伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築 -7ページ目

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

秋分の日から1か月。すっかり夜明けが遅くなりました。

東側が高い造成地にある我が家。

この時季になると東向きの玄関にはなかなか陽が射しません。

それでも格子戸なので、けっこう明るいんですけど・・・。

今朝は8時になって、

ようやく屋根に陽が射し始めました。

2階の東側の窓にはそれでもまだ陽が射さず、晴れか曇りかも分からないし、

夏場に早朝の日除けにと掛けていた簾は、外すことにしました。
 

朝早くは、かえって西側の窓からの方が、晴れていることを見て取れます。


1か月前との比較・・・秋分の日の拙稿を見返してみると、

あらためて夜明けが遅くなったことを実感します。

(参照:​9/23稿「光と影…秋分の日~朝日と夕日を導き入れる家」​)



気温の方はといえば、10月に入って朝夕は冷えてきたものの、

先週土曜日10/16までは最高気温は連日30℃に迫る夏日!

昼間は季節外れの暑さで、窓は開けっ放しで半袖で過ごしていました。


ところが翌日曜日10/17からは突然最高気温が20℃ちょっと。

それまでの最低気温ぐらいにしか上がらず、北風が吹いて寒い!

それで開いている窓をあちこち閉めてまわり、長袖を慌てて引っ張り出しました。


主だった窓は閉めておくようにしましたが、

換気小窓は今も開けっ放しで通気は確保しているので、

全部閉め切ると土壁のこの家はもう少し昼間の日射で蓄熱するかもしれません。


それで室温は一日を通してずっと概ね20℃前後。

1階の方が少し低めですが、家じゅう一日の最高気温ぐらいを保っています。




とはいえ、体が急激な季節の変化についてきません。

感覚的には、一気に秋を通り越して冬って感じ。

思わず暖房したいって気になります。


今週に入ってからのこの冷え込みは全国的だそうですが、

みなさんのお宅では暖房を始めましたでしょうか?

特に大阪と同様な気候条件のいわゆる「6地域」の皆さん・・・。

(参照:​コラム「気候区分①太陽光を理解する」by タイコーハウジングコア​)


環境省の指針によると、暖房時の室内温度は20℃が目安とされています。

冬は一般的に快適な温度は18℃〜22℃と言われており、

多くの人は22℃くらいが快適に感じられるそうです。


それでいうと、もう暖房してもいいのかもしれません。

けれどウチは、まだやめておきましょう。

今から暖房に体が慣れてしまうと、冬の寒さに耐えられなくなるから。


30代の頃は、真冬になってもTシャツ一枚で通していたことがありました。

さすがにこの歳ではそこまでやる気にはなれませんが、

今の季節は冬の体を作ること=寒冷順化が大切です。


(参照:​​寒さを乗り切るキーワードは「寒冷順化」by ウェザーニュース

 


この寒冷順化という言葉は、
これから真夏という7/15稿​「…木と土の家に住まうとはどういうことか~」​で紹介した

きらくなたてものや​​(鎌倉)代表の日高保さんによる問題提起で知りました。


・・・「快適か」ということより「健康か」という観点。

 

> ゆるやかに環境が変化する木と土の家で、空気加工に頼らず

> ほどほどに暑さを楽しみ、ほどほどに寒さを楽しむ。

> 省エネ化に向けて、この選択肢があってもいいのではないか。

新建材で密閉されたZEHやHEAT20などの基準に適合した最新の住宅も

これから冬に向けてもちろん「快適」に暮らせると思います。


それが時流だし、それもいいでしょう。

けれど、それ一辺倒の国の政策は、いかがなものでしょう?

その方向性だけが未来への道ではありません。


現代の「木と土の家」は、「省エネ」という観点からは、

気密性能の数値上の優劣に関わらず、決してヒケをとりません。

むしろ「脱炭素」「SDGs」「健康」といった観点からは、かえってメリットが大きい。


私たちは、できるだけ人として生物としての自然なあり方で、

電気や機械に頼らない家で暮らしたい。

そんな家に対する哲学を、マイノリティーとしてでも認めてほしい。


さぁ、冬服を引っ張り出してきましょう。

さぁ、今夜は鍋物にしましょう。

さぁ、お風呂にゆったり浸かりましょう。


「温故知新」


気候風土の違うドイツの家づくりに倣えばいいってもんじゃない。

伝統的な日本の暮らし方にこそ智恵が詰まっています。

そんな住まい方が自然にできる「木と土の家」。



すっかり日暮れが早くなりました。

家路を急ぎたくなる、そして温かく迎え入れてくれる・・・、

そんな木と土の我が家です。



【追記】


今月31日は、衆議院選挙。


大手ハウスメーカー、大企業への利益誘導型の政治から、

地域で地道に研鑽を積み腕を磨いている職人や中小工務店に光が当たる政治へ!


真の意味でのSDGs(持続可能な開発目標)に向け、

日本の気候風土に適した伝統的な木と土の家の復権のために。

我が家のトイレ。

扉を開けると、家庭のトイレではちょっとない光景。

横に広く、右側にあるのは・・・。


10/9稿「​男にとってのトイレあれこれ…男子トイレ・小便器~洋便器に座ってさせる?!​」

に続き、トイレあれこれシリーズ第4弾。 



・・・右側にあるのは、

女性はあまり目にすることはないであろう男性用小便器。


これを設置するべき!は、私の家づくりの信念と言うべきものであり、

2人の息子を持つ妻も、これについては納得してくれていました。



10/9稿​でも述べたように、私たちが初めて購入した売り建て住宅にも、

敢えて設置してもらったのでした。


今から思えば、その写真を撮っておけばよかったと悔やまれるのですが、

検索してみると、まるで同じような写真がありました・・・懐かしい!


cube&minoriさんのブログ「うちにあってよそにないモノ。」


> お客さまにビックリされるのは小便器


そうなんですよ。すごく珍しい!

で、やっぱりこの方も言ってらっしゃいます。


> これのおかげで洋式便器が汚れにくいんですよー。


1帖分のスペースで洋便器と小便器を並置できて、

しかも女性から見て嫌悪感があまりないデザイン!


このTOTOのカバー付小形小便器は、

この床置き型(U116)と壁掛け型(U116)がありました。

​​

TOTOカバー付壁掛小型小便器U106↗ ​​


この唯一無二の画期的なアイデアを生んだTOTO、さすがです!

なのに、廃版に・・・。売れなかったというより売る気がなかったんでは?!

ぜひ​セフィオンテクト​にしてリニューアル復活すべき商品だと思います。


今回の家づくりにあたっても、​10/9稿​で述べたように、

いくら小便器を奥側にしたからといって、

冒頭の写真のように目に入らないわけではありません。


なので、このTOTOのカバー付小形小便器を採用したかったんですが、

無い物は無い!・・・他を探すしかありません。


実は蓋付の小便器、外国にはあるんです。

(家庭にあるかどうかは知りませんが。)


これ☟はタイ・バンコクのサービスアパートメントの。

これ☟はドイツ・ブレーメンの博物館の。

これ☟はロシア・モスクワの修道院の。


   ・・・なんだそうです。

写真では大きさは分かりませんが、

こんなのが日本にもあれば、

洋便器と並置しても見苦しくないんじゃ?!と思います。



残念ながら国産では、蓋付の小便器はもうありません。

そこで選択肢に挙がってくるのが、よくあるパブリック用よりも小ぶりなタイプ。

公衆便所というより、個人経営の飲食店あたりを想定した製品でしょうか。


LIXILは、床置小型小便器​U-331RM​があります。


Takara standardも、ティモニGシリーズがあります。


これらは、インターネットを検索すれば、すぐに挙がってきます。

ま、それらでもよかったんですが、私たちはできればTOTO狙いです。


で、あらためてこのブログを書こうと、我が家に設置したのを検索すると、

​・・・ん??? 無い!!!

え?! このトイレを作ったときには、TOTOの電子カタログに載ってたのに。


それどころかTOTO、HPを探しても、小便器はなかなか見つからない。

パブリック用のページ/カタログにしか載ってない。


家庭用は、バカ高いネオレストや高額なレストパルなどのシリーズを前面に出していて、

ついに小便器の扱いが事実上消えてしまっているではありませんか!


洋便器、確かにネオレストやレストパルはスマートではありますが、

それ本体だけで50~30万円コース。

そんな豪華な便器、家庭で要ります???!


