々の血税が中国へ垂れ流されている事実を国民はどう見るか ~中国の方しか向かない菅政権~
「日本が中国に毎年、12億ドル(約1080億円)の援助を送る」
こんな見出しをみて、びっくりした。米国の外交政策雑誌「フォーリン・ポリシー」ネット版の報道だった。日本がなお中国への政府開発援助(ODA)の最大額を送っているというのだ。日本の対中援助は大幅に削減されたのではなかったのか。
この情報の出所はAP通信が9月26日に北京発で配信した「中国は台頭を重ねるが、なお外国から援助を得る」という見出しの長文の記事だった。文中には「いまも日本からの援助は年間12億ドルに達し、ドイツ、フランス、イギリスが後に続く」と明記されていた。
記事全体は世界第2の経済大国の中国が2兆5千億ドルの世界最大の外貨保有、年間1千億ドルの軍事支出を果たしながら、諸外国から年間25億ドルもの援助を得ていることに各国の納税者や議員たちが「なぜ?」と問うようになった、という骨子である。その奇怪な援助の筆頭が日本だというのは、日本と中国との尖閣諸島での衝突事件をみると、ますます奇怪だという筆致なのだ。
このAP電は数字の根拠を経済協力開発機構(OECD)発表としていたが、わが外務省発行の「ODA白書」にも2008年の対中援助総額は確かに12億ドルと記されていた。ただし、そのうち9億1千万ドル分の有償援助は09年度には打ち切られた。この点を無視したAP電には欠陥ありともいえるが、日本政府が09年度の対中援助額を公表していないのだから一概に誤報ともいえまい。
しかし08年に約3億ドル(270億円)に達した中国への無償援助と技術協力はなお続く。外務省では09年には前年のこの金額から減ったことは確実だという。だが、最近の中国への援助はODAとか援助という用語を使わず、「日中省エネ環境基金」「日中21世紀交流」「新日中友好21世紀委員会」などという公的機関のプロジェクトの形で「基金」や「協力」という呼称で出されるようになってきた。外部からでは実態がつかみにくいのだ。
さらに日本の対中援助は2国間は減っても、アジア開発銀行経由ではむしろ拡大している。アジアの貧しい国の経済開発が目的のこの国際機関では日本は最大の出資国であり、昨年末までに100億ドル以上を提供してきた。
その一方、アジア開銀は中国への支援を重点政策とし総額230億ドルを供与してきた。この供与は有償だが普通の融資より条件のよい「公的援助」である。平たくいえば、日本の納税者の支出がアジア開銀を通じて中国への支援となっているのだ。
とくに問題なのは、中国への巨額の資金が鉄道、高速道路、空港など大型インフラ建設に投入されることである。この種のインフラ建設こそまさに日本政府が軍事的寄与への懸念から援助を停止した対象なのだ。
アジア開銀では日本の出資額の巨大さから日本の財務官僚が年来、主導権を握り、現在の総裁も黒田東彦元財務官である。黒田氏は、最近の「中国は覇権主義国ではない」という発言でも明白なように、自他ともに認める中国好きだとされる。だが、その中国偏重援助は日本の国民や国会の審議を経てはいない。
日本はもう中国への援助は一切、やめるべきである。中国自身が多数の諸国に援助を与えている一事をみても、結論は明白だろう。
いったいどれくらいの日本国民が、この不況の中で苦しい思いをして集められた自分達の血税が中国へ垂れ流されていることを知っているのでしょうか。記事にある通り、ODAは名目上は大幅減額されたものの、名前を変えて巨額の援助が続けられているばかりか、日本が最大の出資国となっているアジア開発銀行経由では未だに中国へ対して巨額融資が続けられています。このアジア開発銀行からの融資というのはODAより問題が多く、一番の問題は空港や道路など、インフラ整備に使用することができることです。これらのインフラは軍事用途として使われていたとしてもその判別をしたり、その違反を指摘して資金を引き上げる等ということが非常に難しく、事実上野放しです。
不況で収入が減る中で納税している国民からすれば、恐らくこの事実を知れば多くは憤慨することでしょう。尖閣問題で中国の本性が多くの人に知れわたった今であれば尚更です。
しかし日本政府は日本国民の立場に立とうとはせず、明らかな証拠が映っているはずの衝突ビデオを隠蔽しようとするなど、逆に中国の機嫌を損なわないことを第一に考えるばかりで日本の側に立った対応策は何一つ立てようとしません。いったいどこの国民のために存在している政府なのかと疑わしくさえ感じます。
