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ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年」J・D・サリンジャー著・・・★★★

「バナナフィッシュにうってつけの日」で自殺したグラース家の長兄シーモアが、七歳のときに家族あてに書いていた手紙「ハプワース」。『ライ麦畑でつかまえて』以前にホールデンを描いていた短編。

 

仕事の繁忙期を乗り越えたものの、すっかり体力、気力を奪われてしまい読書熱はダダ下がり。。。

1ヶ月ぶりの更新となりました。

が、、、また厄介な本を選んでしまった。。。

 

先日、久しぶりに「ライ麦畑でつかまえて」を読み、改めてサリンジャーの「謎」に興味を惹かれ本書を選んだものの、、、惨敗。

やっぱり、訳分からん。。。

 

本書は「ライ麦~」の主人公ホールデンが登場する作品(こちらの方が「ライ麦~」よりも先)の他、9編からなる短編集である。

 

朦朧とした意識で何とか読了したものの、字面をなぞっただけで作者の企図は全く理解不能。

「ライ麦~」と同じく、とりとめのない話がづらづらと並びオチも無い。

 

こういう時はAmazonの一流読書人たちのレビューを見るに限る、、、

、、、が、やっぱ分からん。。。ort

 

言える事は、サリンジャーという人は常人じゃない事は確か。

サリンジャー作品を細部まで分析し、その精神状態を解剖すれば凡人にも理解できるかもしれないが、私にはそれ程の興味は無い。(・_・;)

 

次は昨年話題になった国内ミステリィです。

 

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「永遠についての証明」岩井圭也著・・・★★★☆

特別推薦生として協和大学の数学科にやってきた瞭司と熊沢、そして佐那。眩いばかりの数学的才能を持つ瞭司に惹きつけられるように三人は結びつき、共同研究で画期的な成果を上げる。しかし瞭司の過剰な才能は周囲の人間を巻き込み、関係性を修復不可能なほどに引き裂いてしまう。出会いから17年後、失意のなかで死んだ瞭司の研究ノートを手にした熊沢は、そこに未解決問題「コラッツ予想」の証明と思われる記述を発見する。贖罪の気持ちを抱える熊沢は、ノートに挑むことで再び瞭司と向き合うことを決意するが――。

 

インスタで見つけた高評価の一冊。

未解決の証明問題に憑りつかれ、研究ノートを残し死んだ若き天才数学者とその仲間たちを描いた作品。

 

目新しさは無いもののストーリーはまあまあ面白かった。

 

私自身、数学は苦手だったが証明問題は割りと好きだった。

一つだけの答があり、そこにたどり着くまでのパズルのような論理的思考法が面白かった。

 

世の中の問題も答えが一つだけだったら簡単なんだけどねぇ。。。

 

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永遠についての証明 永遠についての証明
1,620円
Amazon

 

「ライ麦畑でつかまえて」J・D・サリンジャー著・・・★★★★☆(再読)

インチキ野郎は大嫌い! おとなの儀礼的な処世術やまやかしに反発し、虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市ニューヨークの街を、たったひとりでさまよいつづける16歳の少年の目に映じたものは何か?

 

800冊目となり、何を読もうか?と考えたが、大作に挑む気力も時間も無く、再読したいと思っていた本書を10年ぶりに読んでみた。

 

本作は言わずと知れた青春小説の名著と呼ばれる作品で、多くの人に読まれているにも関わらず、これ程謎の多い(解釈が難しい)作品も珍しいのではないだろうか?

 

本作に関する解説書も出ている位だが、もしタイトルの出所となる、主人公の”僕(ホールデン)”と”妹(フィービー)”の会話が無ければ、これ程有名にはなっていなかっただろうし、ただのつまらない青春放浪記になっていたかもしれない。

 

このたった数行のセリフだけで単調だった作品がガラリと様相を変えてしまい、ホールデンの言動の細部にまで謎が隠されているのではないか?と深読みしたくなる気持ちも分かる。

 

本作を読者がどう解釈しようとも本意は作者にしか分からないだろうし(私も分からない)、傑作 or 駄作だと判断するのも読者次第で構わないだろうが、時代を超え多くの人に読み継がれている事に変わりは無く、これからもそれは続いていくんだろう。

 

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「朽ちないサクラ」柚月裕子著・・・★★★☆

警察のあきれた怠慢のせいでストーカー被害者は殺された!?警察不祥事のスクープ記事。新聞記者の親友に裏切られた…口止めした泉は愕然とする。情報漏洩の犯人探しで県警内部が揺れる中、親友が遺体で発見された。警察広報職員の泉は、警察学校の同期・磯川刑事と独自に調査を始める。次第に核心に迫る二人の前にちらつく新たな不審の影。事件には思いも寄らぬ醜い闇が潜んでいた。