それより、必要十分な機能を備えたピュアレスト+ウォシュレットで、約20万円。

これに小便器を別途購入しても、高くて5~6万円。(工事費別)

この方が、ずっとリーズナブルで使い勝手も良くなるじゃありませんか!


・・・ははん!なるほどぉ。

小便器は、需要がなくなって売れなくなったのではなくて、

一般家庭には売る気がなくて高額商品に誘導しようとしてるんやな?!



それはともかく、去年の段階でTOTOの小便器を選定するにあたり、

候補に挙げたのは以下の2機種。

 

TOTO 床置小型小便器UFH508CR


TOTO 中形プッシュボタン小便器UFJ300CVR


10/9稿​で紹介したように、

前の家では1帖のスペースに小型小便器を設置していました。

それで実用になんの差し障りもありませんでした。


今回は概ね1.5帖のスペースなので、大きい小便器でも十分設置できます。

けれど大きいのはやっぱり目障りかな?ということで、

予算を見ながら小さいのになっても構わないと、棟梁にお願いしておきました。


そしたら搬入されてきたのは、

おお! 中形プッシュボタン小便器。奮発してくれたのね!

UFJ300CVR商品情報詳細​(click)


自分のブログを読み返してみると、あぁ、あれから1年・・・。

2020/10/28稿「​ライフライン~水道・電気・ガス…いろんな職種の職人さんの力で​」

この小便器が設置されたのは、去年の10/25でした。



そのときの第一印象・・・やっぱりちょっと大き過ぎるかな?

実際の使い勝手は・・・?


う~ん・・・棟梁、ありがとうございます!

前の家で使っていた小型小便器より、ずっといい。

便器に深く近寄りやすいんです。


しかも、小便器の上にフラッシュバルブ水栓ボタンが飛び出していないので、

パブリックトイレの自動水洗のようにスタイリッシュ。

その上の流れるような美しい木目の無垢杉の小棚が生きます。


これを眺めるとき・・・この家の幸せを実感するひととき。


そして、洋便器と小便器を同じ壁面を背にして設置し、

間に衝立を立ててくれたおかげで、

洋便器に座っても小便器は視界には入ってきません。


建具職人特製の無垢材の扉、

妻がこだわって選んだ手洗い器背面のタイル[​平田タイル製ジャポニカ(アイボリー)​]。

これを眺めるのも、この家の幸せを実感するひととき。


しかも、トイレに小便器分の余地があるので、

介助が必要になっても2人で入ることができます。

同様に幼児のトイレトレーニングもやりやすい。



ところで、

女性はあまりご存じないかもしれませんが、

小便器には床置きタイプと壁掛けタイプとがあります。


壁掛けの方が便器の底が床から離れていて床にマットを敷きやすいのですが、

排水管を壁内に引き込むために壁をふかさないといけないので、

我が家では床置きにしました。


じゃあマットはどうする?

パブリックトイレでは、普通「汚垂石(オダレイシ)」が敷いてあります。

不特定多数の人が使うには、ハネやコボレのリスクがあるからです。


けれど自宅では「一歩前へ」が守れるので、ほとんど心配はいりません。

10/9稿​で実験を紹介しましたが、「​12cmの法則​」があるからです。
なのでこの半年は何も敷かず、特に問題もありませんでした。
 

ただ、客が来たときなど万一のリスクに備えておくことも必要かもしれません。
男の子の孫もできたことだし、そのうちここを使うようになるでしょう。
じゃあ、汚垂石のことも考えてみよう・・・。


・・・ということで、これを敷いてみました。

「ニャンとも清潔トイレ用 脱臭・抗菌マット」

針葉樹を粉砕した屑を固めた板なので、簡単に切れるし、廃棄も気軽です。



これで、立ち位置も定められるし、一石二鳥!


立ち位置・・・
意外と世の男性たちも、この「一歩前へ」ができてないんですよね。

​​
​(☝click再生)​
参照:​「トイレが綺麗」株式会社ヘキサー



【結論】
家庭用トイレの決定打! それは、男性用小便器の設置。
 

尿ハネを最小限に抑えるには、男性自身が「​12cmの法則​」を守ること。

そして、男性自身が自分用の小便器を掃除すること。


世の妻たち・母たち、そして工務店・建築家のみなさん、

トイレをとおして、男を「男」にしましょうよ!



 

※追記
 

1.TOTOの便器を見繕うなら、パブリック用のカタログを見ましょう。

  家庭用のは、高額なウォシュレット一体形便器を売ろうという意図がミエミエで、

  掲載機種が限られているからです。

  パブリック用のカタログには、実用的な機種が他にもたくさん掲載されていて、

  その他社を引き離す多彩さは、さすがトップメーカーだと思います。


2.今、世界的な新型コロナ感染症の蔓延の影響から、

  TOTOもINAXも洗浄便座一体型洋便器の納入が止まっているそうです。

  生産国のベトナムが、ロックダウンで工場閉鎖なんだとか。


  ​TOTO重要なお知らせ2021/9/2(☜click)​  

  ​LIXIL重要なお知らせ2021/9/7(☜click)​  
 

  そもそも便器と便座を分離できないような製品なんて・・・。

  そんな融通がきかないのにバカ高いものは、家庭には要らない!

  ベーシック・シンプルなもので、必要十分だと思います。

 

私がトイレに入ったら、これを眺めながら・・・。

棟梁が日伸建設の木材庫の奥から引っ張り出してきた・・・これ、杉なんですって!

流れるような木目に浮かぶ竹製の阿波踊りの舟・・・徳島のお土産。
毎日なん度とある、お気に入りのひと時。

 

今回は、

7/5稿「​トイレあれこれ … 腰掛便器選び編 ~ 最新高機能?シンプルベーシック?​」

8/17稿「​​奥が深いトイレあれこれ…内装・照明・小物など編~土壁・板壁WCは臭わない?!​​」

に続き、トイレあれこれシリーズ第3弾。

 

私たちが最初に持家を購入したのは、上の子が小学校に上がるとき。

建売り(厳密にはまだ建っておらず「売建て」)住宅。とはいえ、

間取りは全て自分たちで考えたので、「購入」というよりは、気分だけは「建てた」!


トイレの話しはその時に遡るんですが、
更にその前を思い返してみると・・・。


私たち夫婦が最初に住んだのは、1956(昭和31)年築の風呂もベランダもない団地。

トイレは和式便器でしたが、男は立ってするのが前提のもの。

きっとこの頃以降に出現した和式の新しいスタイルだと思われます。



まさにこういう感じ!

参照:「​レトロな団地の室内を再現、八王子の集合住宅歴史館に行こう!​」

 

2番目に住んだ、恐らく1975(昭和50)年頃築の一戸建ての借家も、

男は立ってするのが前提の和式便器で、

子どもが幼児だったのでこんなふう(イメージ写真)にしていました。



さて、初めてのマイホーム。建売りなのに標準仕様に敢えて追加したのがコレ!

TOTOカバー付小型ストール小便器U116(1990-2006年)
​​
 

女性がトイレの戸を開けてまず小便器が目に入っても、

女性が洋便器に腰掛けて前に小便器が目に入っても、

蓋が付いているお陰で違和感が少ないというスグレモノ!


ウチは男の子が2人+私(父)+母だったので、

「立小便は男の本懐」とばかりにこだわったところです。



今から25年ほど前、1996(平成8)年頃のこと。

洋便器の普及で男も座ってするべし!という風潮がまん延しだしたなか、

そんな軟弱な!と敢えて現代住宅へのアンチテーゼとしたものでした。



そして、私の亡き父のために、父が70歳台のころ我が家の近くに購入した古家。

1970(昭和45)年頃築の家をリフォームしたときにも、小便器を設置しました。

その世代の男は、立ってするのが当たり前だったからです。



けれど残念ながら既に蓋つき小便器は既に廃盤になっていて、

やむなく蓋のない小型小便器にしました。


このおじいちゃんの家に同居したのは、

初めてマイホームを建てたときに小1だった、成人した上の子。

男2人暮らしだったので、これは大正解でした。


ところが、我が家を建て替えることになって、
この家に妻も仮住まいすることになって、

妻がこんなふうに言うんです・・・。


「前の家は蓋のあるスリムでスタイリッシュな小便器だったから見過ごせたけど、

この家はトイレに入るたびに、小型とはいえドーンと小便器がむき出しで、

やたら目について女性としては印象が悪い」と。


そう言われてみると、それもそうです。

TOTOが​カバー付スリム小便器​を廃版にしたのは、本当に惜しまれます。

それほどまでに需要がなかったんでしょうね。



じゃあ、こんど建てる家のトイレは、どうする?