以前も書きましたが、ODAや、それに準じる直接的な援助は当然ですが、アジア開発銀行経由の援助のような、目に触れにくい援助も含めて停止検討を開始したりそれを表明することは、中国へ対してこちらから切ることができる有効な外交カードを準備したり、我々日本国民へ対してへの説明にもなります。
現状のまま、日本人の方を向かずに中国の方を向いたままの対応を続けているようでは、例え証拠ビデオを隠蔽したとしても、国民の不信感は増大することはあれ、減少することはないでしょう。そしてそれは管政権の直接的な崩壊要因と成長するのにそれほど時間はかからないでしょう。
参考書籍:
終わらない対中援助
古森 義久 青木 直人
中国に喰い潰される日本 チャイナリスクの現場から
青木 直人
・中国民主活動家がノーベル平和賞を受賞 ~世界が外圧に屈せず中国へNOを突きつけ始めた~
ノーベル平和賞に劉暁波氏 投獄中の中国民主活動家:産経
ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、中国共産党の一党独裁体制の廃止などを求めた「08憲章」の起草者で、中国で服役中の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏(54)に2010年のノーベル平和賞を授与すると発表した。中国の民主活動家の受賞は初めてで、中国政府が激しく反発するのは必至だ。劉氏は吉林省出身で、北京師範大や米ハワイ大などで中国現代文学などを講義。1989年の天安門事件の際には、米国から帰国して天安門広場でハンストを実施し、逮捕された。
天安門事件後、民主化運動の指導者や知識人の多くが海外に脱出する中、91年の出獄後も国内で民主化を求める論文を書き続けた。2008年、共産党の一党独裁体制の廃止や民主選挙の実施とともに、言論、宗教、集会、結社の自由などを求めた「08憲章」を、中国の学者ら303人の署名を添えてインターネット上に発表。劉氏はその直前に拘束された。10年2月、国家政権転覆扇動罪で懲役11年、政治的権利剥奪2年の判決が確定。現在、遼寧省錦州市の刑務所で服役している。
ノルウェーのノーベル賞委員会によると、中国の外務省高官が今年6月、「(劉氏に平和賞を)授与すれば、ノルウェーと中国の関係は悪化するだろう」と同委に圧力をかけていた。
劉氏のノーベル平和賞受賞を契機に、国際社会から中国の民主・人権状況に対して非難の声が高まる可能性がある。1989年にチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞した際、中国政府は激しく反発した。2000年には、フランスに亡命した作家、高行健氏が華人として初めてノーベル文学賞を受賞している。
今回のノーベル賞の判断は評価されるべきだと思います。中国が国内で行っている思想統制、言論弾圧や人権弾圧に対して、現在世界は見て見ぬふりを続けています。世界の多くの国は、膨大な中国の市場に自国の経済の一部を頼るようになってきており、中国の機嫌を損ねて経済的な制裁を受け、自国に不利益が及ぶのを恐れてきたからです。これは人権弾圧の問題に関わらず、膨れあがる軍事力を背景にした領土拡張の動きや周辺諸国への政治的外圧に対しても同様です。
いつまでもこのままの状態では、やがて中国は周辺諸国の領土や権益を軍事力で強奪して支配下に置き、そこには第二、第三のチベットやウイグルが産まれるでしょう。やがて世界は中国という大きな悪に飲み込まれていきます。
しかし、そのような世界の風潮は変えなければいけません。そのような動きが、最近少しずつ出てきました。先の尖閣諸島事件は、日本のみならず、世界に中国の傲慢外交とチャイナリスクという現実をまざまざと見せつけました。さらに、今回は権威あるノーベル平和賞を反中国体制の中国人活動家に与えることで、世界は中国の体制を批判している上、中国の外圧などには屈しないという強い姿勢を示したと言えるでしょう。
少しずつですが、横暴極まる中国へ対してもの申す姿勢が世界のあちこちに現れてきています。今回のノーベル平和賞は、その最たる例と言えるでしょう。これをきっかけにこの動きが日本と世界中に広まることを望みます。このまま行けば、第二、第三のチベット、ウイグルになるのは日本です。
