こんにちは、語源大好き・きんぞうです。今回もよろしくお願い致します。前回のアメブロの後、お声を頂きました。ご了解を頂いた上で、個人情報に十分配慮しながらご紹介させて頂きます。

 

*ビー・エル・エイ・シー…について

  「最初から“そうそう!”と手を叩いてしまいました。
      エル イー エス エス オー エン

  中学生になって、初めて習った英語。毎日必死で覚えました。」

 

きんぞうコメント:「エル イー エス エス オー エン」は新種でしたので、思わず指で綴りを書きました。かなりの猛者ですね。

 

*英検1級単語 abdicate, affableなどについて

「挙げられていた英検1級単語、1個もわかりませんでした。見たことあるかなというのも半分ほどで。」

 

きんぞうコメント:この方は1級ホルダーです。受検する時には、きっと覚えておられていたでしょう。語源の視点を加えると、記憶が長く続きます。

 

どちらも、とても嬉しいコメントです。今後も、個人を特定できないようにしながらも、出来る限り原文に近い形で、ご紹介していきたいと思います。お待ちしています。

 

では、本日のお話へ

「単語の中の単語」を楽しもう!

では、早速ゲーム風に!次の単語の中にある単語を言ってみてください。意味も言ってみましょう。徐々にレベルを上げます。挑戦してみてください。

 

例題:blackboard = black, board = 黒板

 1. afternoon 

 2. useful

 3. income

 4. sunny

 5. firefighter

 6. international

 7. export

 8. selfish

 9. secretary

10. enlighten

11. temporary

12. partial

13. conscience

14. alienate

15. evaporate

 

〔分解〕

 1. afternoon = after, noon = 午後

 2. useful = use, -ful = 役に立つ

 3. income = in-, come = 収入

 4. sunny = sun, -(n)y = 陽光一杯の

 5. firefighter = fire, fight, -er = 消防士

 6. international = inter-, national = 国際的な

 7. export = ex-, port = 輸出する

 8. selfish = self, -ish = わがままな

 9. secretary = secret, -ary = 秘書

10. enlighten = en-, light, -en = 教える

11. temporary = tempo(r), -ary = 一時的な

12. partial = part, -ial = 部分的な

13. conscience = con-, science = 良心

14. alienate = alien, -ate = 遠ざける

15. evaporate = e-, vapor, -ate = 蒸発する

これらは、単語の中に、基となる単語がそのままの形で残っているものです。

 

その他に、

・graduate   ← grade

・concentrate   ← center

のように少しだけ変化するものも入れると、その数は数えきれないほどです。正に、innumerable(否定のin- + number + -able)です。

 

では、今日の俳句に進みましょう!

辞書持って、
          前もって言う、
                     プレディクト

単語は predict = 予言する です。

パーツを見ていきましょう。

 

〔覚えておきたいパーツ〕

  *接頭辞  pre-:…の前

  *語 幹  dict, dic:言う

 

〔俳句解説〕

中七(なかしち=五七五の七の部分)に、接頭辞 pre- の意味も、語幹 dict の意味も入るという逸品です!そこで、語幹の dict を連想して頂けるように、語幹 dict で一番有名な単語 dictionary を上五(かみご)に入れました。

ギリシャの哲学者が、分厚い辞書を手にしながら、将来を予言しているような光景を謳ってみました!

(こんなことをしている時、たまらなく幸せになります。変人でしょうか?)

 

接頭辞 pre- も、語幹 dict も本当に最頻出系のパーツです。絶対に損はしませんので、記憶に残してみてください。

 

〔dict, dic = 言う〕

では、語幹 dict, dic が登場する代表的な単語を並べてみます。意味が言えるでしょうか。接頭辞の付いているものについて、辞書などで確認してみるのも、楽しいものです。是非、挑戦してみてください。

 

 1. dictionary

 2. dictation

 3. predict

 4. contradict

 5. addict

 6. indict

 7. verdict

 8. indicate

 9. abdicate

10. dedicate

11. diction

12. jurisdiction

 

〔解説〕

1. dictionary:辞書

dictに、名詞語尾 -ionと -ary が付いてできたもの。「人が言っていることをまとめたもの」という感じ。

 

2. dictation:口述・書き取り

英語の音声を聞いて書きとるテストのようなものがすぐに浮かびますが、基となるイメージは「人が口で言ったことを書きとる」という感じ。

 

3. predict:予言する   

正に、「辞書持って、前もって言う、プレディクト」

 

4. contradict:反論する・矛盾する   

接頭辞 contra- は、「contrary:反対の」で有名。

 

5. addict:中毒にさせる   

接頭辞 ad- は、私の大好きな接頭辞No.1。後日、ゆっくり語らせてください。   前置詞の to と考えれば簡単。方向性を示すだけ。薬物だけでなく趣味などに、どんどん声を出して近付いていく感じ。

 

6. indict:起訴する   

発音注意!インダイト  裁判所(の中)に言いつけに行く感じ

 

7. verdict:評決(・判決)    

前に付いている ver も語幹で「正しい」を意味する。難しいと感じる人は、この語幹が、Thank you very much. に登場していると思うと楽になる。veryは「とても」という意味以外に、He is the very man that I have long wanted to see. veryで      「正にその…」という意味があることも確認してみよう。  

 

8. indicate:指し示す   

     このin- を「…中(へ)」と考えても良いが、

     前置詞 to と同じような意味のin- もあると考えると楽になる。

 

9. abdicate:退位する   

接頭辞 ab- は、abnormal, absent などで有名。「離れる」を意味する。dict を足すと「(王位などから)離れると言う」⇒「退位する」となる。この語は、平成天皇の生前退位の際に、名詞形 abdicationと共に、連日ニュースで流れた語。