小便器なしの選択肢は、私にはありません!


そんななかで妻が検索で見つけてきた画像が、これ。

なんということでしょう♪♫♬

これなら何とか女性でも許容できるじゃないですか!


昔の伝統的な都市部の小さな家屋では、

入口から小便器のブースを通って、ボットン便器のブースに入っていました。
大阪市の私の親戚の長屋や、私が子どもの頃に父が初めて購入した1969年築の建売りがこれでした。

そして田舎など大きな家屋は、男便所と女便所が完全に分かれた個室でした。
私の岡山の親戚の農家は、水洗化された今もそうです。


男小便所と洋式便所を完全に分けるのが理想・・・とはいえ、

都市部ではスペース的になかなかそこまでできません。

じゃあどうする?


目からウロコとは、まさにこのこと!

これならトイレに小便器が同居していても、女性としてもあまり気にならないでしょう。


ということで棟梁にお願いして採用したのが、この間取り。

洗濯・脱衣場とは独立した洗面ユーティリティーを通って奥のトイレに入ると、

まず洋便器、そして更に奥に小便器。これで3帖分。
別々に扉をつけられたらよかったんですが、狭い我が家ではこれが精一杯。


グループアプローチ建築設計事務所のブログ「小便器のこと」

ここに正解があったのです。

このブログ、残念ながらこの8月末で更新を終えたようですが、おススメです。


そして、曰く・・・

> 結局、男はプライドを捨てて、

> 腰掛便器に座って小をするのが合理的なのかと・・・、迷います。

いやいや、小便器を肯定的に捉えている論調は、他にもあるはず・・・


おっとぉ!あるじゃないですか。こんなブログ記事。

スマイルMAXさんのブログ「男性用小便器で家全体のトイレを清潔に保てる!」

 

> 結論としては、男性用小便器は大正解!なんたってトイレが清潔です。

> 新築注文住宅を建てるなら男性用小便器を絶対におすすめしたい…。


これによると、男性用小便器は、あった方がかえって清潔で掃除が減るとのこと。

 

小便器が住宅からこれほどまでに駆逐され、男も座って!と女性に押し切られる昨今。

それはなぜか・・・?


ひとえに尿ハネの問題​​と、​

男がトイレ掃除をしない!という問題に集約されるでしょう。​


さて、その尿ハネ。


「トイレの尿ハネ実態と男性の小用スタイルの関係」
 

上の​​ライオン株式会社の研究によると、男が座ってしたからといって、

そんなに尿ハネは劇的に少なくなるわけではないようです。

それに、男が目の敵にされてる割には、女性の方が尿ハネが多いとか・・・。

>“座りスタイル”でも油断は禁物!?「便座裏」が新たな尿ハネスポットに!


これは、NHKためしてガッテン「家族が涙!トイレ問題 大解決SP」2015/9/2にて

共同で行った実験によるものだそうです。


そのNHKのサイトを見てみると・・・

 

> 現実的に尿ハネゼロにするには「座り小便」(座った方が楽!)という結論になります。




と言う一方で、
さりげなく見落としそうなこんな一文が!

 

> 公衆トイレの「男性用立ち小便器」では、

>「一歩、前へ」を実践することで尿ハネをゼロにできるのですが・・・

じゃあ結局は、家庭でも小便器をつければいい!ということになりますよね。


 

で、ここで、2つ目の問題・・・。


男性用の便器を独立させて、自分で掃除させればいい!

男の子は学校で、男便所を掃除しているのです・・・ならば、自宅でも。

それこそ、自分のことは自分でするという日本の美徳。


こうして男は男として育てればいいのです。​

​なにも女性に迎合しなくてもいいじゃないですか。​


ある本に、こんな趣旨のことが書いてありました。

家を新築するにあたって、結局は妻主導になってしまう夫婦云々・・・。


家づくりはジェンダーフリーを具現化する大きな夫婦の協同作業。

であればこそ、男は立小便を、小便器の設置を、正当に主張していいのです。


そんなこんなを、我が家に小便器を設置して、つれづれ思いを巡らせていると、

こんなYouTube動画があがってきました。


モリシタ・アット・ホーム

「男の子とおしっこ。小便器を考える。」

 

このごろ住宅系YouTubeが百花繚乱で良し悪しなんですが、

私はこの森下誉樹さんの番組が気に入っています。

「普通の」人が知りたいことが、とっても分かりやすくまとまっているんです。
 

で、ちょっと長くなりますが、引用させていただきます。

 

> 分子生物学の有名な先生で福岡伸一先生という方がいらっしゃいます・・・

> トイレを作っていただくと、家族みんなにメリットがあるかなと・・・

 


私は早速「できそこないの男たち」を購読してみました。

 

生命の基本仕様は女。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。

メスは太くて強い縦糸であり、オスはメスの系譜を時々橋渡しし、

細い横糸の役割を果たす〝使い走り〟に過ぎない・・・との論旨。



世のお母さん方!

息子さんを「男」として育てていますか? 「男」にしていますか?

男は男にしないと、男にならないんです。

世のお父さん方!
息子さんを「男」として育てていますか? 「男」にしていますか?
息子は父親の背中を見て、大人になるんです。


そのためにも、

「男性用立ち小便器」の設置を、

夫婦で一緒にぜひ本気で考えてみることをお勧めします。


我が家の1階のトイレ☝
日伸建設​の我が棟梁が、私たちの要望をしっかり汲み取ってうまくまとめてくれました。
無垢材と土壁のお陰で臭うこともなく、男女を問わずとても快適な空間になりました。
 

 

 

 

 

9/21稿「​光と影・空と雲…秋分の日の頃~外に向かって開かれた日本の家​」で

この時季の昼間の光と影について綴りました。

今日秋分の日は、この時季の朝夕について・・・。


真夏の間はお向かいの家と家の間から太陽が昇ってきていたんですが、
だんだん太陽が昇るのが南に移動してきたので、軌道がお向かいの家の陰に入りはじめ、

我が家に朝陽が当たり始めるのが遅くなってきました。


7時半前・・・。ん?!

陽が射さない北側の階段2階の手摺が輝いてる・・・。

北面の窓に目をやると、窓枠の反射光。

北隣の家の外壁が明るい色なんで、反射光で階段室が明るい。


朝陽の射さない西側の窓。

西隣りの家も外壁が明るい色なんで、反射光で明るく照らされます。


我が家は街中のわりあい密集した住宅地で、日光の直射はあまり期待できませんが、

四方の家が明るい色のお陰で室内がかなり明るく感じられるし、街並みも明るい。

今はやりの黒い家に囲まれると、こうはいきません。


隣りの家の色に口出しはできないだけに、

家を建てるにあたってはそんな配慮も大切だと思います。

街中の暮らしは、何事もお互い様!


東側に高い地形、お向かいの家の1階が我が家の2階の高さなので、

やっと7時半ごろに直に陽が射し始めます。


 

2階に早朝から射していた真夏の朝陽を和らげてくれていた、

夏前に吊った簾。格子の影を映してとっても美しいので、

しばらく外さずにこのままにしておこうかな。


 

2階に遅れて玄関ホールが明るくなり始めると、

1階にも朝陽が玄関前の格子の影を浮かび上がらせます。


 

玄関を開け放つと、西側の窓まで爽やかなそよ風が吹き抜けていきます。

日中は30℃程まで上がるのに、早朝はもう肌寒ささえ覚えます。


9/10は7時過ぎには、こんなふうに部屋の奥まで射していた朝陽・・・。


今日秋分の日には太陽がさらに南に低くなって、


玄関に陽が射し始めるのはようやく9時前になってから。

 

日中は30℃を少し超えましたが、湿度は50%台、風速はずっと3~4m/sあったので、

家中の窓を全部開け放していると清々しい風が入ってきて、良いお彼岸を過ごせました。

お墓参りにも行くべきなんでしょうけど、かなり込んでいそうで控えました。


昼下がり、2階のインナーバルコニーに洗濯物を採り入れに上がると、

こんなところから西風がそよいでいます。


ここは当初は壁の予定だったんですが、風圧を逃がすために工事途中で開けてもらった風穴。

そんな変更は普通の住宅メーカーでは無理でしょうね! さすが棟梁直営の​日伸建設​。

お陰で洗濯物によく風が当たり、見晴らしも面白い! 侵入者排除の鉄砲狭間にもなります!