参考書籍:
中国を追われたウイグル人―亡命者が語る政治弾圧 (文春新書)
水谷 尚子
また中国か!―90分でわかる「中国の悪行」大全 (晋遊舎ブラック新書 12)
東亜細亜問題研究会
・小沢氏強制起訴で民主党は分裂・弱体化へ ~小沢氏強制起訴は政界再編を加速させる~
民主党の小沢一郎元代表が政治資金規正法違反容疑で強制的に起訴されることになった4日、先の代表選で小沢元代表に投票した県内の党関係者は「今後の裁判の行方を見守りたい」とする一方、離党勧告や議員辞職勧告の動きを心配する声も漏らした。
検察審査会が公表した「起訴議決」について、筒井信隆衆院議員(新潟6区)は「五分五分だと思っていたが、やはり出したか」。今後について「野党は政局にしようと思って議員辞職勧告などと騒ぐだろうし、国民の批判も高まるだろう」とみるが、「形式犯だし、私だったら離党も辞職もしない。小沢さんは法廷闘争をするのだろうから、それを見守るしかない」と述べた。
田中直紀参院議員(新潟選挙区)は「状況を確認しているところなのでコメントは控えたい」と話した。
「起訴議決が出る可能性は高いと思っていた」という石塚健県議は「これで小沢さんへの離党勧告などの動きが出るかもしれないが、党にとって小沢さんの存在は大きい。そういう動きはやめてほしい」とした。
【小沢氏「強制起訴」】離党勧告の民主・牧野国対委員長代理が辞表;産経
民主党の牧野聖修国会対策委員長代理は5日、鉢呂吉雄国対委員長に辞表を提出した。同日の常任幹事会で辞任が正式決定する。牧野氏は4日、東京第5検察審査会の議決によって小沢一郎元幹事長の強制起訴が決まったことを受けて「即刻、判断し、自らが身を退かれるべきだと思う」などと発言し、党内から批判の声が上がっていた。
検察審議会による小沢氏が強制起訴決定から1日が経ちましたが、民主党内では議員辞職勧告どころか、離党勧告さえする気配はなく、それを口にした議員が即刻クビになるという驚くべき事態となっています。牧野氏は実質クビになったのか、本当に自分から辞めたのかよくわからないところはありますが、民主党内には今回もまた”自浄作用”というものは全く働いていないようです。
民主党に”自浄”という概念自体が存在していない事はもはやわかりきったことではありますが、それよりも注目されるのはの今後の民主党の行方です。
民主党内では、牧野氏の例のように既に内ゲバが始まっているようですが、離党勧告も何もされないということであれば、反小沢グループからは当然反感が高まるでしょう。反対に離党勧告などがされれば、党内で多数が存在する小沢グループが反発するでしょう。どちらにしても、党内分裂が加速するのは間違いありません。もともと共通の理念も何もない烏合の衆ですから、対立が深まれば分裂という結論になるのは時間が掛からないかも知れません。
また、もし離党勧告などがあれば、プライドの高い小沢氏のことですから民主党から離脱する可能性は非常に高いでしょう。この場合も側近や小沢グループの一部を引き連れて行くでしょうから、この場合も民主党は分裂となります。
私はこの小沢氏強制起訴により、政界再編の流れは加速すると予想します。ただ、それには前述のように、自浄能力のない民主党に対して、追求の激しい目が野党や国民から向けられることがカギになるでしょう。小沢氏を守っても離しても、民主党は分裂、または弱体化へと向かうはずです。
参考書籍:
民主党政権崩壊へ―日本の混迷、没落を許す国民に未来はあるのか?(OAK MOOK 338 撃論ムック) (単行本)
西村幸祐
マスコミは、もはや政治を語れない 徹底検証:「民主党政権」で勃興する「ネット論壇」 (現代プレミアブック)
佐々木 俊尚
尖閣問題特集 第2回 ~今後日本はどんな行動・政策を取るべきか~
前回は日本が失ったものを書きましたが、今回は、大きな失敗をおかした日本ですが、今後どんな行動・政策をとるべきなのかを考えてみます。
尖閣諸島防衛体制の再考
今回の件で、中国が尖閣諸島への関与を本気で始めたことが明らかになりました。これを受けて、尖閣諸島の防衛体制を再考する必要が当然ながら出てきました。漁業監視船という名目で武装艦まで出してきた中国に対して、日本は絶対に尖閣諸島を防衛するつもりであるという明確で強い意志を見せつける必要があります。具体的には以下のような手段が考えられるでしょう。
