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技術日誌

ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 ヨーロッパ旅行を計画していて,スケジュールをExcelに記述しています。飛行時間などを計算するとき,現地の時刻を日本時刻に変換してから行わないと,時差のある国間の移動では,正しい時間が得られません。イタリアの夏時間では,日本より7時間遅れています。D2セル(黄色)に日本時間を入れると,D3セル(空色)にイタリア時間が出るように,D3セルに,=D2-"7:00"と入れてみましたが,エラーになってしまいました。一方,時刻を書いたセル同士の四則は可能らしいです。そこで,D3セルのように,D2から,時差を書いたD1を引くようにしてみました。結果が正の場合はうまく行きました。しかし,7:00より早い時刻では,#####のようになってしまいました。そこで,7:00を引く代わりに17:00(24:00-7:00)を足すことを試しました。これでうまく行きました。これは,地球を西回りに時間を引く代わりに,東回りに足すことに相当します(日付は関係ないので日付変更線を無視して)。他にも方法はいくつかあると思いますが,この方法でもうまくいくようなので,ここではこれを使おうと思います。

 かなり前に「波板パネルの設計」のタイトルで記事を書きました。その後,ジグなどの作製に時間が取られていました。それも,波板パネルの作製を楽にするものばかりです。それらが出来上がったのでようやく波板パネルの作製に移ることができました。

 波板パネルの枠の上部と縦の柱との結合は三枚組継ぎとします。柱の端部に“ほぞ”を加工しました。また,側面には,波板をはめる溝を彫りました。このとき,ほぞの右に孤立部ができます。トリマ加工では,この孤立部を右に押す力がかかります。これまでの経験で,孤立部はトリマにより飛んでしまいやすいことが分かっています。写真では,孤立部がパイ菓子のようになっていて,特に飛びやすいと思われます。ここでは2 cm程(1×2材の幅の約半分)ほど溝をほぞの方に切り込みました。孤立部は大丈夫でした。

 

 どの程度切り込んだら飛ぶのか試すために,残りを1 cm位になる所(切り込み長さ約3 cm)まで切り込んでみました。するとポンと飛んでしまいました。今回,溝をほぞの方まで切り込むのは,波板が差し込まれるスペースを角(結合部)に作るためです。差し込む深さは1 cmとしましたので,孤立部を飛ばすことなく加工できそうです。

 

 丸鋸ガイドでは,ガイドの下に被加工材を入れ,両端を木ネジで作業台に締め付けるようにしています。丸鋸ベースを滑らせる面では,皿ネジを用い,ザグリを入れてネジ頭が面の上に出ないようにしています。用いた合板が軟らかすぎるのか,ネジ頭がどんどんと潜ってしまいました。

 

 そこで,皿ネジワッシャーをはめ込むことにしました。軟らかい合板でも,当たる面積が大きくなるので,これ以上の潜りは防止できると期待されます。

 

 皿ネジワッシャーを埋め込んだところに木ネジを挿して作業台に締め付けてみました。ネジ頭が丸鋸のベースを滑らせる面より下がっているので,支障なく使えます。

 

 溝彫システムでは,加工場所の下部に吸塵ホースをセットしています。気流は上から下に向かい,発生した木屑を伴って集塵機に入ることを期待しています。トリマガイドの下は,左右のマイターレールを付けた台の間が開いていて,そこからも吸塵ホースに向かう気流が起こります。その分,上から下に向かう気流が少なくなります。そこで,2つの薄合板を用意し気流止めにしました。気流止めを2つに分けたのは,左右の台の間隔を変えても隙間ができないようにするためです。台はそれぞれ2枚の板の間に角材を入れています。ここの隙間を埋めるのに,取っ手を兼ねた角材を取り付けました。また,なかば廃棄状態の板だったので汚れていますが,性能に関係ないのできれいにする手間は省略しました。そんな板だったので反っていましたが,角材を取り付けた結果,反りは解消されました。

 溝彫りの際,ここまで彫りたいという時ストッパーがあると確実です。トリマベースを滑らす面にストッパーを置き,クランプで留めるようにしました。トリマベースの止まる位置と,トリマビットの位置とには40 mmほどずれがあります。そこで,ストッパーの手前に直角に板を取り付けました(ストップ位置ガイド)。そして,トリマをストッパー位置まで働かせました。それによりビットのストップ位置が分かります。ストップ位置ガイドの前方が曲がっているのは,φ8のトリマビットのRです。

 M5で10 cm位のボルトを探していましたが,手に入りませんでした。そこで先の記事では,長いものが手に入るネジロッドを用いました。ネジロッドは頭がないので,六角ナットを端に付けることで頭にしました。六角ナットが回ってしまっては意味がないので,六角ナットと四角ナットをダブルナットとして固定していました。2つのナットの間には緩み防止のためスプリングワッシャを入れていました。四角ナットは厚さが六角ナットの半分程度なので,頭の高さを抑えるために使いました。それでも,頭は結構な厚さになっていました。

