こんにちは、語源大好き・きんぞうです。連日、「政治資金規正法改正案(the proposed amendment to the Political Funds Control Law )」という言葉が飛び込んできます。実効性・効果性が最終目標ですが、連座制、企業献金、政治資金パーティー等々について、各党がどのように考えるのかが比較対照できる機会でもあると感じます。

 

さて、これにヒントを得て、このブログにおいても、その目指すところを、一望して頂けるようにしようと考えました。

これまでの10回で、具体的な材料(接頭辞・語幹・接尾辞等)を使いながら、語源という視点を持つことのメリットをお話させて頂いてきましたが、今回と次回の2回に分けて、異なる角度から、このブログが考える全体像をご案内させて頂きます。

第1回:語源カルタ・俳句一覧

第2回:公教育への導入カリキュラム案

今回は、現在作成済の180の俳句を、材料として使用している単語のアルファベット順に提示させて頂きます。

一度目:上五・中七=日本語、下五=英語

二度目:上五・中七=漢字かな交じり・下五=カタカナ

    (上五=上の句、中七=中の句、下五=下の句)

 

最後に英単語を表記している一度目の場合は、英単語を見ないようにして、上五・中七を読んだ段階で、英単語を類推して頂くのもよいでしょう。

また、上五・中七・英単語と流れる中で、どのような材料を扱っているかを味わって頂くのも一興だと思います。

 

二度目の「下五=かたかな」版では、英単語を紙に書いてみられては如何でしょうか。

語源のメリットのひとつに、綴りミスが少なくなることがあると実感しています。アルファベットを順に綴っているという感覚から脱し、パーツを組み合わせているという感覚を味わって頂ければ幸いです。

 

では、始めます!

 

上五・中七=日本語、下五=英語版

標準を 離れているのが abnormal
「あ」をとれば 「広い」が出てくる abroad
存在を 離れていると absent
アブスでも アブと同じだ abstract
WHO 世界保健機構 acronym
高いとこ 怖いよ怖い acrophobia
ドレスなら 床へ真っすぐ address
オプションに 方向付けたら adoption
こっちへと 振り向かせての advertise
目を向けて 状況見てから advice
 
風計る アネモネを見て anemometer
一年が 回ったんだね anniversary
a.m.は 正午前だよ antemeridian
人類を 学ぶ学問 anthropology
人いると 怖いよ怖い anthropophobia
「あ」をとれば ねむりがあるね asleep
そばに立ち 補佐役をする assistant
切れません こうこれ以上 atom
こちらへと 注意引っ張り attention
そっちへと 伸ばすよテント attention
 
お店へと 人引き付ける attraction
壊れたよ 銀行とは bankrupt
輪がふたつ 人より速い bicycle
生きた道 書いたものが biography
黒い板 そのままだよね blackboard
断食を 壊す食事 breakfast
放送で 広く投げるよ broadcast
お頭を 英語にすると captain
百年に 一回来るのが centennial
携帯に 電気走らせ charge
 
狭いとこ 怖いよ怖い claustrophobia
南北に 気候傾き climate
あれこれと 一緒に集める collection
思い切り 満たした状態 complete
ごちゃごちゃに 折り重なった complex
同語源 コンプリートと comply
ドレミファソを 一緒に置いて compose
英単語 一緒に置いて compose
しっかりと 持っているのが concept
皆の声 一緒に閉めて conclusion
 
JTB みんなを導く conductor
金平糖 一緒に作る confection
全員が 自分運んで conference
思い切り 取って使う人 consumer
眼鏡より 一緒に触れる contact
矛盾とは 反対言うこと contradiction
べんりだね みんな来られる convenience
お話を 一緒に回し conversation
音楽の だんだん大きく crescendo
あれこれと 分ける批評家 critic
パソコンの 画面を走る cursor
 
葉っぱには ライオンの歯形 dandelion
きっぱりと 切って離して decide
音楽の だんだん小さく decrescendo
外に向け 印を付ける design
毒離れ 今日も元気だ detox
纏めたよ 言葉遣いを dictionary
離すよう 運んでいるのが different
エフがくる エスが違って different
離れてく~ 捨てるカードが discard
 
コロンブス 覆いを取って discover
議長から 離れて座る dissident
誤答へと 気を引き離す distracter
多様性 離れて回る diversity
二つ折り 倍になるよね duplicate
外に向け 力を出すぞ effort
卵にも 見える植物 eggplant
排気ガス 送るミサイル emission
外に向け 動いてしまう emotion
標準を 滅茶越えてる enormous
 
さんまさん 間取り持つ entertainer
演劇の 後で語る epilogue
南北が 等しくなる線 equator
等しいね 夜の長さが equinox
外に向け 回っていくよ evolution
外へ行け 非常口から exit
外見れば 隠れたSが expect
港から 外へ運べば export
考えを 外に押し出す expression
ウーバーの 兄さん元気 exuberant
 
作ったり 人がしたりと fact
作るとこ 作業するとこ factory
調子良し 言うこと終わり fine
正に火が 仕事している firework
前もって 投げ掛けてこそ forecast
産み出すぞ 次の世代を generation
一歩ずつ 歩めばいいよ grade
持ちたいね 健康的な habit
ヒレイリアスな ヒラリーさんは hilarious
高過ぎて 困っています hypertension
 
血圧が 低くてこまる hypotension
血圧が 高くて困る hypotension
知っている 否定で無視する ignore
可能から 不可能になる impossible
押してくる 心の中に impression
懐の 中に来い来い income
冬くれば 流れ込んでくる influenza
神様が 息を吹き込む inspiration
人の上 積み上げる人 instructor
間にある 関心・利害 interest
 
ちょっとだけ 間を賄う interim
人の手で しっかり持ちます maintenance
AKB クッキー落として misfortune
間違った 理解をするのが misunderstand
過去・未来 測りは現代 modern
台本も 一人で言えば monologue
人いても 一人語れば monologue
モノレール 線路が一本 monorail
モノ・ジ・トリ 線路が一本 monorail
いくつもの 言語話せば multilingual
 
ナンセンス! 意味なってないよ! nonsense
東へと 方向づける orientation
ぶらぶらと 首から下がる pendant
完全に やり通すのが perfect
木を重ね 板にしたのが plywood
p.m.は お昼からだよ postmeridian
先を行く 前例となって precedent
崖落ちる 頭が先に precipice
辞書持って 前もって言う predict
好きな方 前に運んで prefer
 
前もって 準備するのが prepare
前、後ろ 馬鹿げているね preposterous
求めるよ 前提として prerequisite
議長さん 前に座って preside
大統領 前に座って president
先に来て 邪魔も予防も prevent
番組を 前に導く producer
前に向け 放つものこそ promise
先の事 投げて送るぞ promise
販売数 前へ動かす promotion
 
飛行機を 前に駆り立てる propeller
個人的 財産・特徴 property
真心を 前に差し出し propose
前へ置き 指輪差し出し propose
返ってくる 動きのことだ reaction
もう一度 回して活用 recycle
後悔に 思い切り泣く regret
もう一度 財布の中に reimburse
よろしくね 折り返しの reply
大統領 戻って座れば resident
 
抵抗に 立ち上がるのが resistance
振り返り 見てしまうほど respect
後ろ向き くるっと回れば return
裏側に 回して着られる reversible
一塁に 付いて行くのが second
秘密だよ 離して分けて secret
守秘義務が 一番大事 secretary
選り分ける 離して集めて selection
頭消え 気晴らし運ぶ sport
四角でも 思い切りなら square
 
スタ付けば 立つが浮かぶよ station
動かずに 立っているから station
走る前 ちゃんと伸ばして stretch
書くんだね 下に名前を subscription
我が名前 下に書いたら subscription
成功の 後を行きたい succeed
太陽に 花が引っ付き sunflower
頭上から 捕まえられたら surprise
何事も 越えて生きるぞ survival
SDGs Sは持続可能 sustainable
 