海上保安庁の巡視艇の配置強化
通常時の警備体制はやはり海保に頼ることになりますが、この地域担当の海保基地に配備されている巡視船のグレードをより重武装のものに転換したり、配備数を増やすなどして、例え漁船でも一隻たりとも近づけない、またいざというときに武力的に対処可能な体制を整える必要があります。
尖閣諸島の国営化
尖閣諸島は、現在私有地という扱いになっています。これを国有化することで海保や自衛隊の施設、灯台などの施設建設が可能となると同時に中国へ対しても日本の領有権を確固たるものとする意志を見せつけることになります。
補給施設や港湾施設の設営
尖閣諸島は小さな島ですから、大きな施設を作ることはできませんが、小型の巡視船が停泊や補給をしたり、職員が常駐する施設を建設するべきでしょう。日本の島です。何も躊躇する必要はありません。
自衛隊の配置
これができれば、防衛的にも中国へ対するアピール的にもかなりポイントは高いのですが、尖閣諸島の地表免責からすると、部隊が常駐するのには無理があるような気もします。しかしながら、先日民主党の松原議員などが政府にこれを提唱しました。現実的かどうかは別にして、こういう議論が起こるのは大変結構なことです。
チャイナリスクをふまえた中国依存体質からの脱却
中国はレアアースの輸出停止の他、全ての日本への輸出品へ対するX線検査実施等を義務づけ、輸出を意図的に滞らせたり、日本への観光を数万人規模で大量に直前にキャンセルさせるなどの措置をとり、日本の経済界はおおいに狼狽えました。これには、政府関係者だけではなく、多くの日本人が”チャイナリスク”というものを痛感したのではないでしょうか。今後は官民一体となって中国依存体質からの脱却を図る必要が出てきました。それによってチャイナリスクから開放されるばかりか、中国へ対する制裁にもなります。
輸出入や生産拠点の移転と代替技術の開発
日本は輸出入の多くや生産拠点を中国に頼っているのは事実です。まずは官民一体となって、この依存体質から脱却する必要があります。まずは、中国に9割以上を頼っているレアアースなどは代替技術の開発を進めると同時に、他の輸入国を確保すること。レアアースは、中国が一番価格が安いというだけで、インド、ベトナム、ブラジル、オーストラリアなど多くの地で算出されています。
また多くの企業が中国へ生産工場を出していますが、今回のように突然従業員を人質に取られたり、平時でも頻繁に賃上げストライキが起きて生産が停止するなど、中国での生産は経営的に大きなリスクとなってきました。賃金も高騰してきたようですから、この機会に工場を東南アジアなどへ移し、リスク分散を図るべきです。これは官民共通の利益となるはずです。
中国制裁カードの準備
・現状では、日本が中国に様々な点で依存しているのは確かですが、中国も日本に金銭的な面で依存しているのも確かです。公式にはODAは停止されましたが、実際はアジア開発銀行経由で、ODA以上の援助が行われているのです。その金額は総額で2兆円とも呼ばれています。日本の領土を奪い取ろうとしている国家に対して、これだけの援助をする必要がどこにあるでしょうか。これらを停止するだけで、中国には相当のダメージが出るはずです。制裁カードを持っているのは中国だけではありません。
遺棄化学兵器事業からの撤退
今回人質に取られたフジタの社員は、日本が善意で行っている遺棄化学兵器事業を行っている社員でした。この事業の問題性には過去の記事で何度も触れていますのでご存じの方も多いと思いますが、中国軍が遺棄した化学兵器(このうち一部は中国軍が旧日本軍から摂取したもの)を日本が大金を使って善意で処理をするというものです。これは使途不明な施設建設も多く、中国の利益になっていると指摘され大変問題の多い事業です。
1999年に国際的に合意してしまった事業ではありますが、善意で化学兵器を処理しようとして中国へやってきた日本人を人質に取るとは非常識にも程があります。
日本は、中国側の謝罪と再発防止策が図られるまでこの事業を停止すると宣言し、撤退すべきです。元々問題の多かった事業ですから丁度良い引き際となります。
国民へ領土問題を浸透させる
