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技術日誌

ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 去年サボテンについた子株を鉢に植え,越冬加温室に入れておいたエキノプシスに4月から花芽が付きました。そしてついに大きな花を付けました。越冬加温室は夜間15℃ほどと,あまり暖かくしていません。しかし,この温度により,早めに花芽をつけたようです。このサボテンの花は1晩しか持ちません。あまり目に触れずにしおれてしまうので,部屋に持ち込むことにしました。今晩1晩だけ楽しめます。

 波板パネルはガレージ柱間に渡した桟に固定しています。波板パネルは3枚固定しているので,桟が長く前後にちょっと揺れます。そこで,角材載せに用いている桟で波板パネルを押す形で固定しました。またその先は,ガレージの母屋に当たるよう2個の短い角材を追加しました。これにより,波板パネルの前後方向の揺れを抑えることができました。

 角材に溝を彫るためのトリマガイドは,2枚の合板をずらして接着したものです。

 

 下側合板の幅は,ビットの右端とトリマベースガイドとの距離になっています。トリマガイドを作る際は最初,下側合板の幅を少し大きめにしておき,トリマベースをトリマベースガイドに沿わせて移動研削します。これにより,下側合板の幅はビット右端からトリマベースガイドの端までの距離になります。被加工材を彫るときは,下側合板の端を,被加工材の墨の位置に合わせてトリマベースをトリマベースガイドに沿わせて移動すればよいのです。これまで,標準として,トリマビットはφ8を用いていました。幅が8 mmより広い場合は,被加工材を一旦片側から彫ったのち,180°回転させ削っていました。最近の加工では,10 mmの幅の溝を彫ることが多いです。φ10のビットを用いれば一回の加工で済みます。

 

 しかし,ビットを変えると下側合板の幅が変わってしまいます。例えば,φ10のビットに変えると( 10 ― 2 ) / 2 = 1 mmだけ下側合板が削れてしまいます。新たにφ10用のガイドを作ろうかとも思いましたが,手持ちのものをφ10用に変えてしまうのも一計です。どうしてもφ8の溝を彫りたい場合は,下側合板の端を被加工材の墨の位置から1 mm開ければよいかもしれません。

 続いて3枚目のパネルを作製しています。これまでのパネルの幅は,波板の幅に合わせて設計しましたので,幅は切断することなく使えました。3枚目のパネルは柱間の端になるので,残りの幅に合わせる必要があります。波板を枠に合わせると写真のように,右側が余ります。

 

 波板の切断用ハサミは2種類持っています。波板の波に直角方向に切るには,波板の波の形をしたハサミを用いることによりスムーズに切ることができます。一方,波に平行方向に切るのはまっすぐな刃のハサミを用います。波板は紙などとは異なり,切断時に大きく寄せることができません。そのため,このハサミの刃はグリップより外れた方向についています。専用のハサミのおかげで切断はスムーズにできました。

 

 波板をはめ込んでも,立てるとずれてしまう恐れがあります。そのため,桟の一部から木ねじを波板に留めておきます。波板の底から,桟を貫通させて木ねじの下穴を開け,桟側から木ねじを締めます。波板は透明のため,どこが底かわかりにくいです。そこで,鉛筆を波板に置きました。ここでは六角の鉛筆ですが,丸い鉛筆の方がきちんと底で安定します。そして,印をつけ,ドリルで下穴を開けました。

 

 下から木ねじを締めると,波板をしっかりと留めることができました。

 

 小屋の扉の塗装がめくれあがってきました。古い塗装でよく見かけるような島状にめくりあがってきたのです。塗装から2年ほど経っています。再塗装することにしました。この塗料の缶には「発がん性がある」と書かれています。ちょっと嫌なので,今使っているステイン塗料を使うことにしました。色がほぼ同じです。まず,はがれている部分をサンダで削りました。

 

 恐れていることをやってしまいました。塗料がたれて,波板についてしまったのです。

 

 前に,「爪に着いたステイン塗料をシールはがしでとれた」という記事を書きました。波板にも使えるのではないかと思い,シールはがしのスプレーをかけてティッシュペーパーで拭いたところ,きれいに取れました。

 