一緒の 気持ちになれば sympathy
怖いよね 新機種登場 technophobia
遠くから 感じるものあり telepathy
防波堤 四本足の tetrapod
農機具を 引っ張る車 tractor
空越える 声を受け取る transceiver
乗り換えは 越えて行くこと transition
自転車に タイヤ付け足し tricycle
シンプルを 三つ重ねて triple
三叉路で 喋る程度の trivial
 
理解には 下に立とうよ understand
自転車の タイヤがひとつ unicycle
全世界 ひとつで回る universe
ラッキーじゃ なくなちゃったよ unlucky
まだないよ 前行ったもの unprecedented
居なかった 前を行く人 unprecedented
言ったこと 無かったことに unsaid
使ってる いつもの通り usually
マクドナルド 力強く value
文字でなく 声でやるのが vocal

 

上五・中七=漢字かな交じり・下五=カタカナ版

標準を 離れているのが アブノーマル
「あ」をとれば 「広い」が出てくる アブロード
存在を 離れていると アブセント
アブスでも アブと同じだ アブストラクト
WHO 世界保健機構 アクロニム
高いとこ 怖いよ怖い アクロフォービア
ドレスなら 床へ真っすぐ アドレスだ
オプションに 方向付けたら アドプション
こっちへと 振り向かせての アドバタイズ
目を向けて 状況見てから アドバイス
 
風計る アネモネを見て アネモミター
一年が 回ったんだね アニバーサリー
a.m.は 正午前だよ アンティメリディアン
人類を 学ぶ学問 アンソロポロジー
人いると 怖いよ怖い アンソロポフォービィア
「あ」をとれば ねむりがあるね アスリープ
そばに立ち 補佐役をする アシスタント
切れません こうこれ以上 アトムだから
こちらへと 注意引っ張り アテンション
そっちへと 伸ばすよテント アテンション
 
お店へと 人引き付ける アトラクション
壊れたよ 銀行とは バンクラプト
輪がふたつ 人より速い バイシクル
生きた道 書いたものが バイオグラフィ
黒い板 そのままだよね ブラックボード
断食を 壊す食事 ブレックファスト
放送で 広く投げるよ ブロードキャスト
お頭を 英語にすると キャプテン
百年に 一回来るのが センテニアル
携帯に 電気走らせ チャージする
 
狭いとこ 怖いよ怖い クロストロフォービア
南北に 気候傾き クライミット
あれこれと 一緒に集める コレクション
思い切り 満たした状態 コンプリート
ごちゃごちゃに 折り重なった コンプレックス
同語源 コンプリートと コンプライ
ドレミファソを 一緒に置いて コンポーズ
英単語 一緒に置いて コンポーズ
しっかりと 持っているのが コンセプト
皆の声 一緒に閉めて コンクルージョン
 
JTB みんなを導く コンダクター
金平糖 一緒に作る コンフェクション
全員が 自分運んで カンファレンス
思い切り 取って使う人 コンシューマー
眼鏡より 一緒に触れる コンタクト
矛盾とは 反対言うこと コントラディクション
べんりだね みんな来られる コンビニは
お話を 一緒に回し カンバセーション
音楽の だんだん大きく クレシェンド
あれこれと 分ける批評家 クリィティック
 
パソコンの 画面を走る カーソルが
葉っぱには ライオンの歯形 ダンディライオン
きっぱりと 切って離して ディサイド
音楽の だんだん小さく デクレッシェンド
外に向け 印を付ける デザイン
毒離れ 今日も元気だ デトックス
纏めたよ 言葉遣いを ディクショナリー
離すよう 運んでいるのが ディファレント
エフがくる エスが違って ディファレント
離れてく~ 捨てるカードが ディスカード
 
コロンブス 覆いを取って ディスカバー
議長から 離れて座る ディシデント
誤答へと 気を引き離す ディストラクター
多様性 離れて回る ダイバーシティ
二つ折り 倍になるよね デュープリケイト
外に向け 力を出すぞ エファット
卵にも 見える植物 エッグプラント
排気ガス 送るミサイル エミッション
外に向け 動いてしまう イモーション
標準を 滅茶越えてる イノーマス
 
さんまさん 間取り持つ エンターテイナー
演劇の 後で語る エピローグ
南北が 等しくなる線 イクウェイター
等しいね 夜の長さが イークイックス
外に向け 回っていくよ エヴォリューション
外へ行け 非常口から エグジット
外見れば 隠れたSが エクスペクト
港から 外へ運べば エクスポート
考えを 外に押し出す エクスプレッション
ウーバーの 兄さん元気 イグズーバラント
 
作ったり 人がしたりと ファクト
作るとこ 作業するとこ ファクトリー
調子良し 言うこと終わり アイムファイン
正に火が 仕事している ファイアーワーク
前もって 投げ掛けてこそ フォーキャスト
産み出すぞ 次の世代を ジェネレーション
一歩ずつ 歩めばいいよ グレードは
持ちたいね 健康的な ハビットを
ヒレイリアスな ヒラリーさんは チアガール
高過ぎて 困っています 高血圧
 
血圧が 低くてこまる ハイポテンション
血圧が 高くて困る ハイパーテンション
知っている 否定で無視する イグノアー
可能から 不可能になる インポッシブル
押してくる 心の中に インプレッション
懐の 中に来い来い インカムよ
冬くれば 流れ込んでくる インフルエンザ
神様が 息を吹き込む インスピレーション
人の上 積み上げる人 インストラクター
間にある 関心・利害 インタレスト
 
ちょっとだけ 間を賄う インターリム
人の手で しっかり持ちます メインテナンス
AKB クッキー落として ミスフォーチュン
間違った 理解をするのが ミスアンダースタンド
過去・未来 測りは現代 モダンなり
台本も 一人で言えば モノローグ
人いても 一人語れば モノローグ
モノレール 線路が一本 モノレール
モノ・ジ・トリ 線路が一本 モノレール
いくつもの 言語話せば マルティリンガル
 
ナンセンス! 意味なってないよ! ナンセンス!
東へと 方向づける オリエンテーション
ぶらぶらと 首から下がる ペンダント
完全に やり通すのが パーフェクト
木を重ね 板にしたのが プライウッド
p.m.は お昼からだよ ポストメリディアン
先を行く 前例となって プレシデント
崖落ちる 頭が先に プレシピス
辞書持って 前もって言う プレディクト
好きな方 前に運んで プリファー
 
前もって 準備するのが プリペアー
前、後ろ 馬鹿げているね プレポスタラス
求めるよ 前提として プレレクイジット
議長さん 前に座って プリザイド
大統領 前に座って プレジデント
先に来て 邪魔も予防も プリベント
番組を 前に導く プロデューサー
前に向け 放つものこそ プロミス
先の事 投げて送るぞ プロミスだ
販売数 前へ動かす プロモーション
 
飛行機を 前に駆り立てる プロペラが
個人的 財産・特徴 プロパティ
真心を 前に差し出し プロポーズ
前へ置き 指輪差し出し プロポーズ
返ってくる 動きのことだ リアクション
もう一度 回して活用 リサイクル
後悔に 思い切り泣く リグレット
もう一度 財布の中に リーインバース
よろしくね 折り返しの リプライを
大統領 戻って座れば レジデント
 
抵抗に 立ち上がるのが レジスタンス
振り返り 見てしまうほど リスペクト
後ろ向き くるっと回れば リターン
裏側に 回して着られる リバーシブル
一塁に 付いて行くのが セカンド
秘密だよ 離して分けて シークレット
守秘義務が 一番大事 セクレタリー
選り分ける 離して集めて セレクション
頭消え 気晴らし運ぶ スポーツが
四角でも 思い切りなら スクエアー
 
スタ付けば 立つが浮かぶよ ステイション
動かずに 立っているから ステイション
走る前 ちゃんと伸ばして ストレッチ
書くんだね 下に名前を サブスクリプション
我が名前 下に書いたら サブスクリプション
成功の 後を行きたい サクシード
太陽に 花が引っ付き サンフラワー
頭上から 捕まえられたら サプライズ
何事も 越えて生きるぞ サバイバル
SDGs Sは持続可能 サステイナブル
 