今回の件は、戦後政治最大の失策となりそうですが、唯一の収穫は、中国の脅威と共に、尖閣問題を多くの国民が危険な問題として認識したということです。領土を守るのは国民自身です。国民に領土問題に感心がなければ守れるものも守れません。これを機会に、政府は国民に対して日本の抱える領土問題について広く広報し、認知させるべきです。尖閣だけではありません。もちろん竹島、北方領土を含めてです。今回の件で、他国に配慮して弱腰でいることがどんな結果を生むかはわかったはずです。
10点挙げました。まだまだあると思いますが、大きくはこんなところでしょうか。日本が尖閣諸島を防衛し、この先チャイナリスクから脱却を図りながら中国と対等な外交を行い、日本が生き残るのに必要な項目ばかりです。
しかし、現在の民主党政権では残念ながらこのうち1つすら実現する気がしません。
参考書籍:
終わらない対中援助
古森 義久 青木 直人
中国に喰い潰される日本 チャイナリスクの現場から
青木 直人
・尖閣問題特集 第1回 ~今回の対応で日本は何を失い、どんな影響を受けたのか~
尖閣諸島の違法漁船船長釈放問題において、前回の記事で「戦後日本における最大の失策となり得る」と書きました。ではいったい具体的にこの失策で日本は何を失い、どんな影響を今後受けるのか。そして、この失策を少しでも挽回するため、もしくはこの失策に学び、当面どんな対応を行うべきなのか。これを2回に分けて書いてみます。
まずは、今回の対応で日本が何を失い、どんな影響を受けたのかです。
・主権の放棄
→ 領土とは国会を構成する最も基本的な主権の一つです。自国の領土を蹂躙しようとする相手国の恫喝に屈して無条件降伏した今回の措置は、日本は領土を本気で守る気がないというメッセージを中国をはじめ全世界へ発信したに等しく、尖閣諸島だけではなく竹島や北方領土問題にも直結します。
・日本は脅せば屈するという姿勢を中国に見せた
→ レアアースの輸出停止、日本人人質4人の拘束、閣僚級交流の停止、団体旅行のキャンセル、温家宝主席による恫喝などというカードを次々に切ったとたん、日本は途端にひれ伏したのです。中国が味を占めたのは間違いありません。さらに中国は一つめの要求が通れば、必ず二つ目の要求をしてきます。その次は三つめです。既に船長が解放されると、謝罪と賠償を求めた上に、武装艦を派遣してきました。一つめの要求が手に入ったのです。中国は尖閣諸島が手に入るまで辞めないでしょう。さらに、尖閣問題だけではなく、今後ことある毎に中国は日本を同じ手で統括してくるでしょう。
・日本は脅せば屈するという醜態を世界に見せた
→ 今回の件は、良識ある国家が見ればどう見ても日本に分があります。それにもかかわらず、恫喝に屈して無条件開放という外交手段をとったことを世界は見ました。つまり、日本という国はそういう国であると世界が認識したということになります。今後近い将来、中国以外の国が日本と外交するときにこういう日本の外交態度を参考にして接してくる可能性があります。
・アメリカの好意を無駄に
→ 南シナ海や東シナ海での中国の強引な海洋進出を煙たく思っていたアメリカは、今回日本へ最初から協力的でした。アメリカの政府筋からは次々と日本を支持する声が聞こえ、クリントン国務長官から正式に尖閣は安保対象であるという言質まで引き出しました。この言質だけで日本は中国に対抗できたはずですが、日本は勝手に中国に土下座し、せっかくのアメリカの好意も無駄にしました。ここで使わずしていったい何のための日米安保でしょうか。
・尖閣諸島で国内法を適用するチャンスを無駄に
→ 今回の件で中国が恐れたいたことの一つに、「尖閣諸島で日本の国内法が適用される」ということがありました。つまり、船長が起訴されれば、日本の国内法が適用されたことになり、それはすなわち尖閣諸島が日本の完全なる施政下にあることを世界に証明することになるからです。尖閣諸島の領有をさらに確固たるものにできたのです。しかし、日本はそのチャンスを完全に無駄にしました。
・近代的法治国家の放棄
→ 法律違反を犯し、本来は起訴されるべき人物を、外交的判断という理由で釈放したということは、日本が近代的法治国家ではないことを内外に証明したと同意となります。今回の件を明治時代の大津事件と重ねる人もいますが、まさにその通りだと思います。この事件では、来日中のロシア皇太子を暗殺しようとした日本人を、ロシアの国家的報復を恐れ、法律で定められた刑を超える刑、つまり死刑にしてロシアの気を静めようと政府が画策するものの、結果的に当時の法律を遵守して、死刑にはしなかったのですが、これが世界から、日本は政治都合で法を曲げることなく遵守したと賞賛されました。しかし、今回は全く逆のことをやっており、明治の時代からも法理国家としては後退していると言えます。
