トイレあれこれ … 腰掛便器選び編 ~ 最新高機能?シンプルベーシック? | 伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

今日は妻と久しぶりの外食ランチ。

全国チェーンの洋食店。千円でお釣りがくる。それでもそこそこ美味くて腹いっぱい。
 

ああ、これって、大手ハウスメーカーのプレカット張りボテ住宅やね!って、二人で苦笑い。

それでもオープンキッチンなんで、大壁づくりで構造材が見えない家よりいいか!と。



さて本稿は、石場建てにも伝統構法にも無垢材にも手刻みにも土壁にも関係なく、

どんなビルダーでもどんな工法の家でも避けて通れないトイレの選択について。


注文住宅は住設機器のことでは、いろいろ悩みますよね。

特に水回り。いちど設置したら滅多なことで交換はしないので、

選ぶのも慎重になります。・・・えっ、トイレは工務店にお任せ?



我が家は1階と2階の2か所にトイレを設けました。

大雑把に言って、1階☝は昼用、2階☟は夜用って感じ。

特に家人の寝室や客人の宿泊室を2階にするなら、2階のトイレは必須でしょう。


で、便器をどれにするか?


我が家を手掛けた​日伸建設​は、

何も注文をつけなければ​LIXIL=INAX​の中から見繕ってくれます。

どうも、他のメーカーより割安に仕入れるルートがあるのかな。


けれど、それでもアカンわけやなかったんですが、

妻が施設管理の仕事をしていた経験上TOTOの方がトラブルが少なかったということで、

性能的にもデザイン的にも両社同等だとは思ったんですが、結局TOTOで選ぶことに。


前の家のトイレはLIXILとTakaraを選んでいました。

そこで、予算のこともあるし、一応3社ともショールームで見積もりを取りました。

枚方には、TOTOもLIXILもTakaraもショールームがあるんです。


やっぱりデザインに惹かれたのは、タンクレス/洗浄便座一体型トイレです。
これからは、コレでしょう!って感じ。

LIXILなら​サティス​。

TOTOなら​ネオレストRH​。


でも、我が家が石場建て伝統構法に至ったのは、

来たるべき南海トラフ大地震に備えてのこと。

災害対策でまず考えるべきは、電気がなくても!暮らせるかということ。


その観点でいくと、タンクレストイレは水道が通じていても、

電気がないと水を流せないんですよね!

これは、災害時に死活問題です。


そんなことをあれこれ妻としゃべっていたのが一昨年(2019年)。

ちょうどタイムリーに、その年の7/1、

近畿地方で伝統構法といえば!という「​​木造建築 東風​​」からのメルマガ・・・。

 

(許可を頂いたので、一部引用します。)


> 入居1年目:タンクレス便器+便座を購入する。happy ♪

>         ↓

> 入居2年目:(=約1年後) 製品がモデルチェンジされて廃番になる

>         ↓

> 入居10年目:(=8年後) メーカーの法的な部品保持責任は無くなる

>          つまりこの時点で、修理はできなくなります

>         ↓

> 入居15年後:便座(ウオシュレット)が水漏れなどを起こして壊れる。

>  この時点で、便器はまだまだ使えるのに、

>  それに合う(専用デザインの)便座 は世の中に存在しない状況になり、

>  必然的に便器も便座も廃棄処分して新品を購入するいうことになります

​​
> タンクレス型便器+便座は約30~40万円。

> 見た目はすっきりしていて掃除もしやすいが実質的な寿命は約15年。

>

> ロータンク型便器+便座は20~30万円。

> 見た目はすっきりしていないし掃除も面倒だが

> 便座は汎用品で長年部品交換できるので寿命は約30年。


・・・そうやんなぁ! タンクレス/洗浄便座一体型やと、故障したら総替えやん!

便器そのものは陶器なんで、詰まりさえしなければ三十年どころか百年でも。

故障するのは機器類なんで、そこだけ交換できる方がいい。


タンクレス式でも、電気がなくてもバケツの水で流せば流れるんでしょうけど、

機構は簡素な方が、要するに故障する部分は少ないに越したことはない。


ということで、災害対策という観点だけでなく、

メンテナンス性、耐用年数といった面からも、タンクレス/洗浄便座一体型は選択肢からはずれ、
いわゆる組合わせ便器から選ぶことにしました。


で、次に考えたのは、サイズ。

えっ!便器ってサイズいろいろあるの?