一緒の 気持ちになれば シンパシー
怖いよね 新機種登場 テクノフォービア
遠くから 感じるものあり テレパシー
防波堤 四本足の テトラポッド
農機具を 引っ張る車 トラクター
空越える 声を受け取る トランシーバー
乗り換えは 越えて行くこと トランジション
自転車に タイヤ付け足し トライシクル
シンプルを 三つ重ねて トリプルに
三叉路で 喋る程度の トリヴィアル
 
理解には 下に立とうよ アンダースタンド
自転車の タイヤがひとつ ユニシクル
全世界 ひとつで回る ユニバース
ラッキーじゃ なくなちゃったよ アンラッキー
まだないよ 前行ったもの アンプレシデンティッド
居なかった 前を行く人 アンプレシデンティド
言ったこと 無かったことに アンセッド
使ってる いつもの通り ユージアリー
マクドナルド 力強く バリューセット
文字でなく 声でやるのが ボーカル
 

如何でしたでしょうか。少し自慢したくなる作品もあれば、お見せするのが恥ずかしいものもあります。これからもどんどん作っていきます。発展途上中とあたたかく応援して頂けると幸いです。

では、次回、カリキュラムという形で、全体像をご覧いただきます。また、お会いしましょう。

 

〔編集後記〕

1.英単語の重複について

「語源のパーツの意味(例:pre- = ...の前)を、記憶に留めて頂く方法を提供したい」が語源カルタを思いついた切っ掛けです。データベースソフトACCESSを使って、使用頻度の高いものや、頻度は低いものの効果性の高いパーツなどを一覧にした上で、狙いを付けたパーツで俳句を作りにかかるという手順です。その流れの中で、俳句にしやすいパーツもあれば、ぜひ取り上げたいのに、なかなか俳句にしにくくこれからとなるものもあります。そのような関係で、同じ単語がよく似た俳句となって表れてくることも生じています。今は、取り敢えずご覧頂くことを優先し、同じテーマで作ったものも敢えて重複させて頂いています。ご了承ください。

 

2.不適切な表現がありましたら、お許しください

子供の頃に、父親に連れられて百貨店の屋上に行くのが大きな楽しみでした。景色は良いし、美味しいものも食べられる、乗り物もあるし、時には、アトラクションもある。

そんなイメージから、「屋上へ、こども引き付け、アトラクション」という俳句ができました。しかし、唐突にこの俳句だけをご紹介すると、何かテレビの誘拐の場面が想像されそうであることに気付き、「お店へと、人引き付ける、アトラクション」に替えました。見直しはしておりますが、この例のようなものが、今回ご紹介させて頂いたものの中にもあるかも知れません。個人的な体験・経験の中から生まれたものとご容赦頂けますと幸いです。また、「アトラクション」と同じようものがありましたら、ご一報ください。よろしくお願い致します。

 

3.通し番号が付けられませんでした

俳句に通し番号を付けようとしたのですが、ひとつのブログの中の文字数制限の関係で、付けることができませんでした。ご了承ください。

こんにちは、語源大好き・きんぞうです。今年3月に、この世を去ったパンダのタンタンの追悼式が、神戸市王子動物園で行われたことがニュースで報じられています。28歳だったそうです。その後の部分を副音声で聴くと、

In human age, that is almost centennial.

とありました。

 

語源カルタに寄り道をすると、

一年が、回ったんだね、アニバーサリー

と関係をしています。

 

anniversary の「アニ…」の部分は、anni-と n がふたつ重なっています。anni-, enni- は「年」を表す語幹でした。

では、タンタンは人間の歳にすると何歳だったのでしょう。

centimeter, century, cent に共通する数字はいくらでしょうか。

1m = 100cm、1世紀 = 100年、1ドル = 100セント

       cent = 100

centennial = cent + enni + -al

となって、「100年」になります。1999年から2000年に移行する時、「ミレニアム」という言葉をよく耳にしました。英語では、millennium となります。mill-が「千」を表しています。

28年の生涯の内、24年を日本で過ごしてくれたタンタン。多くの人が涙する姿に、優しさを感じました。

 

さて、今回は、「没原稿」をご紹介させてください。2週間前の4月25日に、予約投稿まで終えた上で、大幅に差し替えたため「没」状態になっていた内容です。26日に『「…シード」で語源!』投稿したものと主旨は完全に合致しています。

『「…シード」で語源!』では、supersedeと語幹部分の音が同じになる語幹 ceed, cede の語を取り上げたのですが、「没原稿」では、ここを、語幹 tain, ten としていました。

「シード」に対して「テイン」となる唐突感が気になり、差し替えました。

 

没のままにしておこうかと思ったのですが、完成度がかなり高い「作品」であることと、語幹 tain に親しんで頂けると考え、投稿することにしました。『「…シード」で語源!』でご紹介した内容の見直しにもなって頂けるかと思います。宜しければ、お付き合いください。

 

****** ここから「没原稿」へ *****

 

さて、唐突ですが、次の問題に挑戦してみてください。

 

第1問 -sedeで終わる単語はいくつある?

第2問 -tainで終わる動詞はいくつある?

 

*固有名詞や専門用語を含めずに一般レベルで

 

スマホ・パソコン・紙辞書・電子辞書・語源関係の本等々、何を使って頂いても結構です。

 

*電子辞書のあいまい検索

日々進歩、日々進化する世界ですので、色々なテクニックがあると思うのですが、ここはシンプルに電子辞書でやってみます。

 

「~sede」、または、「*sede」と入力してみてください。supersedeがひとつだけ出てくると思います。

 

次に、「~tain」、または、「*tain」を引いてみてください。画面に入り切らないくらいの単語が登場してきます。

 

そこで、「??tain」としてみましょう。そうすると、

attain, detain, obtain, retainと、-tainの前に2文字ある語が出て来たのではないでしょうか。

 

この「~・*・?」を使うと、綴りがあいまいな単語を検索することができます。

 

*-sedeで終わる語は supersedeのみ!

「囁く」のように漢字の中に「耳」が含まれるものは45字と私の電子辞書が言っています。「鼻」になると13字。「耳」は少ししんどいですが、「鼻」なら全部覚えてみようか、という気になります。

 

英単語も、新出の語に遭遇する度に覚えていこうとすると、漠然とした努力になりますが、それと並行して、語源の視点を入れることによって、

「-sedeで終わる語は1語のみ、-tainの前に2文字あるのは4語のみ」と明確な目標設定が可能になります。

 

*??tainで語幹-tainと接頭辞を味わう

では、ネットのサイト Skellを使って、??tainの例文を挙げてみましょう。

1. He has not attained his object yet.

2. Police said they had detained five suspects.

3. Students are able to obtain foreign degree locally.

4. Fifty-nine countries retain the death penalty.

 

各語を語源で区切ってみましょう。

1. at- + tain = …へ(ad-) + touch

2. de- + tain = 離れて・下へ・完全に+ hold

3. ob- + tain = 強意 + hold

4. re- + tain = 再・後ろ・元 + hold

 

attainのtainだけが、touchから変化したもので、他のtainはすべて hold を意味します。

 

語源にもある「他人の空似」

この様に、たまたま変化した形が同じになったものを「他人の空似」と呼びますが、数は極めて少ないので、面倒というよりは、却って印象に残るというご利益があります。気にせずに進んでみてください。

 

*???tainはワンダーランド!