 

10. dedicate:捧げる   

接頭辞 de- も、私が大好きな接頭辞。色々意味があるが、「離れて・下へ・完全に」を中心にすれば簡単。dedicateは、「何かの下に自分を捧げます、と言う」そんな感じ。

 

11. diction:言葉遣い・発声法   

dictionaryから-ary を取ると正体を現す語。dict → diction → dictionary の順番に単語が成長しているのが見える。「英国王のスピーチ」に出てきます。探し出してみてください。

 

12. jurisdiction:司法権   

前に付いているjurisの部分は、「法律・権利」を意味する。尚、「権利」のrightと「正しい」のright は同一物。「陪審員:jury」での登場が多い語幹。難しく感じるが、同じ語源に、justやjudge がいることを知ってもらうと親しみが湧くでしょう。     結果的に「正しいことを言う」が司法権、と考えられる。

 

では、今日の語源カルタで締めましょう。

辞書持って、
   前もって言う、
     プレディクト

少しだけ補遺! 前回の1級単語を語ります。

abdicate:退位する   

接頭辞ab- は「離れる= apart, away」 語幹 dic は「言う」 接尾辞 -ate はこの語では動詞語尾。従って全体で「離れますと言う」=「退位する」

 

affable:愛想のいい   

接頭辞af- の基のなる形は ad- =前置詞 to。語幹はfableで「話す= speak, tell, say」。結果として、「(その人に)話しかけやすい」=「愛想のいい」となる。   なお、イソップ物語は、Aesop’s Fables。

 

altruistic:利他的な   

「egoistic:利己的な」の対極の語。一人称主語の I のラテン語が ego。「私!私!」がエゴ。その逆で、alt, ali が「他=other」。アリバイの正式な訳は「現場不在証明」。語源的にみると、「(事件現場の)他の場所にいた」という証明。最後のbi は、生物学= biology のbi。

 

appalling:ぞっとするような   

頭のap-はad- の変化形で方向を示すだけ。語幹は「真っ青 = pale」で、全体としては、「何かが、人を、真っ青になるような状態にする」という感じ。

 

aversion:嫌悪   

「一年が、回ったんだね、アニバーサリー」の語幹「vers = 回す」に、abnormal, abdicate に登場する接頭辞 ab- が付いて、全体として「離れるように回す・回る」。   aversionの動詞 avert は「避ける・背ける」という意味だが、名詞形 aversionが「回避」という意味で使われることは古い用法とされていて、「避けたくなる状態=嫌悪」という意味になっている。

 

最後まで、お読み頂き有難うございました。
4月15日に、お待ちしています。

こんにちは、「アメブロ」デビューの水守勤三(みずもり きんぞう)です。
よろしくお願いします。このブログの目的は、とにかく“楽しむ”こと。英単語を増やすことや語源を難しい勉強にしてしまわずに、発見する楽しさ、繋がる楽しさを経験にして頂ければ嬉しいです。では、早速始めましょう!

 

「ビー・エル・エイ・シー・ケイ・ビー・オー・エイ・アール・ディ」

今から数十年前、中学1年生になったきんぞう少年は、blackboard の綴りを覚えようとしました。そして、「ビー・エル・エイ・シー・...」と唱え続けたのです。

当時の努力を讃えるために、俳句を作ってみました。

『黒い板、そのままだよね、ブラックボード』

さて、皆さんは次の単語をどんな風に覚えましたか、あるいは覚えますか。

actually, anniversary, another, audience

これらは、手元にあった英検準2級用単語集の索引から引用しました。

 

きんぞう少年を登場させましょう。

「another は “another”と覚えました。今なら、不定冠詞の a が other という母音で始まる単語の前なので an になり、結果、an + other  = anotherになっている、と言えます」

 

actually = act + -ual + -ly
 audience = オーディオ + -ence 

 

このちょっとしたステップが「当事者」である時には、なかなか見えないと思うのです。

 

決して、基礎単語だけではありません。1級用単語集の索引から拾ってみます。何が隠れているか見えるでしょうか。

abdicate, affable, altruistic, appalling, aversion

abdicate ← abnormal + dictionary

affable ← fable

altruistic ← alter, alternative, alibi

appalling ← pale

aversion ← version

 

基となる単語にはある程度の難しさのものも出てきますが、1級を目指す状態にあれば、そう手強い単語ではないでしょう。

 

このブログは、これから語彙力を付けようとしておられる方にも、既にかなりの語彙を修得しておられる方にも、もちろん、その中間におられる方にも、楽しんで頂けるものにしていきます。

 

そろそろ、気になって来られましたか。anniversary の説明を飛ばしてきました。

anniversary も分解ができそうです。

 

次の日本語を英語にしてみてください。

「一年の・年々の・年に一度の」・「千年祭」・「私的年金」

「裏返しても使える」・「全世界・宇宙」・「議論を呼ぶような」

 

前から順に、annual, millennium, annuity, reversible, universe, controversial

 

今日は、ご紹介のみにさせて頂きますが、語源を辿ると、

“ann, enn”が「年」を、

“vers, vert”が「回る」 を意味します。
(最後の -ary は名詞を作るための接尾辞です)

結果、anni- + vers + -ary となり、「一年が回ったもの」=「記念日」

 

そこで、これらの材料を覚えやすくするために、一句作りました。

『一年が、回ったんだね、アニバーサリー』

このブログでは、単語の中によく出てくる部品に、五七五の俳句を添えていきます。

「anni が 年で、vers が 回る、だったなぁ~」という感じで親しみを持って頂けると幸いです。

 

毎月1日と15日に、新しいブログをアップします。100回を目標にします。お付き合いください。次回は、4月1日です。