811冊目 月と六ペンス/サマセット・モーム | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「月と六ペンス」サマセット・モーム著・・・★★★☆

あるパーティで出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十をすぎた男が、すべてを捨てて挑んだこととは――。

 

本作(1919年)はイギリス作家・モームの歴史的名著として評価され、大ベストセラー作品でもある。

 

主人公である画家ストリックランドの生涯を友人の作家が一人称で綴っている。

ストリックランドはゴーギャンがモデルとされているが、実際の生涯とは相違点が幾つもあるらしい。

 

ストリックランドは仕事や家族を捨て、人の善意を拒否し、頑なに自分の生き方を貫き最後まで画家として真理を探求した。

 

本書にはストリックランドの本心も真理も描かれていないが、他人を拒否し、己の命まで削って真理を探求する姿は読む者に「おまえの人生はそれでいいのか?」と問い掛けをしているような感じがする。

 

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