「?」マークをひとつ増やすと、

abstain = ab-(離れて) + tain

contain = com-(一緒に) + tain

pertain = per-(貫き通して) + tain

sustain = sub-(下・副・側) + tain

のような、「-tain= hold(しっかり持つ)」のグループも登場するのですが、その一方で、

Britain, captain, certain, curtain なども登場してきます。

関係がないことが、雰囲気で分かる単語もありますが、手元に、語源の本を置いておけば解決することもたくさんあります。

 

*-tainで終わる動詞は9つ!

abstain → 持つことから離れる → 慎む

contain → 一緒に持つ → 含む

detain → 離して持つ → 拘留する

entertain → 間を取り持つ → 楽しませる

maintain → 人の手で持つ → 維持する・主張する

obtain → 一生懸命持つ → 手に入れる

pertain → 貫き通して持つ → 関係する・かかわる

retain → 後ろに持つ → 保持する・雇っておく

sustain → 下から持つ → 養う・維持する

(attainや ascertain などの偶然一致の語を除く)

 

*お馴染みの語と結び付けて広げよう

contain container = 容器・コンテナー

entertain → entertainer = 芸人

maintain → maintenance = 整備・維持

sustain → SDGs → sustainable = 持続可能な

では、最後に一句、

 

*人の手で、しっかり持ちます、メインテナンス

 

〔編集後記〕

〔1〕「生成AIは平気で嘘をつく」

「-sedeで終わる単語はいくつある?」を生成AIに問い掛けてみました。一目で分かるレベルの誤情報を提供してきました。是非、一度やってみてください。「生成AIは平気で嘘をつく」を肝に銘じる必要性を感じました。

 

〔2〕例文の意味

1. 彼はまだ目的を達成していない。

2. 警察は5人の容疑者を拘留したと発表した。

3. 学生は外国の単位を地元で手に入れることができる。

4. 59の国が死刑制度を保持している。

 

〔3〕接頭辞の変化

ab- + tain → abstain

sub- + tain → sustain

のように、接頭辞が変化することがあります。理由の一番大きなものは、発音をしやすくすることで、ある程度の法則性もあります。覚えてしまうこともできない訳ではありませんが、「語源はあくまでも道具」・「使ってこその語源」ですので、「へぇ~、そうか~」くらいで通過しても全く問題はありません。

興味のある方は、辞書で「ab-」を引いてみてください。意外とシンプルですので、覚えてしまわれるかも知れません。あくまでも楽しむ心で。

「没原稿」にお付き合い頂き、ありがとうございました。

こんにちは、語源大好き・きんぞうです。語源の講座の中で「単語の中に単語が隠れている」ことを実感して頂こうと思いボードに selfish (わがままな) と書き「何が隠れていますか」と問い掛けました。期待するものは「self が見える!」でしたが、受講生から頂いた答えは「fish が見える!」でした。今日は、そんな場面を思い出した言葉から。

突然現れた、デリス・キング!?

グローバル化が進む現代社会において、外来語的な言葉が使用されることは避けられないことですし、受け入れざるを得ないものだと思います。その一方で、広く知れ渡るまでは、日本語によるフォローがあるべきではないかとも思います。

 

先日、経済関係の番組で、ある”王様”の名前が登場しました。評論家のコメントの中に出てきた ”デリスキング” がそれです。

発言主旨をまとめた画面にも デリスキング(スとキの間の中点は、もちろん付いていませんでした) とだけ書かれていました。

 

ネットで調べると、 デリスキング  = de-risking  = リスクを少なくしながらも関係を維持していくこと(広く世に知れ渡ったのは 2023 年 3 月のフォンデアライエン欧州委員長の講演)とあり、決して、”デリス・キング”と区切って、王様の名前にしてはいけないことが分かりました。

 

今日は、その接頭辞 de- に焦点を当てます。

 

接頭辞 de- :離れて・下へ・完全に

クイズでいきましょう!英語にしてみてください。すべてde-から始まります。

 

基礎編:決心する(6文字)、設計する、程度、頼る、発達する
中級編:配達する、見捨てる、決心する(9文字)、詳細、探偵
上級編:悪化させる、荒廃させる、貪り食う、困窮している、崩御

 

早速、答えへ

基礎編:decide, design, degree, depend, develop
中級編:deliver, desert, determine, detail, detective
上級編:deteriorate, devastate, devour, destitute, demise

 

これらすべての語が、接頭辞 de- と語幹(+接尾辞)で出来ています。この de- を意識すると次のようなことができます。

 

良く知る単語の隣にいる難単語!?

またまた、クイズです。今度はペア編です。
後ろの単語は、すべて de- で始まります。

 

部分 ― 出発する
毒物 ― 解毒
匂い ― 防臭剤
観光旅行 ― 迂回路
絵画 ― 描写する
詐欺 ― 欺いて巻き上げる
規制 ― 規制緩和
世代 ― 退化

**************

増える ― 減る
登る ― 降りる
到着する ― 由来する
建設 ― 破壊
完結する ― 枯渇させる
発音する ― 公然と非難する
昇進 ― 降格
円高 ― 円安

 

 

part – depart
toxic – detox(-ication)
odor – deodorant
tour – detour
picture – depict
fraud – defraud
regulation – deregulation
generation - degeneration

**************

increase – decrease
ascend – descend
arrive – derive
construction – destruction
complete – deplete
pronounce – denounce
promotion – demotion
appreciation - depreciation

 

よく知る単語で語源を味わう!

語源を覗いてみようと思わる方であれば、どなたも decide をご存知です。そのよく知っている単語を使って、語源の知識を広げていくことはとても効率の良い方法です。

decide → de- + cide = 離す(off) + 切る(to cut)

迷うふたつの気持ちを、きっぱりと切り離して、どちらかに決める、そんな気持ちがこめられた単語でしょう。名詞形がdecision ですから、cis という綴りも仲間だと分かります。有名な仲間に、suicide, pesticide, precise, concise, scissors などがいます。

 

そこで、 接頭辞 de- :離れて・下へ・完全に に敬意を表して一句、

きっぱりと、切って離して、ディサイド

接頭辞 de- には、たくさんの意味がありますが、まずは「離れて、下へ、完全に」と覚えてみてください。re-, com-, in- などに比べてマニアックに見えるかも知れませんが、それは、"接頭辞de-を語る人"が少なかったからです。方向性を示すad- と共に、接頭辞 de- はお勧めの接頭辞です。

では、またお会いしましょう!

 

〔編集後記〕

1.接頭辞 de- を「離れて、下へ、完全に」にまとめる理由

辞書や語源の本を見ると、接頭辞 de- には10個近い意味が並んでいます。「英語にとって単語は道具」・「単語にとって語源は道具」と考えていますので、10個近い意味を覚えることに価値は見出していません。敢えて付け足すとすると「反…、非…」がありますが、これも元の状態から「離れる」と考えることができると考え、「離れて、下へ、完全に」の三つにまとめています。

2.接頭辞の中で、ad- や de- を先行させる理由

効果性の非常に高い接頭辞であるにもかかわらず、あまりにも知られていない現状があるためです。ad- は、 ac-, af-, ag-, al- など色々な変化をするため、慣れるまでは意識しにくい面がありますが、de- は変化がないため、発見が容易です。また、意味も、 「離れて、下へ、完全に」のどれかに当てはまるため、これも慣れるとすっきりと処理できる接頭辞です。de- で始まるよく知る単語から、始めてみられると有効です。

こんにちは、語源大好き・きんぞうです。明日10日が定期発信の日で、既に投稿予約をしていますが、ふと発信したいことが浮かんできました。

 

「日本人は、外国人嫌いだから」

 

5月1日にワシントンで開かれた11月の大統領選に向けた資金集めイベントでの演説の中で、バイデン大統領が、日本が困難を抱える理由として、この言葉を発したと報じられました。内容そのものに関心がわきますが、言葉に焦点を当ててみます。

 

では、実際に、バイデン大統領はどのような表現をしたのでしょうか。

「外国人嫌い」をみなさんはどのように表現されるでしょうか。

Japanese people don’t like foreign people.

