こんにちは、語源大好ききんぞうです。

さて、今日も番外編です。お付き合いください。

語源カルタ取り大会

ご一緒にお楽しみください。

 

 

参加してくださった皆さんからご了解を頂きましたので、先頭の1分をご覧頂きました。参加してくださったのは、高校1年生の男女4名と、英語教室を運営しておられるおふたりの先生です。

 

語源カルタの使用方法

 

① 語源の全体像の話

② 具体的なパーツ(接頭辞・語幹・接尾辞)の話

③ 少し専門的(同化・有声音・無声音など)な話

④ 解説したパーツを使った「語源俳句」の話

⑤ 語源カルタ取り大会

 

この日も、上記①~④をやった上で⑤のカルタ取りに臨んでもらいました。

全体の時間を考え、カルタ取りでは、①~④の手順を踏んでいない札も含めています。そのため、正に「初耳」の単語や俳句が登場しています。

 

なぜ「語源カルタ」に辿り着いたか

語源に真剣に興味を持ち始めて20年以上が経過しました。色々なところで、色々な方々をお相手に語源のお話をさせて頂き、色々なプリントも作ってきました。

多くの場合、興味・関心を示してくださいます。その一方で「そこまでは覚えられない」・「ストレートに覚えた方が私には合ってそう」という声も頂いてきました。

 

道具は肩の力を抜いてゲットを!

 

語源をやっていて、語源の効果に確信が深まるばかりです。また、「単語はあくまで道具」という思いも変わりません。「道具」を獲得するための道具が「語源」だと考えます。

 

効果性には自信があるものの、知識を定着して頂くための方法がなかなか見つかりませんでした。そんな時に、浮かんだのが、日本人の感覚になぜかしらすっと入って来る「五七五調」=「俳句」でした。既に、百首以上が出来ていますし、新しいものも生まれてきています。「一人百首」は越えています。

 

目指すは、全国語源カルタ取り大会です。

 

《動画の中で使用した俳句》

 *黒い板、そのままだよね、ブラックボード

 *調子よし、言うこと終わり、I'm fine!

 *神様が、息を吹き込み、インスピレーション

 *お店へと、人を引き付け、アトラクション

 

少しですが、上の俳句で取り上げているパーツ(接頭辞・語幹・接尾辞)をご紹介させてください。

 

黒い板、そのままだよね、ブラックボード

これは、正にそのままですね。英単語がアルファベットの羅列ではなく、意味のあるものが折り重なってできていることを、シンプルに実感できる素晴らしい語だと思っています。

 

調子よし、言うこと終わり、I'm fine!

語幹は「終わる・終える」を意味する fin です。こう表現すると難しく聞こえますが、「終わる = fin 」と書くと何か浮かんできますね。そうです、finish です。この単語は、語幹 fin に動詞を表す接尾辞 -ish が付いてできた語です。-ish と聞くと、形容詞が浮かんでくると思いますが、flourish, punish, abolish, extinguish, distinguish, vanish などなどたくさんの語があります。

 

さて、語幹の fin からできた形容詞 fine ですが、「終わる」⇒「最終的な状態」となり、「大変元気な・すぐれた・申し分のない」などへと発展しています。語幹の fin のその他の語には、define, refine, confine, definite, infinite, …などたくさんの語があります。是非、追い掛けてみてください。

 *神様が、息を吹き込み、インスピレーション

語幹 spire, spirit = 息をする を取り扱った俳句です。日本語の感覚で「インスピレーション」というと、自分の頭からなにか思い付いたようなイメージになるのですが、英語の世界には、とても崇高な方=神様がおられて、その方が、人間の頭に息を吹き込む、というイメージになります。inspire = 霊感を与える・動機付ける となる理由がそこにあります。また、神様の息がたくさん入った状態が spirit となります。

 

-spire で終わる単語だけを拾っても、inspire, aspire, respire, conspire, perspire, transpire などがあります。辞書で接頭辞を確認すると、単語の意味に納得して頂けると確信します。意味に納得された時は、少しオーバー目に喜んでみてください。きっと意味の定着度合いが高まると思います。

 *お店へと、人引き付ける、アトラクション

語幹 tract = 引く(= to draw)です。attraction = ad- + tract + -ion という構成です。接頭辞の ad- は、語幹の先頭の音に合わせて姿を変えています。意味は方向性を示すだけですので、前置詞の to と思って頂ければいいでしょう。接尾辞の -ion は、名詞を作るよく目にする接尾辞です。従って、語幹の tract が分かると、意味がすっきりと入ってきます。

 

学生時代に、construct, contract あたりの綴りがごっちゃになりそうで困ったことを覚えています。確かに、「ストラクト」にあたる部分の発音をし分ければいいのですが、思うほど簡単にはいきませんでした。あの当時に、辞書で語源で語源の欄を見る癖があれば、と今さらながらに思います。

 

語幹 tract のグループには、attract, contract, track, drag, tractor, extract, retract, subtract, abstract, detract, distract, … などなどたくさんの語が、みなさんを待ってくれています。ぜひ、訪ねていってあげてみてください。

 

俳句の上の句と中の句に、接頭辞や語幹の意味を含め、下の句で単語に巡り合って頂く、これが語源カルタです。俳句が皆さんの頭にこびり付いて離れなくなることを、心より祈っています。楽しくいきましょう!

 

いつの日か、「一人百首」をご紹介させて頂こうと思っています。
では、次回、定期便にてお会いしましょう。