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技術日誌

ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 前に作った咥えジグでは,チャンネルの内側と外側のナットで挟み,その位置を変えることにより作用点の所の厚さに対応させる構造でした。調整するには,スパナとナット回しの2つを用いる必要がありました。そこでもうちょっと楽に調整する方法を考えました。それが写真のものです。手前が支点です。下側にM5のネジ穴を作りました。前のと同じように押し付ける力がかかるので,上側チャネルの下側にはダブルナットでチャネルが下がるのを押さえるようにしてあります。こちらのネジをナット回しで回転することにより支店の高さを変えられます。前よりずっと簡単になりました。力点にも下側チャネルにM5のネジを作ってあるので,ここのボルトをナット回しで締めることにより,作用点が押し付けられます。

 長さが91 mmある丸鋸ガイドでは最大91 mmまで切断するのに使えます。ただ,ガイドを被切断材に押し付けるには,左右からクランプのようなもので締める必要があります。ただ,通常のクランプだと,締める部分が上に飛び出し,丸鋸ノコのモーター部分に当たってしまいます。そこで,咥えるジグを作りました。スチールチャネルを12.5 cmで切断し,M8ボルトで締めるようにしました。写真右側のボルトが支点となり,左のボルトが力点,左側の丸鋸ガイドの部分が作用点となります。右側のボルトには下向きの力がかかります。間隔が縮まないよう,ボルトで支える形になっています。その位置を作用点の所の厚さと同じにすることで,色々な高さのものを締めることができます。

 集塵ホース用の穴を開けたので集塵効率を上げることを考えました。発生する木屑が集塵ホースに流れて行くよう空気の流れを考慮し,余分な空気の流れを止めるように覆いを取り付けました。木屑は穴の少し手前から先の方で発生します。手前を留めるため横に細長い長方形の薄合板を付けました。左右も空気の流れを止める必要があります。このガイドシステムは,作業台の下に設置するので,ガイドシステム自体の上側の覆いは不要です。

 ラボジャッキ置き台の真ん中に集塵ホースの穴を開けると集塵効率が上がると考えました。特にトリマでは削り屑がたくさん出るので集塵は必須です。これまで,大きな穴は,自在錐を使っていました。自在錐は対称でないので,安定に切るために,これまではボール盤にしっかりと固定して行っていました。しかし,これが大きすぎて,狭い工房内に置かれたボール盤のところにセットできません。ユーチューブなどでは,ドリルを使って開けている例がありました。「大丈夫ですか」とコメントすると,「問題は全くない」との回答が返ってきました。

 

 先ずは,薄い合板でやってみました。ちょっと多く押し下げると跳ねることがありました。それでも何とか開けることができました。そこで,12 mm厚のラボジャッキ置き台で試してみました。しかし,中心のドリル穴を広げてしまうくらい跳ねてしまいました。ちょっと慣れが必要です。危ないことはしたくないので自在錐を使うのは断念しました。次にジグソーを使ってみました。ジグソーで半径が小さめの穴を開け,最後にトリマできれいにすることを考えたのです。写真で穴の中心から奥の方に向かっている溝がジグソーによるものです。この先,円周のところまででカーブさせるのはちょっときつい感じがしました。やり直すとしたら,ジグソーのスタートのφ10 mmくらいの穴を改めて開ける必要があります。そこで,切りくずは多くなるものの,いきなりトリマを使うことにしました。先に作った薄い合板の穴を倣いの型にして円形に削り出しました。

 

  出来上がった穴です。左奥の方を見るときれいに開けられています。右下がギザギザになっていて,その手前に円弧状の傷がついています。これらは,自在錐による傷です。裏はきれいです。

 

 作った穴には集塵ホースを挿します。わずかに緩い感じがしました。下から挿すので,重さで抜けてしまう恐れがあります。そこで,少し小さめの穴を開けた厚い板を重ねました。この板は小さいのでボール盤を使えました。今度はわずかに径が小さく,集塵ホースを入れるのに苦労します。そこで入り口の辺をテーパーを付ける形で削りました。これで集塵ホースを楽に入れられ,奥に押し込むことでがっちりと固定できるようになりました。

 前に蘭用加温ケースの棚が崩れて蘭の花茎が折れてしまったことを書きました。折れた花茎をまとめて花瓶に挿したところ,にぎやかになりました。ピンクと白の組み合わせも良いです。

 作業台よりちょっと下がった部分にラボジャッキを置く台を作る必要があります。そこで,ラボジャッキを置く板の両側に角材でロの字型に組んだ枠を取り付けました。

 

 ロの字型枠の上側を作業台の下に押し付けてクランプで留めました。下側から押し付けた状態でクランプを取り付けるのは一人ではできません。そこで,以前にも示したように,エレベーター付き三脚に板を取り付けたものの上に,ラボジャッキ置き台を載せ,エレベーターにより,作業台下に押し付けました。これで手から台を離すことができ,クランプで締める作業ができます。

 

 長い角材の側面に溝を彫る場合は,可能な範囲を溝彫してから,角材をずらして溝彫りを進める必要があります。そのずらしを楽にするため,角材の高さを一定にするための支えを付けることにしました。これで,木工万力を緩めたら,下に押し付けるようにしてずらすことができます。加工時の角材に応じて,高さを調整できるようにする必要があります。それには2つのラボジャッキを用いることにしました。

 木材にドリルで穴開けすると,ドリル刃が抜けた側(木材裏側)がガタガタになります。ネットでも,「素人の穴あけはこうなる」などとし,「下に捨て板を当てて穴あけすればきれいに開けられる」と書かれています。しかし,木材を押さえていても,ドリルの刃が被加工材を抜けた時に被加工材が持ち上がってしまい,下に捨て板を当てた効果が下がってしまいます。そこで,ダウンホールドクランプで被加工材を捨て板に押し付けて穴あけすることにしました。手前に被加工材があり,その下に捨て板があります(捨て板が端材でたまたま被加工材と同じ幅だったので,下にあるのが見えにくくなっています。上側が角材,下の方に層状に見えるのが合板の端材です)。ダウンホールドクランプで押さえつけてあります。卓上ボール盤も持ち上がるのを避けるため,後ろの方に回したベースを左右からダウンホールドクランプで押さえてあります。

 

 この写真は被加工材を裏返したものです。ガタガタにならず滑らかな穴になっています。下側が捨て板です。

 前に示したように丸鋸ガイドはベースとの間に被切断材を挟み両側から木ネジで締めて押し付けて使います。本来木ネジは繰り返し締めたり緩めたりするようにはできていません。使っているうちに消耗してネジ穴がバカになってしまいます。この対策として最終的にはベースに鬼目ナットを組み込みビスで締める形にしたいと考えています。しかし,とりあえずという対策をしました。

 

 とりあえず,ベースの下に1×2材をあてがいました。2か所でネジ留めしてあります。今後,ここまで留めネジが入って行けば当面強く締めることができるはずです。

 

 クイックバークランプをいくつか持っています。そのうち2本は百均で買ったものです。やはり不具合はそちらで起こりました。レバーを握ったり緩めたりを繰り返すことにより咥えるものです。レバーを握った後,緩めるとバネの力で戻ります。これが引っかかって戻りにくくなりました。外側から潤滑スティックを塗ってみましたが戻りにくいままでした。よく見ると5本の小ネジがありましたので緩めてみました。すると,手前側のパネルが外れました。レバーを取り出し,他と滑る部分に潤滑スティックを塗って組み立てなおしました。その結果,レバーの動きがスムーズになりました。これで手持ちの全てのクイックバークランプが使えるようになりました。