でも通じるでしょう。しかし、アメリカの現役大統領の発言としては、稚拙と言われるでしょう。

 

使われた表現は

Because they’re xenophobic.

xenophobic (ゼノゥフォービック・ジーノゥフォービック)を、研究社の大英和辞典で引くと「外国(人)嫌いの、外国(外国人)アレルギーの、他人(外国人)恐怖症の」となっています。名詞形は、xenophobia です。

 

語源の欄には、xeno- + -phobia となっていて、

xeno- = 賓客・異人・外来の・異質の・異種の

-phobia = (病的)恐怖・…恐怖症・…嫌い

となっています。

 

今日は特別版です。シンプルにいきます。

 

次の語を英語にしてみてください。

動物園

科学技術

聖書

曲芸の・離れ業の

閉める〈shutでない方〉

人類学

婦人科

人造人間

 

zoo

technology

Bible

acrobat

close

anthropology

gynecology

android

 

では、怖がりながら英語にしてみてください。

 

動物恐怖症

科学技術恐怖症(新技術使用の恐怖症)

書籍アレルギー

高所恐怖症

閉所恐怖症

対人恐怖症

女性恐怖症

男性恐怖症

 

zoophobia  (ゾウフォービア)

technophobia

bibliophobia (ビブリオフォービア)

acrophobia

claustrophobia (clause:条項・節)

anthropophobia

gynephobia (gynophobia, gynaephobiaもあり)

androphobia

 

アクセントは、すべて-phobia の -pho-に付きますので、意外と簡単に発音ができます。

もとの単語 vs. 恐怖症

zoo -        zoophobia

technology -    technophobia

Bible -       bibliophobia

acrobat -        acrophobia

close -             claustrophobia

anthropology -anthropophobia

gynecology -         gynephobia

android -            androphobia

 

-phobia の逆は、philosophyに登場している philo-です。

 

では、今日の一句、

人いると、怖いよ怖い、アンソロポフォービア

高いとこ、怖いよ怖い、アクロフォービア

狭いとこ、怖いよ怖い、クローストロフォービア

怖いよね、新機種登場、テクノフォービア
 
変化形は、どこまでも作ることができます。ご自由にお楽しみください。

では、また明日!

 

〔編集後記〕

1.technology, anthropology, gynechology 以外の単語にも、-phobia を -logy に換えるて「…学」という意味に換えられるものがあります。例えば、bibliology, androrology。このように、単語を部品に分解して見る が習慣化してくると、初めて出会う単語で、意味が類推できるものが生まれてきます。ぜひ、お楽しみください。

 

2.-phobiaを使った表現をネット上のコーパス Skell で拾ってみると、

suffer from acrophobia, overcome the claustrophobia, confront his gynephobia, symptoms of anthropophobia などがみられます。

 

 

こんにちは、語源大好き・きんぞうです。もうすぐGW。新しい環境で動きだした人たちが、ほっと一息つける期間になればいいですね。また、GWにテーマがある人も、どこかで一息、となりますように。

 

さて、唐突ですが、次の問題に挑戦してみてください。

 

「…シード」で終わる単語を挙げてみましょう

 

お話をシンプルにするため、固有名詞や専門用語は、を含めずに、よく登場する単語で挑戦してみてください。また、単語そのものになる「seed = 種」も、今日は除外をしてみましょう。

 

適語補充問題にしてみます

The pressure to (        ) is very strong.

   成功しなければいけないというプレッシャーがかなり強い。

The water (        ) as soon as the high tide passed.

   満潮が過ぎるとすぐに水は引いた。

The use of machinery has (        ) manual labor.

   機械の使用が手工業に取って代わった。

 

「…シード」の綴りは3種類

如何でしたか、3つ埋まったでしょうか。まず、(  )に入れる形で答えてみます。

succeed, receded, superseded

 

もうひとつ、問題に挑戦!

-ceed, -cede, -sedeの語尾を持つ語をできるだけたくさん挙げてください

 

辞書でも、パソコンでも、生成AIでも、工夫できる限りして頂いて、出来るだけたくさん出してみてください。

 

*「あいまい検索」はワンダーランド!

ここからは、電子辞書を想定してご案内していきます。最近は、スマホやパソコンを辞書替わりに使っておられる方がたくさんおられ、その方々は電子辞書をお持ちでないと思います。その場合は、これからご案内する方法を、一度、ご自分のツールで試してみてください。

「~ceed」または「*ceed」で検索を

この「~・*」を使うと、綴りがあいまいな単語を検索することができます。「~」か「*」かは、メーカーに依る差で、機能は同じです。今は、「~」を使うメーカーが大勢を占めていますので、以後は、「~」のみでご説明をしていきます。

 

succeedで見慣れている-ceedと同じ綴りを持つものは、exceed, proceedしかいない、ということが分かります。そして、辞書の意味の前か後ろに、語源が説明されていることが多く、そこを読むと、語幹 ceed には「go = 行く」という意味があることや、ceedの前に付いている接頭辞の意味も分かってきます。

succeed = sub- + ceed = 次を行く→後を継ぐ・成功する

exceed = ex- + ceed = 外へ行く→超える

proceed = pro- + ceed = 前へ行く→進む・続ける

 

あいまい検索に戻ってみましょう

*「~cede」で検索を

そうすると、-ceedよりは多いものの、十分に意欲の湧く数(私の電子辞書では12語)の単語が現れてきます。このままでも十分ですが、もうひとつの「あいまい検索」をやってみましょう。

*「??cede」で検索を

そうすると、私の電子辞書では、accede, recede1, recede2, secedeの4つになりました。「?」マークは、「あいまいな一文字」を意味しています。

recede2は、専門分野で使われる単語のようですので、実質的には、accede, recede, secede の3つで、語源の欄を見ると、すべてが語幹-ceedと同じ意味の「go = 行く」であることも分かります。

 

あとは、品詞を変化(例:succeed→success)させていくと、語幹 -ceedが、-cessになることも分かります。また、動詞の時に分かれていた -ceedと-cedeが似た変化をすることも繋がってきます。

 

では、ここで「語幹 ceed = 行く」で一句

成功の、後(あと)を行きたい、サクシード

 

「~sede」で検索を

最後に、supersedeを見てみましょう。音は同じ「…シード」ですが、綴りが c ではなく s になっています。「~sede」であいまい検索をするとsupersedeしか出てきません。

先頭の接頭辞 super- は、スーパーマンやスーパーマーケットでお馴染みです。気持ち的には、「凄い!」という感じですが、冷静に見ると「上・超」などの意味を持っています。

次に、語幹sede部分の説明を読むと「sit above」と書かれています。

もう一度、例文を見てみましょう。

The use of machinery has superseded manual labor.

supersedeが、機械が人間の上に、どんと座ってくる、感じを表現しているように思います。

-sedeの綴りは、supersedeしかありませんでしたが、語幹sedeは、sit, sid, sed, sess などの形で、大きなグループを形成します。例を挙げてみます。

sit, set, seat, saddle, president, resident, dissident, settle, session, assess, obsess, subside, subsidy, sedentary, assiduous,…

 

では、語幹 sed グループに敬意を表して俳句をふたつ

大統領、前に座って、プレジデント

大統領、戻って座れば、レジデント

 

*あいまい検索応用編

電子辞書では、「con???ion」や「con~ion」とする「con-で始まり、-ionで終わる語」の検索も可能です。是非、お楽しみください。

 

では、またお会いしましょう

 

編集後記:

本文の説明をできるだけシンプルにするために、補足的な情報を「編集後記」とすることにしました。あっさり語源を楽しみたいと思われる方は、飛ばして頂いても、全く問題はありません。ご安心ください。

 

〔1〕「生成AIは平気で嘘をつく」

「-sedeで終わる単語はいくつある?」を生成AIに問い掛けてみました。一目で分かるレベルの誤情報を提供してきました。是非、一度やってみてください。「生成AIは平気で嘘をつく」を肝に銘じる必要性を感じました。

 

〔2〕接頭辞の変化

sub- + ceed → succeed

のように、接頭辞が変化することがあります。理由の一番大きなものは、発音をしやすくすることです。

「subceedよりもsucceedの方が言いやすい」です。

この現象は、見え始めるととても面白い世界ですので、編集後記ではなく本編で取り上げます。ご安心ください。

 

〔3〕パソコン等でのあいまい検索について

本編にも書きましたが、私の知る限りではありますが、GoogleやYahoo等でのあいまい検索は機能しないと思います。また、Weblioでも同様でした。

試していないものに、辞書のアプリをダウンロードした場合にどうなるかがあります。

このブログが切っ掛けとなって、電子辞書やアプリの購入をお考えになられる場合、お考えの機器等があいまい検索に対応しているかどうかを必ず事前にご確認ください。

また、パソコン等での検索方法を既にご存知の方や、新たな発見をされた方は、是非、お教えください。ブログを通して、皆さんにご案内させて頂きたいと思います。ご協力をお願い致します。

蛇足ですが、データベースソフトACCESSでは、頻繁にあいまい検索を行っています。 

こんにちは、語源大好ききんぞうです。新年度が始まり半月が経過しました。新しい環境に飛び込まれた方々も、そろそろ落ち着きを取り戻される頃でしょうか。

今日は、3月28日の発信に続く2回目の定期便です。定期便では、語源を使って頂くというこのブログのテーマに沿って、一歩ずつお話をしていきます。

一方、臨時便は、お伝えしたいという気持ちのままに、高揚感(?)をもって発信することになります。定期便をお読み頂く時の参考にして頂けると思いますので、是非、臨時便も目を通してやってください。

 

では、本編へ。最近のニュースから拾います。

Prime Minister Kishida Fumio addressed the US Congress early today Japan time.