さて、夕方。

4時半頃、なんと東側の!玄関に、夕陽が射し始めました?

これ、お向かいの家の、掃き出し窓ガラスの反射光なんですね!



雨戸を閉めっぱなしの西向きの掃き出し窓の家をよく見かけますが、

ここにはちゃんと障子が入っているので、いつでも雨戸は開けてらっしゃいます。

お陰で我が家にも夕陽を東からお裾分け。


で、肝心の夕焼けはというと・・・。
昨日は夕方に雨が降ったし、このところ昼間は晴れていても、

夕方はほとんど曇っていて、なかなか夕焼けを見ることはできません。


日本では夏場の強い西陽を避けるために、

西側の窓は一般にタブー視されていますが、


この家は秋から冬の夕陽を重視して、敢えて西側に窓を設けました。

東側が高い地形で日の出は遅いのですが、

西側が淀川に向けて低くなっている上に隣家と隣家の間がうまく空いていて、

ちょうど日の入が見通せる立地条件だからです。


まだ夕焼けの前の西の空。
夕陽は朱く格子の影を障子に映します。


 

お彼岸と言えば、大阪は四天王寺、京都は清水寺の「日想観(ジッソウカン)」。

(参照「夕日が照らす極楽浄土 四天王寺」日経新聞2014/10/3)
 

仏教修行のひとつに、西の空に沈む太陽に極楽浄土を観想する「日想観」があります。

静かな心で夕陽を見つめることが、自身の内面と向き合う方法だとされています。

(清水寺HP「日想観」より)


お彼岸・・・此岸に対しての彼岸。穢土、現世に対しての来世、浄土。
太古から人は夕陽に想いを馳せてきました。

この窓は、そんな意味を込めて位置決めをしたのです。


意外となかなか見られないこの窓からの夕焼けの眺望は、

5/4稿「​続・西陽を楽しむ窓配置…窓からの眺望と陽の光による空間デザイン​」参照。


今日の枚方の日の入りは、方位270.76度、17時54分。

やっぱり西に雲が厚くなり夕焼けは見られませんでしたが、和な一日が暮れていきました。

明日からは、名実ともに秋の夜長が始まります。

 

 

 

 

お彼岸を明後日に控え、すっかり秋らしくなりました。

昨日9/20敬老の日は、朝から雲一つない抜けるような快晴。

秋は空が高いとは、よく言ったものです。


夏の間は窓からの熱射を防いでくれていた深い軒ですが、

この時季は爽やかな陽が少し射し込むようになってきました。


 

南向きのベランダの下の書斎にも障子に格子の影。

部屋全体がそんなに明るくなるわけではないんですが、

影が光を際立たせます。



2階も、軒の影が真夏よりは短くなってきて、

簀子吹抜けに光を導きます。


 

お昼ごろ、1階の雨戸を閉めてみました。

その簀子吹抜けからの光が、定位置で主人を押しのけて寛いでいる老犬を、

スポットライトのように照らしています。


 

雨戸を開けると、

この居間も隣家が迫っているので部屋全体はたいして明るくはないんですが、

雪見障子越しの陽射しと影のコントラストが美しい。


 

こういう光の演出は、障子ならではの魅力!

レースのカーテンでは、こうはいきません。

洋室でも合う障子もあるので、ぜひ取り入れてはと思います。
 

南側の壁面に陽が当たるようになってきて、

今さらながら植えたわけでもないゴーヤーが伸び始めました。

もう上がっても30℃程にしかならないので、収穫は期待できませんが・・・。


せっかくの秋晴れ、こういうのを日本晴れと言うんでしょうか?

太陽を撮りたかったんですが、さすがに直には無理ですね。

日向は暑いですが、心地いい秋の風が窓からそよぎます。


2階のベランダ(インナーバルコニー)。

このごろベランダ不要論が幅を利かせていますが、

これも今よく言われている「中間領域」としてゆとりを演出しています。


そしてこのお陰で、畳が直に焼けずに済んでいます。

洗濯物や着物を干すのにも、半室内干しの場として重宝しています。

秋~冬~春と低い方の棹に吊れば日光干しもできるし、通りからは見えません。


隣家と深い軒との隙間から見える空は貴重です。

でも、せっかくあんなに晴れていたのに、午後からは曇が出てきました。

やっぱり秋の天気は安定しません。


夏の雲とは全然違って、すっかり秋雲。

楽しみにしている夕焼けは、なかなか見ることができません。


ところで童謡、「夕焼け小焼けの 赤とんぼ・・・」

♪あかとーんーぼーー♪・・・♪レファファーソーラーー♪

山田耕筰はイントネーションに意図的に合わせて旋律をつけたんだそうです。すごい!

大阪弁なら、♪ファソドーラーソーー♪になったのかな?!

 

今日もやっぱり夕方は曇って小雨がパラパラ、夕焼けはお預け。

今日は中秋の名月なのに、残念ながら本番は見られそうにありません。


でも昨日の真夜中には、ほとんど満月の青い光が、

あの隙間からベランダに格子の影を落としていました。

<9/22追記:中秋の名月、真夜中9/22に入った頃、南の空高く見ることができました。​​
でも南中高度が高過ぎて深い軒の上、ベランダからは直接見えず・・・。


この写真は、その時のものではなく、7/25に入った頃の真夜中、

南の空に輝く満月です。>

 

いくら都会の住宅街でも、今どきの機械空調頼みの閉ざされた家は味気ない。​

光と影と、空と雲とを直に目にしながら暮らす、伝統的な日本の家の心地よさ。
 

そんな暮らし方の哲学まで、
国家権力によって一律に規定されたくはないものです。

 

 

 

 

Googleフォト。スマホを開くと、1年前の思い出とか表示されたりします。

それで出てきたのが、ちょうど土壁の中塗りをしていたときの写真たち。

​​(2020.9.2)​​


この家は、木と竹と土と紙の家・・・。


あらためて思い出させてくれるこの便利な仕掛け、

実はアメリカのGAFAの暴利の原資と知れば複雑な思いもあるけど、

それにしても便利な機能。



ところで、先日来ハマっているのが、アニメ「​宇宙兄弟​」。
2012年からの作品なので今更なんですが、Netflixで9/17配信終了と表示が出て、

おっとぉ!と何気なく見始めたら99話まで目が離せなくなってしまったんです。
 

うーん、国産国産とさんざん言っておきながら、

Amazon Fire TV StickでNetflixを見ながらGoogleフォト・・・、

GAFAにどっぷり加担していると思うとケッタクソ悪い!


それはさておき、

宇宙飛行士が宇宙服を着込むシーン・・・宇宙服って一人で着られない。

そこで、着付けてもらうんですよね・・・着物みたいに。

 

着物の着付けといえば先日8/29、こんなときですが長男の結婚式・披露宴。

妻も私に合わせて着物。着付師さんに留袖を着付けてもらいました・・・宇宙服みたい!

私は着物は自分で全部着たんですが、女物の着付けはできません。

(8/23稿「畳の部屋=和室?…比類なき使い勝手~タタミのススメ」参照)


式場は森に囲まれた無垢材の建物で、すごく素敵な式でした。

先に結婚した次男も別の式場でしたが、そうでした。

長男は「洋」次男は「和」でしたが、いずれにせよ樹木の場を選んだ四人はエライ!