 ここでは,1つの六角ナットが回らなくなるよう,工夫しました。まず,ネジロッドに六角ナットをセットし,ネジロッドの端と,六角ナットの面が一致する位置にした後,ネジロッドと六角ナットの間にφ3mmの穴を開けました。

 

 開けた穴にφ3 mmのアルミ線を挿し,3 mm程残して切断しました。

 

 飛び出しているアルミ線をたたいてつぶしました。これでアルミ線は抜けなくなり,六角ナットは回らなくなり,ボルト頭として機能するようになりました。

 

 これで長い六角ボルトとして使えるようになりました。これから使ってみて,十分な強度があるか確認したいと思います。ちなみにストッパーとして機能しているアルミが崩れるようなことがあった場合は,釘などの鉄材を使ってやってみる選択肢もあると思います。

 

 角材溝彫りガイドシステムは,作業台の下にセットします。四隅をクランプで留めますが,留める前は押さえていなければなりません。押さえながらクランプで留めるには手が3本以上必要です。以前にオーディオ台をセットするときも同様でした。その時は,上に板をセットした三脚で押し上げておいてセットしました。その時は一回限りの作業でしたが,溝彫りガイドシステムでは,溝彫り作業をするたびに行わなければなりません。そこで,楽にセットする方法を考えました。それは,ガイドシステムをひっかけるところを作ることです。写真の丸印の所3点に溝彫りガイドをひっかけることができます。

 

 溝彫りガイドをひっかけたところです(パノラマ撮影のため歪んでいます)。このように手を離すことができるので,四隅をクランプで留めることが楽にできるようになりました。

 これまで集塵機ケースには,集塵機本体,電動機器の動作を感知して集塵機をON-OFFするコントローラー,集塵ホース,集塵袋など,一式を保管するようにしていました。コントローラーには,強制ON, OFF及び電動機器動作時にONにする“連動”の3段階の切り替えスイッチが付いています。木工作業の最後に,吸いきれず飛び散った木屑を吸うためにスイッチを強制ONにしていました。その際,集塵機ケースが下にあるのでかがむ必要がありました。そこで,コントローラーを外置きにして,スイッチの切り替え時にかがむ必要がないようにすることを考えました。これまではケース内の集塵機に並べてコントローラーがありましたが,ケース内からコントローラーがなくなると,集塵機を寄せて,集塵袋を付けたままにすることも可能になります。

 外置きにするためのケースを作り,作業場の上の方にネジ留めしました。ここにコントローラーを置き,奥の方に開けた穴を通して,電源などのコードを通します。

 

 外置きケースにコントローラーをセットしました。電線は後ろから出しているのですっきりしています。

 

 動作中の集塵袋です。集塵機ケースの側面からふくらみます。

 

 収納時は集塵袋をこのように押し込み,扉をセットします。

 咥えジグでは,M5×100 mmのネジが必要でした。ホームセンターで探しましたが見つかりませんでした。頭の付いていないステンレス製のネジロッドは長いものがありました。長さが285 mmでした。それを半分に切れば丁度良い長さになります(140 mm程度の厚さまで咥えられます)。カナノコなどで切断すると,切り口が乱れてナットが入らなくなる恐れがあります。そこで,ネジ切断機能の付いた電工ペンチで切ろうと思いました。しかし,手で握っても切れません。手で握る部分を万力で締めましたが,ネジは曲がる程度で切れませんでした(電工ペンチが傷むと思いますが,いくつも持っているので壊れても良いという覚悟でやりました)。やむを得ず,電動ノコに金属用の刃を付けて切断しました。切断された所にはナットは入らないだろうと思っていましたが,問題なく入りました。ステンレスはネジがつぶれないで切断できるようです。

 

 ネジロッドはネジ頭がないので,ネジ締めが難しくなります。そこで,末端にはダブルナットを取り付けました。ダブルナットでは,ナット2個分+スプリングワッシャーの厚みを取ってしまいます。そこで内側には薄い四角形のワッシャーを使いました。手持ちのワッシャーの径がちょっと大きすぎたため,六角ナット側には平ワッシャーが必要でした。これにより,ナット回しでネジを回すことができるようになりました。

 

 前に作った咥えジグでは,チャンネルの内側と外側のナットで挟み,その位置を変えることにより作用点の所の厚さに対応させる構造でした。調整するには,スパナとナット回しの2つを用いる必要がありました。そこでもうちょっと楽に調整する方法を考えました。それが写真のものです。手前が支点です。下側にM5のネジ穴を作りました。前のと同じように押し付ける力がかかるので,上側チャネルの下側にはダブルナットでチャネルが下がるのを押さえるようにしてあります。こちらのネジをナット回しで回転することにより支店の高さを変えられます。前よりずっと簡単になりました。力点にも下側チャネルにM5のネジを作ってあるので,ここのボルトをナット回しで締めることにより,作用点が押し付けられます。