裏金問題で国会が揺れる中、岸田首相が国賓待遇でアメリカに招かれました。アメリカ議会での演説を伝えるニュースです。

 

addressの主な意味を動詞に絞って辞書(研究社)から拾ってみます。

①〈手紙など〉に宛名を書く

②〈会衆〉に演説をする

③〈問題など〉に取り組む

大きく括ると、宛名・演説・対処になり、いわゆる多義語です。

 

突然ですが、語源でクイズ!

address になにが見えますか?

どうでしょうか。dressが浮かんでこられたでしょうか。簡単そうに書いていますが、「selfishには fishが見える」という方はたくさんおられます(正しくはself+-ishでselfが見える、です)から、「addressには、addが見える」という方がおられても全く問題はありません。このブログで、もう少し語源の知識を増やして頂くと、address = ad- + dressと見えて頂けます。ご安心ください。(因みに、addressのアクセントは後ろのレに付きます)

 

前に進むために、少し強引に「addressにdressが見えた」ということにさせて頂きます。

 

次に進むとまた問題です。dress が見えたとしても

addressが持つ3つの意味との繋がりは見えない、という問題です。

辞書の語源欄を覗いてみましょう

そこで、語源の登場です。dressを辞書で引いてみると、語源を紹介する部分に「ストレートを意味するラテン語に由来し、directとも親戚!」という説明が付いています。(意訳が入っています!)

 

dressには“真っすぐ”という意味がある

dress = straight(真っすぐ)という意味を頭に残しおいてください。addressの持つ3つの意味に進む前に、残るad-をご紹介します。

 

接頭辞 ad- は簡単。前置詞の to = …へ

接頭辞のad- のご説明をすると、興奮してしまいます。re-, in-,dis-,com-など結構な数の接頭辞に馴染んでいる日本人が、なぜ接頭辞 ad-をほったらかしにしているのでしょうか。

接頭辞 ad-の意味は、とてもシンプルです。前置詞のtoです。方向性を示すだけです。ほとんど記憶する努力が要らないにも関わらず、登場頻度が異様に高いのです。素直に思います。せめて高校1年くらいの段階で、学校でad-が学べるなら、と。

ご安心ください、ad-はこれから何度も触れていきます。必ず感激して頂けると確信します。

でも、今日は、addressに戻ります。

 

address = ad- + dressで3つの意味へ

接頭辞ad- は「前置詞toで方向を示すだけ」

語幹dressは「straightの意味」

そうすると、address全体の語源的な意味は
「…へと真っすぐ!」ということになります。

ここでaddressの3つの意味をもう一度ご覧いただきます。

①〈手紙など〉に宛名を書く

②〈会衆〉に演説をする

③〈問題など〉に取り組む

如何でしょうか、感激して頂けたでしょうか。

*宛名を書いて投函すれば真っすぐに相手に届く

*演説をすれば言葉が真っすぐに聴衆に届く

*問題があればぐずぐずせずに真っすぐに取り組む

このすっきり感!

努力・繰り返し・根性で語られることの多い英単語記憶が、実は、とても理知的であり効率化が可能なものであることを、このブログを通してお伝えをしたいという理性的な希望を持っています。

それと同じくらい、いやより強い希望に、このすっきり感・感激・感動をみなさんと分かち合いたいという感情があります。

 

では、ここで接頭辞ad-と語幹dressで一句

ドレスなら、床へ真っすぐ、アドレスだ

語源的な視点で見ると、ドレスは、古代ローマが舞台となっている映画などでよく目にする、白い布が肩から床に直線的に垂れ下がっているようなもののようです。

 

接頭辞ad-については、必ず詳しいお話をさせて頂きます。ご安心ください。

また、今日ご紹介しました語幹dressは、もう一段階深く分解することが可能で、dress=dis-+ressになります。directもdirect=dis-+rectとなります。この語幹も広がりのあるものですが、今日は、dressでまとめさせて頂きました。

 

次回は、4月26日(金)発信

初回のブログで「毎月1日と15日に発信」とご案内させて頂きましたが、曜日を優先する方が、忘れずに読んで頂けるのではないかと考え、

「毎月第2・第4金曜日」に発信

とさせて頂くことにしました。

我が町では、紙の収集日と合致し、自分が意識しやすいという面がかなり強くあります。勝手な変更をお許しください。

 

では、最後にもう一度、今日の句を

ドレスなら、床へ真っすぐ、アドレスだ

*接頭辞ad- = …へ(前置詞のto)

*語幹dress = 真っすぐに(=straight)

 

次回、4月26日、お待ちしています。
(また、臨時便を発信するかも知れませんが…!)

こんにちは、語源大好き・きんぞうです。

 

大谷翔平選手がホームランを打ち始めましたね。今まで阿吽の呼吸で通訳してくれていたであろう人が居なくなった中での活躍、やはり凄い選手なのでしょう。
そんな大谷選手が今シーズンから移籍したのがLos Angeles Dodgers

阪神タイガース、オリックス・バファローズなどなど、虎や水牛とお馴染みですが、では、Dodgerとは何なのでしょうか。実は、ほとんどの人が経験しているある遊びと関連しています。

答えは、

「ドジャー」ー -er +「ボール」=「ドッジボール」

 

dodgeを辞書で引くと「ひらりと体をかわす」という意味が先頭に現れました。正に、「ドッジボール」ですね。
ネットには、「ロサンゼルス・ドジャースが、かつてはニューヨークのブルックリン区で生まれた野球チームであることに由来している。 当時のブルックリンは、家が建て込んだ、道路の狭い下町で、しかもトロリーバス(路面電車)が走っていた。」となっています。路面電車の間を、「ひらりと体をかわす」人たちが、ブルックリンの象徴のようになっていたのかも知れませんね。

 

敢えて分類をすれば、ドジャーズとドッジボールを結び付けるのは、語源的な作業ではないかも知れませんが、ただ単に、ドジャーズをドジャーズとして受け入れるだけよりも、「ドッジボール=身をかわす遊び」と結び付ける方が、ドジャーズという名前への親しみが増すように思います。

 

今日は、短めのブログでした。

こんにちは、語源大好ききんぞうです。

さて、今日も番外編です。お付き合いください。

語源カルタ取り大会

ご一緒にお楽しみください。

 

 

参加してくださった皆さんからご了解を頂きましたので、先頭の1分をご覧頂きました。参加してくださったのは、高校1年生の男女4名と、英語教室を運営しておられるおふたりの先生です。

 

語源カルタの使用方法

 

① 語源の全体像の話

② 具体的なパーツ(接頭辞・語幹・接尾辞)の話

③ 少し専門的(同化・有声音・無声音など)な話

④ 解説したパーツを使った「語源俳句」の話

⑤ 語源カルタ取り大会

 

この日も、上記①~④をやった上で⑤のカルタ取りに臨んでもらいました。

全体の時間を考え、カルタ取りでは、①~④の手順を踏んでいない札も含めています。そのため、正に「初耳」の単語や俳句が登場しています。

 

なぜ「語源カルタ」に辿り着いたか

語源に真剣に興味を持ち始めて20年以上が経過しました。色々なところで、色々な方々をお相手に語源のお話をさせて頂き、色々なプリントも作ってきました。

多くの場合、興味・関心を示してくださいます。その一方で「そこまでは覚えられない」・「ストレートに覚えた方が私には合ってそう」という声も頂いてきました。

 

道具は肩の力を抜いてゲットを!