 


さて、宇宙兄弟を連日見ているテレビの背景に何気なく目をやると、

今となっては当たり前の光景・・・土壁。

細かいことを言うと、表面は土に漆喰と麻スサを混ぜ込んだものですが。



そう、この家の壁という壁は、全て土壁なんです。

表面が板張りしてある脱衣場も、芯は竹小舞に壁土。

この家の耐震性能と居住性能だけでなく、心の平穏にも大きな役割を占めています。


宇宙兄弟も、何度も何度も登場人物の回想シーンがでてきます。

そういえば1年前、この壁は中塗りの段階。


想い返せば・・・


2年以上前の初夏(2019/6/25)、荒壁用の壁土づくりが始まったのでした。
刻んだ藁を練り込んで発酵させ、ひと夏寝かせます。

妻も左官さんと棟梁と一緒に練っています。


(拙稿2019/6/29「壁土づくり~土・藁・発酵」参照)


そして1年近く経った春、青緑色に発酵して独特の匂いを放つその壁土を、

たくさんの左官さんたちが美しく編み上げられた竹小舞に塗り付けていきました。


(拙稿2020/4/21稿「荒壁付け始まる…土壁づくり:表面下地塗り」他参照)


私(↓)も塗りました。大変な重労働です。

先日結婚式を挙げた長男(↓)も駆けつけて、手伝ってくれています。

​(2020/4/21)​


そして1年前の今頃、中塗りが始まりました。

(拙稿2020/9/5「左官の技再び~中塗りと上塗りサンプル①…職人と共につくる家」他参照)


一か月ほど置いて、9月末から上塗りが始まりました。

(拙稿2020/9/25「土壁上塗り①~漆喰…左官の工夫と技」他参照)

その上塗りが、いま目にしている「土壁」です。


なんでカッコ付の「土壁」かというと、
この家は正真正銘、壁の竹芯からぜんぶ土だからです。

というのも、今どき漆喰や珪藻土などの塗壁が見直されてきていますが、

それらは石膏ボードや合板に1~3㎜薄塗りされているというのがほとんど。
似たように見えても、壁を軽くたたいてみれば違いは歴然!

この家は、土の上に土を塗り重ねていきます。
そしてその上塗りは、

土だけのところと、漆喰を混ぜた土のところがあるんです。


中塗り用の「​砂漆喰​」を上塗り仕上げに使うこともあるようですが、

この家の場合は漆喰に砂を混ぜた塗り壁材というより、

上塗り用の壁土に漆喰を混ぜたものなので、何なんでしょう?


・・・とりあえず勝手に「土漆喰」と私は言っているのですが、

ともかくこの家の内壁の上塗りは、

4種類の仕上げ材を場所によって使い分けてもらいました。


過去稿でも述べているように、

サンプルを左官さんに作ってもらって、

色合いや配合を棟梁も含め3者で一緒に検討したんです。


そのココロや如何に?!


理想は、混ぜ物なしの土だけ仕上げの壁。
けれど、上塗り用とはいえ、壁土のままでは直に触れるとほんの僅かに剥がれます。

そこで、直に触れることのまずない南側の明るい窓際のみ、土だけ仕上げとしました。


 

じつは漆喰って、調湿性はあまりないのです。

そもそも漆喰の調湿性能は40g/㎡程度、JISの規定によれば調湿建材でさえないとか。

最低70g/㎡以上調湿しないと調湿建材とは呼ばないんだそうです。

​​(この単位については、よく知りません。)​​


そこで、できるだけ土のままの上塗りを採用してもらったというわけです。


そして、居室部分は、その土だけの壁の色にできるだけ近いように、

表面に触れても手に付かない程度の最低限の漆喰を混ぜた土にしました。


これが、冒頭に挙げたテレビの後ろの壁。

でもこうしてみると、この一連の壁の前にはローボードや床置きエアコンなどがあって

直に触れることはまずないので、土だけの上塗りでも良かったかもしれません。


さらにもう一つ、北側のユーティリティースペースやトイレや階段室用に、

漆喰の配合を多くして明るい色の土漆喰を作ってもらいました。


​(スマホ写真では、色の違いはよく分かりませんが・・・)​
 

光が届きにくく暗めなので、こうしておくと(↓)普段は同じぐらいの色に見えます。


ユーティリティースペースの照明を点けると(↓)、色の違いはハッキリ!

 

よーく目を近づけてみてみると、1年近く経って、
上塗りに微細なヒビが入っているのが分かります。

けれど、これらのヒビが空気と壁の中の土とを繋いで、調湿性能を高めている!

勝手にそう解釈して納得しています。


そして極めつけは、玄関(↓)と、

外壁(1階正面の上半分だけ↓ですが)と。


大きめの藁スサと砂を混ぜた粗めの土でラフに仕上げた土だけの壁。


そこは床が本物の三和土ということもあり、

家じゅうで最も清浄な空気が感じられてお気に入り!


本当はこんな(↓)仕上げも憧れたんですが、

​​(古民家カフェなつめ)
そのときに稲穂が手に入らず断念…。



8月末からやっと残暑が戻ってきたかと思ったら、また昨日から雨続き。

気温は外も内も25~56℃、湿度は外は80%台、内は70%台ってとこ。


今日は一日中在宅なので、いつもの雨の日のように窓はほぼ全開のまま。

湿度は決して低くはないけど、外気と繋がっている方が心地いい。


雨の降り始めの匂い、雨音が強まったり弱まったりも直に感じる。

何度か書いていますが、この家には雨もよく似合っています。

そんな雨の日の心地よさは、この土壁があってこそじゃないかな。


石場建てなら必然的に土壁・・・

そんなことさえ知らぬまま始まった伝統構法の新築。
 

土壁なら、百年近く経ってこんなふうになっても(↓枚方市氷室の古民家)、

百年以上たってこんなふうになっても(↓南丹市園部の古民家)、

かえって風格が増すというもの。


究極の自然素材、大地そのものの土壁、時を経て土に還る。

太古に人が穴居で暮らしていた遠い記憶が、究極の寛ぎに誘う。


しみじみ​日伸建設​とこの家に出会えて良かったと思う雨の一日でした。
 

 

 

 

 

お盆には早くも秋雨前線が停滞して、立秋以降はホンマに秋突入って感じだったのに、

今週に入ってからは雨が上がって最高気温34~35℃と残暑が戻ってきました。

ま、これが普通なんですけどね! 朝夕は蝉、夜は秋の虫が鳴いています。

 

さて昨日、​職人がつくる木の家ネット​の​YouTube対談​は、

石場建て伝統構法の我が家の同級生

静岡の​木ごころ工房​の「​​未来へ紡ぐ石場の家​」の松村さん登場!
 

(☝click:YouTube「未来に紡ぐ石場の家 木ごころ工房 松村寛生」)


実はこの木ごころ工房の家、我が家を建築中に、

同時期に石場建ての家は他に建ててないかな?って調べてて見つけた家。

去年2020/5/17稿「​土壁の魅力、土壁の技・・・​」で取り上げていたんです。


> 私が知り得たウチと同級生の伝統構法石場建ての家は、

> この4軒・・・

> いま全国で何万かの家が新築されていると思いますが、

> その中で5軒あるかないか!・・・これってある意味すごくないですか?!


すぐに松村さんに連絡を入れて、勝手に同級生の家と呼んで、

勝手に松村さんを私の友だちか親戚にしてたんです・・・私も松村なんで!

 

まだウチが荒壁のままで、手刻み階段の据付けをしているころ、

2020/8/8稿「​屋内造作が地道に着々と進んでいます…棟梁の工夫と遊び心​」でも、


> 今日8/8と明日は、
> 静岡の​木ごころ工房​さんの手掛ける石場建て伝統構法の新築の完成見学会の日。

> この「​未来へ紡ぐ石場の家」は、ウチの建て方2/17より2か月ほど早い

> 去年の12/8に建て方が始まった、数少ないちょっと先輩の同級生。

> 完成見学会はぜひ行こうと思っていたのですが、このコロナ禍で残念ながら断念。

・・・って取り上げていた家なんで、他所事とは思えず。


木ごころ工房の松村さんの石場建てのご自宅には

遠からず見学に寄せていただこうと思っているんですが、

緊急事態宣言はどんどん延長されて、今や災害・戦時中のような事態に。


新型コロナウィルスに、無垢材・土壁の家の効果があるかはエビデンスはありませんが、

お蔭さまでワクチンの副反応も軽く、元気で過ごせているのはありがたいことです。


そんな日本の気候風土に合った伝統構法の家をつくり続けている大工さんが、

自分自身でその家に暮らしていて感じている、

つくり手でありながら住まい手目線からの語りは、とっても説得力があります。



 

私のブログで何度か言っていますが、木ごころ工房「​未来へ紡ぐ石場の家」は、

それを知る前から私のなかで我が家に銘打とうとしていたフレーズ。

二番煎じはできなくなってしまいましたが、そんなところにも親近感を覚えます。


この対談で木ごころ工房の松村さんご夫婦がおっしゃることは、

私たち夫婦の日ごろ思っている所にものすごく重なります。



我が家はこんなにロケーションのいいところではなく込み合った住宅地ですし、
都市部ではこんなに開放的にはいきませんが、どんな方でもきっと家づくりのヒントが見えるはず。

ぜひ一度、ご覧になってみてください。


新築を考えておられる方々は、ぜひこういう話しを知ったうえで、

業者探しや工法の検討などに当たられることをお勧めします。



いま正午の我が家、だいたい外は気温34℃/湿度45%、室内は31℃/55%ほど、

窓から風が少し入ってくるし、扇風機でしのいでいます。

カンカン照りで洗濯がよく乾きます。

今日(8/23)は処暑、暑さが和らぐ頃。

といっても、昨日までより今日のほうが暑い!