細かく挙げればキリがありませんが、どれもが簡単に取り戻せるようなものではありません。あまりにもダメージの大きなものばかりです。民主党政権による誤った方針でこれだけのものを一気に失いました。そしてそれは一過性のものではなく、被害は拡大を続けています。あらためて言いますが、この失策は後の歴史に残るでしょう。
長くなりますので、次の記事で「今後日本がとるべき対応」を書きたいと思います。
参考書籍:
尖閣諸島灯台物語
殿岡 昭郎
図解 島国ニッポンの領土問題
中澤 孝之 日暮 高則 下条 正男
世界の領土・境界戦争と国際裁判【第2版】
金子 利喜男
・違法漁船船長を無条件釈放 中国の恫喝に完全に屈した民主党政権 ~歴史に残る戦後最悪の失策~
尖閣衝突事件】中国人船長を釈放へ 那覇地検「日中関係考慮」:産経
沖縄・尖閣諸島付近の日本領海で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、那覇地検は24日、中国漁船の●(=擔のつくり)其雄船長(41)を処分保留で釈放すると発表した。
那覇地検は処分保留とした理由について「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と述べた。
船長は公務執行妨害の容疑を否認しているという。地検は船長の行為について「とっさにとった行為で、計画性は認められない」としながら「故意に衝突させたことは明白」と述べた。釈放時期は未定としているが、近く釈放され、中国に送還される見通し。
船長は、7日午前10時55分ごろ、巡視船「みずき」が立ち入り検査のため停船を命じながら追跡した際、船のかじを左に大きく切ってみずきの右舷に衝突させるなどし、海上保安官の職務執行を妨害した疑いで逮捕されていた。
石垣海上保安部は8日未明に船長を逮捕。石垣簡裁は29日までの拘置延長を認めていた。
仙谷官房長官は記者会見で、今回の釈放があくまで那覇地検の独自の判断であり、政府としては、それを了とするだけだと強調しました。
「那覇地検の判断を了とする。私の立場からは、それ以上のことを言うべきでない」(仙谷由人 官房長官)
菅総理は、これまで「冷静に対応する」と述べてきており、日本政府としては法にのっとって粛々と対応するしかないという姿勢でした。しかし、日に日に強硬姿勢を強める中国側への対応に苦慮していたことは事実です。
今回の釈放について、政府内の各担当部署では「事前に連絡を受けていなかった」と驚きを持って受け止めており、政治的配慮があったとすれば、今後の前例になりかねないと懸念する声が挙がっています。
また政府内では、今回の決定が官邸と検察が相談して出した結論であり、発表の直前に法務省からの省庁間連絡として回ったと述べる関係者もいて、仙谷官房長官の説明と食い違いを見せています。
野党側は今回の処分について、一様に批判しています。
「極めて愚かな判断。誰が見ても中国のさまざまな圧力に対して、政府が屈したというのは明らか」(自民党・安倍晋三 元首相)
「国内法に基づいて粛々ということになると、今度の処理は腑に落ちない」(自民党・谷垣禎一 総裁)
今回の釈放について、民主党内では「よかった」と評価する声がある一方、「それはそれで腰砕けだ。これから国内問題になってしまう」と懸念する声も漏れています。
あってはならないことが起きました。絶対に譲ってはならない国家主権の根本となる問題で、中国の恫喝に屈して無条件釈放という考え得る限り最悪の選択を日本はしたのです。
検察が判断したことであり、政府は知らないと仙谷官房長官が言っているらしいですが、私はそんなことはあり得ないと考えています。記事中にもあるとおり、ほぼ間違いなく政府、それも仙谷官房長官が地検に指示を出したのでしょう。だいたい、地検が法律を無視して「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」などという判断をしていいわけがないのです。地検がいつから国の安全保障や外交権を握って良いことになったのでしょうか?