 

語源をやっていて、語源の効果に確信が深まるばかりです。また、「単語はあくまで道具」という思いも変わりません。「道具」を獲得するための道具が「語源」だと考えます。

 

効果性には自信があるものの、知識を定着して頂くための方法がなかなか見つかりませんでした。そんな時に、浮かんだのが、日本人の感覚になぜかしらすっと入って来る「五七五調」=「俳句」でした。既に、百首以上が出来ていますし、新しいものも生まれてきています。「一人百首」は越えています。

 

目指すは、全国語源カルタ取り大会です。

 

《動画の中で使用した俳句》

 *黒い板、そのままだよね、ブラックボード

 *調子よし、言うこと終わり、I'm fine!

 *神様が、息を吹き込み、インスピレーション

 *お店へと、人を引き付け、アトラクション

 

少しですが、上の俳句で取り上げているパーツ(接頭辞・語幹・接尾辞)をご紹介させてください。

 

黒い板、そのままだよね、ブラックボード

これは、正にそのままですね。英単語がアルファベットの羅列ではなく、意味のあるものが折り重なってできていることを、シンプルに実感できる素晴らしい語だと思っています。

 

調子よし、言うこと終わり、I'm fine!

語幹は「終わる・終える」を意味する fin です。こう表現すると難しく聞こえますが、「終わる = fin 」と書くと何か浮かんできますね。そうです、finish です。この単語は、語幹 fin に動詞を表す接尾辞 -ish が付いてできた語です。-ish と聞くと、形容詞が浮かんでくると思いますが、flourish, punish, abolish, extinguish, distinguish, vanish などなどたくさんの語があります。

 

さて、語幹の fin からできた形容詞 fine ですが、「終わる」⇒「最終的な状態」となり、「大変元気な・すぐれた・申し分のない」などへと発展しています。語幹の fin のその他の語には、define, refine, confine, definite, infinite, …などたくさんの語があります。是非、追い掛けてみてください。

 *神様が、息を吹き込み、インスピレーション

語幹 spire, spirit = 息をする を取り扱った俳句です。日本語の感覚で「インスピレーション」というと、自分の頭からなにか思い付いたようなイメージになるのですが、英語の世界には、とても崇高な方=神様がおられて、その方が、人間の頭に息を吹き込む、というイメージになります。inspire = 霊感を与える・動機付ける となる理由がそこにあります。また、神様の息がたくさん入った状態が spirit となります。

 

-spire で終わる単語だけを拾っても、inspire, aspire, respire, conspire, perspire, transpire などがあります。辞書で接頭辞を確認すると、単語の意味に納得して頂けると確信します。意味に納得された時は、少しオーバー目に喜んでみてください。きっと意味の定着度合いが高まると思います。

 *お店へと、人引き付ける、アトラクション

語幹 tract = 引く(= to draw)です。attraction = ad- + tract + -ion という構成です。接頭辞の ad- は、語幹の先頭の音に合わせて姿を変えています。意味は方向性を示すだけですので、前置詞の to と思って頂ければいいでしょう。接尾辞の -ion は、名詞を作るよく目にする接尾辞です。従って、語幹の tract が分かると、意味がすっきりと入ってきます。

 

学生時代に、construct, contract あたりの綴りがごっちゃになりそうで困ったことを覚えています。確かに、「ストラクト」にあたる部分の発音をし分ければいいのですが、思うほど簡単にはいきませんでした。あの当時に、辞書で語源で語源の欄を見る癖があれば、と今さらながらに思います。

 

語幹 tract のグループには、attract, contract, track, drag, tractor, extract, retract, subtract, abstract, detract, distract, … などなどたくさんの語が、みなさんを待ってくれています。ぜひ、訪ねていってあげてみてください。

 

俳句の上の句と中の句に、接頭辞や語幹の意味を含め、下の句で単語に巡り合って頂く、これが語源カルタです。俳句が皆さんの頭にこびり付いて離れなくなることを、心より祈っています。楽しくいきましょう!

 

いつの日か、「一人百首」をご紹介させて頂こうと思っています。
では、次回、定期便にてお会いしましょう。

こんにちは、語源大好き・きんぞうです。今日は、2024年4月4日ですので、定期便発信の1日、15日とは異なる、臨時便です。

 

「モーダルシフト」が気になる!

4月1日から、労働基準法の改正により、運送業・建設業を始め様々な業種で時間外労働に上限が設けられ、連日、ニュースが流れています。

そのニュースの中で、「モーダルシフト」という耳慣れない言葉が度々登場しています。

 

国土交通省の定義から

「モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます」とホームページに紹介されています。

blackboardを「ビー・エル・エイ・…」と覚えた中学一年当時の私であれば、「モーダルシフト」もそのまま受け入れたのかも知れませんが、今はそうはいきません。

 

「モーダル」とは?

モーダルシフトという言葉に「シフト = shift(変化・移し替え)」が入っているのは、野球の「大谷シフト」や「シフト(交替制)で働く」などで、自然に入ってきます。

 

では、「モーダル」とは、なんぞや。

クイズ風にいってみましょう。次の語を形容詞にしてみてください。

 

・nation

・accident

・environment

 * * * * *

・globe

・nature

・universe

・culture

 

早速、答えにいってみましょう。

・nation → national

・accident → accidental

・environment → environmental

  * * * * *

・globe → global

・nature → natural

・universe → universal

・culture → cultural

 

上のグループは、基となる名詞にそのまま -al が付く一方で、下のグループでは、発音に参加していない語尾の -e を消してから -al が付いています。

ここまで来ると「モーダル」が見えてきます。

 

・mode → modal

もうすっかり日本語になっている「モード」。でも、意味は、使われる場面で色々と違うこの語。もしかしたら一番広く使われているのは「本気モード」かも知れません。辞書で調べると「方法・様式・方式」などが出てきます。この「モード」の形容詞が「モーダル」となって初めて「モーダルシフト」がすっきりしてきました。「やり方の変更 = (輸送)方法の変更」ではないでしょうか。

 

語幹 mod, mode は一大勢力

語幹 mod, mode の意味を調べると、「大きさや量や寸法を測る = to measure」となっています。

 

そこで一句、

過去・未来、測りは現代、モダンなり

「過去も未来も、現代があってこそ」 現代を基準にして「測っている」ということが伝わってきます。

 

では、語幹 mod, mode を含む語の意味を挙げます。英語にしてみてください。

 

*模型・ひな形・見本

*修正する

*適度な・並みの

*慎み深い

*商品・日用品

*収容する・調整する

 

では、答え合わせへ

 

*模型・ひな形・見本 → model

*修正する → modify

*適度な・並みの → moderate

*慎み深い → modest

*商品・日用品 → commodity

*収容する・調整する → accommodate

 

mod の語源が見えてくると、commodity, accommodate の中に -mm- とm が連続する理由も見えてこられるのではないでしょうか。


commodity = com- + mod + -ity

accommodate = ac- + com- + mod + -ate


このような分解は、お話したくてたまらない状態です。追々、取り上げていきます。

ご安心ください。

 

では、最後に、本日の一句をもう一度、

過去・未来、測りは現代、モダンなり

では、次回4月15日にお会いしましょう。(また、臨時便を出したくなるかも知れませんが...!)