そんな今日、久しぶりにほぼ一日じゅう陽が射していました。


(この花はハブランサス? 春が最盛期でここんところずっと咲いていなかったのですが、

 雨の後には咲きやすいそうです。よく似てるゼフィランサスかサフランモドキかも?)


大阪では8/9以降、雨の降らなかった日がほとんどない・・・。

8/7の立秋のあと早くも秋雨前線が停滞、ずっと最高気温は25℃~高くても33℃。

例年お盆は40℃に迫ろうかという炎天下のお墓参りなのに、エアコン要らずの8月後半なんてあり得ない!


明日は私の誕生日、明後日は父の命日。

そして次の日曜8/29は、長男の結婚式!

とっくに結婚はしているのですが、延ばしに延ばして・・・(緊急事態宣言が9/12まで延長されてビックリ!)。



そんなわけで昨日は、新郎の父として、

手持ちの絽の紋付き羽織や袴や麻の白帯などを引っ張り出してきて、お手入れ。

アイロンを当てたり、襦袢に白の絽の半襟を縫い付けたり。
 


 

絽や紗は、盛夏(7~8月)用の透ける薄物の着物。

8/29は立秋後ですが、ギリギリ着られる最後の時季。


そんな、滅多に着ることのない絽の紋付き。次男の結婚式以来2度目の出番。
 

引っ張り出してきたついでに、他の夏物の着物はお片付け。

那覇の着物市場で買った鳥柄(トゥイグワー)の絣の紗の着物や

ミンサー織の帯は、

畳紙(タトウシ)に包んでおきましょうねぇ()。
そうそう、樟(クスノキ)の木片も一緒に入れておきましょう。


これ、日伸建設の新築工事現場でもらってきた無垢フローリング材の端材。

虫除けの樟脳の原材だけに、防虫成分のカンフルが香ります。コロナウィルスの不活性化にも有効だとか!
 

木綿の着物は、洗濯機で丸洗い。

雨が降ったり止んだりの一日でしたが、物干し台・・・

インナーバルコニーなら干しておけます。


 

余談ながら、このハレの日のために、妻が極上のマスクを奮発!
帯織元で有名な福井の小杉織物製の絹マスク・・・絹は抗菌作用が強いとか。
いつもの使い捨てマスクなら100枚は買えてしまいますが、一騎当千を思えば安いもの?!

 

 

こうして見るまでもなく、着物と畳は、さすがに相性バツグンです!

けれど今日のお題は、着物のことではありません。

これら着物を広げてアレコレしているこの部屋について。


2020/11/10稿「​畳敷き~日本ならではの寛ぎの室内空間…畳職人の技​」などでも述べているように、

この家の2階の3部屋は全て畳敷きにしてあります。

1階の書斎も畳敷き、書類や道具などを畳の上に広げてアレコレ・・・。




日本では古来よりこうして畳の上で物を広げて用事をしてきました。

それが畳敷きなら場所を限定されず物を広げ、どこにでも座ることができます。


座るとは、日本では本来おもに床に腰を下ろすこと。

床に直に座るのは、世界的に見れば欧米以外けっこう普遍的なんだそうです。
(正座は日本にしかないそうですが、江戸時代以降に広まったの新しい座り方だとか。)


椅子には座るというよりは、腰掛けます・・・椅子のことを昔は「こしかけ」と言っていましたね。

椅子だと、何かするには必ず机が要ります。

着物のことをしようと思えば、ものすごく大きな机が要ります。
 

畳だと、どんな姿勢でもとれます。疲れたらその場に寝ころべます。

そして和室は続き部屋が基本ですから、仕切って狭くすることも開けて広くすることもできます。

この家の2階は3部屋ですが、こうして2部屋を一つの空間として使えます。
 


 

2階を和室にしたのは、部屋の用途を限定せず、こんなふうにしたかったからです。

それと1階には天井を張っていないので、板敷(フローリング)だと音が響きます。
 

畳にはこの遮音吸音性の他にも、クッション性や断熱性や、

藺草の調湿性や藺草の香りによるリラックス効果があります。

また、集中力向上や空気浄化や抗菌効果も、実験により見られるとか。


一方で難点・・・昨日の床仕事で、腰が痛い!

デメリットとしてメンテナンスフリーじゃないとかダニが湧くとかいう論もあるようですが、

そんなもんは合板フローリングでもカーペットでも同じようなこと。


それにしても、畳っていい! 日本オリジナルの建材として、世界に誇れるもの。
こうして着物のアレコレを畳の上でしていて、つくづく思いました。

なのに、畳のない家が増えている。若い人は和室を知らないのも珍しくないとか。

一級建築士​YouTuberげげ​(金谷尚大)さんによる新刊なんぞ、「和室いりません」と。



こうして書いているうちに、じゃあ和室って何?という問題が浮き上がってきます。

げげさんの本はまだ読んでいませんが、恐らく畳の部屋という意味で言っていそうです。


それなら、この家の1階は和室?・・・板敷に真壁と障子と。


 

畳が敷いてあれば、石膏ボード・ビニルクロス張りの大壁の部屋でも、和室?

和室の定義を自分なりに考えてみるのも、おもしろいと思います。


私たちはこの家を「和」に仕上げようとしたわけではありません。

そのことは2020/12/05稿「​THE和?!・・・伝統構法は和室の家?・・・​」でも述べました。

私たちの求める「用」を突き詰めれば、どこからどう見ても「the 和」になってしまった。


和室か洋室か、そんなカテゴライズはどっちでもいいんですが、

とにかく畳の部屋は自由がきいて、仕事にも寛ぎにも使いやすい。



 

畳を、畳の部屋をよく知らない、育った体験のなかにない建築家には、

畳の良さを生かす提案はできないでしょう。

 

これからの家を建てようと思っている方は、和派の方も洋派の方もぜひ、

畳の良さや畳の部屋の使い勝手などがよく分かっている建築家や棟梁に相談してみましょう。

そしてもっともっと、和にしても洋にしても畳を建築に生かすと良いと思います。


 

昨夜8/22は、満月(スタージャンムーン)。さらに、そばには木星も。

残念ながら昨夜は天気が悪く全く見えませんでしたが、

今日はようやく天気が回復したので、今まん丸の月と木星も、おぼろげながら夜空に輝いています。


この本をここんとこ、夜な夜な読んでいます。
「和室学 世界で日本にしかない空間」松村秀一他編・平凡社

今夜も月明かりで読み進めましょうねぇ()!

明日からはようやく残暑の晴れが続き、
こんどの日曜8/29もいい天気の予報。
結婚式日和になりそうです!​


※沖縄の言い回しで「~しましょうねぇ」は、自分がしよう!という意味。)​​

「お手洗いですか? どうぞ、こちらです。」

お通しするのは、1階はこちらのお手洗い。浴室・脱衣場から独立した洗面台。

その奥、暖簾の向こうが我が家のトイレ。


建具屋職人特製の無垢材の扉が誘ないます。

本当は引戸にしたかったんですが、

奥まった突当りの壁側に開くので、開けてもほとんど邪魔にも危険にもなりません。


「2階でお泊りの方は、こちらへどうぞ。」

居室から少し奥まったユーティリティースペースに面しています。

こちらは建具屋職人特製の無垢材の引戸なので、まったく邪魔にも危険にもなりません。




今日のお題は、トイレ第2弾。

7/5稿「​トイレあれこれ…腰掛便器選び編~最新高機能?シンプルベーシック?​」で、

トイレの便器について述べましたが、今回はその内装・設備編。



まずは手洗器。


1階はトイレの入口横にあった洗面台と背合わせに、水道を設置してあります。

カウンターは、日伸建設の倉庫の奥から引っ張り出してきたサクラ。

ボウルは、いかにも和!にならないようTOTOのモダンなもの。棟梁が選んでくれました。



1階は立派な手洗器をトイレの中に付けたので、タンクには手洗器なし。

2階はトイレの中に手洗器はないので、手洗器付のタンク。

水ハネ対策に背後はタイル張り。

 

とはいえ、今は新型コロナ対策もあって石鹸は欠かせないので、

結局はユーティリティースペースのミニ洗面台を使うことが多いのですが。


1階も2階も手洗器周りのタイルは、ちょっとしたお遊び!