今回は中国の恫喝に屈したこと、譲ってはならない日本の主権に関わる問題で譲歩をしたこと、司法の問題に政治的判断を持ち込んだこと。どれをとっても最悪の結果を日本にもたらします。民主党政権始まって以来最大の失策どころか、戦後日本においても最大級の失策となるでしょう。今回の失策は村山談話や河野談話を軽く超える可能性すらあります。
今回の結果を受け、中国は間違いなく尖閣諸島や日本海ガス田問題について、我が物顔で自分達の好きなように行動するでしょう。今回の件で日本側の弱腰を見て取った中国は、今後漁船どころか、政府管轄の調査船や軍艦を頻繁に尖閣諸島へ派遣してくるのは間違いないです。さらに近い将来、尖閣諸島への上陸を試みる可能性が極めて高いと私は思っています。
中国側は、今回の日本の判断を、「日本は尖閣諸島の主権を捨てた」「ちょっと脅せば領土さえ捨てる」というメッセージと受け止めたでしょう。そしてそれは中国だけではなく、韓国や北朝鮮やロシアといった周辺の脅威国のみならず、世界中に対してこのメッセージを送ったことにもなります。今回の措置で日本が今後被ることになるであろう損失は計り知れません。まさに戦後最大の失策となり得ます。おそらくこの事件とこの日本の判断は後世の歴史に残ることになるでしょう。
この問題についてはまた後日深く切り込んで書きます。
参考書籍:
尖閣諸島灯台物語
殿岡 昭郎
中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配
宮崎 正弘
日本は中国の属国になる
平松 茂雄
・中国が軍拡しても自衛隊の配備は絶対に許さない ~破綻している「あちら側」の思想を読み解く~
陸自2万人配備 文民統制の根幹問われる2010年9月22日:琉球新報
防衛省は、陸上自衛隊の定員を現在の15万5千人から1万3千人も増やし、宮古島以西への部隊配備を視野に入れ、南西諸島を含めて2万人に増やすことを検討している。現在の沖縄本島の2千人規模の駐留を約10倍にする計画だ。
なぜこの時期なのか。尖閣諸島の領有権をめぐって高まる中国との関係悪化を背景とする防衛力強化を狙いたいようだが、外交による日中間の懸案改善を二の次にして部隊規模拡大が先走る乱暴な議論だ。
沖縄周辺に新たな緊張を生み出すことは不可避であり、外交による平和構築を放棄したとも取れる軍備拡大は撤回すべきだ。
陸自の増員は沖縄が本土に復帰した1972年の千人が最後で、当時の18万人以来、隊員数は減り続けてきた。今回の大幅増強構想は、定員削減圧力にさらされる陸上幕僚監部の意向が強く働いている。制服組の組織防衛丸出しの独走に歯止めをかけるのが内局や政治家の役割のはずである。
周辺諸国との緊張をいたずらに高めることが自衛のためになるのか。計画がそのまま防衛計画大綱に組み込まれるならば、国家としての文民統制(シビリアンコントロール)の根幹が問われる危険な事態に発展する。
ソ連を脅威と位置付けた北方重視の陸自配備は、東西冷戦の崩壊によって転換を迫られた。米軍も同様だが、自衛隊も常に新たな脅威を意図的にアピールし、軍備増強を図ってきた。脅威を掲げ、沖縄への基地集中につなげる軍事優先の思考回路は変わらない。
90年代中盤以降、北朝鮮や中国を脅威と位置付けて西方重視を強調した上で、さらに南西諸島重視戦略に転換してきた。防衛省は2011年度からの新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画で島しょ防衛強化を前面に掲げ、宮古、石垣、与那国島に陸自配備を明記し、規模についても一気呵成に増やすことをもくろんでいる。