 

「孤狼の血」で男臭い警察組織を見事に描いた著者の2015年の作品。

 

本作も「孤狼の血」と同じく警察内部のダークな面を描き、単なる事件解決型作品とは異なり著者の特色が出ていた。

主人公は警察官ではない広報の女性職員が、男社会である警察組織に挑む構図で、迫力は「孤狼の血」には及ばないものの、プロットの良さが光る作品だった。

 

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「ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯」クレア・キップス著

第二次世界大戦中のロンドン郊外で、足と翼に障碍を持つ一羽の小スズメが老婦人に拾われた。婦人の献身的な愛情に包まれて育った小スズメは、爆撃機の襲来に怯える人々の希望の灯火となっていく―。

 

この本は読書関連のインスタで見つけた本で、投稿者の評価が高かったので読んでみた。

 

第二次世界大戦中、夫に先立たれたイギリス人女性ピアニストが自宅前で傷ついていた子スズメ(クレランス)を助け育て、12年のスズメの生涯を記録したドキュメント作品である。

 

著者の愛情を注がれ育ったクレランスは少しづつ成長し、やがて自分が人間だと思い込んだようにカードやマッチを使った芸やピアノに合わせ歌い、著者の心の支えとなり、戦争に怯え落ち込む人々に束の間の笑いを提供する。。。

 

小さく知能が無いように思っていたスズメに、このような能力や感情表現が有る事に驚き、それを注意深く観察し記録した事に感銘した。

 

スズメで思い出したが、20数年前、新婚旅行で行ったハワイのホテルのテラスで朝食を食べていると、パンをねだってスズメたちが何の警戒も無く近寄って来た事に驚いた。

日本にいるスズメたちは、人が近寄るとすぐに飛んでいってしまうが、ハワイのスズメはリラックスした人間たちの感情を察するのだろうか?

 

こんな小さな生き物でも、思っている以上に人間とのコミュニケーション能力は高いのかもしれない。

 

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「探偵ガリレオ」東野圭吾著・・・★★★

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学、常識を超えた犯罪と謎に天才科学者が挑む。

 

肩の凝らない本を読もうと思い本書を手にとった。

福山雅治が演じた湯川教授でお馴染みの「ガリレオシリーズ」第1作。

 

5作からなる連作短編で、頭が突然燃え出したり、海で爆発が起こったりと、怪現象が起こった事件の謎を、湯川教授が科学的に解決していく。

 

ガリレオシリーズの第3作目で直木賞受賞作「容疑者Xの献身」は傑作として名高いが、本書では人物よりも怪現象に焦点が当てられ読み応えには少々欠ける。

まあ、肩が凝らないと言えば凝らないが。。。

 

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「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」スコット・ギャロウェイ著

GAFAが創り変えた世界の姿とは。この激変を予言した著名教授が断言する、次の10年を支配するルールとは。

 

先日読んだ「amazon 世界最先端の戦略がわかる」に続き世界的ベストセラーとなったビジネス本。

GAFAとは、Google、Apple、facebook、amazonのネット世界を変革した4社の事である。

 

著者はニューヨーク大学でブランド戦略とデジタルマーケティングを教え、自らも9つの会社を起業し、他社の役員も歴任している。

 

Googleはネット検索や位置情報などを通じて、ユーザー1人1人の興味と疑問と行動の膨大なデータを蓄積し、何をユーザーが欲しているのかを分析し、個人情報をお金に換えた。(最近はamazonに奪われつつある)

 

Appleは難しくダサかったパソコンを、シンプルな操作とカッコいいデザインのMacでPC業界にデビュー、iPodは音楽をCDからネット配信に変え、iPhoneにより携帯電話を高級ブランド品に押し上げ、スティーブ・ジョブスはApple教の教祖となった。

 

facebookは人と人を結び付け、あっと言う間に世界最大(20億人)のSNSとなり、1人1人の投稿やいいね!を分析し、その人間のネットワークやライフスタイル、何に興味を持っているのか、を分析している。

 

amazonは本の通販からスタートし、今ではありとあらゆる物を揃えるワンストップショッピングサイトに成長し、ロジスティックにも手を伸ばし、流通に革命を起こそうとしている。

 

本書はそれら4社のこれまでの成長の軌跡と要因、課題と将来の予測が解説されている。

4社以外にも、テスラやウーバーなど将来革命を起こす可能性のある企業も紹介している。

 

さすが専門家の著書だけあって的確で分かり易く、GAFAを理解するにはおすすめの1冊だと思う。

 

追記:

先日読んだ「BUTTER」に影響され、やむにやまれず成城石井でカルピスバターを購入。

早速、本にあった通りご飯にのっけて、醤油を少々かけて食べてみた。

う~ん、微妙。。。

バターのこってりさは無く、牛乳を固めたようなあっさりした上品な味。

私には向いてないな。

結局パンに塗り、ハチミツかけて食べてます。。。ort

 