​自分たちでちょっと変わったフランス製とイタリア製と日本製のを探してきました。​

2020/10/13稿「​水回りのタイル貼り付け~タイル選びとタイル職人の技​」参照​



次は明りとり、照明と窓のこと。



画像検索をしてみると、みなさんいろんな工夫をなさっていて、すごく悩みました。

けれど他の部屋と同様、天井から照明器具を吊らず、裸電球だけで統一することに。

木組み土漆喰壁が美しさを生かすには、かえってオシャレな照明器具は目障りに思えたんです。


そこで1階は、配管隠しに唯一ここに張った天井の格子障子を生かして、

その上に昼光色のLED電球を仕込んで天窓のイメージにして、

奥の壁には暗め(20W相当)の電球色LED電球をむき出しで設置しました。


 

2階も、便座に座った目線から光源が目に入らない位置に、

昔ながらのソケットに裸電球だけのように電球色LED電球を設置したので、

間接照明のように勾配天井板全体が灯りになって見えます。



これらの照明は、暗さに目が慣れた夜用に、あまり明るくはありません。
昔の男便所と女便所に仕切壁にあった国民球のオマージュとでも言っておきましょうか。
これでイメージできるのは、60代以上の人でしょうね。

 


日中はというと、きちんとハイサイドライト(高窓)から光が射します。

北側に面してるんですが、北隣の白っぽい外壁の反射光でかなり明るい!
夜でも窓があると、外の薄明かりで見えないことはない・・・蛍の光、窓の雪♪


これは横滑り出し窓なので、雨が降っていても開けたままにでき、

換気扇も使うと効果的に換気できます。


実は無垢材壁、土壁、漆喰壁のトイレは、驚くほど臭わない。

「芳香消臭剤なんか要るかいな!」と日伸建設の親方が自信満々に言うのを疑っていたんですが、

いや実際、まったく要らないことを体感して、これはおおいに言いたい!


「こんなに臭わないならトイレに窓はなくてもいい・・・

それなら家の真ん中にでもトイレを配置できて間取りの自由度が高まる!」


木の家ネットの柴田さん​が伝統構法のご自宅で暮らす実体験から

そんなふうに​YouTube対談​(6/30木の家ネット「​伝統構法日本の民家に住む理由​」)でおっしゃっていて、

ま、臭気の観点から言えば確かにそのとおりなんですよね・・・。


2020/6/16稿「​浴室に窓は必要か?・・・​」でも持論を述べましたが、

私は、臭気如何に関わらず外の空気は窓から直に(換気ダクトに頼らず)入れたい派。

窓があれば日中は電気を点けなくてすみます。


・・・やっぱり、ぼんやり暗めのトイレに入って

窓から射す明りに目をやるのはいいもんです・・・。

 



あと、床について。


伝統構法の我が家は、いわゆるフローリングは全てもちろん無垢材です。

1階は居室から一続きで、トイレも全て赤身勝りの源平杉一等材。

そのなかでトイレなどには、節の多く出ているところを配置してあります。

一等材​とは節のある材木のこと。
産地の吉野の製材所が日伸建設のために一等材でも節の少な目のところを選ってくれたそうですが、
それでも節の多寡はあり、それらを場所によって使い分けてあるのがすごいところ!

その板材、居間の中心的なところには節のほとんどないところを配置してあり、
同じ等級の材でも部位や裏表などで適材適所を見極めるのは、棟梁の目利きによるものです。

無垢杉は本当に足触りがいい・・・柔らかいというか、温かみがあるというか。


それに対して、2階は居室は全て畳敷きなので、

ユーティリティースペースから一続きでメイプルをトイレにも使っています。


杉のような針葉樹に対して、メイプルのような広葉樹は一般に硬く傷つきにくいので、

ユーティリティースペースにはピッタリ。

かといって、オークやチークほど冷たい感じはなく、素足にも心地いい。


先日竣工した日伸建設の家には、トイレの床全面にクスノキが使ってあってビックリ!
樟脳の原料になるぐらいですから、防虫抗菌に優れた作用をもち、その芳香も群を抜きます。


こういう無垢材の床を知ると、トイレといえどももう

合板フローリングやクッションフロアなどには戻れません。


掃除が心配?・・・無垢材の床にすると、まず汚さなくなります!

手入れは、掃除機をかけて、合成洗剤は使わずに湿らせた雑巾で拭くだけ。

難しい手入れは必要ないし、耐久性も高いし、心配はホントいりません。


 

さて、小物について、ペーパーホルダー。



これは、この家に合わせるペーパーホルダーは難しいなぁ・・・と、

棟梁自らが探してきた品。古色の鉄製。こんな味のあるの、どこで見つけてきたんでしょうか?!

こんなような物ですが、もっとアンティークな風合いのあるものです。

 


手摺のように使える小物台も付けてくれたので、手を置いてドッコイショっとできます。

他にも持つところはいっぱいあるので敢えて手摺としては付いていませんが、

将来的に必要になることがあれば、また棟梁に工夫してもらいます。


ただ、鉄のカバーが重いのと鉄の芯棒の摩擦が大きいので、ペーパーが回りにくいのが難点。

あるとき妻が「これを適当に切って」と差し出したのが、レジロールの芯紙管。

切ってはめてみると格段にスムーズになり、見事解決! 妻は天才でした!!


 

それと、ウォシュレットのリモコン。
 

流すのは電気に頼らないことにこだわったので手動です。

ウォシュレットは尻元スイッチでもよかったんですが、何も指定しませんでした。


そしたら、TOTOの上級機種​アプリコット​を入れてくれたんですが、

このリモコンが使いにくい!

ボタンが小さ過ぎて見えにくく押しにくいんです。
 

下位機種の​S​の方が使いやすそう。



なんでこんな使いにくいのを上級機種用にデザインしたのか?