こんにちは、語源大好き・きんぞうです。今回もよろしくお願い致します。前回のアメブロの後、お声を頂きました。ご了解を頂いた上で、個人情報に十分配慮しながらご紹介させて頂きます。

 

*ビー・エル・エイ・シー…について

  「最初から“そうそう!”と手を叩いてしまいました。
      エル イー エス エス オー エン

  中学生になって、初めて習った英語。毎日必死で覚えました。」

 

きんぞうコメント:「エル イー エス エス オー エン」は新種でしたので、思わず指で綴りを書きました。かなりの猛者ですね。

 

*英検1級単語 abdicate, affableなどについて

「挙げられていた英検1級単語、1個もわかりませんでした。見たことあるかなというのも半分ほどで。」

 

きんぞうコメント:この方は1級ホルダーです。受検する時には、きっと覚えておられていたでしょう。語源の視点を加えると、記憶が長く続きます。

 

どちらも、とても嬉しいコメントです。今後も、個人を特定できないようにしながらも、出来る限り原文に近い形で、ご紹介していきたいと思います。お待ちしています。

 

では、本日のお話へ

「単語の中の単語」を楽しもう!

では、早速ゲーム風に!次の単語の中にある単語を言ってみてください。意味も言ってみましょう。徐々にレベルを上げます。挑戦してみてください。

 

例題:blackboard = black, board = 黒板

 1. afternoon 

 2. useful

 3. income

 4. sunny

 5. firefighter

 6. international

 7. export

 8. selfish

 9. secretary

10. enlighten

11. temporary

12. partial

13. conscience

14. alienate

15. evaporate

 

〔分解〕

 1. afternoon = after, noon = 午後

 2. useful = use, -ful = 役に立つ

 3. income = in-, come = 収入

 4. sunny = sun, -(n)y = 陽光一杯の

 5. firefighter = fire, fight, -er = 消防士

 6. international = inter-, national = 国際的な

 7. export = ex-, port = 輸出する

 8. selfish = self, -ish = わがままな

 9. secretary = secret, -ary = 秘書

10. enlighten = en-, light, -en = 教える

11. temporary = tempo(r), -ary = 一時的な

12. partial = part, -ial = 部分的な

13. conscience = con-, science = 良心

14. alienate = alien, -ate = 遠ざける

15. evaporate = e-, vapor, -ate = 蒸発する

これらは、単語の中に、基となる単語がそのままの形で残っているものです。

 

その他に、

・graduate   ← grade

・concentrate   ← center

のように少しだけ変化するものも入れると、その数は数えきれないほどです。正に、innumerable(否定のin- + number + -able)です。

 

では、今日の俳句に進みましょう!

辞書持って、
          前もって言う、
                     プレディクト

単語は predict = 予言する です。

パーツを見ていきましょう。

 

〔覚えておきたいパーツ〕

  *接頭辞  pre-:…の前

  *語 幹  dict, dic:言う

 

〔俳句解説〕

中七(なかしち=五七五の七の部分)に、接頭辞 pre- の意味も、語幹 dict の意味も入るという逸品です!そこで、語幹の dict を連想して頂けるように、語幹 dict で一番有名な単語 dictionary を上五(かみご)に入れました。

ギリシャの哲学者が、分厚い辞書を手にしながら、将来を予言しているような光景を謳ってみました!

(こんなことをしている時、たまらなく幸せになります。変人でしょうか?)

 

接頭辞 pre- も、語幹 dict も本当に最頻出系のパーツです。絶対に損はしませんので、記憶に残してみてください。

 

〔dict, dic = 言う〕

では、語幹 dict, dic が登場する代表的な単語を並べてみます。意味が言えるでしょうか。接頭辞の付いているものについて、辞書などで確認してみるのも、楽しいものです。是非、挑戦してみてください。

 

 1. dictionary

 2. dictation

 3. predict

 4. contradict

 5. addict

 6. indict

 7. verdict

 8. indicate

 9. abdicate

10. dedicate

11. diction

12. jurisdiction

 

〔解説〕

1. dictionary:辞書

dictに、名詞語尾 -ionと -ary が付いてできたもの。「人が言っていることをまとめたもの」という感じ。

 

2. dictation:口述・書き取り

英語の音声を聞いて書きとるテストのようなものがすぐに浮かびますが、基となるイメージは「人が口で言ったことを書きとる」という感じ。

 

3. predict:予言する   

正に、「辞書持って、前もって言う、プレディクト」

 

4. contradict:反論する・矛盾する   

接頭辞 contra- は、「contrary:反対の」で有名。

 

5. addict:中毒にさせる   

接頭辞 ad- は、私の大好きな接頭辞No.1。後日、ゆっくり語らせてください。   前置詞の to と考えれば簡単。方向性を示すだけ。薬物だけでなく趣味などに、どんどん声を出して近付いていく感じ。

 

6. indict:起訴する   

発音注意!インダイト  裁判所(の中)に言いつけに行く感じ

 

7. verdict:評決(・判決)    

前に付いている ver も語幹で「正しい」を意味する。難しいと感じる人は、この語幹が、Thank you very much. に登場していると思うと楽になる。veryは「とても」という意味以外に、He is the very man that I have long wanted to see. veryで      「正にその…」という意味があることも確認してみよう。  

 

8. indicate:指し示す   

     このin- を「…中(へ)」と考えても良いが、

     前置詞 to と同じような意味のin- もあると考えると楽になる。

 

9. abdicate:退位する   

接頭辞 ab- は、abnormal, absent などで有名。「離れる」を意味する。dict を足すと「(王位などから)離れると言う」⇒「退位する」となる。この語は、平成天皇の生前退位の際に、名詞形 abdicationと共に、連日ニュースで流れた語。

 

10. dedicate:捧げる   

接頭辞 de- も、私が大好きな接頭辞。色々意味があるが、「離れて・下へ・完全に」を中心にすれば簡単。dedicateは、「何かの下に自分を捧げます、と言う」そんな感じ。

 

11. diction:言葉遣い・発声法   

dictionaryから-ary を取ると正体を現す語。dict → diction → dictionary の順番に単語が成長しているのが見える。「英国王のスピーチ」に出てきます。探し出してみてください。

 

12. jurisdiction:司法権   

前に付いているjurisの部分は、「法律・権利」を意味する。尚、「権利」のrightと「正しい」のright は同一物。「陪審員:jury」での登場が多い語幹。難しく感じるが、同じ語源に、justやjudge がいることを知ってもらうと親しみが湧くでしょう。     結果的に「正しいことを言う」が司法権、と考えられる。

 

では、今日の語源カルタで締めましょう。

辞書持って、
   前もって言う、
     プレディクト

少しだけ補遺! 前回の1級単語を語ります。

abdicate:退位する   

接頭辞ab- は「離れる= apart, away」 語幹 dic は「言う」 接尾辞 -ate はこの語では動詞語尾。従って全体で「離れますと言う」=「退位する」

 

affable:愛想のいい   

接頭辞af- の基のなる形は ad- =前置詞 to。語幹はfableで「話す= speak, tell, say」。結果として、「(その人に)話しかけやすい」=「愛想のいい」となる。   なお、イソップ物語は、Aesop’s Fables。

 

altruistic:利他的な   

「egoistic:利己的な」の対極の語。一人称主語の I のラテン語が ego。「私!私!」がエゴ。その逆で、alt, ali が「他=other」。アリバイの正式な訳は「現場不在証明」。語源的にみると、「(事件現場の)他の場所にいた」という証明。最後のbi は、生物学= biology のbi。

 

appalling:ぞっとするような   

頭のap-はad- の変化形で方向を示すだけ。語幹は「真っ青 = pale」で、全体としては、「何かが、人を、真っ青になるような状態にする」という感じ。

 

aversion:嫌悪   

「一年が、回ったんだね、アニバーサリー」の語幹「vers = 回す」に、abnormal, abdicate に登場する接頭辞 ab- が付いて、全体として「離れるように回す・回る」。   aversionの動詞 avert は「避ける・背ける」という意味だが、名詞形 aversionが「回避」という意味で使われることは古い用法とされていて、「避けたくなる状態=嫌悪」という意味になっている。

 

最後まで、お読み頂き有難うございました。
4月15日に、お待ちしています。