こんにちは、語源大好き・きんぞうです。今日は、2024年4月4日ですので、定期便発信の1日、15日とは異なる、臨時便です。

 

「モーダルシフト」が気になる!

4月1日から、労働基準法の改正により、運送業・建設業を始め様々な業種で時間外労働に上限が設けられ、連日、ニュースが流れています。

そのニュースの中で、「モーダルシフト」という耳慣れない言葉が度々登場しています。

 

国土交通省の定義から

「モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます」とホームページに紹介されています。

blackboardを「ビー・エル・エイ・…」と覚えた中学一年当時の私であれば、「モーダルシフト」もそのまま受け入れたのかも知れませんが、今はそうはいきません。

 

「モーダル」とは?

モーダルシフトという言葉に「シフト = shift(変化・移し替え)」が入っているのは、野球の「大谷シフト」や「シフト(交替制)で働く」などで、自然に入ってきます。

 

では、「モーダル」とは、なんぞや。

クイズ風にいってみましょう。次の語を形容詞にしてみてください。

 

・nation

・accident

・environment

 * * * * *

・globe

・nature

・universe

・culture

 

早速、答えにいってみましょう。

・nation → national

・accident → accidental

・environment → environmental

  * * * * *

・globe → global

・nature → natural

・universe → universal

・culture → cultural

 

上のグループは、基となる名詞にそのまま -al が付く一方で、下のグループでは、発音に参加していない語尾の -e を消してから -al が付いています。

ここまで来ると「モーダル」が見えてきます。

 

・mode → modal

もうすっかり日本語になっている「モード」。でも、意味は、使われる場面で色々と違うこの語。もしかしたら一番広く使われているのは「本気モード」かも知れません。辞書で調べると「方法・様式・方式」などが出てきます。この「モード」の形容詞が「モーダル」となって初めて「モーダルシフト」がすっきりしてきました。「やり方の変更 = (輸送)方法の変更」ではないでしょうか。

 

語幹 mod, mode は一大勢力

語幹 mod, mode の意味を調べると、「大きさや量や寸法を測る = to measure」となっています。

 

そこで一句、

過去・未来、測りは現代、モダンなり

「過去も未来も、現代があってこそ」 現代を基準にして「測っている」ということが伝わってきます。

 

では、語幹 mod, mode を含む語の意味を挙げます。英語にしてみてください。

 

*模型・ひな形・見本

*修正する

*適度な・並みの

*慎み深い

*商品・日用品

*収容する・調整する

 

では、答え合わせへ

 

*模型・ひな形・見本 → model

*修正する → modify

*適度な・並みの → moderate

*慎み深い → modest

*商品・日用品 → commodity

*収容する・調整する → accommodate

 

mod の語源が見えてくると、commodity, accommodate の中に -mm- とm が連続する理由も見えてこられるのではないでしょうか。


commodity = com- + mod + -ity

accommodate = ac- + com- + mod + -ate


このような分解は、お話したくてたまらない状態です。追々、取り上げていきます。

ご安心ください。

 

では、最後に、本日の一句をもう一度、

過去・未来、測りは現代、モダンなり

では、次回4月15日にお会いしましょう。(また、臨時便を出したくなるかも知れませんが...!)