TOTOのトイレを信頼しているだけに残念です。


ちなみに、こんな記事があったので、参考まで。

「​トイレ選びに悩んだら、リモコンのデザインで比較してみよう​」


洗浄便座をリモコンのデザインで選ぶってことはあんまりないと思いますが、

実は毎日のことなんで意外と重要かもしれません。



最後に、収納・棚について。


トイレには常備しておくものが結構いろいろありますよね。

トイレットペーパーや洗剤など、収納が確保されていないと結構困ります。

この家でまさか突っ張り棚というわけにもいかず・・・。


1階は、手洗器の項で掲載した写真のように、

手洗いカウンターの下に収納して、手拭いで隠してあります。

私は排水管が見えているのが好きではないので、こうして覆って、ついでにモノを突っ込んである。


2階は手洗いカウンターがないので、壁際に棚を2段つくってもらいました。

便座に腰掛けて正面なので、飾り棚にもなるかなと思ったからです。


それで、見せる収納としてトイレットペーパーなどを置いたり、

小物を飾ったりしてみたんですが、

やっぱり木組み・土漆喰の内装の良さを邪魔してしまう・・・。


結局は、下の棚に暖簾を掛けて、その中を収納に。

棚には、私の自作した畳の端材を解いた藺草を竹で束ねた置物を下の左端に、

上の棚の右端には「人面ボタン」の不思議な何か?!・・・で、今のところ落ち着いています。

この壁面には絵を掛けたらいいかなと思っていたんですが、
妻は土漆喰壁そのものを眺めていたいというので、敢えて空けてあります。

ところでこの、上の棚の「何か」・・・。

実は漆芸で、顔に見えるところはボタン、胴に見えるところはスプーンらしいのですが・・・。

会津は相田漆工壱工房の​相田雄壱郎さん​の作品なんです。



3年ほど前だったか大阪・梅田の展覧会で遭遇して何故か引かれて、

相田さんご自身にも惹かれて、何のご縁でしょうね。



話しが逸れたところで、トイレ第3段

男にとってのトイレあれこれ … 男子トイレ・小便器 ~ 洋便器に座ってさせる?!」(10/9)に続く・・・。

木と竹と土と紙でできた我が家、今日のお題は2つ。

「室温が30℃でも、エアコンなしでなんとかなる。」

「冷房をかけようがかけまいが、湿度はほとんど変わらない。」



8/9稿「​西陽を生かす、灯りを生かす・・・​」の最後に

「一昨日8/7は立秋。まだ夏のピークではありますが、

こうして風雨が吹き荒れると、やはり夏の終わりを感じさせられます。」

と書きました。


我がまち大阪・ひらかたは真夏は全国でも五指に入ろうかという暑い地域ですが、

8/5の気象庁のデータ38.2℃をピークに、8/9以降は33℃にも届かない日が続き、

今日も秋雨前線のような停滞全線で全国的な雨模様のなか枚方も大雨。
 

地元話題サイト「枚方つーしん(ひらつー)」の今日の記事によると、

「今日の枚方の日最大1時間降水量は8月の歴代トップ10クラス。来週まで降り続けるみたい」
とのこと。
 


(雨が降ると、天然乾燥無垢青森ヒバ製の玄関引戸は少し反るのか、開閉時ここで一旦ひっかかるようになります。
 普段はスムーズな開閉なんですが、お出かけ時のお天気を実感できる自然素材ならではの味です。)​​


今日なんか日中は外気温はずっと25℃前後で、
8/5の猛暑が懐かしくさえ思われます。

ひらつー​「Q.枚方市の夏の暑さで目玉焼をつくることができる?できない?どっちでしょう?」


立秋を境に暑中見舞いを残暑見舞いに変えるとはいえ、

まだまだ実際は文字どおり残暑が続くんでしょうけど、

とりあえず真夏は終わったということで、猛暑季をザっと振り返ってみましょう。



木と竹と土と紙でできた我が家。

日本古来の伝統構法で建てているだけあって、エアコンは要りません!

・・・と言いたいところですが、大都市圏ではそうも言ってられません。


枚方の暑さは冒頭にも触れたところですが、それだけでなく

都市部では家々がひしめき合っていて風通しがあまり良くないことや

ヒートアイランドの問題もあってなかなか厳しいところ。


さすがに「暑くない」と言ってしまっては嘘になります。

たまに「着物は涼しいよ」なんて言う着物好きの人がいます。

けど、私も着物は日常的に着ていますが、暑いときは何を着ていても暑い!


それと同様、伝統構法だろうが、無垢材だろうが、土壁だろうが、暑いときは暑い!

これが田舎の茅葺ならずいぶん違っているとは思いますが、

京都の伝統的な町家でも現代社会においてはエアコン要らずとは言えないでしょう。


ただ・・・、

その暑さは、新建材の密閉型の家とは何か違うのです。

これは、この夏この家で実際に過ごしてみての実感。


そりゃぁ身贔屓やろう!と言われればそれまでですが、

木と竹と土と紙でできていればこそ、

暑いなか窓を開け放して過ごすことができるという特性が功を奏しているように思われます。




この通風を重視した設計も、伝統構法の大切な要素だということができるでしょう。

機械換気や空調機器を前提とした設計の密閉型高気密高断熱住宅とは、哲学が違う。



 

試みに外気温が最高36℃になるまでエアコンなしで過ごしてみましたが、

2階の室温は窓を全開放で32℃が最高。これでもなんとかいけんことはない。

・・・暑いけど、じっとしているぶんには不快感はたいしたことない。

 

とはいえ、外気温の方が室温より高くて外からの風で涼をとれないときは、

大きな窓は閉めておいて朝の室温を保って

扇風機で空気を動かしている方が、暑さは和らぎます。

 

 

我が家では、最高気温が28℃を超え、湿度が90%を超えた7/3から、

エアコンの除湿運転を始めました。

それ以降ほぼ毎日、除湿や冷房運転をしています。


よく24時間空調の方がエネルギー効率がいいと言いますが、

我が家では必要なときに点けて不要なときには消しています。

不要な時間が長ければ、結局は電気の消費量は少なくて済みます。


暑い!と汗ばんできたときに室温が28℃になるよう運転し、

外気温が28℃を下回れば切って窓から外気を導入しています。


それで猛暑期、だいたいエアコンが必要な時間は、朝の10時頃から夜中の12時頃。

12~14時間、1日の内の半分強です。


エアコンは、7/3稿「​続く猛暑日!・・・​」にもあるように、

原則2階の小屋裏に設置してある壁掛エアコン1台の稼働。



この明り取り兼用吹抜けにエアコンの吹き出しを向けてあり、

この下に向けてサーキュレーターで降りてきた冷気を攪拌します。


 

またこの階段とで家じゅう空気が循環するので、

14畳用のエアコンでトイレや浴室などを除く全館25坪ほどが均一に効いています。



 

それで不思議に思ったことが2つ。


ひとつは、昼前に室温が30℃に迫っているというのに、それまでは、

エアコンなしで扇風機があれば過ごせるということ。

(炊事などの家事をするには、しんどいですが。)


窓は全開放していても、

そのときの室内の湿度は外気の湿度変動にに関わらず55~60%。



もうひとつは、冷房をガンガンにかけていても(といっても室温28℃ほど)、

湿度は55~60%で55%より下がることはほとんどないこと。
 

ダイキンのHPを見ると、以下のように載っています。

> ​快適のおすすめは? 温度は26~28℃。湿度は50%以下がおすすめです。

> ​(湿度50%:汗をかいてもさらっと乾く湿度)

> ​また気流を利用することにより、涼感をアップさせることができます。


でも、我が家の場合、エアコンで55%より下げることができないんです。

それで室温は28℃、不快指数は77弱(やや暑い)。

で、暑いかというと、暑くないとは言わないけど、不快さはない!


要するに、

室温が30℃でも、エアコンなしでなんとかなる。

冷房をかけようがかけまいが、湿度はほとんど変わらない。

 


この、ZEHだのHEAT20だのの高性能住宅の基準から言えば

数値上は全然ダメな、「低」性能の石場建て伝統構法の新築。


それでも、現実にエアコンの稼働は1日の半分で大丈夫、

何となればエアコンは点けなくても何とかなる、

そんな数値上に表れない「高」性能の石場建て伝統構法の新築。


これって何?

温度や湿度や不快指数や、暑いや蒸すとは別の何か・・・。

​「心地よさ」というほか言葉が見当たらない実感!​


最新の空調設備を設けた私の職場。鉄筋コンクリートではあるけれど、

エアコンは24℃設定にしてないとやってられません。

若い人は22℃設定に下げて、上司からお小言をくらっています。


そもそも環境省が推奨する室温28℃で暑過ぎると感じる、

そんな脆弱な体になってしまっていることが問題かもしれません。

夏に向けて早くからエアコンに頼ってるので、夏向きの体「暑熱順化」ができていないのでしょう。


けれど、快不快や、省エネは、

ただ住宅の数値上の性能の問題でしょうか?



8/10日経新聞17:47「​新築住宅の省エネ義務、25年度から適用へ 政府が工程表​」を見ると、

新築住宅は2025年度に省エネ基準適合を義務化するとのこと。




2050年までの脱炭素社会の実現をめざすためには、

一般論としては間違っていないと思います。


一方で、我が家のような石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の新築が、

省エネ基準に適合していないからといって、

脱酸素社会の実現に逆行しているのでしょうか?


否、省エネルギーの観点からも省資源の観点からも自然素材の観点からも、

かえって脱酸素社会、持続可能な開発の実現に寄与しているはずです。


伝統構法の家づくりを提案している愛媛の「​野の草設計室​」の橋詰さんの言葉、

「数値に表せないのは科学が遅れているだけ」の旨、思い起こされます。

​(正確な文言は忘れてしまいました。すみません。)​



一律の数値を押し付けるのではなく、

暮らしの哲学に応じた多様性、選択肢を認めたうえで、

SDGsを追求することが大切だと思うのです。



雨模様の今日一日、実測外気25℃前後/80%超。

エアコンの及ばない玄関やトイレは約27℃前後/約65%、不快指数約76(やや暑い)、

これでも大丈夫なんですが、除湿を入れて約25.5℃/約55%、不快指数約73(暑くない)。

雨で採風が望めない日は、やっぱりエアコンはありがたいですが・・・。