我が家の1階のトイレは、少し特殊な形状になっているんです。

それは、小便器を併設しているから。(小便器については、稿をあらためます。)

平面略図でいうと、こんな感じ。


(私のイメージを描いて棟梁に送ったもの。出来上がり図ではありません。)


これを見て分かるように、腰掛便器のエリアは奥行が1間あるので、

どんな大きさの便器を入れても大丈夫そうなんですが、

その奥の小便器に行くのに少しでも通路を広くとるためには、腰掛便器は小さい方がいい。


そこで考えたのは、パブリック便器。

TOTOには家庭用の他に公共・店舗用の商品展開があるんです・・・さすが!

さっそくTOTOのカタログを検索・・・おっ!これエエやん!!



パブリックコンパクト便器フラッシュタンク式


なんと、家庭用便器より8.5cmも奥行が短い67.5cmとタンクレス式より小さい!

しかも連続洗浄もでき、タンクが低くてオシャレ。​(click☝catalog)

その上に飾り棚でも付ければ、花とかちょっとしたものを飾れそうです。


けど、一般家庭に使えるの?・・・HPのフォームから問い合わせてみると、


> 一般ご家庭にもお取付は可能です。

> ご確認が必要な点・・・流動時で最低必要水圧(0.07Mpa)が確保されているかです。


・・・との回答。私としてはイチオシの便器なんですが、

なんで一般家庭での設置はほとんどないんでしょうか?


もしかしたら、仕入れ原価が割高なのかもしれません。

エアコンでも、量販店用は品番も違っていて仕入れ値が安いそうですから。


そういうわけかどうか分からないんですが、

結局は実際に設置されたのはこれではなく、

パブリックコンパクト便器・タンク式​。


​こちらは家庭用のカタログにもp.91にCS597として載っていて、

これでも家庭用のピュアレストQRより奥行が3.7cmも短い72.3cmとタンクレス式並。
(click☟catalog)


連続洗浄の性能はありませんが、デザインは家庭用のピュアレストQRとほぼ同じ。

想い描いてたのとは違っていましたが、結果的にはこれで何の問題もないし、

奥の小便器へも何の不便もないので、特に不満はありません。


2階は腰掛便器だけで、畳1畳分の広さがあるので、

普通のシンプルな家庭用の組合せ便器で十分です。

選択肢はTOTOの☟ピュアレストEXか、

☟ピュアレストQR。


タンクレスなら丸っこいデザインがいいと思ってたんですが、

組合せ式のタンクの好みはなぜかシャープな印象の角のある方のタイプ。

やはり私は、流行を追うよりオーソドックスなのが好みのようです。


1階はトイレ内に手洗用水栓を別途設置したので、手洗器なし。

2階はトイレ内の手洗用水栓は特にないので、手洗器付き。

どちらもトイレを出てすぐのところに洗面所はあるんですけどね。
 


1階のトイレ前は、メインの洗面台☝
2階のトイレ前は、サブの洗面台☟


このタンク上部の手洗器、洋式便器が出始めた頃からあったように思いますが、

確かに洗浄用の水を先に手洗いに使うって、いいアイデアです。

でも実際のところ、使い勝手はあんまり良くないんですよね。


 

中国人が日本でこれを見て、中国でも!と流行り出したそうですが、

今の日本では手洗用水栓を別に設置するのが主流じゃないかなぁ。


 

便器の色は、ベージュにしました。

前の家は真っ白だったんですが、どうも病院みたいで・・・。

木の家との親和性も考えてのことです。


それにしても、昔はすごい色の便器がありましたよね!

でも、濃い色は、便の色チェックがうまくできないので、家庭用には不向きとか。

そのせいか今は淡い色ばかりですが、こういうものも流行を追わない方がいい。


五十年ほど前の親戚の家、そのときで既に古民家だった長屋のボットン便所は、

今から思えば伊万里焼だったんじゃないかと、懐かしく思い出されます。



 

トイレについてはまだまだあるんですが、

本稿は第一弾として、腰掛便座選びに絞って述べてみました。

要は、simple is best! ってことです。
 

サステナブル(持続可能)がこの家のコンセプトですし、
結局はその観点からトイレ選びもそこに帰着するんですよね。

 

 

トイレあれこれ第2弾
8/17稿「​奥が深いトイレあれこれ…内装・照明・小物など編~土壁・板壁WCは臭わない?!​」に続く。




本稿に出てくる便器3種の価格の目安のため、あくまでも参考まで、以下挙げておきます。
洗浄便座なし本体価格ですが、通販最安クラスの例なので、工務店の仕入れ価格は全く見当もつきません。