光と影・空と雲 … 秋分の日の頃 ~ 外に向かって開かれた日本の家 | 伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

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五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

お彼岸を明後日に控え、すっかり秋らしくなりました。

昨日9/20敬老の日は、朝から雲一つない抜けるような快晴。

秋は空が高いとは、よく言ったものです。


夏の間は窓からの熱射を防いでくれていた深い軒ですが、

この時季は爽やかな陽が少し射し込むようになってきました。


 

南向きのベランダの下の書斎にも障子に格子の影。

部屋全体がそんなに明るくなるわけではないんですが、

影が光を際立たせます。



2階も、軒の影が真夏よりは短くなってきて、

簀子吹抜けに光を導きます。


 

お昼ごろ、1階の雨戸を閉めてみました。

その簀子吹抜けからの光が、定位置で主人を押しのけて寛いでいる老犬を、

スポットライトのように照らしています。


 

雨戸を開けると、

この居間も隣家が迫っているので部屋全体はたいして明るくはないんですが、

雪見障子越しの陽射しと影のコントラストが美しい。


 

こういう光の演出は、障子ならではの魅力!

レースのカーテンでは、こうはいきません。

洋室でも合う障子もあるので、ぜひ取り入れてはと思います。
 

南側の壁面に陽が当たるようになってきて、

今さらながら植えたわけでもないゴーヤーが伸び始めました。

もう上がっても30℃程にしかならないので、収穫は期待できませんが・・・。


せっかくの秋晴れ、こういうのを日本晴れと言うんでしょうか?

太陽を撮りたかったんですが、さすがに直には無理ですね。

日向は暑いですが、心地いい秋の風が窓からそよぎます。


2階のベランダ(インナーバルコニー)。

このごろベランダ不要論が幅を利かせていますが、

これも今よく言われている「中間領域」としてゆとりを演出しています。


そしてこのお陰で、畳が直に焼けずに済んでいます。

洗濯物や着物を干すのにも、半室内干しの場として重宝しています。

秋~冬~春と低い方の棹に吊れば日光干しもできるし、通りからは見えません。


隣家と深い軒との隙間から見える空は貴重です。

でも、せっかくあんなに晴れていたのに、午後からは曇が出てきました。

やっぱり秋の天気は安定しません。


夏の雲とは全然違って、すっかり秋雲。

楽しみにしている夕焼けは、なかなか見ることができません。


ところで童謡、「夕焼け小焼けの 赤とんぼ・・・」

♪あかとーんーぼーー♪・・・♪レファファーソーラーー♪

山田耕筰はイントネーションに意図的に合わせて旋律をつけたんだそうです。すごい!

大阪弁なら、♪ファソドーラーソーー♪になったのかな?!

 

今日もやっぱり夕方は曇って小雨がパラパラ、夕焼けはお預け。

今日は中秋の名月なのに、残念ながら本番は見られそうにありません。


でも昨日の真夜中には、ほとんど満月の青い光が、

あの隙間からベランダに格子の影を落としていました。

<9/22追記:中秋の名月、真夜中9/22に入った頃、南の空高く見ることができました。​​
でも南中高度が高過ぎて深い軒の上、ベランダからは直接見えず・・・。


この写真は、その時のものではなく、7/25に入った頃の真夜中、

南の空に輝く満月です。>

 

いくら都会の住宅街でも、今どきの機械空調頼みの閉ざされた家は味気ない。​

光と影と、空と雲とを直に目にしながら暮らす、伝統的な日本の家の心地よさ。
 

そんな暮らし方の哲学まで、
国家権力によって一律に規定されたくはないものです。