 再塗装後です。サンダで削った部分も古い塗料と色があっていて,自然な形できれいになりました。

 パネルが完成したので取り付けました。パネルの手前の面はガレージ柱の外側の面に合わせました。パネルの右側は,1×2材を5 mm程に切ったもの3個を柱に沿わせた角材に取り付けました。そして,そこからパネル枠にねじ留めしました。

 

 パネルの左側はガレージの柱と柱の間なので,取り付ける場所を作る必要があります。1×4材を立てました。この1×4材は柱と柱の間にかけた桟に取り付けました。その際,パネルの面が,右の面と一致させる必要があります。右の面はガレージ柱の外側の面です。そのため,桟と1×4材との間にスペーサーを挟みました。スペーサーは2×2材を3 mmに切断したものを用いました。立てた1×4材は左側に付ける予定の波板パネルの右側を固定するのにも使います。

 パネルの横桟は,波板の裏表に薄い角材を配して挟むようにしています。前回は,裏表の薄角材の距離が離れないよう,木ねじを用いました。しかし,角材が薄いので,ねじが裏側まで届き,しかも突き抜けないようにするのが難しかったです。今回は,φ20の半丸棒を挟みました。これは波板のカーブにうまくなじみます。写真では表側に1本の木ねじで半丸棒を留めています。裏面からは,このねじの位置を避け,上下にずらした2本の木ねじで留めました。桟の厚さは5 mm,半丸棒の中心部の厚さは10 mmあります。16 mmの木ねじを用いると,波板の厚さの先まで入る勘定になります。この場合,反対側の桟まで届く必要はありません。またちょっとはみ出して,反対側の桟に刺さっても問題は全くありません。これにより横桟を安定に取り付けることができました。

 越冬加温ケースに置いていた白花のベゴニアの一部が長く伸びていました。それらを切り取り,形を整えました。切った芽は捨てるつもりでしたが,せっかくなので差し芽をしてみました。通常差し芽をするときは,切った芽の切り口近くを水の中で剃刀を用いてきれいに切ったのち,水に差して水を吸わせてからバーミキュラーライトに差します。ベゴニアは強そうなので,そのままバーミキュラーライトに差してしまいました。果たしていくつかから根が出てくるでしょうか。

 ステイン塗料は,使い捨てゴム手袋をはめて,ウエスに付けて木材に塗り込みます。ゴム手袋を外して手を見たところ,爪にステイン塗料が付いていました。ゴム手袋の先端が爪で傷ついて塗料が漏れたのでしょう。

 

 何か溶剤で除去しようと見まわしたところ,スプレー式のシールはがしがありました。これも溶剤なので効果があるのではないかと思い,ティッシュペーパーに吹き付けて爪を拭いたところ簡単に除去することができました。

 

 つくばエキスポセンター内に,だまし絵の展示がありました。遠近感の錯覚を利用したものもいくつかありました。写真は開いた障子の向こうから顔を出すと,障子大の顔に見えるというものです。また,二人が並ぶと一人が大きな人に見えるというものもありました。係の人は,「指定した位置から写真を撮ると面白さがはっきりわかる」と解説していました。人は2つの目で見ることにより,距離感がわかります。これらの展示は,距離感の情報がないときに,遠くほど小さく見えることを利用したものです。写真だと距離感はサイズの情報のみになります。障子は小さく書かれていて,遠くにあることを示しています。実はそこに立った人は近くにいるのに,周りの障子の大きさと比較して大きく見えてしまうのです。

 サンフランシスコのエクスプロラトリアムという科学館にも同様の展示がありました。そこでは,見る位置に縦の格子が設置されていて,必然的に片目で見るようになっていました。そのため,距離感は大きさのみで感じるようになります。実際にはひずんだ部屋で左側が狭く右側が広くなっています。しかし,狭い側が手前にあり,広い側が遠くにあります。見る場所からは左右が同じに見えます。これにより,見る場所からは直方体の部屋に見えます。左側が狭いのに,右と同じ広さが奥の方にあるように感じます。両目での距離感がないのがポイントです。したがって,左側に立った人は実は近くにいるのですが,遠くに大きな人がいるように感じてしまうのです。今回の展示でも,節穴から覗いて見るような片目で見る仕掛けをするとよかったと思います。