配備増強の前提となる「脅威」の実態について立ち止まって考えたい。
そもそも、中国の軍事力増大は海空戦力に傾いており、宮古、八重山の島しょ部に上陸して侵攻する戦闘形態は考えにくい。ミサイル攻撃や空軍力を背景にして押し寄せるなら、陸自の歩兵部隊が抑止力にもなり得ない。陸自大幅増強は、軍事合理性の面からも的確性を欠いているのは明らかだ。
琉球新報の社説です。そんな新聞の社説を載せるなと思われる方も多いとは思いますが、たまにはこういった意見を分析してみるのも面白いものです。
まず目に付く面白い箇所は「なぜこの時期なのか」という一文です。少しでも外交、安全保障の知識を持っていれば、この時期しかない、いや既に遅すぎるくらいの時期であるという判断は誰にでもわかるはずです。中国の毎年2桁増と言われる桁外れの軍拡、さらに今回の尖閣問題の他、近年の中国軍の外洋進出の動きを見ればその直接的な脅威は明らかです。かつてない脅威にさらされている今でさえ不適当というなら,
いったいどういう事態になったら適当なのかと聞いてみたいところです。
さらに面白いのは、最後の段落で自分で触れていますから、中国の軍拡に気付いていないわけではないらしいということがわかります。しかし、その前の文章で、「自衛隊の増強は周辺諸国の緊張をいたずらに高める」と批判しています。ではとんでもない勢いで軍拡を行っている中国についてはなぜ批判しないのか。中国の軍拡はお咎めなしであるのに、そこから身を守ろうとする日本が自衛隊を増強するのはなぜだめなのでしょうか。絵に描いたような矛盾ですが、おそらくこの社説を書いている本人は矛盾にさえ気付いていません。
そして極めつけは最後の段落です。一応中国の軍拡に触れてはいますが、批判しているのではなく逆に擁護しています。「中国の軍拡は海空戦力で陸上戦力の増強ではないから沖縄は安全である。陸上自衛隊なんか必要ない」という内容ですが、この意味を理解できないのは私だけでしょうか。
日本と中国が陸続きであるならばまだわかりますが、海を隔てている以上、中国が日本に侵攻してくる手段は海か空しかありません。その海軍力、空軍力がとんでもない規模で増強されているのに、中国が増強しているのは陸上戦力ではないから安心だという理論は、既に私の理解の範囲を超えています。
その後の文章では、陸上自衛隊なんか意味ないと書いていますが、では仮に、陸上自衛隊ではなく、海上自衛隊、航空自衛隊を増強して沖縄に配備しようということになったら、この社説を書いた人物は同調するでしょうか。おそらくするわけがないでしょうが、その時は一体どんな言い訳をするつもりでしょうか。
あまり深く考える必要もない社説ではありますが、こうして読み解いて見ると、あらためて「あちら側」の思想の本質が見えてきます。もっともらしい文を書いているように装っていますが、内容は上記の通り完全に破綻しています。一貫しているのは自衛隊が嫌いである。という考えのみです。そういう意見があってもいいのですが、彼らは中国の脅威というものから完全に目をそらしています。中国が日本へ侵攻してくるとき、真っ先に攻撃されるのは間違いなく沖縄の島々です。容赦のない惨殺やチベットと同じような地獄の統治がそこには待っています。その時守ってくれるのは自衛隊です。しかし、その現実を全て無視して繰り返される自衛隊への批判と拒否。もし、「その時」が来たら彼らはどうするつもりなのでしょうか。
沖縄県民全体がこの新聞の社説のような考えを持っているわけではないとは思いますが、この新聞の社説のような考え方は異常であると言わざるを得ないでしょう。
参考書籍:
宮崎 正弘
