こんにちは、語源大好ききんぞうです。新年度が始まり半月が経過しました。新しい環境に飛び込まれた方々も、そろそろ落ち着きを取り戻される頃でしょうか。

今日は、3月28日の発信に続く2回目の定期便です。定期便では、語源を使って頂くというこのブログのテーマに沿って、一歩ずつお話をしていきます。

一方、臨時便は、お伝えしたいという気持ちのままに、高揚感(?)をもって発信することになります。定期便をお読み頂く時の参考にして頂けると思いますので、是非、臨時便も目を通してやってください。

 

では、本編へ。最近のニュースから拾います。

Prime Minister Kishida Fumio addressed the US Congress early today Japan time.

裏金問題で国会が揺れる中、岸田首相が国賓待遇でアメリカに招かれました。アメリカ議会での演説を伝えるニュースです。

 

addressの主な意味を動詞に絞って辞書(研究社)から拾ってみます。

①〈手紙など〉に宛名を書く

②〈会衆〉に演説をする

③〈問題など〉に取り組む

大きく括ると、宛名・演説・対処になり、いわゆる多義語です。

 

突然ですが、語源でクイズ!

address になにが見えますか?

どうでしょうか。dressが浮かんでこられたでしょうか。簡単そうに書いていますが、「selfishには fishが見える」という方はたくさんおられます(正しくはself+-ishでselfが見える、です)から、「addressには、addが見える」という方がおられても全く問題はありません。このブログで、もう少し語源の知識を増やして頂くと、address = ad- + dressと見えて頂けます。ご安心ください。(因みに、addressのアクセントは後ろのレに付きます)

 

前に進むために、少し強引に「addressにdressが見えた」ということにさせて頂きます。

 

次に進むとまた問題です。dress が見えたとしても

addressが持つ3つの意味との繋がりは見えない、という問題です。

辞書の語源欄を覗いてみましょう

そこで、語源の登場です。dressを辞書で引いてみると、語源を紹介する部分に「ストレートを意味するラテン語に由来し、directとも親戚!」という説明が付いています。(意訳が入っています!)

 

dressには“真っすぐ”という意味がある

dress = straight(真っすぐ)という意味を頭に残しおいてください。addressの持つ3つの意味に進む前に、残るad-をご紹介します。

 

接頭辞 ad- は簡単。前置詞の to = …へ

接頭辞のad- のご説明をすると、興奮してしまいます。re-, in-,dis-,com-など結構な数の接頭辞に馴染んでいる日本人が、なぜ接頭辞 ad-をほったらかしにしているのでしょうか。

接頭辞 ad-の意味は、とてもシンプルです。前置詞のtoです。方向性を示すだけです。ほとんど記憶する努力が要らないにも関わらず、登場頻度が異様に高いのです。素直に思います。せめて高校1年くらいの段階で、学校でad-が学べるなら、と。

ご安心ください、ad-はこれから何度も触れていきます。必ず感激して頂けると確信します。

でも、今日は、addressに戻ります。

 

address = ad- + dressで3つの意味へ

接頭辞ad- は「前置詞toで方向を示すだけ」

語幹dressは「straightの意味」

そうすると、address全体の語源的な意味は
「…へと真っすぐ!」ということになります。

ここでaddressの3つの意味をもう一度ご覧いただきます。

①〈手紙など〉に宛名を書く

②〈会衆〉に演説をする

③〈問題など〉に取り組む

如何でしょうか、感激して頂けたでしょうか。

*宛名を書いて投函すれば真っすぐに相手に届く

*演説をすれば言葉が真っすぐに聴衆に届く

*問題があればぐずぐずせずに真っすぐに取り組む

このすっきり感!

努力・繰り返し・根性で語られることの多い英単語記憶が、実は、とても理知的であり効率化が可能なものであることを、このブログを通してお伝えをしたいという理性的な希望を持っています。

それと同じくらい、いやより強い希望に、このすっきり感・感激・感動をみなさんと分かち合いたいという感情があります。

 

では、ここで接頭辞ad-と語幹dressで一句

ドレスなら、床へ真っすぐ、アドレスだ

語源的な視点で見ると、ドレスは、古代ローマが舞台となっている映画などでよく目にする、白い布が肩から床に直線的に垂れ下がっているようなもののようです。

 

接頭辞ad-については、必ず詳しいお話をさせて頂きます。ご安心ください。

また、今日ご紹介しました語幹dressは、もう一段階深く分解することが可能で、dress=dis-+ressになります。directもdirect=dis-+rectとなります。この語幹も広がりのあるものですが、今日は、dressでまとめさせて頂きました。

 

次回は、4月26日(金)発信

初回のブログで「毎月1日と15日に発信」とご案内させて頂きましたが、曜日を優先する方が、忘れずに読んで頂けるのではないかと考え、

「毎月第2・第4金曜日」に発信

とさせて頂くことにしました。

我が町では、紙の収集日と合致し、自分が意識しやすいという面がかなり強くあります。勝手な変更をお許しください。

 

では、最後にもう一度、今日の句を

ドレスなら、床へ真っすぐ、アドレスだ

*接頭辞ad- = …へ(前置詞のto)

*語幹dress = 真っすぐに(=straight)

 

次回、4月26日、お待ちしています。
(また、臨時便を発信するかも知れませんが…!)