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「タンポポ団地」重松 清著・・・★★★

取り壊しが決まった団地に暮らす祖父を訪ねた六年生の杏奈。そこはかつてドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』のロケ地だった。夢の中で主演の少年、ワタルくんに出会ったことをきっかけに、杏奈と祖父、そして住民たちは、団地をめぐる時空を超えた冒険に巻き込まれて―。大人たちが生きた過去への憧憬と、未来へ向かう子どもたちへの祝福に満ちたミラクルストーリー。

 

本作は1973年の団地を舞台にしたTVドラマ「たんぽぽ団地のひみつ」の撮影に関わった人たちと、その子供達のストーリーである。

 

付き合いの長いオヤジたちが集まると、必ずと言っていい程出る話題が「あの頃・・・」の話である。

私自身も、小学生~青春期を生きた1960年代後半~80年代の日本が最も輝いていた時代の記憶は、2~3年前の記憶よりも良く憶えている。(年食った証拠)

 

このストーリーも不便だったけど人と人の繋がりがあって、ワイワイやってたあの頃の楽しさを懐かしんでいる。

中学生位が対象のようなファンタジー作品だが、そういう意味ではあの頃の子供向けかもしれない。

 

着想は良いものの、話のつながりがぎこちない感じと、結局子供向けなのか大人向けなのか?が中途半端な感が否めず評価はいまひとつです。

 

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単行本は「たんぽぽ団地」、文庫版は「たんぽぽ団地のひみつ」

 

「華氏451度」レイ・ブラッドベリ著・・・★★★☆

華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく……

 

著者(1920-2012)は主にSFや幻想小説を書いたアメリカの作家で、本作(1953)は代表作として高い評価を受けている。

 

消防士ならぬ昇火士たちが思想や知識を封じる為、本を隠しもった家を焼き払う(梵書)というもので、作風はジョージ・オーウェルの「1984」や「動物農場」に似ている。

 

ストーリーは単純で登場人物も少な目。

SF作家という事で綿密な描写を想像していたが、抽象的表現が多く幻想的で寓話的でもある。

思想弾圧をする国は現在でも実存するが、ネット社会で情報が溢れている私たちにとっては遠い国の非現実的な話としか感じないのが正直なところ。

 

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「amazon 世界最先端の戦略がわかる」成毛 眞著

「何が勝って、負けるのか」ビジネスの基礎知識も身につく!この一社を知ることは、最新のビジネス感覚を身につけることと同じ。

 

久しぶりのビジネス本。

 

普段ネットを使っている人なら1度はネット通販を利用した事があると思うが、amazonが他の(楽天とか)通販会社と何が違うのか?を知っている人は少ないかも知れない。

私も本書を読んで初めて知ったが、amazonの稼ぎの源泉は通販では無い。

 

amazonの現在の利益の源泉はAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)というクラウドコンピューティングサービスから得ている。

 

通販も、楽天は、商品の出品~配送は各店舗が行い、楽天は出店場所を貸しその賃料で収益を得ており、amazonは自社倉庫を持ち在庫の管理~販売を自社で行っていて、同じ通販会社でもビジネスモデルは全く異なっている。(amazonでもマーケットプレイスという出店形式がある)

 

そして将来的には無数と言う程の事業展開を目論見その準備が着々と進められている。

身近のところで言えば、創業者のジェフ・ベゾスが「自社はロジスティク企業だ」と言うように、運送事業である。

日本では現在、amazonで買った商品は委託(ヤマト運輸とか)しているが、アメリカ本国では倉庫~個別配送までを自社で行おうとしている。

 

その他にも、生鮮食品販売、アパレル販売、無人コンビニ(アマゾンゴー)、金融・・・etc、と流通を中心とした関連事業に次々と手を伸ばしている。

 

その原資となるのが潤沢なキャッシュフローで、設備投資や研究開発に莫大なコストを掛ける事が可能になっている。

 

現在、世界の時価総額(株価×株式数、幾らでその会社が買えるか)ランキングの上位をGAFA+M(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル+マイクロソフト)が占めている。

ちなみに、日本企業の最高位はトヨタの45位。

しかし、利益額を比較するとamazonはトヨタの1/8にしかすぎない。

amazonは将来の成長性を期待され企業価値が高い訳である。

平成元年のバブル期はその上位の殆どを日本企業が独占していたので、この30年で世界の勢力図と産業構造は一変してしまった。

その中でamazon はトップを走り、帝国を築きあげようとしている。

 

今後、IoTやAIの進歩、キャッシュレス決済の普及などにより、amazonは益々身近な存在になるのかもしれない。

恐るべし、amazon。

 

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