畳の部屋=和室? ・・・ 比類なき使い勝手 ~ タタミのススメ | 伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

今日(8/23)は処暑、暑さが和らぐ頃。

といっても、昨日までより今日のほうが暑い!

そんな今日、久しぶりにほぼ一日じゅう陽が射していました。


(この花はハブランサス? 春が最盛期でここんところずっと咲いていなかったのですが、

 雨の後には咲きやすいそうです。よく似てるゼフィランサスかサフランモドキかも?)


大阪では8/9以降、雨の降らなかった日がほとんどない・・・。

8/7の立秋のあと早くも秋雨前線が停滞、ずっと最高気温は25℃~高くても33℃。

例年お盆は40℃に迫ろうかという炎天下のお墓参りなのに、エアコン要らずの8月後半なんてあり得ない!


明日は私の誕生日、明後日は父の命日。

そして次の日曜8/29は、長男の結婚式!

とっくに結婚はしているのですが、延ばしに延ばして・・・(緊急事態宣言が9/12まで延長されてビックリ!)。



そんなわけで昨日は、新郎の父として、

手持ちの絽の紋付き羽織や袴や麻の白帯などを引っ張り出してきて、お手入れ。

アイロンを当てたり、襦袢に白の絽の半襟を縫い付けたり。
 


 

絽や紗は、盛夏(7~8月)用の透ける薄物の着物。

8/29は立秋後ですが、ギリギリ着られる最後の時季。


そんな、滅多に着ることのない絽の紋付き。次男の結婚式以来2度目の出番。
 

引っ張り出してきたついでに、他の夏物の着物はお片付け。

那覇の着物市場で買った鳥柄(トゥイグワー)の絣の紗の着物や

ミンサー織の帯は、

畳紙(タトウシ)に包んでおきましょうねぇ()。
そうそう、樟(クスノキ)の木片も一緒に入れておきましょう。


これ、日伸建設の新築工事現場でもらってきた無垢フローリング材の端材。

虫除けの樟脳の原材だけに、防虫成分のカンフルが香ります。コロナウィルスの不活性化にも有効だとか!
 

木綿の着物は、洗濯機で丸洗い。

雨が降ったり止んだりの一日でしたが、物干し台・・・

インナーバルコニーなら干しておけます。


 

余談ながら、このハレの日のために、妻が極上のマスクを奮発!
帯織元で有名な福井の小杉織物製の絹マスク・・・絹は抗菌作用が強いとか。
いつもの使い捨てマスクなら100枚は買えてしまいますが、一騎当千を思えば安いもの?!

 

 

こうして見るまでもなく、着物と畳は、さすがに相性バツグンです!

けれど今日のお題は、着物のことではありません。

これら着物を広げてアレコレしているこの部屋について。


2020/11/10稿「​畳敷き~日本ならではの寛ぎの室内空間…畳職人の技​」などでも述べているように、

この家の2階の3部屋は全て畳敷きにしてあります。

1階の書斎も畳敷き、書類や道具などを畳の上に広げてアレコレ・・・。




日本では古来よりこうして畳の上で物を広げて用事をしてきました。

それが畳敷きなら場所を限定されず物を広げ、どこにでも座ることができます。


座るとは、日本では本来おもに床に腰を下ろすこと。

床に直に座るのは、世界的に見れば欧米以外けっこう普遍的なんだそうです。
(正座は日本にしかないそうですが、江戸時代以降に広まったの新しい座り方だとか。)


椅子には座るというよりは、腰掛けます・・・椅子のことを昔は「こしかけ」と言っていましたね。

椅子だと、何かするには必ず机が要ります。

着物のことをしようと思えば、ものすごく大きな机が要ります。
 

畳だと、どんな姿勢でもとれます。疲れたらその場に寝ころべます。

そして和室は続き部屋が基本ですから、仕切って狭くすることも開けて広くすることもできます。

この家の2階は3部屋ですが、こうして2部屋を一つの空間として使えます。
 


 

2階を和室にしたのは、部屋の用途を限定せず、こんなふうにしたかったからです。

それと1階には天井を張っていないので、板敷(フローリング)だと音が響きます。
 

畳にはこの遮音吸音性の他にも、クッション性や断熱性や、

藺草の調湿性や藺草の香りによるリラックス効果があります。

また、集中力向上や空気浄化や抗菌効果も、実験により見られるとか。


一方で難点・・・昨日の床仕事で、腰が痛い!

デメリットとしてメンテナンスフリーじゃないとかダニが湧くとかいう論もあるようですが、

そんなもんは合板フローリングでもカーペットでも同じようなこと。


それにしても、畳っていい! 日本オリジナルの建材として、世界に誇れるもの。
こうして着物のアレコレを畳の上でしていて、つくづく思いました。

なのに、畳のない家が増えている。若い人は和室を知らないのも珍しくないとか。

一級建築士​YouTuberげげ​(金谷尚大)さんによる新刊なんぞ、「和室いりません」と。



こうして書いているうちに、じゃあ和室って何?という問題が浮き上がってきます。

げげさんの本はまだ読んでいませんが、恐らく畳の部屋という意味で言っていそうです。


それなら、この家の1階は和室?・・・板敷に真壁と障子と。


 

畳が敷いてあれば、石膏ボード・ビニルクロス張りの大壁の部屋でも、和室?

和室の定義を自分なりに考えてみるのも、おもしろいと思います。


私たちはこの家を「和」に仕上げようとしたわけではありません。

そのことは2020/12/05稿「​THE和?!・・・伝統構法は和室の家?・・・​」でも述べました。

私たちの求める「用」を突き詰めれば、どこからどう見ても「the 和」になってしまった。


和室か洋室か、そんなカテゴライズはどっちでもいいんですが、

とにかく畳の部屋は自由がきいて、仕事にも寛ぎにも使いやすい。



 

畳を、畳の部屋をよく知らない、育った体験のなかにない建築家には、

畳の良さを生かす提案はできないでしょう。

 

これからの家を建てようと思っている方は、和派の方も洋派の方もぜひ、

畳の良さや畳の部屋の使い勝手などがよく分かっている建築家や棟梁に相談してみましょう。

そしてもっともっと、和にしても洋にしても畳を建築に生かすと良いと思います。


 

昨夜8/22は、満月(スタージャンムーン)。さらに、そばには木星も。

残念ながら昨夜は天気が悪く全く見えませんでしたが、

今日はようやく天気が回復したので、今まん丸の月と木星も、おぼろげながら夜空に輝いています。


この本をここんとこ、夜な夜な読んでいます。
「和室学 世界で日本にしかない空間」松村秀一他編・平凡社

今夜も月明かりで読み進めましょうねぇ()!

明日からはようやく残暑の晴れが続き、
こんどの日曜8/29もいい天気の予報。
結婚式日和になりそうです!​


※沖縄の言い回しで「~しましょうねぇ」は、自分がしよう!という意味。)​​