こんにちは、語源大好き・きんぞうです。明日10日が定期発信の日で、既に投稿予約をしていますが、ふと発信したいことが浮かんできました。

 

「日本人は、外国人嫌いだから」

 

5月1日にワシントンで開かれた11月の大統領選に向けた資金集めイベントでの演説の中で、バイデン大統領が、日本が困難を抱える理由として、この言葉を発したと報じられました。内容そのものに関心がわきますが、言葉に焦点を当ててみます。

 

では、実際に、バイデン大統領はどのような表現をしたのでしょうか。

「外国人嫌い」をみなさんはどのように表現されるでしょうか。

Japanese people don’t like foreign people.

でも通じるでしょう。しかし、アメリカの現役大統領の発言としては、稚拙と言われるでしょう。

 

使われた表現は

Because they’re xenophobic.

xenophobic (ゼノゥフォービック・ジーノゥフォービック)を、研究社の大英和辞典で引くと「外国(人)嫌いの、外国(外国人)アレルギーの、他人(外国人)恐怖症の」となっています。名詞形は、xenophobia です。

 

語源の欄には、xeno- + -phobia となっていて、

xeno- = 賓客・異人・外来の・異質の・異種の

-phobia = (病的)恐怖・…恐怖症・…嫌い

となっています。

 

今日は特別版です。シンプルにいきます。

 

次の語を英語にしてみてください。

動物園

科学技術

聖書

曲芸の・離れ業の

閉める〈shutでない方〉

人類学

婦人科

人造人間

 

zoo

technology

Bible

acrobat

close

anthropology

gynecology

android

 

では、怖がりながら英語にしてみてください。

 

動物恐怖症

科学技術恐怖症(新技術使用の恐怖症)

書籍アレルギー

高所恐怖症

閉所恐怖症

対人恐怖症

女性恐怖症

男性恐怖症

 

zoophobia  (ゾウフォービア)

technophobia

bibliophobia (ビブリオフォービア)

acrophobia

claustrophobia (clause:条項・節)

anthropophobia

gynephobia (gynophobia, gynaephobiaもあり)

androphobia

 

アクセントは、すべて-phobia の -pho-に付きますので、意外と簡単に発音ができます。

もとの単語 vs. 恐怖症

zoo -        zoophobia

technology -    technophobia

Bible -       bibliophobia

acrobat -        acrophobia

close -             claustrophobia

anthropology -anthropophobia

gynecology -         gynephobia

android -            androphobia

 

-phobia の逆は、philosophyに登場している philo-です。

 

では、今日の一句、

人いると、怖いよ怖い、アンソロポフォービア

高いとこ、怖いよ怖い、アクロフォービア

狭いとこ、怖いよ怖い、クローストロフォービア

怖いよね、新機種登場、テクノフォービア
 
変化形は、どこまでも作ることができます。ご自由にお楽しみください。

では、また明日!

 

〔編集後記〕

1.technology, anthropology, gynechology 以外の単語にも、-phobia を -logy に換えるて「…学」という意味に換えられるものがあります。例えば、bibliology, androrology。このように、単語を部品に分解して見る が習慣化してくると、初めて出会う単語で、意味が類推できるものが生まれてきます。ぜひ、お楽しみください。

 

2.-phobiaを使った表現をネット上のコーパス Skell で拾ってみると、

suffer from acrophobia, overcome the claustrophobia, confront his gynephobia, symptoms of anthropophobia などがみられます。